ご利用サービス | 物件探し+リノベーション |
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面積 | 66.62㎡ |
間取り | before:3LDK after:2LDK+WIC 間取り図を見る |
建物 | 中古マンション |
構造 | 鉄骨鉄筋 コンクリート造(SRC) |
リノベーション 完工年月 |
2021年12月 |
完工時築年数 | 築40年 |
場所 | 神奈川県川崎市 |
家族構成 | 夫婦 |
お二人揃って「黒」のお洋服を基調にコーディネートされたI様のおうちは無彩色の「グレー」で統一された空間。
同じグレーでも素材や色の濃淡ひとつひとつをこだわることによって表情が生まれ、お住まいになるお二人にスポットライトがあたる、そんな素敵なお部屋づくりについてインタビューさせていただきました。
きっかけ
私は音楽制作の仕事を在宅でやっており、当時は約40平米くらいの賃貸の1LDKに住んでいましたが、コロナ渦で、妻もリモートワークをすることになり、常にこの部屋で2人で仕事をするのは手狭だな、と感じ始めたことがきっかけです。
また、インテリアに興味が出てきた時期だったので、シンプルに賃貸ではインテリアになかなかこだわることができない点にもどかしさも感じていました。
賃貸の家ではLDKの面積が狭かったり、照明にこだわりたいと思っても、照明の位置を変えることができなかったりするので、何かもっといい方法がないかなと思って色々調べていたときに選択肢のひとつとして「リノベーション」が頭に浮かびました。
以前からYoutubeでリノベーション関連の動画を見ることが好きで、その中で『クリエイティブの裏側』を配信されてるyoutuberの崇島さんがリノベるでリノベーションしたと話していた動画を見て、リノベるを知りました。
ただ、家を買うということは、もっとすごく大きなイベントだと思っていたので、当時は正直なところもっと先、数年後の話かなとも思っていました。
比較検討
自分のやりたいインテリアを作ってみたいというのがあったので、建売とか新築マンションよりは、注文住宅とかリノベーションの方がやりたいなと漠然と思っていて、注文住宅もハウスメーカーがいいのか工務店がいいのかも迷っていました。
リノベーションの会社だと、大手なのでリノベるともう1社私達が好きなテイストの事例のある会社の2社に資料請求をしました。
私たちの周りでは、リノベーションをやっている人がいなかったですし、家を買うとなると戸建て、新築マンションという人ばかりだったので、情報収集は主にインターネットで行いました。
注文住宅の選択肢もありましたが、リノベるに資料請求したあとすぐにお電話をいただき相談会のご案内をしていただいたので、まずはリノベるへ足を運びました。相談会で梅谷さんとお話をする中で、私達の不安が払しょくされていったので、結果的に住宅展示場に足を運ぶことはありませんでした。
相談会に行く前も資料は見ていましたがわからないことも多かったので、実際に行ってお話することで決断ができたのだと思います。
選んだ理由
打合せ場所が実際リノベーションされたショールームだったので、自分たちがリノベーションするイメージがわきました。
私たちが実際にカウンセリングに行って聞きたかった不安要素は「古いマンションって大丈夫なの?」という点と、住宅ローンのことでした。
「住宅ローンでいくら借りたら毎月の支払いはどのくらいになる」というのも全くわからなかったのですが、梅谷さんに教えてもらい「意外と家って買えるんだ」と気持ちが切り替わりました。
そもそも買えるようなものだと思っていなかったのですが、「自分たちでも買える」というのが現実的になったところで決心がつきました。
今まであった不安が払しょくできたこと、マンション探し、住宅ローンなど一連の工程をお任せできて楽という点、かつ自分たちが好きなように作れるだろうなという点を梅谷さんとお話する中で確信できました。リノベるは大手なので、他の会社よりも高いのかなと気になりましたが、実績が多く小さな会社よりは、大きな買い物だからこそたくさんのお客さまのおうちづくりに携わっているところや、自分たちに合った街選びなどトータルで安心できると感じたのでお任せすることにしました。
カウンセリング
今回のおうちづくりでは「住む場所」を一番悩んでいました。
コロナが落ち着いてから、妻が出社する機会も増えたのですが、妻は奈良の出身で東京の電車の混雑が苦手なので、妻の職場へのアクセスがいい場所、比較的混まない路線で予算も踏まえて絞り込んでいくと千葉、埼玉、神奈川方面で小田急、京葉線のほぼ2択になりました。峰岸さんからは千葉の検見川が理想の暮らしや条件を考えてお二人に合っているのではないかとお勧めをいただき、実際に検見川の街を見に行きました。
