【Vol.106】協業2年の現在地。お客さまの暮らしから見えた「良質なストック」の価値(積水化学工業×リノベる)

2025.09.29
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「日本の暮らしを、世界で一番、かしこく素敵に。」のミッションのもと、リノベるでは、個人・法人・産業支援の3つの領域でリノベーションプラットフォームを構築し、「課題を価値に」変えるリノベーションを提供しています。

2023年にリノベるは、セキスイハイムブランドで知られる大手住宅メーカーの積水化学工業と資本業務提携を締結し、「ZEH水準リノベーション※」の中古マンションの提供をスタートしました。提携以来『良質なストックが流通する循環型住宅マーケットの創造』を目指し、協業に取り組んでいます。

協業開始から2年。両社が目指す循環型住宅マーケットの現在地を探るべく、前半では、両社が手がけたZEH水準リノベーション住宅にお住まいのご夫婦へ、住み心地についてインタビューを行いました。

※ZEH(ゼッチ)水準リノベーションとは?
ZEHは、「net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略語。両社が提供する「ZEH水準リノベーション」とは、「正味のエネルギー収支ゼロ以下を目指す」ZEHの3つの要素(①住宅の高断熱化②住宅設備等の高効率化③創エネルギー)のうち、③創エネルギーを除いた①高断熱化と②高効率化の基準を満たす「ZEH Oriented」に適合した省エネ性能向上リノベーション。

お客さまプロフィール

U様邸1                     ・Uさん
・70代ご夫婦
・2023年にリノベると積水化学が手がけたZEH水準リノベーション物件(本物件)を購入

光熱費と快適性が魅力。住んでみて初めて分かったこと

ーまずは、物件探しの経緯から教えていただけますか?

Uさん妻:軽井沢から引っ越してきました。もともと神奈川県に住んでいたのですが、子どもの独立を機に軽井沢に移住し、戸建てで約20年暮らしていました。ですが、軽井沢は車社会で、だんだん運転が負担になってきたので、以前暮らしていたエリアに戻ろうと思い、家探しを始めました。

Uさん夫:中古マンションを中心に探していて、同じエリアで7、8件ほど内覧しました。リノベーション済みと言われている物件も見ましたが、壁紙や設備など表層は新しくなっていても間取りが使いづらかったりして、しっくりくる家には出会えていなかったんです。そんな時、息子が見つけてくれたのがこの家です。ここは、入ってすぐ、暮らしのイメージが湧きました。予算よりやや高く築年数も経ってはいましたが、初めて暮らしている姿が想像できたこの家に決めました。

U様邸 (1)

ー2年ほどお住まいになって、ZEH水準リノベーション住宅の住み心地はいかがでしょうか?

Uさん妻:とても快適です。中でも一番魅力に感じているのは、やっぱり光熱費ですね。

Uさん夫:例えば、7月~8月の1か月間の電気とガスを合わせた料金は7,956円でした。エアコンはリビング、書斎、寝室にそれぞれ1台ずつ。リビングのエアコンは夏場ほとんどつけっぱなしで、設定温度も25度の強設定にしています。家にいる時間も長いので、使用時間は多い方だと思いますが、安いですよね。

Uさん妻: 書斎や寝室でも時々エアコンをつけていましたが、それでも1万円以下だったのには本当に驚きました。後で「間違いでした」と請求がくるんじゃないかと心配したくらいです(笑)。

Uさん夫: エアコンをつけていない状態で帰宅しても、確かに暑さはありますが我慢できる程度。断熱性能の高さを感じますね。

Uさん妻: 冬も本当に暖かいですね。帰宅したばかりでも暖かく、軽井沢の頃は必需品だったこたつも不要になりました。むしろ暖房をつけ忘れることがあるくらいで、足の冷えも全くなくなりました。

ー本住宅で実施した実証実験では、2月に屋外が3℃以下まで低下しても、室内はエアコン無しで16℃以上を保てることがわかったんです。

※SUUMOリサーチセンター・リノベる「ZEH水準にリノベーションした既存住宅にて室内環境を数値化する実証実験の結果を公開」(2025/2/20)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000221.000049400.html

Uさん夫:温度環境の良さは実際にとても感じています。冬場、2月〜3月で、1日暖房をつけていても光熱費が1万円を切っていました。軽井沢にいた頃は灯油代だけで2~3万円はかかっていましたから驚きました。

Uさん妻:この家を最初に内覧したのが12月のとても寒い日でした。でも室内に入ったら暖かくて驚いて、「これ暖房つけていますか?」と聞いたんです。するとリノベるのスタッフさんに「いやいや、つけてませんよ」と言われて、本当に驚いたのを覚えています。

U様邸 (13)

ー設備周りはいかがでしょうか?

