新築マンション高騰の理由は?中古マンションを買うべき?

新築マンション高騰の理由は?中古マンションを買うべき?
中古マンション

※こちらの記事は、随時、内容を更新していきます。

新築マンションの価格高騰が話題となっています。マンション価格を平均年収の何倍かで示す「年収倍率(※1)」は、新築マンションの全国平均では8.4倍。東京に限ると13.4倍で、2019年の13.26倍をさらに上回る結果となりました。

一方で、過去5年間の平均年収(※2)は減少傾向にあり、2020年は403万円で前年から6万円ダウンしています。

マンション価格は上がっているのに給与は下がる一方。こうした状況下でどのように住宅購入の検討を進めればいいのでしょうか。

ここではお客様から寄せられた疑問に[リノベる。]の物件担当者が答えるQ&Aをご紹介します。ぜひ、参考にしてください。

※1:東京カンテイ調べ(2020年の価格と年収が対象)
※2:doda調べ(2020年の価格と年収が対象)

回答するのはこの人

リノベる。物件担当:上出 昇(うえでのぼる)

大学卒業後、森ビル株式会社、オークラヤ住宅株式会社、ソニー不動産株式会社(現SREホールディングス株式会社)と一貫して不動産関連業に従事。2019年リノベるに入社し、現在に至る。
バブル崩壊、阪神大震災、耐震偽装、リーマンショック、東日本大震災など、不動産情勢に影響与えた場面において仲介業の現場を経験。

目次

新築マンション高騰の理由は?今後どうなる?

高級感のある部屋

Qなぜこれほど、新築マンションの価格が高騰しているのですか?

A需要と供給のバランスが取れていない中で建設関連の人材は不足し、人件費が高騰しています。加えて、建築用地価格高騰や建築費の高騰など人建築コストの上昇があります。 また、富裕層やパワーカップル(世帯年収1,000万円以上のご夫婦)を中心に、低金利ということで物件価格が高くても購入する方もいるため、価格は下がりにくい状況にあるのです。

Q近い将来、新築マンションの価格は下がりますか?

Aすぐには下がらないと思われます。控えている建設量や規模から建設ラッシュが続く可能性が高いため、建設に係る人件費もさらに高騰します。低金利が物件価格を押し上げていることもあるので、短期で価格が下がることは考えにくいでしょう。

中古マンションを検討すべき?

住宅とお金のイメージ

Q中古マンションの価格はどうなのでしょうか?

A築10年の中古マンションにおける年収倍率の全国平均は5.92倍(※3)で、新築マンションに比べると検討しやすいと言えます。地方に比べると首都圏の中古マンション価格は上がりますが、例えば、築21年以上のマンションにおける首都圏の年収倍率は6倍程度です。築年数が経過した中古マンションを上手に選ぶことで、都心でも購入検討しやすいことはあるでしょう。

より築年数が経過したマンションであれば、価格的には検討しやすいこともあるでしょう。築年数が経過していても良物件はありますので、知識のある専門家と一緒に見極め、かしこく購入することが大切です。

※3:東京カンテイ調べ(2020年の価格と年収が対象)

Q中古マンション市場の現状は?今後どうなるのでしょうか?

A昨年6月頃から、新築マンションの売出し数は増えています。住み替えのサイクルから、新築マンションと中古マンションの売出し数は比例する傾向にあるので、中古マンションの売出し数も増えつつあります。

需給バランスにより中古マンションの価格は上昇傾向にありましたが、中古市場の流通が回復して来ています。これにより、物件価格は上がっていますが、成約単価は下がっている様子も見られます。物件価格が、買い手の購入可能な価格を超えてしまった可能性もあり、売り手市場ではありますが、価格が頭打ちとなっているとの見方もできます。また、金利の動向によっては支払い総額が変わってくるので、マンション市場に影響が出ることは考えられます。

中古マンションの買い時は?どう検討する?

リノベーションされた部屋

Q今は中古マンションの買い時なのでしょうか?

Aコロナ禍で同じようなご質問をいただきました。その時と同じ回答になりますが、ご自身の理想の暮らしを実現するのにふさわしい時期と金額を、賃貸と比較しながら考えてみるといいと思います。

コロナの影響で物件価格が下がるのではないかとの見解もありましたが、結果的にはそうなりませんでした。背景には、コロナ禍でもある程度の暮らしを維持できた方が多かったこと、巣ごもり消費で家の外よりも内に意識が行くようになったことがあると思われます。低金利の状況ではあるので、今ある価格の中から、理想の暮らしをするために価値があるかどうかで判断されるのがいいでしょう。

Qどのような中古マンションを検討すべきでしょうか?

A管理状況はもちろんですが、土地の権利関係や、接道条件、耐震診断結果等にも注意が必要です。この数年中古マンションへの住宅融資条件が厳しくなっており、以前は人気のあったマンションが今は融資を受けられないケースも出てきています。 道路と耐震診断の関係、敷地面積が建築当初と大きく変わっていないか等、将来的な建て替えや維持管理を見据えた価値判断が重要になります。

また、ここ数年、こだわりのリノベーション物件が中古市場で取引され始めましたが、一般的なリフォーム済みの中古物件と比べてリフォーム価値が下がりにくい傾向があります。売主と買主の価値観が一致した場合、リノベーションのアイデアと完成に至る時間を買えるメリットが、リノベーションの価値維持につながっています。こだわりのリノベーションに適した素材の中古マンションを選び、建物も中身も長く付き合える物件選びがポイントです。

売主様のメリット

買主様のメリット

中古マンション価格高騰の対策はある?

