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【Vol.104】新取締役2名に聞く、攻守両輪で加速する成長への決意

2025年6月、さらなる事業成長を目指して、新取締役として安河内亮と北川雅巳が就任しました。
※プレスリリース:リノベる、経営体制を強化
https://www.renoveru.jp/corporate/news/20250625
取締役が新たに就任することで、リノベるはこれからどんな未来を描いていくのか。これまでの二人の挑戦や実績と共に抱負を聞きました。
さらなるチャレンジに向けての体制強化
―まずはじめに、おふたりが取締役に選任された背景についてどう捉えていますか?
安河内:リノベるは2010年の創業以来、スタートアップ企業として15年走り続けてきました。当初のベンチャー感あふれるステージから、現在は、社会に対して信頼や安定感を発信していくフェーズへと脱皮している最中だと感じています。ミッション実現を見据えて、挑戦の質と量をさらに高めながら、土台作りも着実に行う。そのための選任だと捉えています。
私に対しては、既存事業に並ぶ新規事業の拡大と、経営企画やコーポレートのレベルアップ。この両軸で挑戦のしやすさを構造的に支えることが期待されていると理解しています。
▲安河内亮。新取締役。中央大学経済学部卒業後、株式会社ベンチャー・リンク、株式会社FCEトレーニング・カンパニー代表取締役を経て、2019年、リノベるの執行役員に就任。
北川:この15年で事業基盤は着実に固まってきましたが、まだまだ大きく成長し、事業領域を拡大していくために、体制を強化することが求められています。既存事業の深化はもちろん、新たな領域まで挑戦できる可能性が十分にあります。新体制のもと、その可能性を着実に形にしていくことだと捉えています。
▲北川雅巳。新取締役。国際基督教大学教養学部卒業後、三井物産株式会社に入社。情報産業本部戦略企画室長などを経て、2021年、リノベるの執行役員に就任。
―取締役就任にあたり、代表の山下さんから何か言葉はありましたか?
安河内:山下さんは自身のFacebookで、『「任せてください。なんでもやります。全部やります。」と言って本当に全部やってきてくれた。』と書いてくれました。実際に2019年に入社する際、「リノベるのミッションを実現したい。実現に向けて必要なことは全部やります」という話をして入社した経緯があります。結果的にこの6~7年で様々な役割を任せてもらい、貢献するきっかけを得られたことは大きな経験です。入社時の言葉を覚えていてくれたことがわかり、伝わっていたんだなと印象に残りました。
北川:会社全般の今後の成長を広く見ながら、特に事業収益の柱となっている住宅・不動産・CREの3つの領域で、大きな成長と収益を上げてほしいというお話が山下さんからはありました。私自身がこれからやっていきたいことと合致していて、全力を注ごうという気持ちになりました。
▲Facebookに投稿された代表山下のメッセージ。
採用プロセス変更や全社総会開催など、変革に取り組む
―リノベるに参画されてからこれまで担ってきた役割を教えてください。その中で印象に残った出来事や挑戦はどのようなことでしたか。
安河内:入社した当初はHR・ブランド領域を担当し、入社当初、約30%あった離職率の改善に取り組みました。採用プロセスの刷新や、各部門でのオンボーディング推進などを、多くの方と一緒に進めることができたことで離職率は10%台前半まで落ち着きました。その後、フランチャイズ店舗の支援部門や、新規事業開発を経て、約2年間、個人向けのリノベーションサービス「リノベる。」を管掌しました。現在は引き継いで、新たに経営企画やテクノロジーにまつわる領域を担い始めているところです。
印象に残っていることは、「組織文化をどう築くか」「働くことに誇りを持てる土壌をどうつくるか」に全社で取り組んでこれたことかなと思います。
また、個人向けサービス部門でお客さまの声を直接聞く機会が増えたことや、次の成長の柱となり得る新規事業の立ち上げに深く関わったことも、印象に残っています。
北川:2021年に執行役員として参画してから、経営企画本部にて経営管理の安定化に務めました。2023年から現在は、住宅リノベーションプラットフォーム・不動産事業・CREリノベーションプラットフォームの3つの領域を管掌しています。
特に心に残っているのは、コロナ禍という時期にみなさんと共に会社に活気を取り戻すことができた経験です。当時、私は経営企画本部の立場でリノベるに加わりました。先行きが見えない中で私ができたことは、全社総会で直接メンバーの皆さんと対話して「リノベるには十分なポテンシャルがあり、一人ひとりが役割を果たせば間違いなく事業はより成長する」と伝え、持続的に成長する意味を深く理解してもらうことでした。利益を出すことでリノベるは存続し、成長する。それが、私たちが掲げるミッションを実現するために不可欠だということを繰り返し伝えてきました。
その後コロナも収束に向かい、経済が平常時に戻ってくると、業績もしっかり回復に向かっていきました。何より嬉しかったのは、困難な状況下でも、多くのメンバーがそれぞれの仕事に真摯に取り組み、全社に一体感が生まれたことです。あの時期を乗り越え、共に未来を切り開けたことは、私にとっても良い経験になったと思います。
