二度リノベで叶える理想の暮らし

二度リノベで叶える理想の暮らし
VOICE

リノベーションを経験した先輩からリノベのコツを学ぶ特集。今回は、二度にわたるリノベーション体験をマンガ書籍化して発売された、イラストレーターのたかはしみきさんをお迎えします。
計3回のシリーズでお届けする特集の第一弾は、二度のリノベーション経験をご紹介。

これからリノベを検討する人や検討を始めた人の参考となる内容が盛りだくさん。ぜひ、最後までお読みください。

※各人のプロフィールは下部にあります。

  • リノベ暮らしはじめました(新潮社)

    著:たかはしみき
    結婚と出産、人生の節目で2回トライした築40年中古マンションのリノベ。悩みに悩んだ物件探し、困難極めた予算調整‥‥。著者が新しい生活様式と、暮らしやすい空間を手に入れるまでの奮闘記。リノベの悲喜こもごもとコツがぎゅぎゅっと詰まった一冊。
    新潮社サイト

リノベる。とたかはしさんの不思議な関係

リノベる:たかはしさんは二度のリノベーションをされたそうですね。リノベる。とは別の会社で施工されていますが、なぜ今回、対談のお話をいただいたのでしょうか?

たかはし:二度目のリノベの際、参考にした施工事例にリノベる。の事例が多かったんですよね。おしゃれで遊び心があるけれど、暮らしの工夫がされている事例がたくさんありました。
時間を節約したいとの思いで二度のリノベを同じ設計士にお願いしたので、リノベるにお世話になることはありませんでしたが、一度目に知っていたら相談していたと思います。ママ友がリノベるでリノベしていて、この本の中にもリノベるが登場します。

リノベる:良いイメージを持っていただいて、とても光栄です。

たかはし:私の中ではリノベ=リノベるで、人に相談されたら「リノベるに相談してみれば?」と薦められる会社という印象なんです。

対談するたかはしみきさん

家賃を資産にしたい一心で、住宅購入を検討

リノベる:住宅購入を検討したきっかけは何だったのでしょう。最初からリノベーションを検討していましたか?

たかはし:最初は賃貸の住み替えです。結婚後の新居を探していた時、訪れた不動産屋の人に、「家賃を払うくらいなら買えば?」と言われたことがきっかけでした。
確かに、更新費用も家賃も、一生懸命働いたお金が大家さんに流れるのは悔しい気持ちもありました。自分たちの資産のためになら頑張って働けると思ったので、中古物件の購入を検討しはじめました。

「リノベ暮らしはじめました」不動産屋を訪れるシーン

「リノベ暮らしはじめました」より

リノベる:中古物件に抵抗はありませんでしたか?

たかはし:夫は団地育ちで、むしろ古い建物が好きでしたが、私はやや抵抗がありました。築古マンションを内見した際、私は「やはり古いなあ」と思っていましたが、ふと横を見ると、夫は渋い外壁塗装やエントランスなどにテンションが上がりっぱなしでしたね(笑)。
リフォーム済みの物件を見学するうちに、抵抗は薄れて行きました。内装や設備がきれいなら別にいいかと思いはじめ、「中古物件のリフォームはアリ!」と選択肢に加わりました。ただ、この時点ではあくまでリフォームを検討していました。

リノベる表参道ショールーム

リノベる。表参道ショールーム

初回リノベーションは不安だらけ

リノベる:一度目のリノベは2005年ですよね?表層的に整える「リフォーム」が一般的だったと思いますが、なぜリノベーションを検討したのですか?

たかはし:私自身は、与えられた空間で快適に暮らす工夫ができれば満足、というタイプでした。夫の方が建築やリノベーションに興味があり、一度目のリノベは、夫の熱意に引きずられるようにして検討を始めました。

表参道ショールームの小上がりの椅子に座るたかはしさん

リノベる。表参道ショールーム

リノベる:たかはしさんご自身は、当時、リノベーションにどのような印象をお持ちでしたか?

たかはし:先進的で、先駆者がデザイン性の高い部屋に住んでいる。そんな印象でした。建築士の方の住まいを見学した際は、こんな美術館みたいなところに住めない‥‥と思いました。生活感がないというか。そこに自分たちが暮らすのは、想像しにくかったです。

リノベる:リノベーションをすることに不安はありませんでしたか?

たかはし:とにかく不安でした。リノベーションが何かも知らないし、周りに経験者もいないし。見本やお手本がない中で、勢いと手探りで進めるしかない。夫と設計士の会話は専門用語が多くて、いつもポカンとしていました(笑)。でも、周囲の人たちはもっと分からないだろうと思い、誰にも相談できませんでした。

リノベる。表参道ショールーム

リノベる。表参道ショールーム

予定外、想定外が押し寄せるリノベ工事

リノベる:失敗談や想定外は「リノベーションあるある」ですが、たかはしさんも何かありましたか?

たかはし:たくさんあります!解体工事をした際に、運悪く天井から壁にかけて火事の焼け跡が見つかりました。事実確認などで工期がストップしてしまい、暗雲が立ち込めました。

「リノベ暮らしはじめました」解体現場シーン

「リノベ暮らしはじめました」より

たかはし:壁ひとつ、床ひとつ、決めることが多いのでとにかく時間がかかりますし、コスト調整も思うように行かなくて苦労しました。当時の大工さんはリノベ工事に慣れていなかったので、確認作業に予定外の時間がかかったりもしてしまって。

リノベる:関係者と多くのやり取りが発生するのでストレスもありますよね。当時、リノベるのようなワンストップリノベーションがあれば、楽だったかもしれませんね。

たかはし:そう思います。やり取りが多いし、ミスコミュニケーションもあり大変でした。例えば、設計士が求める素材を大工さんが知らないため、「聞いていない、そんな素材は知らない」と押し問答になることもありました。
一つひとつの確認に時間がかかると工期が延び、ローンと家賃の支払いが重なる期間も延びます。こちらとしては死活問題なのに、その焦りは現場には伝わりづらかったのかギリギリまで急いでくれず、引っ越した後も、しばらく工事が続いていました。

リノベーション初心者によくある失敗とは?