Uさん妻:一番驚いたのはお風呂です。お湯が本当に冷めないんですよ。夫が入ってから2〜3時間経って、そろそろ追い焚きしようかなと思って入ると、まだ暖かいんです。前の家ではすぐぬるくなっていたので、信じられないくらいです。

Uさん夫:あとは脱衣所も寒くならないんですよね。キッチンと脱衣所がつながっているのも影響しているかもしれませんが。

Uさん妻:以前の家では脱衣所が本当に寒くて、行くだけでガタガタ震えてヒーターをつけていました。今はそういうことがなくなりました。ヒートショックも起きにくいと言いますよね。

Uさん夫:それから音です。近くを電車が走っていますが、ほとんど聞こえません。とても静かですよ。

Uさん妻:本当に聞こえないですね。二重窓になっているので静かなんです。知人が遊びに来てくれたときにも、普通の家より静かだねと言っていました。それから、気づいたのは乾燥です。以前の家では足が乾燥してカサカサになることが多かったのですが、ここに住んでから全然気にならなくなったなとふと気づきました。湿度が一定に保たれているんですね。それは住んでみて初めて分かりました。 

U様邸 (25)                    ▲両社のZEH水準リノベーションでは、すべての窓に内窓(樹脂サッシ・Low-E複層ガラス)を設置。二重窓には断熱や防音の効果がある

ZEH水準リノベーション                    ▲ZEH水準リノベーションの内容

日々の暮らしやすさを実感する間取りの工夫

ー間取りやデザインで気に入っていることはありますか?

Uさん妻:特に気に入っているのは、とにかく動線の良さですね。キッチンを中心にぐるぐる回遊できるんです。玄関、洗面、ウォークスルークローゼット、キッチンがつながっていて、リビングに抜けることができます。リビングからも廊下からもお風呂と脱衣所に行きやすくて、家の中を回遊できるんです。家事するところが1つにまとまっているのも便利です。

Uさん夫:キッチンが奥まっている物件も多い中で、この広さの物件にしては開放的です。カウンターキッチンなので、家族の様子を見ながら作業できるのが良いですね。

あとは、人が訪ねてきても家事の途中で玄関に出やすいですし、玄関からすぐ洗面所にも行けるので、動線が合理的だと感じます。

間取り                                          ▲設計時から暮らしやすさを重視し、オーダーリノベーションサービス「リノベる。」でも人気の回遊動線を取り入れている

U様邸 (15)                    ▲キッチンはリビング側と、洗面所側の2か所からアクセスできる回遊動線を採用

Uさん妻:それと、キッチン横のウォークスルークローゼットが本当に便利なんです。洗濯物をベランダに干す途中にあるので、ハンガーにかけて一時置きができるんですよ。雨の日はここで室内干しをしています。来客のコートを掛けたり、ストックや野菜を置いたりと、多用途に使えてかなり便利ですね。

U様邸                    ▲洗面とキッチンの間にウォークスルークローゼットがある。Uさんは片側に食器棚を置いてパントリー的にも使われていた

U様邸 (11)                    ▲リビングの入口にある備え付けの造作カウンター。キッチンの棚や作業カウンターなど、造作家具が備わっている

U様邸 (10)                    ▲造作カウンターはちょっとした作業スペースとして役立っているそう

ー残りの2部屋はどのように使われていますか?

