10人が家を買おうとした場合、
9人が新築住宅を買い、
1人が中古住宅を買います。

この村には、現在
450軒の家がすでに建っていて
そのうち、8軒に1軒が空き家です。

今までこの村には家が足りなかったので、
村をあげて一生懸命、住宅をつくってきました。

10年前までは、毎年10軒近く建てられていました。
しかしその結果、
今は家が余って空き家になってしまっています。
それでも、家は建てられ続けているのです。

なぜなのでしょうか？

その理由の一つは村の1000人のうち
10人に1人が、建築・不動産に関わる
仕事をしているから。

村長はそう簡単に
「もう家は建ててはいけない！」とはいえません。
そんなことを言ったら多くの人が失業してしまいます。

この村の家のうち
100軒がマンションだとすると、
その100軒のうち
40軒は築20年以上のものです。

マンションは約20年で建物の価値が
ゼロになるといわれています。
本当はあと40年ほどは十分に使える建物なのに
それは、粗大ゴミ以上の邪魔物扱いをされています。

今1000人いる村の住人は、
50年後には、650人に減ると予想されています。
一方で時間が経つごとに築20年以上の
古いマンションの空き家はどんどん増えています。

そこで村長は考えました。
「これを有効に使っていくべきだ」と。

こんなことから、この村では
「今あるものを再生しながら上手に使っていこう」
という考え方に変わっていきました。

これなら、家を再生するのに人材も必要なので
雇用も守れます。
いろいろなものを使い捨てるのではなく、
リサイクルするという考え方が
だんだん村の中に浸透していきました。

そして中古住宅は
価格が安いという理由もあって
今では
10年前と比べて、
築20年以上のマンションが
より売れるようになっています。

ただ、中古マンションは売出し当時の
人の暮らしに合わせた間取りや
デザインになっていて
そのまま住むと窮屈で住みにくいものです。

昔の暮らしに合わせてつくられた家に
自分を合わせて暮らすより､
それぞれの暮らしに合わせて
家をつくりなおすほうが楽しくて幸せになれる｡ 家をつくりなおすほうが
楽しくて幸せになれる｡

せっかく買う家。多くの人にとって
一生に一回の大きなお買い物。

家を買うということは、その後の暮らしや
家を買うということは、
その後の暮らしや
そこで生み出される時間を買うということなんです。 そこで生み出される時間を
買うということなんです。

理想の暮らしや
夢を叶えるリノベーション。
村の人々が幸せに
暮らしていくために……。