【Vol.112】正解のない時代に、自分だけの「軸」を持つ。NewMe CCO笹川友里さんと紐解く、かしこく素敵な人生を育むヒント

2026.03.31
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リノべるが展開するオウンドメディア「パズル」。今回は20-30代を中心とした女性向けのキャリア支援事業を展開するNewMe株式会社のCCOを務める笹川友里さんをゲストにお迎えし、住宅リノベーションプラットフォームを統括する弊社執行役員・安江浩との対談を行いました。

今回はキャリアと暮らし、それぞれの最前線に立つ二人から、人生を自分で設計するための『住まいのかたち』や、選択肢や情報のあふれる自由な時代を、自分らしく生きるためのヒントを聞きました。

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▲対談はリノベる表参道ショールームにて行われた。

正解なき時代の「漠然とした不安」を、かしこい選択に変える

ーNewMeの活動に込めた想いと、目指す姿についてお聞かせください。

笹川:NewMeは「人生を自分でハンドリングし、前向きに生きる女性を増やす」というビジョンを掲げ、20~30代、ミドル~ハイクラスの女性向け転職サービス「NewMe Jobs」や、働く女性向けYouTubeチャンネル「NewMe Ch/笹川友里」、そして働く女性に向けたコミュニティ「Fourth」の他、年間約20回のキャリアイベントなどの事業を展開しています。大切にしているのは、人生(ライフ)という大きな枠組みの中に、仕事(ワーク)という要素が含まれていると捉える「ワークイン・ライフ」の考え方です。キャリアも衣・食・住もすべては地続きだと考えています。

私自身、20代後半にアナウンサーから次の一歩を踏み出す際、会社員を続けるか、別の道へ進むか、3年ほど悩んだ時期がありました。当時はがむしゃらに働く一方で、相談相手もいなく、選択肢を整理する余裕がなかった。「あの時こんなサービスがあったら、もっと苦しまずに意思決定ができたはず」という想いが、今の活動の原点になっています。

20代、30代は特に選択肢が多く、大きな決断を迫られる時期。だからこそ、一度すべての可能性を机の上に並べてみることが大切です。ただ、忙しく頑張る方ほど情報を取りに行く時間が持てないのが現状です。そのため、私たちは「かしこい選択」をするための背中をそっと押せる存在でありたいと考えています。

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▲笹川友里(ささがわ・ゆり)
制作ADから人事異動でアナウンサーに。TBSテレビに8年在籍し、独立。現在はラジオ・ファッション誌での活動の他、プロダクト開発や女性専用サウナを共同経営。2023年6月にNewMe株式会社を共同創業。

理想と現実のギャップに揺れる、現代の「住まい選び」

ー多くの働く女性と向き合う中で、皆さんが共通して抱える悩みはありますか?

笹川:以前800人規模のアンケートを実施したところ、約8割が「ロールモデルの不在」と「キャリアとライフの両立」に悩んでいると回答されました。自立して人生を賢明に設計されている層でさえ、「正解がわからない」という同じ悩みを抱えていらっしゃるんだと驚きがありました。
(参考:NewMe総研「ミレニアル世代働く女性800名調査!」

安江:リノベるのお客さまにも近いものを感じます。笹川さんが仰った「ロールモデルの不在」という悩みは、住まい選びにおいても顕著です。膨大な選択肢の中で答えを見つけるのは、かつてないほど難しくなっています。理想はあるけれど、多忙で実生活ではそこまで手が回らない。理想と現実に悩み「どうしたらいいか分からない」と相談に来られる方が増えています。

笹川:特に今の20代の方は将来設計が緻密で、結婚や出産の前に家を持つことや住む街まで具体的にシミュレーションされていますよね。一方で地価も物価も上がる中で「どうすればかしこい選択ができるのか」という話は、NewMeのユーザーさんからもよく挙がります。情報の感度が高い世代だからこそ、賃貸か持ち家かという二択の先に「リノベーション」という選択肢があることも気づき始めています。

安江:最近は将来をしっかりと見据え、若いうちからご来場される方が本当に増えていますね。共働き世帯が主流となり、仕事に全力で向き合っているお忙しい方が多い印象です。ただ、その多忙さゆえに「自分たちらしい住まいの最適解」を見つける時間が取れず、手探り状態で悩まれている方も少なくありません。

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▲安江 浩(やすえ・ひろし)
リノベる 執行役員、ホームソリューション本部 本部長。慶應義塾大学卒業後、建築設計業界を目指し建築設計事務所でアルバイトに従事。戸建の企画住宅「9坪ハウス」等を扱う会社に入社。その後、国内什器メーカーのオフィス設計部門を経て2012年にデザイナーとしてリノベる入社。2024年にリリースしたセレクテッドリノベーションサービス「The R. by RENOVERU」の開発責任者。

自分を家に合わせるから「家を自分に引き寄せる」へ

2026年1月、リノベるのセレクテッドリノベーションサービス『The R. by RENOVERU(以下The R.)』に新プロダクトが誕生し、3つのライフスタイルを体感できるコンセプトルームが都内3拠点にオープンしました。