Uさん妻:ひとつは寝室、もうひとつは書斎にしました。本来は子ども部屋として想定されていたようですが、室内窓があって開放感があり、まさに書斎にぴったりだと思いました。窓際に合うサイズのテーブルをオーダーで作って置いています。窓も多くてとってもお気に入りの場所です。

U様邸 (7)                    ▲左手にある棚は、夫さんが学生時代に卒業制作でつくったもの。アクセントカラーの壁に合わせて塗り直しており、住まいに合わせてDIYして長年大切にしているそう

U様邸 (20)                    ▲室内窓の奥が書斎。キッチンからはリビングが見渡せる

ZEH水準リノベーションがもたらした安心

―ZEH水準リノベーション住宅だということについては、どう思われましたか?

Uさん夫:間取りと立地が気に入って購入を決めたので、ZEH水準だということは後から説明を受けて知りました。「なおさら良かった」と思いましたね。この物件で大丈夫だという安心感が増しました。

Uさん妻:自分たちで中古を買ってリノベーションするのも素敵だと思うのですが、そこまでの気力や体力は正直ありませんでした。だからこそ、フルスケルトンにして、間取りとデザイン、省エネまできちんとリノベーションされている物件に出会えたのはありがたかったです。

年を重ねると車に乗らなくなりますし、駅から遠い新築よりも、立地の良い中古マンションの方が暮らしやすいんじゃないかなと思っています。そこに、間取りも快適で、断熱や省エネになっていたら健康的ですし、省エネリノベーションした中古マンションという選択肢は、同年代の方にこそおすすめしたいですね。体力があれば、自分たちで物件を買ってリノベーションするのもいいと思います。光熱費も驚くほど安いので、どんな世代の方にも良い選択肢なんじゃないかなと思います。そんなリノベーションが増えていったらいいですね。

―Uさん、ありがとうございました!

                   

つづく後半では、お客さまの声を聞いて今、思うことについて、協業プロジェクトの中心人物である、積水化学の不動産事業で事業企画を担当し、協業のプロジェクトマネジメントを担う山田攻男氏(写真左)と、リフォーム営業部でリフォーム・リノベーション事業の企画を担当する、斎藤遙氏(写真中央)、リノベるでSpecial Projects担当マネージングディレクターの杉谷武広(写真右)の3人に聞きました。

3名4                    ▲左から積水化学 斎藤遙氏、山田攻男氏、リノベる杉谷武広

お客さまの声からわかる実感値

ー実際に住まわれた方の声を聞いて、印象に残った点、気づいた点はなんですか?

斎藤: 特に印象的だったのは、この夏の猛暑でも光熱費が8,000円を下回ったことです。Uさまご自身も驚かれていましたし、我々としても想定以上の成果に驚きました。

杉谷: リビングのエアコンを常時強めに運転していても電気代が抑えられていたことには、衝撃を受けましたよね。「冬も追い焚きなしで快適に入浴できた」「暖房をつけなくても暖かさを感じられた」「乾燥が気にならなくなった」、といったお声もあり、数値以上の快適さや価値を実感いただけたことが伝わってきました。

斎藤: 湿度が安定しているというのはデータでも確認できていましたが、お客さまの言葉として返ってくると説得力がありますよね。数値化しづらい価値をどう伝えるかは難しいですが、改めて重要なテーマだと感じました。

杉谷: 小さな実感の積み重ねも整理していくことで金銭的な価値として見える化できる部分もありそうです。そうした積み重ねをもとに、まだまだ魅力的なストーリーを描ける可能性を感じます。

山田:断熱リノベーションという視点では、光熱費の削減はお客さまにとって非常に大きな価値提供になると思います。一方で、光熱費のような定量的な価値だけでなく、湿度や体感温度といった感覚的な価値をいかに可視化し、説明できるかが今後の課題です。今後もお客さまの声を積み重ね、事業の価値に転換していきたいです。

座談会中2                    

ーUさまご自身は、当初ZEH水準であることよりもデザインが決め手だったと伺いました。この点について、どう感じられましたか?

