リフォームして土間をつくるとどんなメリットがある?活用事例やDIYのポイントも解説!

リフォームして土間をつくるとどんなメリットがある?活用事例やDIYのポイントも解説!
間取り・部屋別

昔の家屋にある土間は、屋外と屋内の中間にあたる存在のようなものでした。人々はそこで炊事をしたり農機具や漁具など外の仕事で使う道具の手入れをしたりしました。お客さんと玄関先で立ち話程度の気軽なやりとりなら、土間で行われることもしばしばありました。 現在では、土間は家の中にタイルやコンクリートを施工して、土足で移動できるエリアのことを指します。玄関収納や趣味の物をディスプレイするなど、さまざまな用途で活用することができます。本記事では、土間の活用方法やリフォーム費用、メリット・デメリット、土間の活用事例をご紹介します。リフォームをして土間スペースをつくることを検討中の方は参考にしてみてください。

※最下部にある「費用情報に関するご注意事項」をお読みください。

土間のメリットとデメリット

ここからは、土間のメリット・デメリットを見ていきましょう。

土間のメリット

土間には以下のようなメリットがあります。 ・空間に広がりができる ・土足のまま使用できる ・靴の置き場に困らない

空間に広がりができる

戸建て住宅ではリビングと段差のある土間をつくることがありますが、そうした場合、床の段差で天井との距離が大きくなり空間全体に広がりが感じられる場合があります。庭とリビングの間に土間スペースを設けると、外と内の中間のスペースとして活用することもできます。

土足のまま使用できる

玄関に広い土間を設けることで、土足のままものを出し入れできるのもメリットといえます。たとえば、釣りやゴルフの用具、ベビーカー、自転車など、屋外で使用するものも汚れを気にせず保管することができます。自宅に帰って土足のまま収納ができたり、出かける直前にものを取り出せたりと便利に使えるスペースです。

来客時にも靴の置き場に困らない

玄関横に大きな土間スペースを確保することで、靴の置き場に困らなくなる点も土間のメリットです。たとえば一度にたくさんの来客が来たようなケースでも、広い玄関土間があれば対応しやすくなるでしょう。靴を多く持っている方のほか、普段から家に人を招くことの多い方におすすめといえます。

雨や日差しなど天候に影響を受けない

土間では、本来ならば屋外で行うことの多い作業を、屋根のある場所で天候を気にせずに行える点もメリットです。土足で作業をすることができ、土を扱うガーデニングの作業やバイク、自転車のメンテナンスなど、雨が降る日も関係なく行えます。また、真夏など日差しの強い日には絶好の日陰作業スポットとなります。 また、雨の日の洗濯も土間があれば乾かす場所に困りません。ベランダの代わりに、土間を活用することができます。普段から土足で踏みいる場所なため、土があがることもありますが、ホウキで履くだけで簡単に掃除できます。

土間のリフォーム イメージ画像

土間のデメリット

一方、土間のデメリットには以下のようなものがあります。

  • 底冷え対策が必要になる
  • 居室スペースが小さくなってしまう
  • 将来的に段差が負担になる可能性がある

それぞれについて見ていきましょう。

底冷え対策が必要になる

土間のデメリットとして、冬場に底冷えしやすいことが挙げられます。土間を物置きのように活用する場合、土間と居室の間に間仕切りを設けるなどの対策がおすすめです。土間を自転車のメンテナンスなどの作業スペースとして活用することも考えている場合は、暖房設備の導入などを検討するとより快適に使用できます。

居室スペースが小さくなってしまう

土間は家の中にスペースを設けるため、土間スペースを大きくするほど居室スペースが小さくなります。あらかじめどのくらいの居室スペースが必要か、考えておく必要があります。

将来的に段差が負担になる可能性がある

土間と居室の間には段差ができるのが一般的ですが、年齢を重ねると段差を負担に感じてしまう可能性があります。また、車椅子を使用する場合は、段差が障害になってしまうこともあるでしょう。リフォームで土間スペースをつくることを検討している方は、老後の暮らしやすさについても考えておくことをおすすめします。

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土間の活用方法

土間の活用方法としては以下のようなものが挙げられます。

  • 趣味のものを置くスペースにする
  • DIYをするスペースにする
  • 愛犬のドッグランをつくる

それぞれについて見ていきましょう。

 収納ある土間

趣味のものを収納、ディスプレイする

趣味の道具を置く場合、単に収納として活用することもできますが、ディスプレイスペースとして活用することもできます。たとえば、自動車やバイク、サーフィンのための道具をあえて見せて収納することで、目で楽しむスペースとしての活用も。インテリア的な要素と、収納としての有用性を併用できる方法だといえます。

