ドアを引き戸にリフォームするメリットとデメリットとは?費用相場や施工のポイント、リフォーム事例も紹介

ドアを引き戸にリフォームするメリットとデメリットとは?費用相場や施工のポイント、リフォーム事例も紹介
こだわり・暮らし方

ドアを引き戸にしてみたいけれど、リフォームを失敗したくないと思う人も多いでしょう。ドアの変更は費用がかかるほか、リフォームで使い勝手が悪くなったとしても簡単に元に戻すことができません。
そこで、本記事ではドアを引き戸にリフォームするメリットやデメリット、施工にかかる費用相場を解説していきます。施工事例も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

※最下部にある「費用情報に関するご注意事項」をお読みください。

 

目次

リノベーションした引き戸のある洗面スペース

引き戸の仕組み・構造

引き戸は、戸を床と天井の溝やレールなどにスライドさせて開閉する仕組みになっています。天井側のみにレールを設置して、戸を浮かせて開閉させるタイプの引き戸もあります。
また、引き戸は1枚だけでなく2枚や3枚の戸で構成されているものもあります。ドア枠のサイズやお好みに合わせてリフォームできるのが引き戸の魅力です。

引き戸の種類

引き戸の種類を紹介していきます。引き戸の種類は、大きく分けて4つのタイプがあります。

1.片引き戸

片引き戸とは、壁に沿わせて引き戸を開閉するタイプの戸です。ドアをスライドさせて開閉するため、壁側に戸を収納するためのスペース(控え壁)が必要となります。片引き戸は引き戸のなかでも施工しやすいタイプです。
引き戸にリフォームしたいけれどドアを壁の内側にしまえないという住宅への施工におすすめです。また、開き戸では開閉に苦労する狭い廊下やトイレなどへの設置にも向いています。

2.引き分け戸(両開き戸)

引き分け戸とは、2枚の引き戸を両サイドにスライドさせて開閉するタイプの戸です。引き分け戸の特徴は、2枚の引き戸に対して天井と床の溝やレールが1本である点です。そのため、引き戸を重ねて閉じたりスライドさせることはできません。
引き分け戸は、両サイドに引き戸をスライドさせると広くて開放感のある出入口となります。そのため、必要なときに部屋同士をつなげて大部屋として利用したいという方にもおすすめのタイプです。普段は仕切りとして活用したり、1枚だけ閉めて風通しを良くしたりと、引き分け戸の用途はさまざまです。

3.引き違い戸

引き違い戸とは、2枚の引き戸を設置しており、左右どちら側からでも開閉できるタイプです。引き分け戸とは異なり、天井と床のレールや溝は2本あります。押入れのふすまを思い浮かべるとイメージしやすいでしょう。
引き違い戸は引き戸をしまう壁のスペースがない住宅への設置におすすめです。

4.引き込み戸

引き込み戸とは、引き戸を壁の内部(戸袋)にしまうタイプの戸です。雨戸をしまう際の仕組みをイメージしていただければ分かりやすいでしょう。
引き込み戸は引き戸を壁の内部にしまうことができるため、少しでも室内のスペースを無駄にしたくないという方におすすめです。また、戸を閉めたら引き戸が見えなくなりすっきりとした室内になるので、ミニマルな暮らしを目指している方にもおすすめのタイプです。

上吊り引き戸のあるリノベーション空間

ドアを引き戸にリフォームするメリットとデメリット

ドアを引き戸にリフォームするメリットとデメリットを紹介します。引き戸への変更に不安のある方は、ぜひメリットとともにデメリットも確認して、リフォームを検討する際の参考にしてみてください。

メリット

ドアを引き戸にリフォームするメリットは、主に3つあります。

1.出入りしやすくなる

引き戸は開閉がスムーズに行えるため、小さな子どもから高齢の方まで出入りしやすくなります。また、小さな子どもが開き戸で指を挟んでしまったり、開いたドアにぶつかったりといった事故が防げる点も引き戸のメリットです。
しかし、引き戸の場合、子どもが簡単にひとりで部屋の外に出てしまう点が不安な方もいらっしゃるでしょう。そのような場合には、チャイルドロック付きの引き戸もあるので検討してみてください。

出入りしやすくなる引き戸のタイプは、以下のタイプすべてです。

  • 片引き戸
  • 引き分け戸(両開き戸)
  • 引き違い戸
  • 引き込み戸

玄関や部屋の出入りをスムーズにしたいという方は、引き戸へのリフォームがおすすめです。

2.出入口周辺に家具が置ける

引き戸は開き戸のように扉の開閉によるスペースの確保を気にしなくていいため、出入口の周辺に家具が置けるというメリットがあります。これまで開き戸の開閉スペースだったために活用できなかった場所に、家具やインテリアなどを置いて模様替えをすることも可能になります。

