音楽好きが集う街・吉祥寺。この街にはたくさんのライブハウスがあり、毎日ありとあらゆるステージが繰り広げられています。中でも『曼荼羅』は創業43年、古くから多くの音楽好きに愛される老舗のライブハウス。6代目店長である赤崎兼史さんに、その魅力についてお話しを伺いました。
『曼荼羅』とは
創業45年。日本で2番目に古いライブハウス
「『曼荼羅』は1974年にオープンし、今年で創業43年を迎えます。日本で二番目に、東京では一番古いライブハウスとして、長きに渡り音楽好きが集う場を提供してきました。“ライブハウス”という言葉自体もこの『曼荼羅』が発祥で、全国に広まっていったと(社長に)聞いています」(赤崎さん)
現在、曼荼羅グループは、『曼荼羅』の他にも、吉祥寺に『MANDA-LA2』、『STAR PINE’S CAFE』、『ROCK JOINT GB』の3つのライブハウス、『Studio Leda』、『Studio α Vega』の2つのリハーサルスタジオを展開。更に、外苑前に『南青山MANDALA』をオープンして、多くの表現の場を提供しています。
主演者と距離が近いステージ
『曼荼羅』はスタンディングで100名、椅子を並べると60名という、決して大きくはないキャパシティー。ステージも低いため、演奏をとても近くで聴くことができます。出演者のエネルギーを感じることができる、贅沢な距離感が魅力です。
『曼荼羅』を彩る“音”と“人”
ジャンルの垣根を超えた多彩なアーティストが出演する
『曼荼羅』では、バンドのライブはもちろん、弾き語り、朗読、演劇、お笑い等、様々なパフォーマンスが行われています。
音楽のジャンルも幅広く、ロック、ポップス、ジャズやクラシックに至るまで実にさまざま。ジャンルの垣根を超えた多彩なアーティストがステージに立っています。
取材当日は、奄美大島出身のシンガーソングライター築秋雄さん(写真中央)のマンスリーツーマンイベント『希望の翼』の42回目が行われていました。
沖縄音楽を融合したメッセージ色強いシンガーソングライター井上ともやすさん(写真右)、そしてドラマー・パーカッショニストの永原元さん(写真左)とともに、繰り広げられる灼熱のライブ。
会場に響き渡る二人の歌声、放たれる強いメッセージ、そして時に軽快に時に力強い刻まれるジャンベの音……。全てが胸に心地よく鳴り響きます。
時折流れる島国音楽に合わせて、踊りながら観ているお客様もいて、会場も和やかなムード。暑い夏にぴったりな、極上のステージでした。
「ステージに立ちたい」という夢を叶える参加型イベントも
プロのミュージシャンの素晴らしいステージを観て楽しむのはもちろん、アマチュアの方がステージに上がって表現できるイベントもあります。
その名も、『飛び入り! 曼荼羅 Open Mic!』。月に1,2回不定期で開催されており、「隠し持った芸を披露してみたい」など、人前でステージに立ったことがない方でも気軽に参加できるイベントです。
音楽はもちろん、芝居、朗読、お笑いなど、さまざまなパフォーマーが出演しているのだとか。公式サイトのスケジュールから都度エントリーを募集するそうなので、参加してみたい方はチェックしてみてくださいね。
親子で楽しめるランチタイム音楽会
ライブハウスは、“夜の大人の遊び場”というイメージがありますが、『曼荼羅』では昼間にお子様向けのイベントも開催しています。
「一緒に歌うもよし、踊るもよし、走り回るもよしの自由な空間ですので、ぜひ親子で気軽に遊びに来てください」と赤崎さん。