ただ、この段階で母に検見川を検討していることを話したのですが、自分が住む小田原から遠くなってしまうこと、また本気で私たちが家を買うと思っていなかったようで、住む場所と中古マンションを買うことに難色を示されて、その説得に苦労しました。
親世代は、家を買うといったら「新築」を買うのが当たり前なので、「中古」を買うこと自体がなかなか受け入れられませんでした。
その後、母の住まいへも行きやすい場所ということで「小田急線に絞り、物件を改めて探し始めることにしました。
「おうちづくり」についてはカウンセリングの段階ではそこまで不安はなく、自分でデザインして、自分でレイアウトも考えるけど、リノベるが相談にのってくれることに安心感がありました。
I様は、ご来場当初は、リノベーションと物件購入の予算感がまだ不明瞭で、自分たちがどの金額の範囲で物件を買いリノベーションができるのか、どのエリア、どの街で物件を買えばよいかを迷っていました。住む街については、当時お住まいだった街も気に入られていましたが、絶対にそこが良いということもなく、予算に限りがある中で、どのように住む街を決めていけばいいのかお二人では決めかねていたようです。
街をどう選んでいくのかというお話の中で、私からは「今までデートで行った場所で好きだった場所はどこですか?」など、お二人がどんな雰囲気の街が好きなのかを思い出しながら描いていくことができる質問をいくつかしていきました。
その中で、お二人は「ワイワイした街よりは、人が少ない方が落ち着く」ということが明確になり、二子玉川が例えとして出てきたので、お二人のご要望に沿いかつ予算にも収まる範囲で住む街を絞り込んでいくことにしました
お客さまとのカウンセリングでは、普段どのようなルーチンで行動をとられているか、親戚やご兄弟、単身の方なら彼女がどこに住んでいるかなどをまずはお聞きします。
例えば、毎日ランニングする方であれば「ランニングで走りやすい公園がある」ことがお客さまにとっての住みやすい街ということになります。
カウンセリングの際には、I様とお母様とのエピソードが物件探しの重要な要素になりました。I様のお母様は外出されると帰りにIさん宅に寄ってから自宅に帰宅されるほど関係性が良かったのですが、I様はカウンセリングに初めてお越しになった際、家を購入したいということはお母様には話されていたようでしたが、具体的に動かれていることやリノベーションを検討している点はお話されていないようでした。
その状況をお聞きして、私は「まずはお母様に、改めて物件購入とリノベーションをすることをしっかりとお話された方がいいのではないですか?」と提案しました。
I様は快くその場でお母様に電話をしてくださり、「一度きちんと話をしてきます。」と、物件探しが始まる前にご家族でお話をされることになりました。
その後、きちんとお話され、お住まいのエリアを絞り込んでいく物件探しが始まりました。
物件探し
今まで賃貸物件を探したことはありましたが、購入する物件を探すのはもちろん初めての経験でした。
特に妻の会社へのアクセス(通勤面)で毎朝潰されそうな電車に乗らなくてもよいことを考慮し、これを物件探しの重要な条件としてあげていました。
峰岸さんにも電車通勤の際に満員電車を避けられる路線をご相談していたのですが、「小田急線は数年前に複線化してだいぶ混雑が解消されたのでよいですよ」とお勧めされ、また母が住んでいる小田原にも行きやすいという点で、小田急線の中から絞り込んでいくことにしました。
路線を絞った後は、いくつかの「街」を見に行きました。
物件があるから見に行くのではなく、まずは街の空気感を見て、感じて、自分たちにとって住みやすい街なのかを二人で体感することにしました。
実際に暮らしていくことを想像すると「ちょっといい感じのランチができる場所」があるといいなぁと思っていたので、よい雰囲気のお店があったらそこに入り、ランチを食べたり、駅前のスーパーに寄って、買い物が不便ではないかを確認しました。
I様の物件探しでは、ご主人は基本的に自宅でお仕事をされているので、奥様の通勤の利便性を考慮する必要がありました。
また、お母様との関係性を考慮して、ご実家にも行きやすい点も考えながら、まずは路線図を広げて勤務先と実家の位置を線でつないでエリアを絞り込んでいきました。
物件探しの際には、リノベーション費用がかかることも想定しておかなくてはならないので、必然的に予算に合わないエリアというのも出てくるので、そのエリアや路線は選択肢から外していきます。
ある程度候補を絞り込んだら、条件に該当する物件の資料を全部印刷し、まずは私の方で3軍、2軍、1軍のようにグルーピングをしていきます。そのときに、私の方で見てほしいポイントはすべてマーカーで線をひいておきます。