リノベる:今思えば、初心者だからこその失敗だったな、と思うことはありますか?

たかはし:色々と理想を詰め込んでしまったことです。リフォームとは違う「リノベーション」をわざわざ選んだわけです。やるからには「リノベをした」と視覚的にわかるものがないと、お金を払う意味がないと思っていました。

リノベる:わかります。詰め込んだ結果、コスト調整も大変だったと思いますが、設計士の方からは何かアドバイスはありましたか?

たかはし:案の定、予算オーバーしました。設計士からは、初めから完成を目指さなくていいのでは?と言われました。ただ、一生に一度の気持ちでリノベをしている立場からすると、「後からできる」という言葉が、当時はすこし寂しく感じてしまいましたね。

ベッドルームとリビングの間にある室内窓

リノベる。表参道ショールーム

住み始めてから気づく、あれやこれや

リノベる:一度目のリノベ時は、何年住みましたか?住み心地や満足度はいかがでしたか?

たかはし:9年ほど住みました。全体的に好みの雰囲気にまとまり、住んでいくうちに細かい不満も出てきましたが愛着もあって‥‥。住み替えの際に売却しましたが、購入した方にも気に入ってもらえました。9年経って、リノベーションが浸透したように思いました。

グリーンのアクセントクロスがあるベッドルームと室内窓

リノベる。表参道ショールーム

リノベる:住み始めてから「もっとこうすれば良かった」と気付くことはありますか?

たかはし:ありますね。収納はもっと広く取ればよかったなとか、オープンなキッチン(ペニンシュラ)は急な来客時に隠せないので、常にきれいにしておかないといけないとか。

予算削減のために造作家具を大工さんにお願いしたんですが、小口の仕上げがされていなくて、自分たちで、やすりをかけてまわりました(笑)。

洗面室とキッチンの間にあるドアの前に立つたかはしさん

リノベる。表参道ショールーム

9年の年月が二度目のリノベを大変に‥‥⁉︎

リノベる:お子さんの成長がきっかけで、二度目のリノベをしたのですよね?一度目の経験が活きた点はありますか?

たかはし:おおよその工程と金額がわかっている点です。また前回は、設計士を探すことに時間がかかったため、同じ人にお願いして時間効率をはかりました。先ほど話したように、住んだ後に不要だと思った内容もわかっていたので、その辺りは経験が活きました。

リノベる:では、前回の経験を活かして、二度目のリノベはスムーズだったのですね?

たかはし:実は、その逆でした。一度目は失敗もあったので、次こそはと熱が入り過ぎてしまって。9年の間に、リノベーションに関する情報が溢れ、夢もますます膨らんで、むしろ選択肢が増えてしまいました。
延床面積も60㎡から80㎡になり、広くなった分だけ決めることも増えて予算のコントロールも更に難しくなりました。そして、決めることが増えれば、確認も増えるという‥‥。

白い壁とフローリングのリビング

たかはしさんの現在のお住まい

リノベる:なるほど。二度目ならではの苦労があったのですね。ほかに、9年経ったことで生じた困難はありましたか?

たかはし:9年経つと設計士の方も売れっ子になっていて、複数案件の掛け持ちでレスポンスが遅いことがありました。そのために工期も遅れ、ヤキモキしましたね。
二度目もやはり、解体して判明することもあり、設計や仕上げの変更を余儀なくされた部分もありました。

リノベる:紆余曲折あって、素敵なお住まいになったのですね。
次回は、たかはしさんに、リノベるの設計士と対談いただきます。聞きたいことがたくさんあるとか?リノベを検討している人の参考になりそうですね。

たかはし:はい、とても楽しみです。コスト調整や設計士とのやり取りなど、リノベるではどうしているのか、第二弾の対談でぜひ聞いてみたいです。

白とウッドを基調としたキッチンと洗面室

たかはしさんの現在のお住まい

まとめ

・解体後の想定外や予定外は、「リノベあるある」として受け止める
・ミスコミュニケーションも、工期遅れの要因となる
・初心者によくある失敗は、「理想の詰め込み過ぎ」でコストオーバー
・工期とは、ローンと家賃の二重払い期間でもある

次回の第二弾は、たかはしさんとリノベる設計士の対談です。お客様視点と設計士視点の両方から、リノベのコツをお教えします。お楽しみに。

イラストレーターたかはしみき

イラストレーター、キャラクターデザイナー。多摩美術大学卒業後、サンエックス株式会社に入社。「こげぱん」「あまぐりちゃん」などのキャラクター原案を手がける。2002年独立。
近年は子育て・日々の暮らし・食レポなどをテーマに執筆。「東京ひよっ子3人暮らし」シリーズ、『わたし、39歳で「閉経」っていわれました』『おうちでしあわせ日本全国まるごとおとりよせ便』など著書多数。

リノベる。JOURNAL菅 ななえ(かんななえ)

教育、マーケティング、エンターテインメント企業を経て、2019年にリノベるに参画。
リノベーションを当たり前にし、生活者の暮らしに貢献することを信条に、Webマーケティングに従事。現在に至る。
お客様のお住まいを取材することが、何よりの楽しみ。

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