小さなスペースでも設置可能な「ミニキッチン」には、どんな特徴があり、どのような人におすすめなのでしょうか。設置を検討する際の注意点や費用、選び方など、ミニキッチンの特徴をまとめてご紹介します。
※最下部にある「費用情報に関するご注意事項」をお読みください。
ミニキッチンとは?
「ミニキッチン」とは、名前の通りミニサイズのキッチンのことをさします。一般的なキッチンは、間口が2500㎜前後のものが主流ですが、ミニキッチンは900~1500㎜ほど。従来のキッチンの1/2~1/3ほどの大きさで、コンパクトなサイズになります。
そのため、スペースが限られている場所にも設置できるのがメリットです。サイズは小さいですが、シンク、コンロ、換気扇などが組み込まれており、日常で行う簡単な調理に支障はありません。一方、デメリットは調理のしづらさを感じる点。キッチンの間口は2500~2700㎜ほどあると使いやすいといわれています。そのため、ミニキッチンは、慣れていないと「狭くて使いにくい…」と感じてしまうかもしれません。
ミニキッチンがおすすめな人
ミニキッチンは、どんな住まいにあると便利なのでしょうか? おすすめしたいのは、次のような人です。
おすすめな人1:二世帯住宅で暮らす人
二世帯住宅で暮らしていると、「ミニキッチンを設置したい」と思うことが多いようです。メインのキッチンのみだと、「子世帯に遠慮して好きなときに使いづらい」、「親世帯が寝ている夜間にキッチンを使えない」など、お互いに不自由を感じることも。そういった暮らしにくさを感じている場合、親世帯と子世帯が共通して使うメインのキッチンとは別に、ミニキッチンの設置がおすすめです。
おすすめな人2:生活サイクルが異なる家族がいる人
生活サイクルが異なる家族が暮らす家庭で、ミニキッチンを設置する例があります。たとえば、寝室とキッチンが近くにある場合。外で仕事をしていた夫が深夜に帰宅してキッチンで調理をすると、寝ている家族を起こしてしまうかもしれません。そんな家庭では、メインのキッチンがある場所とは別に設置すると便利です。夜遅くなってもミニキッチンで簡単な調理ができるようにしておくと、お互いにストレスを感じにくくなるでしょう。
おすすめな人3:高齢の親を呼び寄せたい人
親が高齢になると、子どもが親を呼び寄せて同居を始めることがあります。そのようなケースでは、呼び寄せた親のためにミニキッチンの設置を検討する人もいます。高齢の親の部屋からキッチンが遠い場合、「お湯をわかしてお茶を飲みたい」などのちょっとしたことでも、移動が手間に感じることも。親の部屋、ないしはその近くにミニキッチンがあれば、自分が使いたいときにキッチンを利用できます。
おすすめな人4:オフィススペースを設けている人
自宅の一画をオフィスとして利用している人は、オフィススペースにミニキッチンを設置してもいいでしょう。仕事中や来客時に飲み物を用意したり、グラスを洗ったり、キッチンを使う場面もあります。自宅スペースにあるキッチンとは別にミニキッチンがあると、オフィス空間がさらに快適になるはずです。
おすすめな人5:調理をあまりしない人
普段から外食が多い人、食事が宅配される「宅食」サービスを利用している人など、自宅で調理をほとんどしない人もいるでしょう。そのような方は、従来のキッチンスペースを他のことに有効活用できるため、ミニキッチンの導入がおすすめです。
ミニキッチンを設置する際の注意点
ひとつあると何かと便利に使えるミニキッチンですが、設置や利用に関して覚えておきたい注意点がいくつかあります。
注意点1:冷蔵庫付き・コンロなしなど、目的に合ったタイプを選ぶ
ミニキッチンには、下部に小型冷蔵庫が組み込まれているタイプがあります。冷蔵庫を置くスペースがなかったり、大きな冷蔵庫が必要ない場合などは、冷蔵庫付きのタイプがおすすめです。また、お湯をわかしたり調理をする必要がないなら、コンロがないものを選ぶといいでしょう。その場合は換気扇が不要になり、設置費用が抑えられます。
注意点2:外壁に面していない場所での設置
戸建て住宅で、外壁に面していない場所にミニキッチンを設置する場合、換気ダクトを外に出す経路が必要となります。そのため、工事費用がかさみやすくなります。業者に相談して、設置しやすい場所がどこなのか聞きながら設置場所を検討し、見積もりを出してもらいましょう。
注意点3:給湯器の距離と容量をチェックする
