古い家のリフォームのメリット・デメリットと注意点、費用相場を解説

古い家のリフォームのメリット・デメリットと注意点、費用相場を解説
こだわり・暮らし方

住宅にも寿命があり、経年劣化は避けて通れない問題です。水回りや外壁、住宅設備などに不具合が出た場合、最も手軽な対応策としてリフォームがあります。築年数の経った古い一戸建もリフォームで安全・快適に暮らすことができます。本記事では、築年数が経った一戸建てのリフォームについて詳しく解説します。

※最下部にある「費用情報に関するご注意事項」をお読みください。

目次

木造住宅の寿命は?

木造住宅の耐用年数は22年とされています。これは減価償却の計算に使用される税務上の数字で、木造住宅の寿命ではありません。築22年以上でも快適に暮らすことのできる木造住宅はあり、適切なメンテナンスを定期的に行うことで、より長く使用することができます。

2011年に行われた建物の平均寿命調査では、一戸建て木造住宅の平均寿命は約65年といわれています。(※1)

(※1)出典:国土交通省ホームページ

調査のなかには、まだ使用に問題のない状態であっても取り壊しになった建物も含まれています。
建物の寿命には立地環境も影響します。そのため、環境や状況に応じた修繕をこまめに行っていくことで耐用年数に関係なく、快適かつ安心して暮らせる状態を保ちやすくなります。

 

築古の戸建住宅の外観

古い家をリフォームするメリット・デメリット

リフォームとは古い家の劣化した部分を修繕したり、改築や増築を行うことです。古い家のリフォームをお考えの方はメリットとデメリット、それぞれをしっかりと確認しましょう。

古い家をリフォームするメリット

メリット1:愛着ある住まいに住み続けられる

住み慣れた家は子供の誕生や成長など、たくさんの思い出の詰まった場所ですが、建て替えをすると全く異なる雰囲気の家になります。リフォームは必要なところだけを新しくできるため、家の雰囲気を損ないません。リフォームなら愛着のある我が家を更に快適にして、長く住み続けることができます。

メリット2:新築を購入するよりも費用が安い

リフォームは家のキッチンまわりや屋根、外壁など、部分的に修繕できます。そのため、新築購入に比べて総予算を安く抑えることが可能です。小規模リフォームなら、建築確認申請などの手続きも必要ありません。

メリット3:仮住まいの用意をする必要がない場合も

古い家をすべて解体して同じ敷地に新築する場合、一度更地になるため仮住まいが必要です。それに対して、部分的なリフォームで工事中も生活に支障が出ない場合は、仮住まいの必要はありません。

障子のある窓辺

メリット4:固定資産税を節税できる

古い家を建て替えて建物が新しくなると、固定資産評価額が上がり、結果として固定資産税が上がります。部分的なリフォームや小規模のリノベーションの場合は、固定資産税は変わりません。住宅の固定資産評価額に影響する大規模なリフォームやリノベーション工事を行った場合は、固定資産税が上がるため、施工会社に事前に確認しておくと安心です。

メリット5:面倒な手続きの必要がない

古い家を解体して建て替えた場合は、新しい建物の建築確認申請や登記手続きなどの申請が必要となります。各種手続きは時間やお金がかかるため、手間に感じる人もいるでしょう。既存の建物をリフォームすると、古い家を取り壊して新築した場合に発生する手続きの手間を省くことができます。

メリット6:趣を楽しむことができる

既存の建物をリフォームする場合、古い家をすべて取り壊して新築する場合と異なり、時を経た建物ならではの趣や雰囲気を残したり、活かしたりすることができます。エイジングにより飴色になった柱をあえて見せるデザインにするなど、自由度の高いプランで新築にはない味を楽しめる点はリノベーションならでは。

メリット7:建て替えが難しい立地でも快適な住まいを実現できる

建て替えには建築基準法などの法規的な問題、道路と敷地の関係性による問題などの基準をクリアする必要があります。
しかし、リフォーム・リノベーションであれば既存の建物を活かして、快適な住まいを実現することができます。建て替えることで逆に不便が生じるような場合の解決策のひとつになります。

戸建て外観

 

古い家をリフォームするデメリット

デメリット1:間取り変更が自由にできない場合がある

建物の構造によっては、間取りの変更が自由にできないことがある点に注意が必要です。例えば2×4工法で建てられた住宅は、壁で住宅を支えているため間仕切り壁を撤去できないことがあります。施工会社に希望の間取り変更が可能かどうかを、事前に確認するようにしましょう。