出入口周辺に家具が置ける引き戸は、以下のタイプです。

  • 引き分け戸(両開き戸)
  • 引き込み戸

ただし、片引き戸や引き違い戸も開閉に問題がなければ出入口周辺に家具を置けます。

3.開放感のある部屋となる

引き戸は全開にすると部屋が広く感じられ、開放感がうまれます。使用目的に応じて、部屋を自由にレイアウトしやすくなるのもうれしいポイントです。
また、全開にすることで2つの部屋をワンルームとして使用することも可能です。開き戸の場合は全開にするとドアが邪魔になることがあります。しかし、引き戸は壁に収納できるため、見た目もすっきりとした部屋となるのもメリットです。

開放感のあるすっきりとしたデザインの出入口となる引き戸は、以下の2つのタイプです。

  • 引き分け戸(両開き戸)
  • 引き込み戸

引き分け戸と引き込み戸で2枚分の戸をすべて通路として開く場合は開放感のある室内となります。

白い引き戸のあるリノベーション空間

デメリット

ドアを引き戸にリフォームするデメリットを紹介していきます。ドアを引き戸にリフォームするデメリットは、主に3つあります。

1.引き戸にリフォームできない場合がある

住宅によっては、引き戸を設置できないケースがある点がデメリットです。引き戸は施工するタイプによっては戸を収納するスペースが必要となります。しかし、壁に引き戸を収納するスペースがない場合はリフォーム不可となるケースが多くあります。

リフォームできないケースがある引き戸は、以下のタイプです。

  • 片引き戸
  • 引き分け戸(両開き戸)
  • 引き込み戸

壁に引き戸を収納できるスペースがない場合、このタイプの戸の施工は難しくなります。

2.気密性と遮音性が開き戸と比べて低くなる

引き戸の気密性と遮音性の低さが不安な方もいらっしゃるでしょう。気密性が低いと、冬は寒く夏はエアコンの効きが悪くなってしまう場合もあります。また、戸の遮音性が低いと別室から声や音が漏れてうるさく感じたり、プライバシーが守れなくなったりするでしょう。
気密性と遮音性が低くなる引き戸は、以下のタイプすべてです。

  • 片引き戸
  • 引き分け戸(両開き戸)
  • 引き違い戸
  • 引き込み戸

引き戸はどうしても隙間が生まれやすいため、気密性と遮音性が低くなってしまうのです。
しかし、最近は気密性が高い商品も販売されています。価格は一般的なタイプの引き戸に比べて高くはなりますが、冬の寒さや外からの音が気になる方にはおすすめです。

3.掃除に手間がかかる場合がある

引き戸を壁の中に隠すタイプの「引き込み戸」の場合、壁の中にホコリやゴミがたまりやすく、掃除もしにくい点がデメリットです。また、引き戸をスライドさせるためのレールや溝もゴミがたまりやすいため、こまめな掃除が必要となります。レールや溝のゴミは、引き戸の開閉がスムーズにできるように定期的に掃除機で吸い取りましょう。
掃除に手間がかかる場合がある引き戸は、以下のタイプすべてです。

  • 片引き戸
  • 引き分け戸(両開き戸)
  • 引き違い戸
  • 引き込み戸

掃除の手間が煩わしいという方は、引き戸を「上吊り引き戸」タイプにすると、レールや溝のゴミや汚れなどに悩まされなくてすみます。「上吊り引き戸」とは、天井側のレールに引き戸を吊るすタイプで、床側にレールや溝を施工する必要がありません。
「上吊り引き戸」以外の引き戸は床にレールや溝の設置が必要なので、掃除の手間がかかります。

引き戸を設置した小上がりスペース

引き戸のリフォームにかかる費用相場

室内で開き戸から引き戸に変更するためにかかるリフォーム費用相場は、10~30万円ほどです。ただし、戸の厚さや素材、機能性によっては、リフォーム費用は相場よりも高くなります。また、引き戸にリフォームする箇所に特別な工事が必要な場合も、相場よりも費用が高くなるでしょう。

ドアを引き戸にリフォームする際のチェックポイント

ドアを引き戸にリフォームする際のチェックポイントを紹介していきます。引き戸にリフォームする際にチェックするポイントは、以下の4つです。

1.引き戸の設置場所

ドアを引き戸にする際は、壁に戸をしまえるだけのスペースがあるか確認することが大切です。設置箇所によっては、壁側にあと付けできるタイプの引き戸もあります。しかし、引き戸はどのような出入口にも設置できるわけではないため、リフォームを検討する際は注意しておきましょう。