ミニキッチンの設置場所を考えるときに確認したいのが、給湯器との距離です。ミニキッチンまでの距離が離れるほど、お湯の出るまでに時間がかかります。特に寒い季節は、蛇口をひねってもなかなかお湯が出てこないため、もったいなく感じることも。ミニキッチンの導入にあたって、給湯器をあわせて設置しなければならない場合もあるため業者に相談してみましょう。また、既存の給湯器の容量も確認しましょう。給湯器の容量が小さい場合、ミニキッチンを設置すると、複数の場所で同時にお湯が使えなくなる可能性があります。ミニキッチンを設置しても、十分に給湯できる容量があるかチェックしてください。給湯器の寿命は10~15年なので、ミニキッチンの設置を機に、新しいものへの交換を検討してもいいかもしれません。
注意点4:カーペットや畳に設置するなら床材の変更費用が必要
カーペットや畳の場合、床をフローリングなどに変更してから、ミニキッチンを設置する場合があります。床材変更の工程が必要となるため、その分の工数と費用がかかります。
ミニキッチンの設置費用
ミニキッチン本体の価格は、安いものなら20万円前後、高いもので40万円ほどです。これに設置するための工事費用がかかります。新規でミニキッチンを設置するなら、給排水管工事、電気工事、ガス工事などが必要となります。そのための工事費用だけで、別途20万円ほどかかります。既存の配管がある場合は、給湯器との位置関係やつなぎやすさによって異なりますが、おおよそ10~20万円ほどかかります。既存のキッチンを撤去して、ミニキッチンを設置するなら撤去費用も必要となります。ミニキッチンの本体と設置費用を合わせた合計は、だいたい30~40万円程度になると想定しておくといいでしょう。
ミニキッチンの選び方:主要メーカーのミニキッチンをご紹介
ミニキッチンは、メーカーによって機能や使いやすさが異なります。設置場所や用途にあわせて、最適なメーカーのミニキッチンを選ぶことがおすすめです。
パナソニック(Panasonic)
家電メーカーの大手であるパナソニックは、住宅設備に関してもさまざまな商品を取り揃えています。同社のミニキッチンの加熱機器は、ガスコンロ、IHヒーター、プレートヒーターの3種類。コンパクトで機能性を備えたミニキッチンを選びたい方におすすめです。
リクシル(LIXIL)
建築素材や住宅設備などを手がけるリクシルが展開するミニキッチンは、全部で4種類。下部に40リットルの冷蔵庫がセットになったタイプ、収納スペースを確保した扉タイプ、電気温水器を組み込んだタイプ。さらには、ご高齢や車いすをご利用の方に配慮された、足元がオープンになっているタイプがあります。
クリナップ
クリナップは、日本で最初に、多目的システムキッチンを開発したメーカーとして知られています。また、オールステンレスで作られたシステムキッチンでも有名。ミニキッチンもステンレスタイプの他、人工大理石のタイプもあります。
ハウステック(Housetec)
キッチンや浴室など、水まわりの住宅設備機器を展開するハウステック。ミニキッチンは、間口が900~1500㎜までの4つの大きさを取り揃えています。電気コンロは、プレートヒーターとIHヒーターの2種類と、ガスコンロもセレクト可能です。また、ミニキッチンの扉や取手には30種類以上のデザインが揃っています。受注生産になりますが、部屋のインテリアに合わせておしゃれなキッチンを演出できます。
タカラスタンダード
タカラスタンダードは、システムキッチンのトップシェアを誇るメーカーです。ミニキッチンは、施工が簡単な上下分離ユニット式です。IHヒーターを標準装備し、オプションで冷蔵庫や換気扇をプラスすることができます。
ミニキッチンを選ぶポイント
ミニキッチンを選ぶ際は、「メーカー」「設置費用」「オプション」の3点をチェックしましょう。ショールームなどでミニキッチンを実際に目にしてみると、どんな風に利用できるのかが明確になり、使い勝手も体感できます。アフター保証を重視したい人は保証内容も事前に確認してみてください。また、ミニキッチン本体の価格だけではなく、設置費用とあわせた総額で検討するようにしてください。そのうえで、冷蔵庫などのオプションメニューの設置について、業者に相談しながらご自身にあった機能を検討してみてください。
まとめ
手狭なスペースにも設置できるミニキッチンをご紹介しました。コンパクトなサイズながらも、シンク、コンロ、換気扇などが組み込まれ、その使い勝手の良さが魅力です。二世帯住宅やオフィスなど、活用シーンは様々。部屋からキッチンが遠い場合や、時間帯や家族を気にせずに調理したい場合に設置されていると、利便性は高まりそうです。サイズや機能などをしっかりチェックしたうえで、ライフスタイルに適したミニキッチンを選んでみてください。
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