ディスポーザーとは?メリットとデメリット、使い方を解説
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アメリカでは一般的に普及しているディスポーザー。最近では、日本でも設置する家やマンションが増えてきているようです。ディスポーザーの設置をお考えの方や、キッチンシンクの生ごみ処理によいものがないかお探しの方は、こちらの記事を読んで参考にしてみてください。
当記事では、ディスポーザーとはどんなものなのか、ディスポーザーを使うメリットとデメリットをご紹介。注意点や使用方法、お手入れ方法も解説していきます。
目次
ディスポーザーとは?
ディスポーザーとは、「生ごみを砕いて水に流す装置」のことで、キッチンシンクに設置します。具体的には、ディスポーザーの内部にあるブレード(破砕刀)が生ごみを細かく粉砕し、そのまま水で流すことができる設備です。
ディスポーザーの歴史
ディスポーザーは1927年にアメリカで建築家のジョン・ハムス氏が作った生ごみ処理機が起源とされています。1938年にはInSinkErator社を立ち上げたことにより、世の中へのディスポーザーの普及が進んでいきます。
日本でのディスポーザーの製造が始まったのは約30年後の1970年代。松下電器、シャープ、日立などが製造、販売を始めます。当時、日本の下水道処理施設が整っていなかったことから設置は一時自粛され、家庭へのディスポーザー普及が進んだのは1990年代以降。排水処理システムと組み合わせた商品が分譲マンションに採用されたことにより、広まっていきました。
ディスポーザーの設置費用
家庭用のディスポーザー本体の価格は、一般的に4万円前後から12万円前後。相場としては7万円くらいといえます。取り付け費も必要になり、その費用はおおよそ3万円前後が一般的です。
排水処理装置と一緒に設置する
排水処理装置はディスポーザーで砕かれた生ごみと排水を、下水道に流す前に処理するものです。しっかりと処理を行うことで下水管に物が詰まったり、滞留物が腐って臭ったりといった問題を防ぐことができます。各住戸にディスポーザーが設置されているマンションでは、敷地内に排水処理設備が設けられています。排水処理装置を併設することなく、ディスポーザー単体を設置することを禁止している自治体もあります。ディスポーザーの設置に関するルールは、自治体によって異なります。事前にウェブサイトを確認したり、問い合わせたりするなど、環境に配慮しながら設置の準備を行いましょう
東京23区では、東京都下水道条例施行規程で「ディスポーザ排水処理システム」についても取り決めがあります。取扱要綱は必要に応じて改定されていますので、詳細は「ディスポーザ排水処理システムに関する取扱要綱」をご確認ください。
ディスポーザーのメリットとデメリット
ディスポーザーには、メリット、デメリットがあります。それぞれを知って、導入するかどうかを検討してみてください。
メリット
メリット1:三角コーナーいらずでスッキリ
大きなメリットのひとつは、三角コーナーが不要になることです。キッチンシンクに置いてある三角コーナーは、見た目も悪く、ニオイが気になることも。キッチンシンクでのスペースをとるだけでなく、衛生的に使うにはきれいに保つ手間もかかります。ディスポーザーがあれば、三角コーナーを置く必要はなく、シンクがスッキリします。
メリット2:害虫の発生を防げる
ディスポーザーを使えば、料理や洗い物をするごとに、すぐに生ごみを処理できます。そうすることで、キッチンに生ごみを溜めることがありません。生ごみから漂う腐敗臭が抑えられ、ゴキブリやコバエなどの害虫の発生を防ぎやすくなります。
メリット3:環境への配慮
通常、生ごみを燃えるゴミとして出す場合、焼却場で処理をします。生ごみには水分が多く含まれるため、焼却するのに時間がかかり、二酸化炭素の排出量が増え、環境に負担がかかります。ディスポーザーは、生ごみを細かく粉砕し、水とともに液状にして専用の浄化槽を通して、下水に流す仕組みです。よって、焼却処分をせずに済み、環境への負荷を抑えることができます。生ごみをゴミ出しする手間が省けるのもメリットです。