「The R.」とは「間取りは自由設計、設備・仕様はリノベるが厳選」する新しいリノベーションの形です。タイパ・コスパ良く自分にぴったりな住まいが手に入れられるとして、多忙な共働き世帯や、子育て・妊娠などで時間が取れない方、不動産選びを重視したい方など、これまで100組以上の方に選ばれています。

プレスリリース|住まい選びの悩みを“キャンセル”する新感覚のマンション購入サービスへ再構築

ー先日、笹川さんは「The R.」のG1コンセプトルームにお越しいただき、YouTube(NewMe Ch)でも発信してくださいました。G1は仕事や家事に追われ落ち着いた時間がとれない方におすすめのプロダクトなのですが、実際に空間に身を置いてみて、率直な感想をお聞かせください。

笹川:一言で言えば「感動」でした。特に驚いたのは、生活感を美しく隠す工夫です。キッチンってどうしてもレンジの上の小物とか、生活感が出やすい場所ですよね。ここは家事動線がスマートでありながら、隠したい場所が自然と視界から外れる仕組みになっています。「人を呼ぶのは好きだけれど掃除が追いつかない」というもどかしさを抱えている人は多いはず。そのもどかしさをデザインがうまく解決していると感じました。

また、子育てと洗練された空間の両立も印象的です。家族それぞれの働き方や年齢の違いを受け入れながら「どこか妥協して住む」のが家だと思っていましたが、今の時代はそうじゃないんだと。「自分たちを家に合わせる」のではなく「家を自分たちに引き寄せる」という感覚は新鮮な驚きでした。

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▲G1:忙しい日常に癒しの時間を
 

安江:まさにその視点こそが私たちが提供したい価値です。初めてお客さまとお会いする際、大切にしているのは「これから、どんな時間を増やしたいか」という対話をすることです。例えば子育て中の共働き家族だと、寝かしつけ後に仕事をしたり、遊び相手をしながら在宅で作業する方もいらっしゃいます。

笹川:そうですね。子供と寝落ちして、朝5時に起きて作業する…という話もよく伺います。

安江:まさに、暮らしのリズムは人それぞれです。「家族とどういう時間を過ごしたいか」を深堀りしていくと、家族の時間を守るために家事の効率化を図ろう、じゃあ間取りで解決していこうとなる。リノベーションという手法がぴったりフィットします。多様な生き方が広がる中で、型にはまった家に住むよりも、住まいを自分に引き寄せるリノベーションを選ぶことの有効性が高まっていると感じています。

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「賃貸派」だったからこそ気づけた、間取りの可能性

笹川:ただ、これほど洗練された空間づくりとなると「おしゃれ=コストがかかる」というイメージを持ちがちですよね。私自身、注文住宅のようにゼロから建てるのは大変そうと思っていましたが、リノベーションには別の合理性があるのだと知りました。

安江:トータルコストの考え方が重要なんです。中古住宅という既存の箱を活かすことで不動産への投資を抑え、その分、日々触れる「住空間」に重点的にお金をかける。これがかしこい選択であり、家族と過ごす住空間の質が大事だと気づく方が増えています。決められた線路の上を歩むのではなく、自らの生き方に合わせて環境を整える時代。この選択肢を知っていること自体が、人生の大きなアドバンテージになるはずです。

笹川:私自身、以前は「賃貸派」で、既存の選択肢の中から自分にぴったりの間取りを必死に探して、どうにか自分たちの暮らしをそこに落とし込む…ということを繰り返してきました。都心のマンションなら既製品を受け入れるしかない、理想の間取りは一軒家を建てない限り手に入らないと思い込んでいたんです。

ですが、リノべるで「分譲マンションでも間取りから自分仕様にできる」という概念に触れ、目から鱗が落ちる思いでした。部屋のおしゃれさやコストも大切ですが、何より家族にとっての暮らしやすい間取りや空間をつくれることは、住まいにおける何より尊い条件だと感じます。

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安江:おっしゃる通り、暮らしの快適度は「間取り」に直結しています。リノベーションは表面的なおしゃれだと思われがちですが、本質はそこではなく、間取りのバリエーションこそが最も面白い点だと考えています。

例えば、王道とされる6畳の寝室をあえてコンパクトに設計し、その分リビングを広げて家族の時間を充実させる。あるいは玄関土間を広げると、ベビーカーを置くだけでなく新しいアクティビティが生まれる。「間取りを自由にする」というリノベーションの醍醐味を、より多くの方に体験いただくために突き詰めたのが「The R.」なんです。

「フルオーダー」と「既製品」のあいだにある、心地よい距離感

ー「The R.」に感じた魅力や、ハードルになりそうな点はありましたか?