デメリット2:構造部分の劣化がひどいと費用がかさむ

新築から数十年経った古い家では、建物の土台や柱、梁などの構造部分が劣化していることがあります。構造部分の劣化は、耐震性など安全面にも影響するため修繕することが望ましいです。しかし、構造部分の修繕には大規模な工事が必要となり、それだけ費用もかさみます。構造部分が劣化している場合は、建て替えをしたほうが安くなることもあります。建物のみえない構造部分は判断が難しいので、ホームインスペクション(住宅診断)をおこない専門家の見地から適切な診断をおこなってもらうことも可能です。

※ホームインスペクションとは
建築士や住宅診断士などの専門家が、第三者的な立場から、外壁や基礎を含めた住宅の状況(劣化、欠陥の有無、改修すべき箇所やその時期、おおよその費用など)を見きわめる調査です。

デメリット3:地盤の改良はできない

例えリフォームで快適に暮らせる家をつくっても、地盤が悪ければ安全に暮らすことはできません。地盤を改良するには、建て替え工事と地盤改良工事が必要です。地盤の不安がある場合は、リフォームではなく建て替え工事をして地盤改良工事も行いましょう。

デメリット4:住宅性能が希望のレベルにならないことも

部分的なリフォームやリノベーションの場合、住宅性能を希望レベルまで上げられない場合があるため注意が必要です。たとえば、耐震性を向上させたいなど、住宅を支える柱や梁などの構造部分の補強が必要な場合、表層的なリフォームでは根本的な問題解決ができません。長く快適に暮らすために不可欠な改修であれば、費用はかかっても検討する価値があります。

また、基礎や地盤などに大きな問題がある場合には、リフォームでは対応しきれないことも多いため建替えを行うほうが安全といえるでしょう。

古い家リノベーション  イメージ画像

 

木造住宅の建て替えとリフォームの費用比較

既存の木造住宅を解体して建て替えた場合と、建物を活かしてリフォームした場合の費用を比較して検討したい人もいるかもしれません。2022年度中に住み替え・建替え・リフォームを行った世帯を対象とした調査から目安となる金額をご紹介します。今の住まいを取り壊して同じ敷地内に新築した場合、購入資金の平均は4,487 万円です(※2)。

(※2)出典:国土交通省|令和4年度住宅市場動向調査報告書

既存の建物を活かしてリフォーム・リノベーションする場合の工事費は、500~2,000万円程度の価格帯が一般的です。
柱や梁、基礎などの補強工事を行うと、規模が大きくなるため費用も上がります。

 

古い家のリフォームに必要な費用

リフォームには、キッチンやトイレのリフォームなど比較的小規模なリフォームから、間取りの変更や耐震補強などの大がかりなリフォームまでさまざまなものがあります。それぞれの費用相場について確認しましょう。

※最下部にある「費用情報に関するご注意事項」をお読みください。

キッチンのリフォーム費用

・50万円~150万円程度

古い家のリフォームでもニーズが高いキッチンは、リフォーム費用が50万円~150万円ほど。交換するシステムキッチンの種類によって異なりますが、大がかりな工事が必要なければ50万円以下でも可能です。100万円以上になると、アイランド型キッチンや対面型キッチンへの交換ができます。

トイレのリフォーム費用

・15万円60万円程度

トイレ本体の変更と壁紙の張り替えだけなら、15万円程度で可能です。トイレ本体だけでなく、収納棚、手洗いユニットを含めたトイレの空間全体のリフォームは、50万円~60万円程度が相場になります。

リビングのリフォーム相場

・10万円~150万円程度

リビングの大きさにもよりますが、10帖のクロス張り替えだけなら10万円程度、10帖のフローリングの張替えは20万円程度が相場です。壁を撤去してリビングを拡張するなどの工事は、100万円以上かかる場合があります。

屋根塗装・リフォーム

・50万円100万円以上

一般的な塗装は屋根の形状や素材、塗る回数、機能性塗料(遮熱塗料・断熱塗料・防音塗料)の使用有無、また足場の組みやすさなどにより異なりますが、おおむね50万円から100万円程度でリフォームできます。屋根を葺き替える場合は、古い屋根材の撤去もあるため100万円以上になることがあります。

耐震補強

・平均189万円

一口に耐震補強といっても工事内容によって費用にバラツキが出ます。たとえば家の柱と柱の間に筋交いを設置した場合は25万円程度、土台や柱に耐震金具を設置した場合は40万円程度。外壁材を取り省いて壁の耐震性を高める工事は50万円から65万円程度かかります。なお、古い家を建築基準法で定められた、耐震基準に適合するためにかかる耐震補強工事費の目安は、平均189万円とされています。(※3)