2.引き戸のサイズ

引き戸は、住宅タイプや暮らす人によって扉のサイズをよく検討しなければいけません。特に、出入口の横幅に合わせて引き戸のサイズを選ぶようにしましょう。
玄関に引き戸を採用する場合、車椅子やベビーカーを使用する機会がある住宅は、可能であれば広いタイプの戸を選ぶのがおすすめです。特に、車椅子を使用される住宅では、引き戸の開口幅が750mm以上あるとスムーズに出入りしやすくなります。
また、引き戸は複数枚設置することも可能です。出入口が広すぎるからと引き戸へのリフォームを諦める必要はありません。
引き戸は施工したい箇所に合ったサイズを選ぶようにしましょう。

3.引き戸の素材

引き戸を選ぶ際は、戸の素材もチェックすることが大切です。引き戸の素材には、「木製」「ガラス製」などさまざまなタイプがあります。
「木製」の引き戸は温かみがあり、和室にも洋室にもマッチします。また、特定の部分にガラスをはめ込むタイプもあるので、室内が暗くなりすぎません。カラーもブラウン系だけではなく、ホワイトのような明るい色もあります。
「ガラス製」は扉の大半の部分が透明またはすりガラス調になっており、部屋が明るくなります。開放感のある室内を演出することもできるでしょう。
室内の雰囲気やデザインに合わせて素材を選ぶのがおすすめです。

4.引き戸の機能性

引き戸それぞれが持つ機能性にも着目して、住宅に合ったタイプを選ぶようにするとよいでしょう。機能性には断熱性や防火性、防犯性などが挙げられます。
そのほか、戸の閉じるスピードが自然に緩められる機能を持った引き戸もあります。けがを防いだり、ドアを閉じる際に音を小さくできるので、。小さな子どもがいる住宅への設置におすすめです。
このように、引き戸は単にスライドさせて開閉するだけの戸ではなく、優れた機能性や使い勝手が組み込まれたドアだと言えます。引き戸を選ぶ際は、安心して快適に暮らせるタイプの戸を選びましょう。

ガラスの引き戸のあるリビング

引き戸のリフォーム事例を設置場所ごとに紹介

リノベーションをして、引き戸を設置した事例もチェックしてみましょう。引き戸を取り付けたらどのようなイメージになるか参考にしてみてください。

事例1 リビング:開放感と明るさを生み出した引き戸

「明るい住まい」をコンセプトのひとつにリノベーションされた、こちらのお住まい。LDKの壁いっぱいに広がる窓と、バルコニーから降り注ぐ日差しが温かみのある空間を作り出しています。
さらに明るさに一役買っているのが、LDKと玄関を仕切る引き戸。開くと玄関までの空間がつながり、バルコニーの光が届くことで、開放感を感じられるような設計になっています。
「よりよい子育て環境」も重視しながら物件探しをされたご夫婦。リノベーション前よりもお友達を招く機会が増え、温かな交流が感じられるおうちで、家族との時間を過ごされています。

玄関とリビングの間に引き戸のあるリノベーション空間

▼このおうちの詳しい写真や間取りを見る
『LDKに多目的アイランド収納があるおうち』
https://www.renoveru.jp/renovation/322

事例2 玄関:引き戸で風通しと抜け感のある空間を実現

お子様の笑い声がどこにいても感じられる、フルフラットのワンルーム。54.83㎡のサイズ感と結びつかない、解放感のあるLDKには、寝室スペースや、将来の子供部屋を想定した、室内窓のあるウォークインクローゼットが配置されています。
そんなLDKと玄関土間をつなぐのは、重厚感のあるデザインが目を引く大きな引き戸。引き戸を開けることで玄関土間からバルコニーまで風が通り、抜け感のある部屋に仕上がりました。
広さよりも、立地や家族の時間を大事にしたい、そんなご夫婦の希望を実現した空間が広がっています。

玄関と居室を仕切る引き戸のあるリノベーション空間

▼このおうちの詳しい写真や間取りを見る
『風とともに疾走する、なかよし家族のワンルームライフ』
https://www.renoveru.jp/renovation/276

まとめ

ドアを引き戸にリフォームすると開閉しやすく、開放感のある部屋にできるというメリットがあることが分かりました。特に、小さな子どもや高齢の方がお住まいの住宅には、安全性が高い引き戸がおすすめです。
しかし、住宅の構造によっては引き戸を設置できない場合もあります。住宅の構造やデメリットなども考慮して、引き戸へのリフォームを検討してみましょう。

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