笹川:住宅購入って多くの人にとって初めての経験ですし、「3回建てないと満足できない」なんて話もよく耳にしますよね。だからすべてを自分たちでゼロから考えるのは、失敗しそうで怖いという気持ちがありました。

でも、「The R.」のように「ベースのデザイン・設備はプロが整えます、必要な間取りだけオーダーメイドしてください」という距離感なら、重荷を感じずに楽しめそうです。すべてを委ねるリノベ済み物件と、すべて自作するフルオーダーの間にある「ちょうどよさ」が、失敗したくない現代人の心理に鮮やかにフィットしているなと感じました。

安江:その「ちょうどよさ」こそ、私たちが追求した形です。きっかけは「フルオーダーは大変そうだが、既製品の間取りではしっくりこない」というお客さまの声でした。

今の共働き世代には「選ぶ労力」を最小限にしつつ「自分たちらしさ」を手に入れたいという切実なニーズがあります。だから私たちはあえて「仕様を選ばせない」という線引きをしています。内装や設備は、経験から導き出した上質な3つのスタイルに固定する。そうすることで打ち合わせ回数を減らし、コストを抑えながら、一番価値のある「間取りのパーソナライズ」にだけ集中していただく環境を整えました。

笹川:3つのスタイル(C1、E1、G1)を拝見しましたが、どれも現代のライフスタイルを象徴していて分かりやすいです。これだけ方向性が違えば、誰でも自分に当てはまるものが見つかりそうですね。

安江:ありがとうございます。多くの方に支持されるリノベーションの定番を目指した、王道の(E1)、クリエイティブに暮らしたい方に提案したいカジュアルでアレンジ自在な(C1)、そして体験いただいた、多忙な方に向けた、家事を極限まで楽にしながらホテルライクで癒しの時間をお届けする(G1)。これらは見た目だけでなく、生活スタイルに合わせて気遣いを積み重ねてつくった仕様です。

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▲2026年にリリースした3つのラインナップ。「The R.」をライフスタイルから選べるサービスに再構築した。

自分を信じて、納得のいく「軸」で選択するために

ー「選択肢の多さ」がキーワードとなりましたが、後悔しない決断をするためには、どのような軸を持つべきでしょうか。

笹川:「どちらがかしこいか」「どちらが評価されるか」ではなく、「どちらが自分にとって意義があるか」という軸で選ぶことではないでしょうか。自分の中の心が最も満たされやすいポイントをまず定め、それに準じて選択をする。他の軸を混ぜてしまうと、いつまでも決断を下せない気がします。

安江:同感です。今は「こうすれば正解」といった効率的なティップスに振り回されがちな環境にあります。だからこそ、ありきたりな答えを外に求めるのではなく、自分を深く知るための「内省」の時間を大切にしてほしい。私たちのコンセプト作りも、実はそのための時間なんです。自分を信じて、「これこそが自分に合っている」という実感をもって選択していく。そのプロセスを経て見つけた住まいこそが、本当の意味での「自分らしい場所」になるのだと思います。

笹川:ただ、自分一人で答えを出すのが難しい場合もあります。その時は、客観的な視点をくれる存在に頼るべきだと思います。情報の入り口は広く持ち、家族や友人、信頼できるプロなど、多面的な意見を取り入れることで、自分の軸が明確になるはずです。

NewMeでもリノベるさんと同様に、Face to Faceの対話を大切にしています。心地よく、信頼できる相談相手がいれば、もっと素直に自分の心と向き合えるようになるはずですから。

安江:そうですね。AIが普及し便利になった分、「この人と一緒にやりたい」という感覚や、対話を通じて納得感を深めることはより重要になっています。対話によって自分らしい住まい、自分らしい生き方を選び取ること、それが結果として、人生の肯定感を高めることにつながるのだと考えています。

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昨日より少し「前向き」な日常を

ー最後に、本日の対談を振り返って感じたことをお聞かせください。

安江:衣食住の中で、住まいはどうしても後回しにされがちですが、間取り一つで家事の動線が劇的に楽になり、家族の時間は増えます。私たちは「The R.」を通じて、その「暮らしを最適化する楽しさ」を、よりスマートな形で世の中のスタンダードにしていきたいと考えています。

住まいが整うと、暮らしの中に「心の余白」が生まれます。自分にフィットした空間に身を置くことで、人生をよりポジティブに捉えられるようになる。そんな、昨日よりちょっと前向きになれる日常を、一つでも多く増やしていければ嬉しいです。

笹川:今日はお話を伺って、住まいもキャリアも「かしこい選択肢を知っていること」の重要性を痛感しました。情報が溢れる現代、AIなどをかしこく活用しながらも、最終的には自分の目で見ること、そして信頼できる人に話を聞いてみること。忙しいとつい余裕をなくし、自分一人で抱え込みがちですが、外に意見を求めることこそが、納得のいく決断への近道なのだと改めて感じました。これからも自分の「心地よい」を大切にするための発信を続けていきたいと思います。

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◆The R. by RENOVERU HP
https://www.the-r.jp/

  NewMe株式会社 HP
https://newme-inc.jp/
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