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【Vol.70】ベトナム人技能実習生を迎えて1年 多能工育成は次のフェーズへ
リノベるでは、業界の課題である「職人不足」を改善するため、2017年に多能工育成プロジェクトをスタートさせました。2020年にはプロジェクトの一環として、4名のベトナム人技能実習生を多能工メンバーとして受け入れました。技能実習生が合流して一年、技能実習生受け入れの背景現在の様子、今後の展望についてプロジェクトを指揮するリノベーション本部副本部長安江浩に聞きました。そして、技能実習生自身にもその思いについて語ってもらいました。
■プロフィール
安江 浩
リノベーション本部 副本部長
住宅設計、オフィス設計等を経験後、2012年にリノベるに入社。ライフスタイルデザイナーとして案件担当を経験した後、管理職となる。設計部門の組織拡大やオペレーションの標準化を進めながら、施工部門を立ち上げ。現在は全国の設計・施工部門の責任者として個人住宅リノベーションの設計施工を管理。
なぜ技能実習生の育成に取り組んでいるのか?
建築現場は3K(きつい、汚い、危険)のイメージが未だに強く、なり手が少ないため職人が少なくなってきています。
そんな中で、海外から見ると日本の建築現場はレベルが高く魅力的な環境と言えます。モチベーションがあり、やりたいと思っている人に教える、多能工育成の前向きな手段の一つとして、技能実習生の受け入れをスタートしました。
このまま職人が減っていくと、職人の取り合いになり工事金額が上がってしまい、最終的には価格が上がり顧客にとってもデメリットとなります。
こうした背景もあり、ミッションの一つである「産業に対する約束」において、リノベーション業界を支える次世代の人材育成の一つの形として、技能実習生の育成に取り組んでいます。
多能工育成から始まり、技能実習生を受け入れてからどのような変化がありましたか?
これまで育成してきた多能工メンバーが技能実習生に教えることでシナジー効果が生まれています。教えることで自分たちの知識や技術が磨かれてきているようです。
また自分たちが多能工として活躍するだけではなく、どうやって多能工を育成していくか、増やしていくかという考え方にシフトしてきています。
実習生が間仕切り壁を作っている様子
技能実習生の仕事ぶりはどうですか?
モチベーション高く、仕事に対して前向きに楽しんでいるようです。出来ることも増えてきてここ最近はパートナー現場にも派遣され始めています。仕上げ工事をやっていて、簡単な養生も出来るようになってきていてます。
ベトナムの方は手先が器用で真面目で、想定よりも早いペースで習得してきています。内装仕上げ施工技能士の基礎級の試験にも全員合格しました。
これからは現場をもっと増やしていく予定です。
技能実習生の普段の様子はどうですか?
コロナもあり入国が遅れたことで、現地でしっかり研修を受ける時間が出来たため、ゼロから教えている感覚はありませんでした。言葉を覚えたり生活習慣に順応するのも早かったです。
古いイメージにあるような職人世界の厳しい環境ではなく、同世代の多能工メンバーがフォローしているため、慣れやすい状況でもあります。多能工メンバーとは良好な関係が築けていて、多能工メンバーにとっても新しい人が入り、仲間が増えていくフェーズで楽しいのかもしれませんね。
今後の実習生の展望?
まずは受け入れる側の体制を作ることにフォーカスしています。
技能実習生については来年度中に自分たちの行った仕事でお金を頂けるようになり、自立することを目標にしています。その次が、技能実習生自身が次の技能実習生を教えるサイクル作りに取り組んでいきたいと思っています。
こちらの想いとしてはジャパンクオリティーの技術を世界に届けていくこと、そして単純な労働力としてではなく、技能実習生自身の手で未来にも繋がっていくことを期待しています。
次はベトナム人技能実習生、Bui Anh Thoai/トアイ、Pham Quoc Khai/カーイ、Hoang Huu Chinh/チン、Quach Van Chuc/チュックの思いを彼ら自身の言葉で語ってもらいました。
Bui Anh Thoai/トアイ
①なぜ技能実習生に応募したのか?なぜリノベるに応募したのか?
日本語や日本人の仕事のやり方を勉強したり、現場のいろいろな仕事と道具の使い方を勉強して、お金を稼ぎたいと思っています。
ベトナムで面接中に、上島さんと山下社長に会って、内装の仕事を紹介していただいて、解体業から仕上げまで現場の仕事の写真を見て、リノベるで働きたいと思いました。
②日本での生活や仕事にどのような印象を持っていますか?
初めて日本へ来た日はとても寒かったです。ベトナムの景色とは全然違いました。さらに会社が大きい部屋を借りて、色々なものを買ってくれて、びっくりました。
電車に乗るのは難しかったですけど、上島さんと井上さん(多能工メンバー)が1ヶ月間毎日駅から現場へ連れて行ってくれました。日本語がわからない時もあるのですが、優しく熱心に教えてくれます。本当にありがとうございます!
③今後の展望、技能習得後にやりたいことはなにか?
