【Vol.40】メルカリ・マネーフォワードの成長を牽引したCFOに聞く① ~ベンチャー成功のカギを握るCFO~

2019.11.15
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メルカリ、マネーフォワードという日本を代表するベンチャー企業でCFO(Chief Financial Officer:最高財務責任者)として上場を牽引してきたお二人。2019年10月より社外取締役、アドバイザーとしてリノベるに参画していただいています。
お二人から見た「リノベる」の現在と未来、ベンチャー企業成長のヒントについて伺った貴重なお話を3回に渡ってお届けします。

お話を伺った人


聞き手
松井敏行 リノベる㈱ 社外取締役
三井物産では入社以来、金融事業、ICT事業に従事。近年はFintech・EC分野の投資、新規事業立ち上げに携わる。2019年リノベる㈱の社外取締役に参画。

杉谷武広 リノベる㈱ 執行役員
三井物産ではメディア、テクノロジー領域での事業開発、戦略投資をグローバルに展開。米ビジネススクール所属、米系ベンチャーキャピタル/アクセラレーター(在サンフランシスコ)を経て、2017年リノベる㈱に参画。

社員一人ひとりの現場力を実感(金坂氏)

松井
長澤さん、金坂さんとは三井物産の出資先であるメルカリ、マネーフォワードの
CFOとしてお付き合いさせて頂いてきたので、不思議なご縁を感じています。本日は宜しくお願いします。
まずは、リノベるに対する印象をお聞かせください。

金坂
リノベーション自体、これから日本の大きな社会課題そのもののソリューションだと捉えています。これまでみんな新築を買っていたのが、一人ひとり違う個性や好みに応じた家を作るようになるという世界はどんどん広まっていくと思うので、産業としてのトレンドは確実に伸びるだろうなと。

その中でもリノベるは、トップランナーかつベンチャーという、すごく面白いポジショニングですよね。以前、銀座のショールームでお話を伺ったことがあるんですが、コンサルタントの方の対応が本当に素晴らしくて。ITやテクノロジーを裏側に持ちつつ、やっぱり最後は社員一人ひとりの現場力がきっと強みになっていて、実際の契約に結びついているんだろうなと感じています。渋谷のオフィスも何度か訪問していますが、社員の方がいつもイキイキされている印象です。

長澤
私もそれは感じます。

金坂
ミッションがオフィスに掲げてありますよね。単に利益を出せばいい、というのではなくお客様への想いを社内で共有しようという姿勢をすごく感じます。

メルカリに通じる、社会貢献性の高いビジネスモデルに共感(長澤氏)

長澤
私の場合、山下さんとは、3年ほど前にカンファレンスでお目にかかったのが
初でして。色々お話をさせていただいく中で、すごく熱い人だなと。

松井
熱いですね、はい。

長澤
メルカリとの共通点でいうと、「誰かにとって価値を見出せなくなったもの」を
「他の人にとって価値のあるもの」にする。物を滑らかにトレースすることでより人々の生活を豊かにしていく。ある意味「究極の循環型社会」みたいなところを目指していて。
リノベるもそうした社会的なミッション性が強いビジネスモデルですよね。
古くなった建物に手を加えることで「誰かにとって価値のあるもの」に生まれ変わる。そういう社会的なニーズは今後どんどん大きくなっていくと思うので、リノベるのミッションに強く共感しています。

ベンチャー企業におけるCFOの存在感

松井
お二人はもともと同じ外資系投資銀行出身で、海外でも活躍されてらっしゃいましたよね。

金坂
長澤さんとは自分が新卒で、長澤さんがMBAを卒業された同じ年にゴールドマン・サックスに入社して、同じチームでご一緒していました。毎年サンフランシスコに行くプログラムがあって、長澤さんが2010年に、その後私も行きました。

長澤
調達やIPOの支援など色々携わりましたが、特にサンフランシスコってIPO案件がたくさんあって。あとはM&Aのアドバイザリーをやったり、日本と比べてディールのフローがものすごくたくさんあるので、そこを経験できたことは現在のキャリア形成に大きくつながっていると思います。

金坂
西海岸ではベンチャー企業への投資が盛んだったので、ベンチャープロジェクトに関わる機会が多くありました。

松井
三井物産の出資先も含め、色々なベンチャー企業の成功事例を見ていると、上手くいっているベンチャーってCFOがものすごくキーになっているなと、改めて感じています。
外資系投資銀行からベンチャーのCFOにというのは、ある種お決まりのルートになっているんでしょうか。

長澤
アメリカではよくあるケースだと思います。まさに我々がアドバイザリーの仕事をしている時、お客さまが投資銀行出身者だったということは多々ありました。日本では金坂さんが、その走りになるのでは。

金坂
上場、上場前の資本政策は、証券会社とか都市銀行の人が強いというのはありますね、
会計士出身の方もいらっしゃいますし。

長澤
やっぱり創業者の強いビジョンと財務がかみ合うと、事業が伸びていくと思います。

杉谷
今いろいろな方と
ビジネスサイドの採用面接をしているんですけど、最終的なキャリアとしてCFOを目指したいという人が多くて。
リノベるは長澤さん、金坂さんに支援されているということで、日本を代表するベンチャー企業でCFOとして上場を牽引してきたお二人に薫陶を受けたい!と門を叩く人が増えている印象です。

松井
将来的にCFOを目指したい、という人に対してメッセージがあれば。

金坂
資本政策や海外への進出、不動産と金融は密接なので、金融とビジネスをどうつなげていくかなど、
リノベるはCFOとして考えることが非常にたくさんある会社だと思っています。それに加えて、山下さん含めた経営陣の皆さんがいかに課題を価値に変えてお客さまに提供するかというマインドが強い。“従来やってないことをどんどんやっていこう”というカルチャーなので、ものすごく面白いフェーズにあると思います。

長澤
メルカリに入って学びましたが、スタートアップってやることを決めるんじゃなくて「やらないこと」を決めることが
大事なのかなと感じていて。やらなきゃいけないことって無限にあるので、10個あったら10個全てはできないんですよね。
じゃあその中で6個何をやるか、何を4個やめるか。そっちの方がより重要な議論のような気がしています。そこが非常に面白いところであり、中々ハードなところでもありますけど一番投資のし甲斐があるというか。何が一番インパクトを埋めるか、という経営判断になってくる。リノベるは今、非常に楽しいフェーズなんじゃないかなと思います。(続く)

※合わせてこちらもご覧ください。
メルカリ・マネーフォワードの成長を牽引したCFOに聞く②

メルカリ・マネーフォワードの成長を牽引したCFOに聞く③

撮影:白根美恵

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