(※3)日本木造住宅耐震補強事業者協同組合調査

間取り変更

・15万円~100万円以上

間取り変更の方法には間仕切り壁を設置する簡単なものや、建物の基礎、柱、梁などを残した状態で家全体を改修するフルリフォームがあります。

たとえば、子供達の成長に合わせて子供部屋に間仕切り壁を設置した場合は、15万円~20万円程です。キッチンとリビングをつなぎ合わせてLDKをつくる場合は100万円~300万円程度、さらに大がかりな工事をすると500万円以上かかります。

断熱リフォームの工事費用

築年数の古い木造住宅の断熱性能を上げるには、壁の内側に断熱材をしっかり入れる、ペアガラスや二重サッシなどの断熱性・気密性の高い窓に変更する、天井裏にグラスウールを敷き詰める、などの断熱改修工事が効果的です。断熱工事費用は、20~120万円ほどの価格帯が一般的です。DIYで窓に断熱シートや隙間テープを貼るなどの簡易な対策は、数千円〜といった費用で実施することができます。一戸建て住宅の壁全面を断熱リフォームすると300~500万円程度かかることもあります。
住宅の断熱性が上がって省エネできると、月々の光熱費の削減にもつながります。また、結露・カビ・腐食・ヒートショックの予防や、防音・遮音などの効果が期待できます。

増築・減築の工事費用

家族構成やライフスタイルの変化に伴いより広いスペースが必要になった場合は増築(210~400万円/8畳あたり)や、スペースが余っている場合は減築(110~380万円/7~9畳あたり)を検討してみるのもよいでしょう。
増築・減築に伴い、建築確認申請が必要な場合があるため事前に確認しておきましょう。施工会社などに相談して建築基準法に則った適切な対応を行ってください。

バリアフリーリフォームの工事費用

バリアフリーを目的としてリフォームを行う人もいらっしゃるでしょう。高齢者がいるご家庭だけでなく、ライフステージの変化による将来を見据えて、暮らすうえでの体の負担を軽減するリフォームをおこなうことも多くあります。
室内の段差をなくしスロープを設置(3~7万円/箇所)、手すりを設置(3~10万円/箇所)、室内開き戸を引き戸に変更(10~20万円/箇所)、玄関ドア開き戸を引き戸に変更(32~55万円)などの工事が代表的です。ほかにも車いすでの移動のために廊下幅を拡張する、転倒を防止する滑りにくい床に張り替えるなど、目的に合わせたさまざまな工事があります。バリアフリーリフォームは、自治体や介護保険の補助金制度対象となることも。自治体に問い合わせたり、施工会社に相談して、適用されるものがあればぜひ活用してみてください。

古い家リノベーション  イメージ画像

 

古い家のリフォームをする際のポイント

家をリフォームするときのポイントがいくつかあります。以下で説明するポイントを押さえて、上手にリフォームしましょう。

補助金制度を活用する

古い家をリフォームする際、一定の要件を満たしていれば国や自治体の補助金制度を活用することができます。グリーン住宅ポイント制度や長期優良住宅化リフォーム推進事業など、複数の制度があります。 補助金制度は申請期間と利用条件が定められているので、リフォーム業者と相談して上手に活用してください。

確定申告を行う

耐震・バリアフリー・省エネ・長期優良住宅などの条件を満たしたリフォームを行うと、所得税や固定資産税が減税になる場合があります。減税の申請には確定申告が必要不可欠なので、忘れずに行いましょう。

耐震診断を行う

リフォームは補助金対象になることが多く、自治体によっては耐震診断員が派遣されるなど無料での耐震診断が可能。自治体の耐震診断相談窓口で、耐震診断の業者や補助金に関する相談ができます。古い家をリフォームする際は、活用してみてください。国からの補助金同様、申請期間が定められていることも多いのでご注意ください。

古い家リノベーション  イメージ画像

 

古い家をリフォームする際の注意点

古い家をリフォームする際、住宅によっては建築確認申請が必要になったり、工事によっては追加費用がかさんだりすることがあります。

建築確認申請が必要なケースがある

リフォームの内容によっては、建築確認の申請が必要になります。「4号建築物」と呼ばれる小規模な木造2階建て以下、延床面積500㎡以下、高さ13m以下、軒の高さ9m以下の木造建築物のリフォームでは、建築確認の申請は必要ありません。しかし、木造3階建てまたは鉄筋造(2階以上または延床面積200㎡以上)の大がかりなリフォームには建築確認申請が必要です。

