生まれる前と生まれた後…2回の家づくりで見えた、子育て仕様の住まいとは?|子育てオトンのリノベーション

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よくよく考えてみると、切っても切り離せない関係にある「家」と「子育て」。

親と子どもが最も長い時間をともにする場所が家であり、子供にとってはその家こそが、生まれ育った“実家”になります。

子育ては、一生に何度もあることでもなければ、親が子供とがっつり一緒にいられる期間というのも決して長くはありません。

だったら、その貴重な時間をより素晴らしいものにするために、自分たち家族の“らしい暮らし”ができる家を選びたい――。

そんな思いで中古マンションのリノベーションに踏み切った、愛すべきオトンたちのインタビュー企画をスタートすることになりました。実際にリノベーションしたお住まいにて子育てに挑むご主人(オトン)に、家づくりやリノベーションの良し悪しから、こだわりのポイント、実際の子育ての様子などを教えていただきます。

娘の誕生を挟んで、2回のリノベを経験したオトン。

さて、第1回目は、「リノベる。」のスタッフでもある木村大介さん(32歳)。家族構成は、奥さまと、11ヶ月になるお子さま(女の子)の3人家族。お子さまが生まれた後、築32年の中古マンションを購入し、フルリノベーションしてお住まいです。

ユニークなのは、木村さんにとって、実は今のお住まいが初めてのマイホームではないということ。赤ちゃんが生まれる前、ご夫婦2人暮らしのときにも、同じく築40年の中古マンションをフルリノベーションされているのです。

子どもが生まれる前と生まれた後で、2回のリノベーションを経験している方というのもかなり珍しいのでは。実際「1回目の反省を2回目に活かした部分もある」と木村さん。ということで、今回はそのあたりのお話を中心に掘り下げてみようと思います。

お話を伺った木村さん。

 

生後1ヶ月で“住み替え”を決断。

―― お子さん、11ヶ月でしたっけ? リノベーションしたお住まいでの子育て、どんな具合ですか?

めちゃくちゃ楽しいですよ。ハイハイであちこち動き回って。最近つかまり立ちするようになりました。

―― いいですねー。今の家は、かなりリビングを広くとっているんですよね? 家の中でものびのび動けて良さそう。

そうですね。LDKで30平米くらいですかね。

―― それは広い!どんな間取りにしたんでしたっけ?

LDKを広めにとった2LDKです。物件としては116平米あるのですが、30平米程度を“別室”として、遊びにきた親戚や友人に使ってもらったり、スペースシェアで活用したりする空間として作っています。実際の住居部分は80平米程度です。

―― 別室を作っているんですね。その話もぜひ深く聞きたいですが、まずはお住まいのほうのお話を。木村さんはもともと2年前に、初めてのマイホームを中古+リノベで手に入れていましたよね。

そうなんですよね。家を買って住み始めて、すぐに子どもが生まれて、それで今の家に移りました。

―― それはやっぱりお子さんの誕生がきっかけ?

後押しにはなったかなと思います。子どもが生まれた翌月に、面白い物件があるよという情報が入ってきて、たまたま自宅の近所だったので見に行ったんです。すると、すでに古い内装を取り除いたスケルトンの状態で116平米。たしかに良いねとなって。

―― 住み替えようとなったわけですね。ちなみに、1軒目の家の広さはどのくらいなんでしたっけ?

48平米くらいです。でも、2人で暮らすのはもちろん、子どもが小さいうちはこれで全然大丈夫だねと言ってたんですよね。子どもが1人部屋を欲しがるようになったり、2人目ができたら住み替えようか、といったくらいのイメージで考えていて。

なので住み替えて初めて分かったことなんですが、このタイミングで住み替えておいて、本当に良かったなと。

―― どういうことですか?