DIYをするスペースにする

木工や塗装など汚れや匂いが気になる作業も、土間スペースなら室内で行う場合に比べ作業しやすくなります。自転車のメンテナンスや3Dプリンターの使用など、ある程度のスペースが必要な場合や音が気になる場合にも、周りを気にせず使用できます。

愛犬のドッグランをつくる

犬を飼っている方には、玄関からリビングまでぐるっと続く土間をつくってドッグランにする、といった活用方法も。愛犬との生活を中心に考えたい方におすすめです。

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土間リフォームのポイント

リフォームして土間をつくる際には、以下のような点に気を付ける必要があります。

  • 汚れ対策 ・温度調整
  • 湿気対策

それぞれ見ていきましょう。

汚れ対策

土間は外履きのまま移動したり、自転車など外から持ってきた物をそのまま収納したりするため、土が入ることが多々あります。タイルなど水や汚れに強い素材で仕上げることで、メンテナンスしやすくしておくとよいでしょう。

温度調整

土間スペースは寒くなりやすいため、温度調整にも気を使う必要があります。作業スペースとしての利用も想定している場合、暖房の使用も検討するとよいでしょう。

湿気対策

戸建て住宅の場合、土間スペースは湿気がたまりやすく上述の通り寒気の影響を受けやすいことから、結露が発生しやすくなります。結露が頻繁に起こるとカビが発生し、居室スペースに影響が及ぶ可能性も。防止策として、珪藻土など調湿機能のある素材の採用も検討してみてください。

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土間リフォームの費用

土間リフォームの費用は、どのような工事をするかによって大きく異なります。たとえば、玄関先の一部をリフォームして3畳程度の土間収納をつくる場合、一般的に30万円~50万円程度の費用がかかります。ただし、もともとの間取り次第で、壁を撤去するなどの条件によって費用が高くなることがあります。そのほか、大がかりな土間リフォームを実施するケースでは、100万円を超えることもあります。

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土間の仕上げ方法5種

土間の代表的な仕上げ方法は、全部で5種類あります。

  • 金鏝(かなごて)仕上げ

表面がとても滑らかで、ツルツルの状態なのが特徴です。土間だけでなく、駐車場や家の周りなどにもよく用いられています。見映えがよいだけでなく、ツルツルの状態だからこそ掃除がしやすいというメリットがありますが、雨や雪で滑りやすいという特徴もあります。

  • 刷毛(はけ)ひき仕上げ

金鏝仕上げと同様に、よく用いられる方法です。コンクリートの表面は刷毛でなでて敢えてザラリとさせるのが特徴です。特に、屋外で人がよく歩く場所に使われやすいです。

  • 洗い出し仕上げ

コンクリートに石や砂利を入れ、表面を均一にしたあとで固まる前のコンクリート分を洗い落とし、石の頭を出す仕上げ方法です。個性的で、さまざまなデザインが表現できます。雨に濡れても滑りにくい点もメリットです。

  • スタンプコンクリート仕上げ

コンクリートにスタンプを押すように、専用の型を押し付けて模様をつける方法です。レンガや、木目、大理石などを用いているような表現も可能となっています。特に、屋外の使用に向いていない大理石や木材も、この方法で表現することで自分好みの雰囲気に近づけることができます。

  • 塗装仕上げ

コンクリートを固めたあと、専用の塗料を塗ります。室内の土間やガレージなどによく用いられる方法です。この塗料は、保護の意味もあり、オイル漏れや汚れに強い土間となります。

モルタルの土間

土間をDIYする際のポイント

基本的に、土間は左官職人の方に仕上げてもらうのが通例です。もし、自分でDIYしたい場合は、以下の方法を試してみてはいかがでしょうか。なお、ここでご紹介するのは、DIY初心者の方向けの情報です。

  • 扱いやすい土間コンを選ぶ

この素材であれば、水捌けのために設ける勾配や仕上げに対しての知識がなくても扱いやすいとされています。

  • 手順はしっかりと確認し頭に入れておく

DIYのなかでも、土間コンDIYは難易度が高いとされています。行き当たりばったりではなく、準備を万端にして手順を十分に頭に入れておくことをおすすめします。作業時間には余裕をもたせ、事前にシミュレーションしておくとよいでしょう。