なお、建築確認申請が必要な工事は、屋根工事、外壁工事、増築工事、プレハブ物置設置工事、リノベーション工事などです。建築確認申請が必要かどうかも、リフォーム業者に確認しましょう。

追加費用がかかることがある

築年数の古い家をリフォームする場合、工事中に構造部分に補修が必要な箇所が見つかるなど、追加費用がかかることがあります。特に古い家は補修箇所が多いので、予算オーバーにならないよう業者としっかりと話し合いをしておきましょう。

古い家

 

リフォームを依頼する業者の選び方

リフォームをする際は、複数の業者から見積もりや提案をもらい、比較検討することをおすすめします。

希望するリフォームに対応している業者を選ぶ

キッチンまわりや外壁、耐震補強などリフォームの内容はさまざまです。そのためリフォームを行う際は、希望する工事に対応していて、的確な提案をしてくれる業者を選びましょう。

業界団体に加盟する業者を選ぶ

リフォームの業界には、「住宅推進協議会」「リノベーション協議会」「日本住宅産業リフォーム協会」などの団体があります。業界団体はリフォーム業界の成長と信頼性向上を目的としています。加盟の審査を経た会社から選定できることに安心感を感じる方もいるでしょう。どの業者に依頼していいか、分からない場合は複数の企業に提案をもらうと検討しやすくなります。

古い家リノベーション  イメージ画像

 

古い家のリノベーション事例

築47年の木造2階建て家屋が、和と北欧が融合した「JAPANDI(ジャパンディ)」スタイルの民泊用住居に生まれ変わりました。1階は元々あった壁を壊し、筋交い(すじかい)をあえて見せて飾り棚としています。

ベッドルームのある2階は、もともとカーペット敷きの部屋でしたが、畳敷きにリフォームされ、和を感じるくつろぎの場所になりました。ベットルームには高さ1mの壁が造作され、壁裏からの間接照明が部屋全体に陰影を作り出しています。

古い家リノベーション イメージ画像

▼このおうちの詳しい写真や間取りを見る
『おもてなしのJAPANDI(ジャパンディ)スタイル』
https://www.renoveru.jp/renovation/318

古い家のリフォームについてのよくある質問

Q:古い家をリフォームするのに費用がかかってしまうのはなぜ?

A:築年数が古い場合は、内装だけでなく、躯体も経年劣化している場合があり、補強などに費用がかかります。丁寧に使用し定期的なメンテナンスを行っていても、経年によって劣化は進むものです。構造部分など表側からは見えない箇所を改修する場合、壁紙を張り替えたり、洗面台を取り替えたりといった工事に比べて規模が大きくなり、工事費用も上がることがあります。

Q:古い家をリフォームしたい人の理由とは?

A:再建築可能で建て替えが難しい建物の場合、リフォームを選択することが多くあります。なかには「愛着のある家を残したい」「新築にはない雰囲気や趣が好み」といった理由からリフォームを選択される方もいます。

Q:リフォームするときの注意点とは?

A:持ち家一戸建ての場合は、施主の判断でリフォームする箇所を決めることができます。しかし、主要構造部分に関わる部分はあらかじめ施工会社などに相談し、耐震補強など適切な対応を検討する必要があります。まずはプロに相談したうえでリフォームの全体像を描いていくことをおすすめします。

 

まとめ

住み慣れた家は愛着があるため、リフォームとなるとためらいを感じる方もいます。しかし、築年数の経った住宅は経年劣化がつきもので修繕をする必要が出てきます。古い家のリフォームを検討する際は、メリットやデメリット、注意点などをしっかり把握して、信頼できる業者に相談しながら進めましょう。

 

費用情報に関するご注意事項
リノベる。JOURNALは、一般的な内容をご紹介するメディアです。 リノベる株式会社の費用とは異なりますのでご注意ください。 尚、記事内の費用相場は、小規模な工務店や職人による施工費用も含んでいます。 会社や工事の規模やサービス内容、設備・建材費によって費用は大きく異なりますので、ご了承下さい。

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筆者
リノベる。JOURNAL編集部
物件探しからアフターサービスまで、リノベーションに関わることを一社完結のワンストップで手掛ける「リノベる。」
そんな「リノベる。」が住宅購入、リノベーション知識、ローン、リノベーション事例や暮らし方、お施主様インタビューなど住宅購入やリノベーションをご検討の方に役立つ情報をお届けしています。
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