家の内装をおしゃれにするためのポイントとは?

家の内装をおしゃれにするためのポイントとは?
インテリア

住宅のデザインの多様化、家具や家電との相性、間取りとのバランス、家族の意見。内装のコーディネートでは、悩みどころがたくさんあります。本記事では、住宅購入を検討している人に向けて、おしゃれな内装にするポイントを分かりやすく解説していきます。

目次

家の内装を決める前に考えたい3つのポイント

家の内装を決める前に、これからご紹介する3つのポイントを整理していきましょう。そうすることで、内装のイメージを膨らませやすくなります。

 1. テイストを決める

まずは、どのようなインテリアテイストの内装にするのか決めましょう。ナチュラルにするのか、和風にするのかなど、テイストが異なると、雰囲気やマッチする床材や建具のデザインなどは大きく変わってきます。

テイストを決める際は、ネットや雑誌などで施工事例に目を通し、自分のイメージと照らし合わせていくと便利です。家族と同居している場合は、しっかりと話し合いを行いながら決めていきましょう。

内装替えのイメージ

 2. 配色などのトータルバランスを考える

壁紙やドア、フローリングなどは、それぞれ別々に考えるのではなく、トータルバランスを考慮しながら決めていくことが大事です。特に、色の選び方や比率は、全体のまとまりを決める上での大切なポイントになります。

配色の比率

基本的には、次のような比率で、ひとつの部屋を3色以内でまとめるとバランスがよくなります。

インテリアにおける配色の黄金比率=70:25:5

この比率でもっとも大きな割合を占めるのが、ベースカラーです。主に床や壁、天井といった内装材に用いられることが多く、白やアイボリーなどベーシックな色を使うことが定番となっています。

次に大きな割合を占めているのが、アソートカラー。建具や家具、カーテン、カーペットなどに用いられることが多く、インテリアの主役とも呼べるカラーになります。

そして、最も少ない比率で取り入れるのがアクセントカラーです。クッションや装飾、オブジェなど、交換しやすい部分によく用いられ、差し色としての役割を担っています。

色相のイメージ

色の選び方

色の組み合わせに困ったときは、以下のパターンで考えると、バランスよくまとまります。

【同系色】

同じ色で明度や彩度の違うものを組み合わせます。色選びが苦手な人でもバランス良くまとめやすい組み合わせ方です。単調になりすぎる場合は、これからご紹介する反対色や類似色をプラスしてもOK。

<例>
・水色と青
・赤とオレンジ など

【反対色】

色相環を見たときに、向かい合う位置にあるのが反対色です。たとえば、赤色の反対色は青緑といったように、お互いを引き立たせる組み合わせとなります。しかし、組み合わせによっては刺激が強すぎることもあるため、彩度や明度を下げるなどして印象を変える必要があるかもしれません。

<例>
・オレンジ系と青系
・黄色系と紫系 など

【類似色】

色相環で、ふたつ隣までくらいの色を指します。似た雰囲気の色同士で相性はよいですが、無難にまとまりすぎる可能性があります。どちらかの比率を多めにするなどしてメリハリを効かせるとよいでしょう。

<例>
・オレンジと黄色
・赤とピンク など

【同一トーン】

彩度や明度が同じレベルであれば、色同士の相性はよくなることも多いです。特に、色数を多めにしたい方はトーンを意識して選んでみてもよいでしょう。

<例>
・グレイッシュなカラーで揃える
・パステルカラーで揃える など

素材選びは実物のサンプルを見る

壁紙や床材などの素材は、できるだけ実物を見て判断しましょう。基本的にはサンプルを取り寄せて確認し、もし可能であれば展示場などで確かめましょう。肌ざわりや全体的な印象は、画像などでは分かりにくい場合があります。実物を見ておかないと、完成時にイメージと違い後悔することにもつながりかねません。

サンプルを取り寄せたり展示場に行って触れたりして、実物を確かめましょう。カットサンプルは便利ですが、明るい色の場合小さいものほど色が濃く見え、大きな面積になると色が明るく見えたり、鮮やかに見えたりします。暗い色の場合逆のことが起こります。