  • 土間タイルは初心者でもチャレンジしやすい

特に初めて土間のDIYに挑戦するという方には、コンクリートの上から土間タイルを張る仕上げ方法がおすすめです。

  • 心配ならプロに相談を

土間のDIYは、簡単そうに見えても実はさまざまなところに専門の知識を必要とします。DIYをすることに大きな魅力を感じたり、高いモチベーションがあったりするなら十分な準備や学習も苦にならないかもしれませんが、迷うようならプロに依頼することをおすすめします。プロなら、適したコンクリートの強度や材料の選定、技術など、必要なものをすべてもっているため安心です。

土間に補修が必要なときは

土間の補修が必要となるトラブルは、主に以下のふたつです。

  • 亀裂、ひび割れ
  • シミ

それぞれの補修方法について見ていきましょう。

  • 亀裂、ひび割れの補修方法

土間は、大切に使っていても小さな亀裂やひび割れが発生することがあります。主に、気圧・気温の変化や、構造の問題が原因となります。土間に使われるコンクリートやモルタルは、気圧や気温の変化で膨張したり収縮したりしますが、圧縮に強い反面、引っ張られる力には弱いです。そのため、急激に気圧や気温が変化すると、亀裂が起こりやすくなります。気圧や気温の変化によって起こったひび割れは、髪の毛のように細いのが特徴。一方、設計のミスなどの構造上の問題によって発生したひび割れは大きいものが多いです。そのほか、地震でひび割れが起こることもあります。 細いひび割れに関しては、コンクリート補修材やひび割れ補修材を埋め込んで対処することができます。亀裂が大きい場合は、建物そのものの構造に手立てが必要な可能性がありますので、専門の業者に相談されることをおすすめします。

  • シミの補修方法

汚れによってシミができた場合は、まずはメラミンスポンジを使って掃除をしてみることをおすすめします。メラミンスポンジなら、洗剤を使わないため傷がつきません。もし、メラミンスポンジで落とせない汚れだった場合は、コンクリート専用洗剤を使ってみましょう。この場合も、メラミンスポンジでまずは表面の汚れを落とし、その後に洗剤を使用しましょう。

土間のリノベーション事例3選

リノベーションをして室内に土間スペースをつくった事例をふたつご紹介します。

玄関に入るとすぐ目に入る土間スペースとロードバイク

玄関に設けた土間スペースには、趣味のロードバイクと各種装備が並べられています。好きなロードバイクをディスプレイとして楽しみつつ、雨に濡らさないための有用性を備えている点がポイントです。ロードバイクに乗って、トレーニングができるスペースも確保されています。

土間のリフォーム イメージ画像

▼このおうちの詳しい写真や間取りを見る 「ロードバイクと暮らす、サイクリストの家」 https://www.renoveru.jp/renovation/263

リビングの中にあるインナーテラス

リビングに土間スペースが設けられており、インナーテラスとして外の光を取り入れるのに役立っています。洗濯物を干すことができるだけでなく、ハンモックで読書したりお昼寝をしたりするスペースとしても活用されています。

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▼このおうちの詳しい写真や間取りを見る 「DIYで進化し続ける、庭のあるマンション暮らし」 https://www.renoveru.jp/renovation/292

土間のリノベーションについての質問にお答えします

土間は戸建てじゃないと無理?マンションでも作れるの?

土間のある家屋は、マンションよりも戸建てというイメージが強いですよね。確かに、土間のあるマンションを見つけようとすると、なかなか見つからないのも事実。しかし、現在はマンションでも土間を設けたいとリノベーションを行う人が増えつつあります。ただし、マンションの場合は管理組合の規定でリノベーション可能かどうかが重要なポイントとなります。構造によっては、土間が作れないようになっている可能性もあるため、事前に確認されることをおすすめします。

土間に収納をつくりたいんだけど…何かポイントはある?

土間収納は、人によっては利便性が高いため、必要度に応じて検討するのもよいでしょう。しかし、間取りによっては玄関やほかの部屋が狭くなったり、意外と必要性がなく無駄なスペースになったりすることも。土間収納に入れたい具体的なアイテムを考えて、サイズや必要性を検討されることをおすすめします。また、土間収納に入れたいアイテムは、屋外で使うものなどがメインとなりやすく、湿気やカビ対策が必須になります。そのために扉のない収納を選ばれるかたも多いですが、玄関がごちゃついて見えるというデメリットもあります。換気と見映えの両方の観点で考えることも大事です。

まとめ

土間のリフォームについてご紹介しました。土間には、DIYやディスプレイのためのスペースとして活用するなど、さまざまな用途があります。一方で汚れ対策や湿気、寒さ対策などに注意が必要です。土間リフォームに興味のある方は、本記事の内容を参考にしてみてください。

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