同時に、成長資金としての資金調達も行い、事業の回復と並行して財務基盤の安定化を実現することもできました。ベンチャー市場への資金の流入が収縮する中でも、多くの投資家の方々にリノベるのミッションと成長性を評価いただいたことに感謝しています。この3年は毎年最高益を更新する勢いですが、これもお客さま、投資家、メンバー全員の支えがあってのことだと感じています。
―リノベるに参画される以前のおふたりのキャリアを教えてください。どんなきっかけで関わることになったのでしょうか。
安河内:新卒で入社した企業では、フランチャイズのスーパーバイザーを経て、人事領域でキャリアを積みました。その後、人事コンサルティング会社を経営したり、子ども向けインターナショナルスクールの立ち上げも行いました。
リノベるとの関わりは、新卒時代の上司である大森さんが山下さんと共にリノベるを創業したことからでした。人事コンサルティング会社を経営していた際、大森さんを通じて「新卒採用を強化したい」という相談を受け、2014年から2年間ほど、リノベるで新卒採用の立ち上げに関わりました。新卒2~3期生は、当時私が採用に関わったメンバーです。
北川:私のキャリアは長年勤めた商社での経験が下地になっています。多岐にわたる事業投資に携わり、グローバルな視点と多様な事業を推進する力がそこでは求められました。私にとっては、非常に大きく貴重な経験だったと、ありがたく思っています。
商社を退職後の約2年間は新規事業の準備・立ち上げに取り組んでいましたが、一方で、コロナ禍での劇的な環境変化がありました。そんな中、以前からのご縁で、業界でユニークなポジショニングを持ち、未来に向けたミッションをぶれずに掲げるリノベるのポテンシャルをサポートする機会が巡ってきました。これまで培った経験や知見が、成長フェーズにおいて最大限に活かせればと思い、ジョインに至りました。
「Win-Win or No Deal」「常にフェアで、信用に値するふるまい」を判断軸に
―ミッション実現に向けて、おふたりが大切にしている価値観や判断軸を教えてください。
安河内:リノベるのバリュー「中(うち)から目線。」は、私自身が言語化に深く関わったこともあり、体現し続けたい価値観です。判断軸としては「Win-Win or No Deal(※)」を大切にしています。長期的・継続的に関わる人たちとWin-Winな関係を構築できるかを常に考え、自分に問うようにしています。その確信が持てた時は選択が効果的だと捉えますが、実現が難しそうだと判断した時は「No Deal」を選択する勇気を持つことも同時に考えています。
※取引を行う双方が満足できる利益を得られない場合、取引をしないという選択肢も考慮するという考え方。
北川:グローバルでスケーラブルなビジネス経験を重ね、「常にフェアであること」と「信用に値するふるまい」が大事で、この2つがビジネスの根幹をなすという信念を持つようになりました。自分の利益に固執して取引を進めようとすると、最終的にはうまくいかなくなること、フェアでなければものごとは前に進まないことを実体験として見てきました。また信用がなければ人間関係もビジネスもつくれない、信用を得るには最後は人として正しいことが出来ているかが問われることも学んできました。お客さまやパートナー企業の皆さま、メンバーなど、関わる方々との様々な場面でも、この2つを基本軸に動いています。
―おふたりの個人ミッションは何ですか。仕事を通して個人として成し遂げたいことを教えてください。
安河内:私は個人として「多くの働く人たちを、たくさんの子どもたちの憧れの的にする」というミッションステートメントを掲げています。これをどう実現するかを考えた時、日本初のサービスを数々生み出し、それを世界に届けることができたら、達成するんじゃないかと思ったんですね。なぜなら、そんな会社で働く人たちは、きっと生き生きとし、毎日が楽しいと思える状態にあるだろうと。その背中を見た子どもたちが、働くことに希望を持ち、社会に出ることや大人になることを楽しみにできたら、良い連鎖を起こすのではないか。そのくらいダイナミックなことができたら、自分自身のミッションを果たせるのではないかと思っています。
山下さんからリノベるの今後のロードマップを聞いた時、「世界へ」ということも語られていました。それは自分自身のミッションにもつながると、当時も今も感じていることです。
北川:世の中が変化していくなかで、常に新しい商品やサービスが求められ、生まれてきます。そうしたものを、「求めている人たちにスムーズかつ、なるべく早く届けたい」と若い頃から思っていました。商社時代は貿易やベンチャー事業への投資を通じて取り組んできました。今の日本において、リノベるが提供するサービスは、まさに時代の要請に応えるものだと感じています。個人のお客さまにも、法人のお客さまにも、安心してサービスを使っていただけるよう、私にできる支援を行っていきたいという思いです。
―お互いをどう見ていますか。それぞれの強みや個性をどのように感じていますか。