郊外のイメージ

Q郊外の中古マンションを検討すべきでしょうか?

Aコロナ禍で郊外を検討する人も増えました。ただ都心に出る際には移動時間がかかります。コロナウイルス感染の余波が続く中で、人が密集する電車に長時間乗ること自体がリスクとの考え方もあります。

価格と広さだけで検討を進めると、金額を妥協できない場合、築年数と距離を諦める必要が出てきます。広さは、リノベーションで間取りを広く取るなどの工夫ができます。先ほどお伝えした通り、築年数が経過していても良い物件を見極めることができれば、賢く購入ができます。 ご自身がしたい暮らしを叶えるために、エリアや距離が本当に重要かをよく考えることをおすすめします。例えば、テレワーク中心の働き方になったなど距離がそれほど重要でない場合は、近郊のエリアに検討範囲を広げるのもいいでしょう。

Q都心の中古マンションを検討したいのですが、価格高騰で決心がつきません。

A価格については、目先の物件価格だけでなく、自分に合った生活費も含めた支払額に目を向けるべきです。例えば、郊外で3,000万円の中古マンションを購入する場合と、都心で4,500万円の中古マンションを購入する場合を比較してみましょう。

(A)郊外に3,000万円で購入する場合
住宅ローン利用金額:3000万円
支払総額:32,568,480円(※金利0.475%、35年返済)
ローン月額:77,544円
年間の支払額:約93万円

(B)都心に4,500万円で購入する場合
住宅ローン利用金額:4,500万円
支払総額:48,852,720円(※金利0.475%、35年返済)
ローン月額:11,6316円
年間の支払額:140万円

(B)− (A)=年間 約47万円の差額

単純計算すると年間で約47万円の差額が生じますが、郊外から都心へ通勤が必要な場合はどうでしょうか。郊外から職場のある都心に、1時間半かけて通勤している方も少なくありません。例えば、都心に住むより通勤時間が45分多くかかったとすると、都心に住むことで月間30時間ものゆとりが生まれることになります。

都心と郊外で発生する通勤時間の差分
片道45分 × 往復=90分(1.5時間)
1.5時間 × 20日間=30時間 / 月

この30時間を勉強時間に充て、資格取得するのもいいでしょう。通勤中も勉強できないことはないですが、通勤ラッシュがあったり座れなかったりしますので、落ち着いた環境の方が集中できるのではないでしょうか。資格手当が月額1万円なら年間で12万円になります。

お子様のいる共働きのご夫婦でしたら、会社と自宅、保育園などが近いことで延長保育が可能となります。利用料金の支出があったとしても、ご夫婦でフルタイム勤務できることによる収入の方が大きいでしょう。例えば、6時間の時短勤務で月収15万円の方でしたら8時間のフルタイム勤務で月収は20万円となり、年間で60万円の収入増となります。

また都心にはバスや電車などの交通手段が多く、車を持たなくても生活できることもあります。高齢になってからも車がなくて不便を感じることはないですし、年間約40万円ほどかかる車の維持費もかからなくて済みます。

これらの利便性や、時間の有効活用で得られる収入などを加味すると、都心と郊外との購入差額(年間約47万円)を埋めることは可能です。もちろん、自然に囲まれた生活など郊外のメリットも多いですが、生活スタイルによっては都心のほうがお得なこともありますので、都心のマンション購入を諦める前に、さまざまな角度からメリット・デメリットを比較検討するのがおすすめです。

その他、よくあるご質問

Q中古マンションの売却を考えていますが、今は売り時ですか?

A私自身の見解を含みますが、今は売り時だと思われます。

中古マンションは新築マンションの高騰につられて価格が上昇しています。しかし、昨年終盤から市場価格は上昇を続けているにもかかわらず、成約価格は足踏み状態です。

実は、コロナウイルス拡大の前からこの傾向は見え始めていましたが、コロナ禍における補助金や返済猶予等の救済措置により、成約価格そのものの実態が見えにくくなっていたと考えます。

withコロナの時代となりコロナとの共生が常態化し、やっと実態が見えてきたのではないかと感じています。株価が下降しはじめ、住宅ローン金利が利上げに転じるようになれば、一気に需要の熱が覚める可能性もあります。 先に述べましたが、建築コストや職人不足は改善される可能性が低いことから、新築マンションの価格が下がることは考えにくく、中古マンション価格もある程度高止まる可能性もあります。 今、マンション価格は踊り場にいると考えます。需要が旺盛なこの時期に売却することをおすすめします。

まとめ|5つのポイント

  1. 新築マンション価格がすぐに下がる可能性は低い
  2. 中古マンション価格も高騰だが、新築と比較すると検討しやすい
  3. 買い時は市場ではなくご自身の理想の暮らしから逆算して決める
  4. 物件価格だけにとらわれず、利便性や時間効率なども加味して検討する
  5. 売却を検討している場合は、今が売り時と言える

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リノベる。では、他にも、お客様からいろいろな質問をいただきます。

・マンションは何年もつの?
・検討エリアを広げるときのコツは?
・購入後の建て替えはどうやるの?
・中古マンションのリセールバリューは?
・フルリノベーションのメリットは?

検討において最も大切なのは、お金と時間と目的のバランスです。ご自身の人生においてより長い時間を快適な環境で暮らすこと。これは、何にも代えがたい価値ではないでしょうか。

リノベる。では、物件購入とリノベーションに関する疑問や不安を、まとめて解消できるイベントを実施しています。お気軽にご相談ください。

 

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