これは「面積効果」といい、サンプルの色と実際の出来上がりが異なる要因のひとつです。そのため、サンプルで選ぶ場合は、明度の低い色はイメージする色よりも暗く、明度の高い色はイメージする色よりも鮮やかに見えていることを前提に選ばれることをおすすめします。

家の内装の種類と選び方

それでは、各内装材の種類と選び方について見ていきましょう。

床材

家の内装で使われる代表的な床材は以下のとおりです。

  • フローリング…木質系の材料を使用した床材
  • クッションフロア…クッション性に優れた塩化ビニール系素材のシート状の床材
  • 畳…日本の伝統的な床材。畳表に使われている素材は、イ草(藺草)と経糸(たていと)
  • カーペット…繊維系素材の床材
  • フロアタイル…塩化ビニール系素材でできたタイル状の床材

これらは、材質だけでなく、模様や色なども幅があり、メリット・デメリットも異なります。例えばフローリングは掃除機やフロア用シートでの掃除などお手入れがしやすいのがメリットですが、冬は足元が冷えるといったデメリットもあります。クッションフロアは安価でデザインが豊富なのがメリットですが、劣化が早いといったデメリットもあります。好みだけではなく、特徴を踏まえた上で検討していきましょう。よく選ばれるフローリングだけでも、樹種や表面の化粧材の種類によって、質感や手入れの仕方、傷への強さなどは変わります。

床材

壁材

壁材に使われる代表的なものは、以下の通りです。

  • クロス…紙、布、合成樹脂などの素材でつくられており、バリエーションが豊富
  • タイル…陶磁器や木、コンクリートなどの種類があり、素材によって異なる風合いや手触りなどが楽しめる
  • エコカラット…調湿機能があり、気になる臭いも低減。レンガのような風合いがある
  • 塗り壁…漆喰や珪藻土といった自然素材のものが多い。人の手が加わった味わい深さが特徴
  • 塗料…色そのものを楽しむだけでなく、黒板のように塗装の上に文字が書けるものや鉄のような質感に仕上げるものなど、バリエーションが豊か

壁材は、ドアや床、家具の色味を考慮し色調を合わせると、バランスがよくなります。色は、基本的に、床よりも明るく、天井よりもやや落ち着いたものにすると、天井を高く見せられると言われています。

アクセントクロス(壁の一面あるいは一部に、他と異なる色や柄の壁紙を取り入れること)で空間にメリハリをつけるのもおすすめです。

天井材

天井材に使われる代表的な素材は、以下のとおりです。

  • クロス…ビニール、紙、織物など複数の素材があり、素材によって風合いが異なる
  • 木…無垢材や合板など
  • 漆喰…消石灰を主原料としたの塗り壁材。天井にも使用でき、調湿機能に優れている
  • 珪藻土…藻が海や湖などに沈んでできた粘土状の土を原料としたの塗り壁材。天井にも使用でき、湿度調整や脱臭効果が期待できる
  • 石膏ボード…石膏を芯材に、両面と側面をボード用原紙で包んだ板状の建築資材。耐火・防火に優れている

天井は、色選びによって空間の印象を大きく変えます。一般的には、床、壁、天井の順番で徐々に明るい色合いにするか、壁と同じ色にすることでバランスが取りやすくなります。また、白やベージュといった色は天井を高く見せる効果もあります。寝室などは落ち着いた少し暗めの色も人気です。

建具

建具は、ドアや窓、襖、障子、欄間などがあり、室内の空間を分ける役割があります。

ドアは、開き戸、引き戸、折れ戸の3つが主流です。開き戸は前後に開閉するドアのことで、よく使われるタイプ。扉を開けるためのスペースが必要です。引き戸は、開閉時に扉の前のスペースを取らない点がメリットですが、壁側に扉を引き込むスペースが必要になる場合があります。折れ戸は、開閉時に必要なスペースが通常の開き戸と比べて小さく済みます。そのため、狭い場所でも扉が邪魔になりにくいです。このような特徴をふまえて選ぶようにしましょう。