その後、I様も交えて100枚近い物件資料を1枚ずつ見ていき、マーカーをした箇所を中心に条件に合致するかを見ながら、内覧する物件を絞り込んでいきました。
このプロセスによって、お客さまは数多くの選択肢から「自分たちにあう物件を自分たちで選ぶ」という体験をすることができるのですが、これが物件探しのプロセスでリノベるが大切にしている体験価値です。
おうちづくり
妻は友人を招いてホームパーティーを開くのが好きなのですが、ホームパーティーの際にも、ずっとダイニングにいるより、ソファや色々な場所にいられるようなLDKに憧れていました。
私のほうが細部にこだわりがあり、水野さんとの打ち合わせに向けて資料を50ページくらいまとめましたが、水回りを動かせるかなどは自分では解らなかったので、そこを水野さんにしっかりと相談して決めていきました。
私たちのメインの要望は、「LDKを広くつくりたい」「玄関の土間を広くしたい」「隠し扉を作りたい」で、リノベるの事例で見ていた玄関からリビングまで開けた感じの間取りがとてもよかったので、その間取りを参考にしながらおうちづくりを進めました。
美術館やギャラリーによくある「コンクリートの箱」みたいな空間がかっこいいなと思っていて、そういうものをイメージしながら作ったのですが、扉に木材を使ったり、床にタイルを使ったりしたことで結果的には全然違う印象のおうちに仕上がりました。
美術館とかギャラリーが元々好きだったわけではないのですが、25歳くらいの頃にふとTwitterですごく良い写真を撮る方を見つけて、その方の写真がすごく好きになってカメラを買いました。その後、その方のInstagramも見るようになったのですが、Instagramには私が今まで触れてこなかったカフェや美術館、インテリア、ファッションなどの情報がたくさんあって、私の世界が広がっていきました。様々な写真を見る中で、カフェの内装が素敵だなとか今回のおうちづくりの参考にしてきたと思います。
また、インテリアやカフェに興味を持ったタイミングから、私も妻もこれまでと全く異なるテイストの服装を選ぶようになり、これまではカラフルな洋服も着ていたのですが、黒を基調とした服・持ち物を好むようになりました。
今回の無彩色のお部屋というのも、私たち自身のライフスタイルが変わったことによって作り上げられたものなのかなと思っています。
I様のおうちづくりの中でとても印象に残っているのは、I様ご自身で気になるデザインや気になる間取り、おうちづくりで取り入れたいことなどを50枚ほどの資料にまとめていたことです。
ただ、やりたいことのビジョンが明確な反面、色々調べすぎて整理がつかない状態に見受けられました。
そこで、I様のまとめられた資料をとにかく全て読み込んで、最初の打ち合わせで3案のプランを提案しました。
その後のやりとりでは、3案の中から気になった案をキャプチャして、I様が再び資料化してコメントを入れ気になる点を直していく、そんなラリーをしながら間取りを決めていきました。
「お部屋を広く使いたい」という要望があったので、廊下をなくしお部屋の空間を広くとれるようにしたのと、水回りやウォークインクローゼットの動線上にある扉は、何枚も同じ扉を並べて一見すると壁のようにするというアイデアを取り入れていきました。
住んでみて
グレーな空間にしたことによって、家具でいくらでも遊べるようになりました。
椅子もついこの間買い換えたばかりで、元々は黒いスチールの足にグレーのクッション、オーク材の背もたれだったのですが、オーク材のテーブルに真っ黒な色を合わせたいと思ったので新しい椅子に買い替えました。ただ、オーク材でない素材、バーチやヴィンテージの家具にしてもすべて成立するのが今のグレーの部屋だと思っています。
住んでからは、定期的に家具を変えたりしながら気分転換をしています。
また、元々手前にあったブラインドを奥に変更する追加工事をして、出窓の部分をディスプレイができる空間に変更しました。
ギャラリーのように、家具や照明を変えられることで空間をブラッシュアップしていけるところが、賃貸ではできないリノベーションの良いところだと実感しています。
お気に入りの場所
キッチン
壁付けのキッチンにアイランドのカウンターを組み合わせています。カウンターは造作で作りましたが、とても広くて片付けをするときに一旦ここに置いたり、お茶をいれるときに使ったりなど、色々な用途で使えるところが便利です。また、このカウンターの内側に家電などを収納できるようになっているところもポイントです。アイランドにしたことで家事動線がとても良く、冷蔵庫が開けやすいなどペニンシュラでは実現できないことができるので、使いやすくてとても気に入っています。
賃貸では狭くて2人ではキッチンに立てなかったのですが、今は2人で一緒に立つこともできるようになりました。