デメリット
デメリット1:コストがかかる
デメリットとしては、コストがかかることです。初期費用として、ディスポーザーの購入代、設置費がかかり、使い始めると維持費やメンテナンス代も必要になります。なお、集合住宅でディスポーザー導入する場合は、自治体とマンションの管理組合の許可がなければ、設置できない場合が多いでしょう。
デメリット2:水道代・電気代がかかる
ディスポーザーは、水と電気を使います。そのため、水道代、電気代が今までよりも若干かかることを知っておきましょう。ディスポーザーの製品によって消費電力や水量は異なります。1日3回の使用で水道代、電気代合わせて毎月数百円から1,000円程度かかるといわれています。
デメリット3:作動音が騒音になることも
ディスポーザーを作動させると、排水溝の下でミキサーのような音がします。製品にもよりますが、この作動音が思いのほか大きいことがあるようです。とくに集合住宅で使用する場合は、作動音が騒音となってしまい、トラブルに発展することも。ディスポーザーを使う時間帯や、使用時間の長さなどには気をつけましょう。
ディスポーザーの注意点
ディスポーザーは間違った使い方をすると、故障の原因になります。そうならないために、使用する際の注意点をおさえておきましょう。
注意点1:入れてはいけないものがある
ディスポーザーに入れてはいけないものには、次のようなものがあります。
・繊維質のもの:とうもろこしの皮やヒゲ、長ねぎ、玉ねぎの皮など 粉砕刃にからまりやすいので注意してください。
・固いもの:サザエやあさり、牡蠣などの貝殻、トウモロコシの芯、牛骨など 固くて粉砕できず、粉砕刃が回らなくなります。
・同じものを大量に入れない:枝豆の皮など 同じものを一度に処理しようとするとうまく粉砕できない場合があります。
・大量の油 ディスポーザーの部品が劣化しやすくなったり、排水管に油がかたまってしまい、詰まりの原因になったりすることがあります。
・熱湯 ディスポーザーが傷んでしまうため、熱湯は流さないようにしてください。
このほか、ガラス片や輪ゴム、ラップ、キッチンペーパー、竹串なども、入れないようにしましょう。
注意点2:水を流さずに使用しない
水を流さずに使うと、ディスポーザーが動かなかったり、粉砕された生ごみが下水に流れていかず、配管つまりの原因になります。運転中は、必ず水道水を流すようにしましょう。また、作動停止した後も、20秒程度水をしっかり流し続けるようにしてください。
なお、自動給水式のディスポーザーは、スイッチをオンにすると自動的に水が流れるため、その必要はありません。
注意点3:使ってはいけない洗剤
ディスポーザーをきれいにしたいからといって、塩素系の漂白剤を使うのはNGです。塩素系の洗剤は、ディスポーザーの金属部品を腐食させてしまう恐れがあります。それが原因で、亀裂が入ったり、穴があいたりして、漏水することもあるので、使用は避けましょう。
注意点4:1回に投入する生ごみの量に注意
1回に投入する生ごみの量はメーカーによって異なりますが、だいたいコンビニ弁当1個分程度までにしましょう。あまりにも大量に投入すると、粉砕刃が回らなくなってしまいます。
注意点5:途中で止めない
粉砕の途中で途中で粉砕を止めると、処理されなかった生ゴミがディスポーザー内部に残ってしまいます。ディスポーザーの金属部品を腐食やニオイの原因にもなるため、処理を途中で止めず自動で止まるまで待つようにしてください。
ディスポーザーの使用方法
ディスポーザーには大きくわけて2種類あります。それは、電源を入れると作動する「連続投入方式」と、止水栓のふたが電源となる「一括投入式(バッチフィールド式)」です。それぞれの使い方を解説していきます。 ※メーカーや機種によっては使用方法が異なる場合があります。説明書に従って使用してください。
使用方法1:連続投入方式のディスポーザーの使い方
- 水道水を出す。