室内のドア

キッチン

Ⅰ型、Ⅱ型、アイランド型、ペニンシュラ型など、さまざまな形状のものがあります。デザインや素材は、部屋全体の色や雰囲気にマッチするものを選びましょう。また、家事動線や使い勝手も考慮する必要があります。

カーテン・家具

空間と調和がとれる色や素材、デザインのものを選ぶとバランスがよくなります。色については、前述した、インテリアにおける色の比率を意識するとよいでしょう。内装と、カーテン、家具選びを並行して考えるとミスマッチを防ぎやすくなります。

照明

照明選びも、部屋の雰囲気を決める大きな要素になります。天井に取り付ける照明には、主に以下のようなものがあり、部屋の用途やデザインに合わせて選ぶようにしましょう。

  • シーリングライト…天井に直接取り付けるタイプの照明
  • ダウンライト…天井に埋め込むタイプの小型の照明
  • ダクトレール(ライティングレール)…天井に設置する、照明の補助器具。内側に電気が流れており、レール上の好きな位置に照明を取り付けることができる
  • ペンダントライト…天井からコードなどでつり下げるタイプの照明

また、形状だけでなく、電球や蛍光灯の色にも気を配るとさらによいでしょう。電球の色は、電球色・昼白色・昼光色の3色が一般的。電球色はオレンジに近い色で、逆に昼光色は青白い色となります。

電球色はリラックス空間にぴったりの色です。リビングや和室、寝室、トイレ、お風呂などには特におすすめ。昼白色は太陽の明るさに近い自然な色とされており、基本的にはどの部屋にもマッチします。青白い色味が特徴の昼光色は脳を覚醒させるとされ、仕事や勉強をする部屋に適しています。

間接照明

内装の雰囲気を決めるインテリアテイストの種類

冒頭でもご紹介しましたが、最初にインテリアテイストを決めると、内装全体を考えやすくなります。インテリアテイストは、時代や地域、文化など、さまざまな観点から分類されており、代表的なテイストには次のようなものが挙げられます。それぞれの特徴をご紹介しますので、イメージを膨らませるための参考にしてください。

モダン

モダンとは、「現代的な」という意味の言葉で、シンプルで洗練された印象の近代的なインテリアスタイルです。落ち着いた色を基調として、金属やガラスなどの現代的な無機質な素材、直線を用いたデザインの家具などが取り入られていることが特徴です。和のテイストを混ぜると「和モダン」、木材などの自然素材を混ぜると「ナチュラルモダン」といったスタイルになります。

モダンな雰囲気の部屋

ナチュラル

ナチュラルテイストは、木材などの自然素材を多く取り入れた、温かみのあるインテリアスタイルです。

シルバーやプラスチックなど無機質なものではなく、明るい木材をメインに使っていることが特徴です。素材そのものが生きるようなシンプルですっきりとした印象のデザインであることが多いです。内装をアースカラーでまとめることで、疲れにくく飽きにくいお部屋になります。アースカラーとは自然界によくある、大地や木、空、海など身近にある自然をイメージさせる色のことをいいます。

ナチュラルな雰囲気の部屋

北欧

日本人に人気の高い北欧スタイル。北欧はスウェーデン、ノルウェー、フィンランドなどのヨーロッパ北部の国々を指し、冬の期間が長く、日照時間が短いという特徴があります。したがって、北欧のインテリアは、家の中でも快適に過ごせるよう、温かみのある色やデザインであることが特徴です。

配色は白やライトグレーなどの明るめのベーシックカラーが基本になります。そこにピンクやブルーのような淡い色や、イエローのような鮮やかな色をアクセントに加えるとよいでしょう。家具はぬくもりを感じられるよう木製で丸みのあるデザインがおすすめです。麻や木綿、羊毛などの自然素材を使ったラグを敷いたり、カラフルな小物を取り入れるのもよいでしょう。

北欧の雰囲気が感じられる部屋

カフェ風

その名のとおり、カフェのような居心地のよさを表現したスタイルです。カフェにもさまざまありますが、一般的には、ナチュラルな雰囲気とヴィンテージ感のあるカフェをイメージしたインテリアであることが多いといえます。