山田: Uさまが内覧時に最も魅力に感じていたのは回遊動線などのデザイン面で、最後の一押しとして断熱やZEHがある、という順番もお客さまとの会話から改めて見えてきました。
「この物件に住みたい」と思ったら、実はZEH水準も備わっているというのが安心材料になるのだと感じます。

杉谷: ZEHは「実際に体験してみて初めて良さが分かるもの」だと改めて感じました。だからこそ生活の中で自然に取り入れられる仕組みがあることが理想的ですね。さらに、費用面でもしっかり回収できると分かれば、安心して選んでいただけると思います。今回の事例からも、経済的な効果が想定以上に大きいことを実感しました。

斎藤: 他のリノベ済み物件も検討されていたそうですが、「この物件は入った瞬間に暮らしがイメージできた」とおっしゃっていましたね。断熱性能だけでなく、プランや動線がセットで暮らしを支えることに改めて気づかされました。

山田氏

協業を推進する中で見えたZEH水準のメリット

ー協業を進める中で、昨年は一棟リノベーション事業の展開を達成しました。2024年度は約50戸のZEH水準住宅を提供するなど、様々な実績も積みあがってきましたが、両社のZEH水準ならではのメリットで改めて気づきはありましたか?

斎藤:両社のZEH水準リノベーションはフルスケルトンにすることが前提なので、プランニングのしやすさという点はありますね。例えば吹き抜けのあるメゾネット、大規模なリビング、少しこもったヌックなどを設計した場合、断熱を考慮しないと、実際に住んだときに暑くて居心地が悪いといったことが起こり得ます。自由な間取りでも温熱環境が整い、思い描いたとおりに使いこなせるということはあると思います。

杉谷:気候変動への適応という点で、これだけ暑さが厳しくなる中、快適で安心して暮らせる住まいを整えておくことの大切さを、ますます感じますね。品質の面では、特に「マルリノ」の断熱工法では壁体内の結露問題を抑制できるため、健康面にも良い影響が期待できると感じます。

山田:実際、施工品質は、長期的に見ると健康への影響として現れる可能性があります。断熱材がコンクリート壁に接する面にウレタン発泡材を用いて凹凸を吸収していますが、これをせずに結露が起きてカビが発生すると、健康に影響を及ぼす可能性があります。また、結露の発生は建物の劣化を早める可能性も否定できません。両社のZEH水準リノベーションではそうした懸念のない水準を実現できていると思います。

斎藤:人生100年時代で、健康寿命の重要性も増していますが、例えば、特に60歳、70歳を過ぎてから元気に過ごせる価値は、断熱リノベーションにかかるコストと比べても比べられないほど大きいのではないかと思います。健康価値という点でも、両社のZEH水準リノベーションは大きく寄与してくれると考えています。

室温と健康の関係
▲断熱改修は血圧低下や健康診断結果など、健康に有意*に影響があるとスマートウェルネス住宅等推進調査委員会より報告
※『有意』とは「確率的に偶然とは考えにくく、意味があると考えられる」ことを指す統計用語

住まい手の声が気づかせる2社の協業のありかた

―協業に向けての気づきと、それを今後どのように生かしていきたいですか? 

斎藤:直接お客さまの声を伺って、「良い住まいと空間を提供できている」と自信を持って言えると感じました。ただ一方で、市場の多くは断熱やZEHの存在を知ってはいても、効果がよく分からず踏み出せていないのも事実です。その価値を伝えることが、日本の住環境を変える一歩になると信じています。そのために、お客さまへのインタビューや、一括で何戸も手がける一棟案件でたくさんの住まい手の定量データの収集ができるようにしたいと考えています。価値の伝え方を模索しながら協業を深めていきたいです。

杉谷: ビジネスの観点では「良い取り組みであっても伝わりにくい」「価値を十分に理解していただきにくい」という課題があります。どうしても導入時のコスト面だけが議論されがちですが、光熱費の削減や日々の快適性、さらには将来のリセールバリューといった要素まで含めて価値を可視化し、金銭換算してご提示することが大切だと感じます。

山田: 若い世代には「断熱体感キッズ」と呼ばれる層が生まれているそうです。次世代省エネ基準やZEH住宅で育った彼らにとって、高性能は当たり前の基準になる。まだ少数ですが、賃貸でZEHの良さを経験した人たちが次の住まいを選択される際、その価値をしっかり評価するはずです。暮らしのベースラインが上がる中で、彼らの声を収集・分析することは非常に重要だと思います。