日本で内装の仕事を続けたいので、次の検定もパスして、3年後もリノベるで仕事を続けられるよう頑張りたいです。
3年でお金を貯金して、将来家族に新しい家を建ててあげたいです。リノベるで勉強した経験を使って、自分で家の内装をやって、飾るつもりです。
Pham Quoc Khai/カーイ
①なぜ技能実習生に応募したのか?なぜリノベるに応募したのか?
収入のある安定した仕事だからです。日本は先進国ですから、いろいろな経験と見識を学んでいます.。リノベるは日本を代表する企業ですので、この会社で働き、少しでも会社の成長に貢献できることを光栄に思います。
②日本での生活や仕事にどのような印象を持っていますか?
日本は世界で最も住みやすい先進国の一つです。生活と乗り物は便利です。 涼しく新鮮な空気です。日本人は優しくて親切です。日本の風景は一般的にとてもロマンチックで詩的です。 だから私は本当にここにいたいです。
仕事を始めたばかりの頃は大変で、1年働いて慣れてきましたが、新しい仕事をするために学び、積み重ねていく面もたくさんあります。例えば段取り、準備、気配り、品質の高さ…現場のときはみんなに手伝ってもらってます。家族と同じです。嬉しいです。
③今後の展望、技能習得後にやりたいことはなにか?
リノベるで3年間働いた後もリノベるで働きたいです。将来機会があれば、ベトナムでの建設についてもっと学び、日本での仕事の知識を生かしていきたいと思います。ベトナムにリノベる。に似た会社を設立し、開発に協力します。日本とベトナムだけでなく、ヨーロッパや世界中にリノベる。を広めたいと思っています。世界中の人々に美しい家を届けましょう。
Hoang Huu Chinh/チン
①なぜ技能実習生に応募したのか?なぜリノベるに応募したのか?
ベトナムで多くの仕事をした後、新しい仕事に挑戦したい、日本の働き方を学びたい、しかも日本の給料はベトナムの給料より高い。だから私は研修生の道で日本企業のリノベるに立候補することにしました。
②日本での生活や仕事にどのような印象を持っていますか?
日本で一年過ごした後、ここでの生活は静かで、道路はきれいで、空気は新鮮で、交通は便利で、有名な観光スポットがたくさんあることに気づきました。良好な作業環境、整然とした作業プロセス。作業中の安全が確保されてます。
③今後の展望、技能習得後にやりたいことはなにか?
3年後の検定にパスし、働き続けられれば、少しでも会社の発展に貢献できるよう力を入れて働き続けます。帰国したら、リノベるの人たちから学んだことや教えられたことを持ち帰り、ベトナムがもっと発展できるように、ベトナムで適用していきます。
Quach Van Chuc/チュック
①なぜ技能実習生に応募したのか?なぜリノベるに応募したのか?
日本に来る前も、今と同じような仕事をしていましたが、当時の経験不足と家族の事情から、同じことをすることにしました。学生時代から先生方から日本についてたくさんお話を伺い、大人になってからは技術、文化、習慣、コミュニケーション、情報など、友達やマスコミから日本についてたくさんお話を伺いました。だから 生活や仕事などをするために日本に来ることにしました。
いくつかの会社にに選ばれましたが、内装仕上げの仕事は少し経験があり、大好きだったので、リノベるに選ばれてとても幸運でした。 私を選んで、私の夢を追いかけさせてくれて本当にありがとうございます。
②日本での生活や仕事にどのような印象を持っていますか?
日本に来る前は、生活や仕事、すべてが非常に難しいと思っていました。 しかし、日本に来てみんなと一緒に仕事をしたり、一緒に暮らしたりして、感じます。まるで家族のようです。職場でも日本語がわからないこともありますが、先輩が心を込めて教えてくれます。 私はここでの生活が大好きで、今では私の第二の家族のようで皆さんのおかげでとても幸せです。 本当にありがとうございます。
③今後の展望、技能習得後にやりたいことはなにか?
日本に来る前に考えていたことは、技能実習生を終えた後、帰国して内装仕上げ会社を起業する予定でした。 でもここに来て住んでみて思ったことは、3年では、まだ経験と資本が足りないと思うので、もう2年延長して、ここで仕事をして経験を積み、もう少し資本を増やしたいと思うようになりました。 それまでは、ベトナムで内装仕上げ会社を出す人のディレクターをすることを楽しみにしており、より詳細で具体的な計画を立てていきます。 それが私の意思であり、未完の夢です。
技能実習生4人それぞれの夢とリノベるのミッションが重なり進む、多能工育成プロジェクトの「今」をレポートしました。
今回のインタビューは、通訳に依頼する予定でしたが、自分たちで翻訳ソフトも使いながら、答えてくれました。真面目で意欲的な実習生たちに、既存の多能工メンバーも毎日刺激を受けているそうです。
そんな彼らの活躍はもちろん、第一弾育成メンバー(既存の多能工メンバー)が教育側に回ることで、次のフェーズに進んだ多能工育成プロジェクトにぜひご期待ください。