また、キッチンの小窓は水野さんが提案してくれたのですが、土間の光を取り込めるので、提案通りに窓をつけてよかったと思っています。
隠し扉
廊下がないことで、各部屋への移動やウォークインクローゼットへのアクセスがとても良いです。扉には取っ手をつけずに、扉の端に斜めの切り込みを入れて開けやすいように工夫しています。
扉の色はグレーに塗装していますが、木目がどの程度透けるかは、実際に現場で2パターンを見せてもらいました。
色をのせたあとに、ふきとるパターンとふきとらないパターンをみせてもらって、結果的にはふきとるパターンの方を選択しました。
扉の中にあるウォークインクローゼットは、元々はカーテンで中間を仕切り、子供ができた際には寝室にもできるようにと考えていました。結果的に今は広い納戸として使っています。
この隠し扉にエアコンと洗面台への導線があることも気に入っています。
照明
インテリアは照明に興味をもったことがきっかけで好きになりました。
ペンダントライトやブラケットライトは、真鍮の削り出し加工だと重すぎて賃貸では設置できないので、今回はこだわってつけました。
天井から照らしている照明はほとんどなく、低い位置で全てシェードがあるタイプを選び光のコントラストが強く出るようにしています。
色々実験をした結果、今はこの位置に落ち着いていますが、色々動かすことができるようにすることも設計時の要望として伝えていました。
個人的にシェードがあるタイプの照明が好きで、ダイニング・ソファなど人がいる場所をスポットライト的に照らすように設置していて、この感じがとても心地のよい空間になっています。
照明を色々試してみたいというのがリノベーションをやりたいと思ったきっかけですし、家具屋さんなどのほの暗い感じをおうちで再現したかったのだと思います。
洗面台
コロナ渦に人が来た時に、ランドリースペースに入らずに手を洗ってもらうこともできるように、キッチンの横に設置しています。
夫婦で並んで洗面台を利用できるように、鏡を二つ並べることも要望としてお伝えしました。妻が洗面を使ったあと、横にずれてメイクをしたり、短い身支度の時間でも夫婦のコミュニケーションがとれるスペースになっています。リビングから見てもおしゃれな点が気に入っています。
おうちをグレーで統一していくご希望をいただきましたが、壁も天井も床もグレーにすると、のっぺりしてしまい質感のないおうちになってしまうので、素材感をグレーの中でどういう差をつけて取り入れたら良いのかを気をつけながら考えていきました。
また、併せてこだわったのが、空間における線の出し方です。
線を出すときは、太い線じゃないものにしたいという話があったので、例えば目地でも隙間は大きくあけずに細くとり、ラインが出るところはシャープに見えるように設計を進めていきました。
細かな点では、電気のスイッチプレートも通常のサイズではなく細身のものを入れるなどして、できる限り空間の中では面ではなく線が印象づくように工夫をしています。
リノべを検討する人へ
間取りを自分たちの好きなように決めることができるのが、リノベーションの一番良いところだと思います。マンションは基本的に間取りが決まっているものから選ばなければなりませんが、私たちのように広いLDKにしたり廊下をなくしたりできるのは、リノベーションだからこそできることです。
間取りが決まれば、内装のデザインについてはデザイナーが提案もしてくれるので、考えるのが難しいと感じることはないと思いますし、何より自分たちの好きなようにおうちを作れるのはとても楽しいです。
私たちのようにインテリアが好きな方はとても楽しんでおうちづくりができると思います。注文住宅よりも金額を抑えながらも好きな空間を作れることは「リノベーション」の大きなメリットと感じています。
古いマンションは「立地の良さ」がメリットにあるので、リノベーションをするという選択肢をもっていると、立地のよいマンションをリノベーションして住む選択肢ができ、おうちづくりの視野が広がるのではないでしょうか。
I様は、他のリノベーション会社も検討していることを私に伝えてくれました。I様のやりたいことが実現できるなら、お好きな会社でリノベーションをされるのがよいと考えました。ただ、住みたい街が決まっていないと物件を紹介してもらえない会社も多い中で、I様が予算に合わせて住みたい街をお二人だけで選ばなくてはならないことが「大丈夫かな」と心配になり、リノベるであれば、「街選び」という暮らしの中で大事な要素も、一緒に整理しながら候補を絞り決めていくことができることをお話しました。
自信をもって「物件探しもリノベるで一緒に決めていける」とお伝えできたのは、私自身が入社間もないころに、物件担当の峰岸の物件選定の打ち合わせに同席していて、実際に目で見てお客さまに自信をもって伝えられる価値を感じていたからです。その価値を誠心誠意、I様にも伝えました。