- ディスポーザーのスイッチを入れる。
- ディスポーザーの粉砕室に生ごみを入れる。
- 粉砕処理が終わったら、15秒程度運転を続けてからスイッチを切る。
- 水道水を止める。
使用方法2:一括投入式(バッチフィールド式)ディスポーザーの使い方
- ディスポーザーのふたをはずし、粉砕室に生ごみを入れる。
- 水道水を出す。
- ふたをしてスイッチをONにし、運転を開始する。
- 粉砕する音が小さくなったらスイッチをオフにする。
- 水道水を止める。
ディスポーザーのお手入れ方法
ディスポーザーをこまめにお手入れすることで、使用寿命を伸ばすことができます。どのようにお手入れすればよいのか、その方法をご紹介します。
お手入れ方法1:ディスポーザーの投入口部分を食器用中性洗剤で洗う
まずは、ディスポーザーの投入口部分のお手入れ方法です。
電源プラグを抜き、パーツをすべて外します。スポンジに食器用中性洗剤を適量つけて洗いましょう。このとき、ふたを洗うのも忘れずに。同様に粉砕機の内側も洗います。
お手入れ方法2:氷で内部を洗う
内部をきれいにするには、氷を使ったお手入れがおすすめです。やり方は、電源プラグを入れて水道水を出し、残っている生ごみを流し切ります。そして、粉砕室に氷を数個、食器用中性洗剤を適量入れ、ディスポーザーを運転させます。粉砕室に氷がなくなったら、水を流します。
この氷を使ったお手入れで、ディスポーザー内に付着したぬめりや汚れをとることができます。
お手入れ方法3:茶色い汚れは重曹とクエン酸で落とす
茶色っぽい汚れには、重曹とクエン酸が有効です。汚れに重曹をふりかけ、上からクエン酸をかけます。そうすると発泡しはじめるので、そのまま30分程度置きます。その後、氷を入れてディスポーザーを運転させてください。
お手入れ方法4:排水管の掃除に60℃のお湯を流す
排水管に冷えた油が固まり、流れが悪くなることがあります。そんなときは、60℃程度のお湯を使いましょう。やり方は、ディスポーザーの生ごみをすべて取り除き、60℃程度のお湯を排水管に流します。1時間ほど放置し、水を流してつまりがなくなったか確認してみてください。注意すべきはお湯の温度です。熱湯を流すとディスポーザーの故障につながります。お湯の温度は60℃以下を必ず守ってください。
手入れ方法5:レモンやみかんの皮でニオイを取り除く
ニオイが気になる場合は、レモンやみかんなど柑橘系の果物の皮を使いましょう。粉砕室にレモンやみかんの皮を入れて、ディスポーザーを運転すればOKです。
ディスポーザーについてのよくある質問
Q:設置できないディスポーザーはある?
A:自治体によって、排水処理装置の併設が義務づけられており、生ごみを破砕する部位だけの「単体ディスポーザー」の設置を禁止ている場合があります。
自治体のウェブサイト等で設置可能なディスポーザーを確認してから設置機種を検討し、取り決めにしたがって設置するようにしてください。
Q:ディスポーザーに入れてはいけないものは?
A:基本的には生ゴミ以外のものは入れないようにしてください。大きいものや厚みのあるものは小さく切ってから処理するようにしましょう。
牡蠣やあわびなどの硬くて大きな貝殻や、とうもろこしや枝豆の皮などの繊維質なもの、茶葉など軽くて粉砕しにくいものの投入は避けたほうがいいでしょう。
Q:ディスポーザの寿命はどれくらい?
A:使用頻度や使用状況にもよりますが、一般的に7年〜10年程度が目安となります。中性洗剤と氷を入れて汚れを落とすなどの日頃のメンテナンスも大切です。また、天ぷら油や熱湯、塩素系洗剤を流さないようにするなど使用上の注意を守った利用も、ディスポーザーの寿命に影響します。
まとめ
ディスポーザーは、生ごみ処理のストレスから解放してくれる設備です。キッチンを衛生的かつ、快適にしてくれるのもメリットといえます。ディスポーザーを導入する際は、ぜひ参考にしてみてください。
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