音楽はもちろん、影絵やタップダンス、絵本の読み聞かせ、紙芝居などお子様向けのステージが繰り広げられており大盛況だといいます。「ファミリー層が多い」かつ「音楽好きが集う」吉祥寺が持つ特徴が上手く融合したイベントは、40年以上も同じ土地で営業している『曼荼羅』ならでは。ほかのライブハウスではなかなか見かけることのない、魅力的な企画です。
音楽と「食」を楽しむ、至福の時間
音楽を聴きながら味わう一杯
音楽を聴きながらお酒を楽しめるのも、ライブハウスの醍醐味です。音楽好きの店員さんが、ビールサーバーから美味しい一杯を注いでくれます。
ビールのほかにも焼酎、ワイン、ウィスキー、カクテル、日本酒、ソフトドリンクなど、70種類以上のドリンクが販売されているのだそう。美味しいお酒を楽しみながら、音楽に酔いしれてみてはいかがでしょうか。
会社帰りにもうれしい充実のフードメニュー
また、フードメニューが充実しているのも曼荼羅の魅力のひとつ。会社帰りなど、これから食事どきという時間に直接ライブハウスに足を運ぶ方も多いのだそう。
パスタやピザ、スナックからデザートまで20種類以上の豊富なメニュー展開。中でも店長のイチオシは「曼荼羅カレー」。トマトをたっぷり煮込んだ濃厚な味わいが、人気なのだとか。
また、イベントに合わせてスペシャルメニューを用意することもあるのだそう。この日は奄美大島出身の築秋雄さんの出演に伴い、奄美大島の郷土料理「鶏飯」や、奄美大島の黒糖焼酎「加耶(かや)」が提供されていました。訪れた人たちも食事やお酒を楽しみながら、奄美大島を訪れたかのように開放的なひとときを過ごしていたようです。
ステージ後にはバータイムも
夜のステージが終わった後は、24:00までバータイムを楽しむことができます。BGMは、バーカウンターの横にズラリと並べられたレコードやCD。ライブの余韻に浸るもよし、その日の感想を語り合うもよし。会社帰りに、ふらっとお酒を飲みに来る方もいらっしゃるそうです。
音楽が身近にある街、吉祥寺
「吉祥寺には音楽を感じる瞬間がたくさんあります。ライブハウスもたくさんありますし、音楽が好きな人もたくさん住んでいる。飲み屋でたまたま隣になった人がミュージシャンだったということもよくあるんです。音楽という共通点があると、知らない人同士でも仲良くなりやすいんですよね。こんな風に音楽を身近に感じられるのは、他の街にはない“吉祥寺らしさ”だと感じます」
駅前では路上ライブを見かけることも多く、毎年ゴールデンウィークには「吉祥寺音楽祭」が開催されるなど、音楽が至る所にあふれている吉祥寺。音楽好きな人が自然と吸い寄せられるきっかけが数多くあるように感じました。
「生活の中に音楽があると、気持ちが豊かになると思うんです。だから、出演者を知らなくても『曼荼羅に行けば何かいいステージが観られる』と思って、ふらっと足を運んで生の音楽に触れてもらいたい。そして、音楽を聴きたい方はもちろん、『何か表現したい』という方のためにも披露する場を設けています。ぜひ遊びに来てください」
音楽を聴きたい人、表現したい人、全ての音楽好きを受け止める老舗ライブハウス『曼荼羅』。中央線沿線に音楽好きが集まるのは、ライブハウスの原点がすぐそばにあるからかもしれません。音楽を身近に感じる暮らしをしたいという方は「気軽に寄れるライブハウスがあるか」という観点で住みたい街を探してみるのも面白そうです。吉祥寺を訪れた際には、ぜひ『曼荼羅』を訪れてみてくださいね。
ライブハウス 曼荼羅 (マンダラ)
【住所】東京都武蔵野市吉祥寺南町1-5-2
【営業時間】
平日 / 16:00~23:00(ライブ終了後から24:00までバータイム営業)
土・日・祝 / 昼部 10:00~15:00、夜部 16:00〜23:00(ライブ終了後から24:00までバータイム営業)
【公式サイト】http://www.mandala-1.com/