安河内:ひと言でいうと「ジェントルマン」ですね。豊富なビジネス経験に裏打ちされた鋭い洞察力をお持ちだと感じています。冷静でスマートですが、メンバーとのコミュニケーションや家族を大切にされる姿を見ていると、とても人間味のある方だと感じています。事業と組織は両輪だと思っていますが、この両輪のどちらにおいても、北川さんはPDCAを回すスピードや、問題になり得ることを早めに予見し、手を打つスピードがとても速い。ここ数年間、リノベるが安定成長を続けられた裏には、間違いなく北川さんのこうした手腕があると考えています。
北川:安河内さんはピープル&カルチャー本部(P&C本部)で人財戦略・ブランド戦略を率いておられますが、特に若いメンバーに寄り添い、モチベーションの底上げをされています。わかりやすい言葉で伝えるべきことを伝え、様々な角度から気づきを与え、一人ひとりが将来を考えていけるように導く。人や組織の動かし方を研究し、それを踏まえたうえでの言葉遣い、言葉選びが本当にすばらしいです。実際、安河内さんが担われたこの数年、社内のモチベーションサーベイの結果も格段に上がっています。ミッションを軸にベンチャーとしての組織の一体感が非常にいい雰囲気になっていることを感じますし、それは安河内さんなくしてはできなかったことだと思います。
新たなチャレンジへのサポートに、それぞれの立場で全力を尽くす
―取締役に就任し、挑戦・強化したいことについて教えてください。
安河内:冒頭でもお話ししましたが、リノベるは持続的な成長はもちろん、社会から信頼や安定感も求められるフェーズに突入していると捉えています。その中で事業成長の機会はたくさんあり、既存領域や新規事業領域の成長に加えて、M&AやJV(ジョイントベンチャー)の活用、パートナーシップを通して多くの方々とともに可能性を広げていきたいと思っています。
そのためには、経営企画やファイナンス、コーポレートでサポートできる体制を今まで以上に強化していく必要性を感じています。現在は外部のアドバイザーの皆さまに力をお借りして体制構築をしているところです。私としては、さらなるチャレンジへのサポートができる土台強化を特に進めていきたいです。まずはこの2~3年で、上場企業レベルの体制づくりを目指すことが重要になってくるのではないでしょうか。
北川:リノベるはそのミッションを実現していく上で「社会の公器」として、お客さまの暮らしと社会に貢献し続ける会社であるべきだと信じています。私たちの成長は、ひとえにお客さま、社会、そしてすべてのパートナーの皆さまからの信頼に支えられてこそのものです。企業としての透明性と信頼性を高め、その役割をさらに広げていくことが、私たちの目指す場所だと思っています。
私自身は、「柔軟な発想と結果へのコミット」をモットーに、スピード感と力強さをもってリノベるを進化させていきたい。社会のニーズに応え、独自のサービスを現場で実現し、お客さまの期待を超えて安心と価値を創りだしていきたいと思っています。
先ほど触れたグローバルでスケーラブルなビジネス経験を、今後は本格的に、ベンチャーであるリノベるの機動力や柔軟性、そして挑戦的な企業文化と融合させながら、独自の強みを生み出していきたいと考えています。すでによいスタートとして、積水化学工業さまとはZEH水準リノベーションで協業し、三菱HCキャピタルさまとは都市の再生事業に特化した新事業の検討を、それぞれ共同で推進しています。こうしたパートナーシップの構築において、自分のこれまでの多様なプロジェクトでの経験や知見が生かされたのではないかと感じています。
大企業の持つ信頼性と専門性をお借りして、新しい事業領域を一緒に実現する戦略を描き、一歩一歩実現しているのは、ベンチャー企業の中ではめずらしく、リノベるの大きな強みです。これにより、お客さまにはより品質が高く、安定したサービスを提供できるとともに、法人のお客さまにはこれまで以上にスケールの大きな、信頼性の高いパートナーとして評価いただけるのではないかと確信しています。
―最後に、おふたりのこれからの意気込みをお聞かせください。
安河内:2019年リノベるにジョインした時、「ミッションの実現に自分自身のビジネス人生を注ぐ」と決めて入りました。その想いは今も変わっていません。
事業の成長、組織の進化、パートナーとの共創。そのすべてに挑戦し続け、リノベるを「日本にとってなくてはならない会社」にしていきたい。
そして、ここで働く一人ひとりが、「リノベるで働いている」ことを誇りに感じ、その背中を見た子どもたちが憧れるような連鎖をつくっていきたいと思っています。
北川:この新たな体制により、リノベるはより力強く、飛躍を遂げていきます。日本の暮らしの未来をよりよくする仕事に挑戦できることに喜びを感じています。
リノベるの成長の原動力は、お客さまの声に真摯に耳を傾け、現場で汗を流すメンバーの知恵と情熱があってこそ。メンバー1人ひとりが日々の仕事にやりがいを感じ、新しい挑戦ができる環境を整えることは、経営陣の最も重要な使命だと思います。会社の成長と経営強化を推し進めることで、チームワークを最大化し、メンバーの皆さんがリノベるの一員であることに誇りをもち、高いモチベーションで仕事に取り組めるよう、全力を尽くしたいと思います。