配色は、白やベージュ、茶色などの落ち着いた色が基本。カウンターキッチンや黒板の小物など、カフェをイメージさせるようなアイテムを多く取り入れるのがポイントです。

カフェ風の内装

ブルックリンスタイル

アメリカのニューヨーク州にある地区「ブルックリン」発祥のインテリアテイストのことを、ブルックリンスタイルと呼びます。古い工場や倉庫をリノベーションしたような、工業的な雰囲気を感じる内装が特徴です。

ブルックリンスタイルは、内装全体にダークカラーを用いるのがポイント。グレーやブラック、ブラウンなど、暗めの色のアイテムを中心に取り入れましょう。また、内装にレンガを取り入れることもおすすめです。本物のレンガを使わなくても、レンガ風のタイルや壁紙で雰囲気を出すこともできます。

壁や天井は、コンクリートをむき出しの状態にすると、ブルックリンスタイルの無骨な雰囲気をつくりやすくなります。

アイアン素材の家具を取り入れた部屋

【事例紹介】家の内装にこだわるならリノベーションがおすすめ

家の内装にこだわりたい場合、新築の建売住宅では間取りやデザインが自分の好みと合いづらい、注文住宅にするとコスト面の負担が増え本来理想としている内装のグレードを下げるなど、妥協せざるを得ない場合も。

こうしたデメリットは、中古住宅を購入してリノベーションする方法にシフトすると、解決する可能性があります。中古を購入することで、新築よりも物件の購入費用を抑えられる場合が多くなり、間取りやデザインは、リノベーションによって変更することができるのです。そこで、ここからは、中古物件のリノベーションで理想の内装を実現した例を見ていきましょう。

ひと部屋で完結!動線にこだわった間取り

ひと部屋で完結!動線にこだわった間取りの部屋

「ひと部屋で完結する間取り」をコンセプトに、一歩動けば必要なものが手に届くような理想的なワンルームにリノベーションしました。ベッドスペースから直接ウォークインクローゼット(WIC)に行けるようにするなど、動線を計算した間取りになっています。

▼このおうちの詳しい写真や間取りを見る
90㎡超えの住まいを、“ワンルームスタイル”に大胆リノベ
https://www.renoveru.jp/renovation/271

ライフスタイルを見据えた空間づくり

自然素材を多く使った部屋

サクラのフローリング、ナラのカウンター天板など、自然素材が多く使われているおうちの中心は、奥様の希望を存分に取り入れたキッチン。将来、料理教室を開くことを見据え、対面式になっています。リビングの続きに設けられた、低めのなだらかな壁で仕切られたスペースは家族みんなで使えるアトリエです。

▼このおうちの詳しい写真や間取りを見る
家族のアトリエから広がるコミュニティ
https://www.renoveru.jp/renovation/317

小屋風キッチンと小上がりが目を引くおうち

小屋風キッチンのある部屋

ネイビーとコンクリートを組み合わせた内装で仕上げられた、こちらのおうち。室内窓のある、小屋のようなデザインのキッチンからは、料理中でも子供の様子を伺うことができます。床下収納を兼ねた小上がりのスペースは、壁にデスクになる板を設置し、大人も使えるワークスペースになっています。

▼このおうちの詳しい写真や間取りを見る
ネイビーが映える小屋と丘の世界観
https://www.renoveru.jp/renovation/331

まとめ

家の内装を考える際には、まずインテリアテイストを決めたうえで、全体の配色、床材や建具などの素材を考えるようにしましょう。素材選びは、サンプルを取り寄せる、展示場に足を運ぶなどして、実物を見ることが大切です。内装材の種類や選び方についても解説しましたので、参考にしてみてください。

より自分好みの内装にこだわりたい方は、間取りやデザインの自由度が高いリノベーションを検討するのもよいでしょう。ぜひ今回ご紹介したポイントをふまえて、理想の住まいを実現してください。

ピックアップ記事
関連記事一覧