築48年・51㎡(平米)、デザイナーのお施主さまが手がけた遊び心あふれる中古マンションリノベーション
面積:51㎡
間取り:2LDK
建物:マンション
完工時築年数:築48年
家族構成:ふたり暮らし
今回ご紹介するのは、築48年・51㎡(平米)の中古マンションをリノベーションした事例です。お施主さまはデザイナーのお仕事をされているそうで、空間づくりのこだわりが随所に光ります。おもちゃ箱のようなアメリカンポップなインテリアと、遊び心あふれる空間の工夫をご紹介します。
生活感を隠す、ギャラリーのような玄関&土間
玄関を入ると段差のない土間がそのまま続く造りで、ギャラリーのような印象です。かつて見たファッションデザイナーのアトリエ訪問番組で、靴が並ぶ生活感が美しくないと語られていたことが影響したそうです。

海外ホテルのような、水回りをひとまとめにした空間
玄関を入ってすぐ右手には、お手洗いと洗濯機置き場をまとめた水回りスペースがあります。配管の都合でこの位置がベストだったからだといいます。扉にはすりガラス調のシートを貼り、目隠しにしています。


トイレは個室にせず、洗面と一体化した空間に。海外のデザイナーズホテルが好きで、そんな暮らしに憧れていたことが理由だといいます。便器はタンクレスタイプを採用。コストを抑えやすい部分だからこそ、比較的手頃なタンクレスを選んだそうです。床は黒い塩ビタイルで、ネコちゃんの毛や汚れが目立ちにくい仕様です。
遊び心とギャラリー性が同居する、廊下の大容量収納
廊下の床は美術館グッズのシールを貼っています。来客の動線を自然に導く役割も兼ねているといいます。

曲がり角には奥行きのある収納を造作。幅111cmあり自転車も置けるほどの余裕で、扉で隠せるので収納だと気づかれにくい仕上がりです。

壁一面の鏡は、姿見と通路を広く見せる効果を兼ねています。

上部の可動棚はクローゼットが取れない間取りを補う工夫で、奥のガラス扉はネコちゃんの脱走を防ぎつつ空間を広く見せています。

土間から続く、こだわりのキッチン
玄関からの土間はキッチンまで続いており、靴を履いたまま作業できる設計です。段差はキッチンの先に設けられています。


上部の食器棚は既製品で、色は選べてもサイズは決まった仕様。それに合わせて下のキッチン収納を造作したそうです。取っ手のない指穴式の扉は、住宅雑誌で見たデザイナーの自邸を参考にしたといいます。

天板はステンレス仕様で、シンクも同じメーカーのもの。足元は玄関と同じモルタルで統一しています。ダイニングテーブルを置かず、キッチンカウンターとベンチで食事するスタイルを採用。つくる人がキッチンだけで孤立しないよう、みんなで同じ空間を共有できる配置にしたといいます。


遊び心が詰まった、多目的なリビング・ダイニング
LDKはキッチンを含めて約10帖とコンパクトです。リビングの床はヘリンボーン柄のフローリングで、貼り方によって立方体のように見える遊び心のあるデザインです。

ソファはHAYの「マグス」で、生地や形をカスタマイズできる仕様。柄物の生地を選んだのは、汚れが目立ちにくくネコちゃんに引っかかれても傷みにくいからだといいます。壁面の可動棚は、変則的な形のものが多いためあえて稼働式にしたそうです。天井にはミラーボールを設置し、パートナーとふたりで楽しむDJタイムを演出。

躯体に元々あった穴を利用してハンモックも吊るせるようにし、遊べる部屋を目指したといいます。フォトグラファーの友人も多く、料理撮影のスタジオとしても使える多目的な空間です。
自宅で仕事もこなす、遊び心のあるワークスペース
リビング隣の個室はガラス扉で仕切られたワークスペースで、約2帖の広さです。仕事の半分は自宅でこなすといい、机は以前の家から持ち込んだサイズに合わせて造作したそうです。


グラフィックの仕事では印刷物の色を正確に見る必要があるため、照明はあえて白色光を選んだといいます。窓からリビング側を見渡せる設計で、個室でありながら開放感も両立させています。

将来を見据えた、フレキシブルなフリースペースと寝室
ワークスペースの隣には、約2.5帖のフリースペースがあります。入居時はまだパートナーと同居していなかったため、将来の暮らし方に合わせて用途を決めずに確保した空間だといいます。現在はパートナーの部屋として、音楽制作などに使われているそうです。

隣の寝室は約3帖で、ダブルベッドを置いても両サイドを歩けるゆとりがあります。仕切りは軽いアクリル製の扉で、レールごと取り外せる仕様です。扉を外せばフリースペースと合わせて5〜6帖の一室として使うこともできます。将来同居する人数が変わっても対応できる設計だといいます。

ホテルのような、造作のバスルーム
寝室の向かいには在来工法によるオーダーメイドのバスルームがあります。水回りはデザイナーズ物件でも最も作り込まれる部分だと考え、キッチンと同様に既製品に頼らずこだわったといいます。バスタブやシャワーの設備自体は手頃なものを選び、造作にかかる費用とのバランスを取ったそうです。

ガラス扉を採用したのは、以前住んでいた賃貸もガラスで仕切られていたことがきっかけだといいます。床は大判タイルで、トイレ側の塩ビタイルと色味を合わせています。壁は目地グレーのサブウェイタイルを使用。オーバーヘッドシャワーや浴室乾燥機も備わっています。

遊び心と暮らしやすさを両立した、ふたりと猫の住まい
生活感を隠すギャラリーのような玄関から、遊び心満載のリビングまで。ホテルのようなバスルームにも、デザイナーならではの視点が随所に生きています。既製品と造作を組み合わせながら、将来の暮らしの変化にも対応できる柔軟な間取りです。中古マンションでも、住みながら手を加えていく楽しみ方ができることを教えてくれる事例です。


