赤ちゃんって、3〜4ヶ月するとハイハイ始めて、あちこち動くようになるじゃないですか。

物件を見に行ったときにはまだゆりかごに揺られてましたけど、リノベーション工事の期間中に寝返りできるようになって、ずりばいするようになって。僕らも全く想定していなかったんですが、実際にハイハイはじめて、「あ、赤ちゃんってこんなに動くんだ!」と初めて分かったんです。

―― 赤ちゃんって何となく、大人しく眠ってるイメージありますけど、そんな時期は一瞬なんですよね。

本当にそう。正直「リビングを広く」したのは娘のためというわけではなかったのですが、まさに結果オーライでした。1軒目の家だとずいぶん物足りなかっただろうなと思います。

―― 30平米あったら、ハイハイのしがいもありますね(笑)。

結構大きめのマットをしいているんですけど、もうあちこち動き回って。僕と奥さんが使ってるスペースなんて、本当に前の家と同じくらいなんですよ。35平米くらい。残りは娘が使ってます(笑)。

―― 子育て想定で家づくりをしても、実際生まれてみないと分からないことってありますね……。

ゆったりと余裕をもたせたLDKは、約30平米の広さ。

1度目の反省から生まれた“お風呂あげ”専用スペース。

―― では、2件目のリノベーションでは、よりリアルに“子育て”を意識した家づくりをされたわけですね。広々リビングの他に「やってよかったこと」といえば?

お風呂の脱衣スペースを広くしたこと。これは本当にやってよかった。

特にこの“台”ですね。娘をお風呂からあげるじゃないですか。前の家だと、娘をタオルで受け取って、そのままリビングに連れて行ってたんですよ。拭くためのスペースがないから。

―― なるほど。

でも、お風呂上げてそのまま拭いたり服を着せたりできるほうが絶対いいよねと。それで作ったのがこの台です。これは本当に便利。同じくらいのお子さんのいる方には絶対おすすめです。

“玄関広め”は子育て世帯の必須要件。

―― 他にはいかがでしょう?

玄関を広くして、ベビーカーを置くスペースを作ったこと。これは良かった。これなしでは考えられないくらいです。

うちが使っているバギーが結構大きいやつなんですけど、もう一台くらい置く余裕があると思います。1台置いた状態でも、一般的な玄関より広いはずです。

あと、2LDKのうち1部屋が寝室で、もう1部屋を将来的に子供部屋として使えるような仕事スペースにしたこと。

自宅で仕事をしていると、娘がちょこちょこ遊びに来るんですよ。ハイハイで。で、僕が振り返った瞬間、ニコーッと笑うんですよね。膝にのせてたら大人しくしてるんですよ。30分くらいそのまま普通にPC作業できちゃう。もうずっと家で仕事しようかなと(笑)。

―― 間違いない(笑)。一緒の時間って重要ですよね。

そうなんですよ。なので、将来的に子供部屋にするといっても、スペースとしては4畳半ほど。子育ての方針というほどでもないですが、勉強は一緒にしてあげたいなと思っていて。だから、あまり子供部屋で何でもできるようには作っていないんです。

30平米の“別室”を作った、本当の狙い。

―― 親子関係の理想のイメージって、持ってたりします?

理想像と言えるかどうかはわからないけど、子育てにビジョンがあるんですよ。これは夫婦で合意してるんですけど、娘が巣立つときに「私の人生は自分で選んだ」と思えるようにしたいんです。そのために僕らができることって何だろうねというのは、夫婦でよく話しています。

―― 子どもに「こうなってほしい」ということではなく。

そうですね。将来どうなるかなんて全然分からないので。この子は絶対に東京で進学させるんだとか就職させるんだとかそういうのは全くないですし、どうなるかは本当に分からない。だから家も買いましたけど、いつでも引っ越せるようにとは考えています。

―― なるほど、貸しやすい・売りやすい家をつくるという観点で、中古+リノベーションを選んだところもあるわけですね。

もちろん、積極的に売ったり貸したりしようというつもりではないですけどね。ちなみに、理想では子どもは3人と考えてるんですよ。そうなったときの部屋の使い方までシミュレーションしています。

もしかしたらめちゃくちゃ早い段階で「留学する」ってなるかもしれないじゃないですか。そうなったときにも流動的に対応できるような間取りにしようと。それで出てきたのが“別室”のアイデアなんです。

“子ども3人”まで対応できる柔軟性を。

―― スペースシェアでの活用も考えていると仰っていた“別室”ですね。

そうなんです。別室にはリビング以外の機能が全部揃っていて、もし家族が増えて、子供たちが大きくなったら、別室を夫婦のスペースにする予定なんです。それで、いまの居住スペースを子供たちに。メインのLDKで家族だんらんして、寝るときに「じゃあまた明日ね」と、僕と奥さんが別室のほうに行くと。