杉谷: 区分所有に限らず、1棟リノベーションについても協業を通じて全国へと展開していきたいと考えております。脱炭素をテーマにした不動産ファンド組成など脱炭素の流れが加速している今こそ、具体的な案件を実装へと結びつけていく絶好の機会であると感じております。

山田: 協業推進に向け、本物件が果たした役割は、ZEH水準リノベーションによって光熱費削減や暮らしの価値向上に寄与できたという点で、非常に大きいものでした。一方で、今後のさらなる拡大には継続した発信が不可欠で、それはまだ十分ではないと感じています。ZEH水準リノベーションの拡大には、2社だけでなく、供給者を増やすということも必要だと感じています。そのためにも様々な関係者とも連携しながら、協業の枠を広げていきたいです。

斎藤氏

―2社が考える良質なストックとはなんでしょうか。

斎藤:当社は50年以上、新築を中心に住宅を供給してきました。時代ごとに価値やニーズは変わってきましたが、常に「良質なストック」を提供してきた自負があります。これからはZEHや環境性能が重要な要素になると考えています。ただし「環境に良い」だけでは普及は進みません。大切なのは、お客さまが暮らしの中で快適さや利便性を実感できること。その先に、地球環境や社会への貢献が結びつくのが理想です。両社の協業でも、まずは暮らしの良さを実感いただける住まいを届け、その積み重ねが、結果として社会や地球に良質な住まいのストックを残していくことにつながると考えています。

杉谷:様々な定義があると思いますが、今回のインタビューでは、住まい手が強く共感し、満足している様子が伝わってきました。余白のある空間を心地よく楽しんでいらっしゃる点も含め、確かに良質なストックになっていると感じます。
一方で、ZEHは今後欠かすことのできない要素です。特に「マルリノ」の断熱工法は技術面・品質面ともに信頼性が高く、いかに市場に響く形で価値を伝えていくかが課題だと感じています。今回の事例を通じて、その確信はさらに強まりました。

山田:良質なストックの定義は難しく、住まい手によって感じ方も違います。だからこそ事例を積み重ね、「こういう住まいは多くの人にとって良質だ」という共通項を見つけていく必要があると思います。私たちは2社で協業しながら、実験的に様々な物件開発に取り組んできました。その過程で「この切り口はこの層に刺さる」という知見を積み重ね、体系化していくことが普及への鍵になると考えています。定義が曖昧だからこそ、切り口をコンテンツ化し、事例ごとに提示していくことが重要です。今回のUさまの事例も、当初想定していた30代ファミリー像とは異なる層に響いた点で、新たな切り口を切り開くものになったと感じています。

杉谷

―良質なストックが流通する循環型住宅マーケットの創造はどのように実現できるとお考えですか?今後の展開・抱負を教えてください。

斎藤:改めて、住まい手視点に立ち返ると、結局は「暮らしやすさ」が基準になります。私たちが提供するZEH水準や断熱性能が、その暮らしやすさの基準として高く評価される体制をつくることができれば、結果的に普及につながるはずです。そのためにも、まずはリノベるさんと共に、この価値を社会へ着実に広げるところから取り組んでいきたいと考えています。

杉谷:光熱費削減の実績や「お風呂が冷めにくい」といった住まい手の実体験は、非常に強い訴求力を持つユースケースであると確信しました。こうした体験価値を全国へと加速度的に普及させていくために、私たちはリノベーションプラットフォーマーとして、さまざまな工夫やスキームづくりも視野に入れながら、着実に取り組みを積み重ねて参ります。

山田:中古マンションのZEH水準リノベーションという、まだ市場にほとんど存在しない取り組みを両社で始められたからこそ、私たちは業界をリードする存在として、事業を推進し続ける必要があります。主体的に物件を創出し、様々な関係者を巻き込むことで、新たなパートナーに「一緒にやりたい」と思ってもらえる存在を目指します。将来的には、現在の買取再販や1棟リノベーションの実績を重ね、個人向けまで多角的に市場へアプローチしていきたいです。

3名

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