【蔵前4273】人と人とをつなぐ、アートのあるカフェ。

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モノづくりの街として注目が集まる蔵前エリア。古きよき下町情緒がのこるこの街には、訪れたあとに「また来たいな」と思わせる不思議な魅力があります。今回は蔵前という土地に集まる「人」のおもしろさを探るべく、クリエイティブな活動を通して人と人とをむすぶ場づくりをおこなうリノベーションカフェ『蔵前4273+creative garage』代表の大類(おおるい)将彦さんにお話を聞いてきました。

新しい価値を発信するための「開かれた会議室」。

「これから東東京がおもしろくなる」という予感があった

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大類将彦さんプロフィール: 埼玉県越谷市出身。デザイン会社・企画制作会社にて
イベントプロモーションやグラフィックデザイン案件を手掛けた後、
2013年に蔵前4273クリエイティブガレージを開設。
現在は株式会社アールティーヘヴン代表取締役としてクリエイティブディレクション業務と並行し、
浅草経済新聞、蔵前4273の運営を直轄している。

――お店をつくったきっかけを教えてください。

大類さん(以下省略)「もうひとり共同経営者がいて、お互い西の方でグラフィックデザイン、広告などの制作事務所をやっていました。3年ほど前にお互いのオフィスが更新になったきっかけで、いくつか候補を探していたらこの物件にあたって。二人とも『これから東東京がおもしろいよね』と思っていたこともあり、ここでおもしろいことができたらいいねという話になりました。」

――蔵前という土地に決めた理由はなんですか。

「物件はエリアで探しました。飛行機を利用することが多いので、成田も羽田も近いところが良いと思って。新橋とかも見たんですけど、ノーチェックだった蔵前におもしろい物件があるよと教えていただいてここを見つけました。

もともと工場だったこの建物は、すでに工場が終わって倉庫で使われている状態だったので、新たなコンセプトを吹き込んでリノベーションしました。」

倉庫の無骨さがかっこいい、クリエイティブな空間

1階はカフェスペースとクラフトスペース、ショップになっています。
2階はアーティストの交流を目的としたシェアアトリエになっており、
お店全体を会場にしたイベントを行うことも多いのだそう。

――もともと、リノベーションカフェをやりたいという思いがあったのでしょうか。

「本当は、カフェをやる予定はなかったんです。デザイン会社で僕らがやっていることをもっと人の目に触れてもらおうとしたときに『カフェはじめました』って言ったら、みんな来てくれるんじゃないかと思って。近所の人に来てもらえるように会議室をカフェっぽくして、じゃあカフェだったらお客さんに自由に入ってもらおうということになり、いまの形になりました。近所の方も実際に会議で使ってくださいます。」

「知りたい」と思って街を訪れる人を増やしたい。

ショップには「手仕事」を感じられるアクセサリーや小物類が並び、
シェアアトリエに入居している方に関連したアーティスト作品も販売している

――大類さんにとって、暮らしの中で大事にされていることは何ですか。

「仕事もカフェも、人との縁やつながりを大事にしています。

人との距離というのは、いろんな理由があって決まる気がするんですよね。たとえば、とってもハイセンスでクールな場所があったとして『行ってみたい』と思う人は多いと思います。ただ、その中で集まった人たちがコミュニケーションを生むかというと、そこはまだ疑問だと思うんです。

人との交流ではなくて、見に行くことが目的だったら人との距離感ってそんなに近くはない。かたや浅草のように昔からある場所を『知りたい』と思って訪れたときに、昔からずっと浅草に住んでいるお店の人が浅草ってこうなんだよ、という話をしてくれたら『いいとこだな』って思うじゃないですか。

この辺の常連さんはこの地域のことをよく知っていて、僕らがお店をやっている上で知らないことも教えてくれる。そういった人たちが僕たちを受け入れてくれて、面白いよって言ってくれて、新しい人を連れてきてくれる。それって、みんなが来てくれるって以上に、二次的な価値があると思うんです。そういうのってとても大事だと思います。」

蔵前に住む人がこのカフェを育ててくれた。

カフェの一角に飾られているのは、常連さんの作品。
人とのつながりができるとともにお店が育ってきたという。

「こんな雰囲気なので、何やってもOK。いろいろやってますよ。寄席もやってるし。寄席は町内のお年寄りの方もいらっしゃいますし、宣伝もしてくれます。高座をつくる台とか、全部用意してくれます。結局その人たちから紹介をしてもらって、イベントをやることもありますね。『お前のところでやってくれない?』と言ってくださることがありがたいです。」

蔵前を知るには、ぜひ実際に足を運んで人のもつエネルギーを感じてみてほしいという大類さん。お店の前を通りがかった下校中のお子さんにお声がけ運動をしたり、常連さんとあたたかいコミュニケーションをとったりする姿を見て、蔵前という街が一段と身近に感じられたような気がしました。

アートを通じて蔵前とつながりたい人に。

蔵前に住む人がもつパワーとあたたかさを体感できる『蔵前4273』。クリエイターであるスタッフの方と話をしに来たお客さんでカウンターが埋まることも多いのだそう。カフェ以外にも多種多様なイベントを開催しているので、興味のあるものを探して参加してみてはいかがでしょうか。きっとみなさんも新しい蔵前を見つけられることと思います。訪れたその先がおもしろい「アートを感じるカフェ」、ぜひ足を運んでみてくださいね。

蔵前4273+creative garage
【住所】東京都台東区蔵前4-27-3 蔵前4273 クリエイティブガレージ
【営業時間】月~水:10:00~19:00/木~土:10:00~22:00
【定休日】日曜 ※イベント開催などにより変更する場合あり
公式サイト

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