でも、例えば子どもが早くから家を出ることになったとしたら、今の寝室を僕らが使って、もう一部屋を子供部屋にして。別室は、本格的に貸しスペースとして運用する。将来的に「民泊」が可能になったら、そこでも活用できるかなと。

家族構成や環境が変わることを想定して、それに対応できるようにバッファをもたせて作っています。

ウォークインクローゼットを避けた理由。

―― 5人家族の想定だと、収納スペースの確保も重要になってきますね。

そうなんですよね。収納は廊下と寝室の横に設けているんですが、ウォークインクローゼットはあえて止めました。

―― そうなんですか!?

ええ、スペースがもったいないから。ウォークインクローゼットって、人の入るスペースは、ある意味デッドスペースになってしまうじゃないですか。廊下に収納を作ってしまえば、そのぶん有効に使えるからと。

―― たしかに。あえてウォークインにしないというのも一つの手ですね。

家で過ごす時間が、明らかに増えた。

―― それだけ自分たちにあわせた空間だと、家にいる時間って長くなってたりします?

まだ子どもが小さいからというのはあるかもしれませんけど、ぶっちゃけありますね。これは1軒目の、まだ夫婦2人で暮らしていた時からなんですけど、まず外食が減りました。カフェに行ったり、飲みに行ったりする頻度が激減しましたから。

―― 1軒目のお住まいもそうでしたけど、カウンターキッチンで、スペースやパントリーも広い。お料理しやすいというか、したくなる感じもあるんですかね?

ありますね。絶対あります。キッチンの空間の作りもそうですけど、キッチンそのものも。やっぱり賃貸物件についてるキッチンと、分譲向けのシステムキッチンは全然違いますよ。使いやすさ。

そのおかげかは分からないですけど、離乳食はほとんど自前で、妻が手作りしてますね。冷凍して保存しておくんです。だから冷凍庫がいつもパンパン(笑)。もう一つ、冷蔵庫買おうかと言ってるくらいです。

もっとこうしておけば…

―― 逆に、もっとこうしておけばよかったなと思うことはありますか?

うーん……娘が入っちゃダメなところに入れないようにするか、そもそも入っちゃダメな場所をなくしておけばよかったなと思います。

―― なるほど、キッチンとか。

そうです。もうガスコンロのスイッチに手が届いちゃうんですよ。ホームセンターで売ってる柵がありますけど、どうしても見映えが……。

あと、部屋は基本的に躯体あらわし(石膏ボードや壁紙をつけず、建物の構造をあえてむき出しにした状態)なんですけど、コンセントプラグを差し込む電源部分がボコッと出ているんですよ。

結構とがっているので、ちょっと危ないなと。カバーをつけているところもありますね。

―― フローリングは無垢材ですよね? 小さいお子さんがいると、食べこぼしなどで大変では?

意外と問題ないですよ。確かにこぼしまくりますけど、さっと拭けば大丈夫。今のところ子育て目線で無垢材よかったねということはまだないんですけど、でも今のうちから“良い空間”に触れられるのは悪くないよなと思っています。

いつかこの家を巣立っていく娘に。

―― なるほど、「住育」的な観点ですね。一度こうした空間に慣れてしまうと、なかなか家から離れられなくなってしまいそう(笑)。

どうでしょう(笑)。でも、なるべく早く一人暮らしさせてあげたいなとは思います。自分も、一人暮らしをして一気に世界が広がった。一気に自由度が上がったという実体験があるから、娘にも早いほうがと。

家に限らず何でもそうなんですが、いろんな選択肢があることを知ってほしいんです。仕事もそうだし文化もそうだし。それしか知らないから必然的にそれを選ぶというのではなく、さまざまな選択肢の中から自分で考えて決められる人になってほしいし、そのための教育やサポートはやっていきたいなと思います。

―― お子さんとこの家が、これからどんなふうに育っていくのか……。数年後にぜひまた同じテーマでお話を聞かせてください。ありがとうございました。

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