まねしたい!ヴィンテージインテリアのかっこいい部屋のつくりかた
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お部屋をヴィンテージインテリアにしたいけど、コーディネートのポイントが分からず、お悩みの方も多いのでは。そこで本記事では、ヴィンテージインテリアの特徴やコーディネートのコツなどを解説。リノベーションでかっこいい部屋を完成させた事例も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ヴィンテージインテリアの特徴
ヴィンテージには、「年代もの」「古くて価値があるもの」という意味があり、使い込まれてより味わい深くなったデザインのインテリアのことを言います。また、ひと口にヴィンテージのインテリアといっても、アメリカン、フレンチ、北欧などさまざまなスタイルがあります。そのため、部屋をコーディネートする際には、どのようなスタイルにするかイメージしておくことが大切です。
似たデザインとの違い
ヴィンテージは、以下の3つのデザインのイメージに似ています。
- レトロ
- アンティーク
- USED(ユーズド)
上記はそれぞれに世界共通の定義があるわけではありません。したがって、一般的に言われている内容から、それぞれのデザインの違いを紹介します。
レトロとの違い
レトロとは、古くて懐かしさを感じられるデザインのアイテムを指す場合が多いです。反対に、ヴィンテージは実際に作られて年月がたった状態のことを指すことが多いという違いがあります。
アンティークとの違い
アンティークとは、一般的に100年以上前に作られたものを指します。機能的な価値よりも、美術品としての価値が評価されているものを指すことが多いです。100年以上たった家具や美術品、工芸品などは、色あせや剥がれによって風合いが増し、味のある一品に仕上がります。また、長い年月を経過してもなお受け継がれるアイテムなので、クオリティが高い点も特徴のひとつです。一方、ヴィンテージは、製造されて数十年から100年未満のアイテムを指します。
USED(ユーズド)との違い
USED(ユーズド)とは、「一度使用された」という意味で使われるケースが多いです。そのため、製造されて間もなくても、使用されたものであればUSEDと呼ばれます。
ヴィンテージ家具も使用歴はあるものですが、一定の年月が経過しているという部分が異なります。
ヴィンテージ感を演出できるアイテム
部屋にヴィンテージ感を演出したい場合は、特徴である「使い込まれた質感を出すこと」が大切なポイントです。そこで、部屋をヴィンテージテイストにコーディネートする際に取り入れたいアイテムを紹介します。
無垢材のフローリング
ヴィンテージインテリアの部屋には、フローリングは複合フローリングよりも無垢材を選ぶのがおすすめです。複合フローリングに比べ、無垢材のフローリングはツヤがなく乾いた質感のものが多いため、ヴィンテージの使い込まれた雰囲気と調和しやすくなります。複合フローリングはツヤのあるコーティングがされている場合が多いため、木の質感を活かした無垢材の方がマッチするでしょう。また、ダーク系の色合いだと、雰囲気をより演出できます。
レンガや古材を使った壁
使い古されたような風合いのレンガやタイルを壁に使ったり、あえてムラ塗装がされた壁材を選ぶことで、ヴィンテージっぽさが演出しやすくなります。
また、古材を使った壁にするのもひとつの方法です。本物の古材ではなく、エイジング加工された壁材を使用するのもよいでしょう。
古い足場板
キズやへこみなどがある古い木製の足場板は、ユーズド感があり、ヴィンテージインテリアとして取り入れるのにおすすめです。足場板とは、工事現場で職人が高所を移動する際に使用される板のことです。古材ならではの雰囲気がヴィンテージ感を醸し出すでしょう。
ヴィンテージ家具や小物
年代物のヴィンテージ家具や小物を取り入れると、ぐっと雰囲気が出ます。本物のヴィンテージ家具を取り入れるのが難しい場合は、ヴィンテージ加工された家具を取り入れる方法もあります。予算を抑えたい場合は、そうした既製品を取り入れるのもおすすめです。
アイアンを使った家具
アイアンを使ったインダストリアルな家具は、ヴィンテージインテリアとマッチします。「インダストリアル」は工業的という意味で、古い工場や倉庫で使用されていたような無骨な雰囲気のアイテムと好相性です。
電球色がオレンジ系の照明
蛍光灯で均一的に白っぽく照らされた部屋は、「古さ」「懐かしさ」を求めるヴィンテージテイストと相性がいいとはいえません。明るすぎない、オレンジ系の電球色の照明を設置するのがおすすめです。LEDで再現したフィラメント(昔の白熱電球で使われていた発光体)が見えるようなデザインの電球など、古さを感じさせるものを選ぶのもよいでしょう。シェードのある照明を選ぶ場合は、シェードのデザインがヴィンテージテイストのものがおすすめです。
躯体現しの壁や天井
リノベーションが可能であれば、壁や天井を躯体現し(くたいあらわし)にするのもよいでしょう。躯体現しとは、壁や天井など部屋の構造体の部分をむき出しにして見せる仕上げ方法のこと。そのラフな質感は、ヴィンテージインテリアとも相性抜群。壁紙をはがしたことで現れるパテ処理の跡も、使い込まれた雰囲気を出すのに一役買ってくれます。
ヴィンテージインテリアの部屋にリノベーションした事例
こだわりのあるヴィンテージインテリアの部屋に仕上げたいなら、リノベーションがおすすめです。賃貸物件では難しい、間取りや建具、空間全体のデザインを変更することも可能です。本章では、リノベーションで理想のヴィンテージテイストのお部屋を完成させた事例をお伝えします。
ご紹介するのは、リノベる。のWebサイトでも人気のかっこいい部屋、S様邸。2018年に中古マンションを購入し、オーダーメイドリノベーションされたご夫婦のおうちです。
【S様ご夫婦】
高校時代の同級生で、共にヴィンテージテイストがお好きという仲良しご夫婦。旦那様は高校時代に雑誌の影響でヴィンテージにハマり、それ以来1950〜70年代のアイテムを収集されています。
S様のおうちは、玄関から一番奥のリビングまでどこもかっこいい要素が満載です。今回は特にポイントの多いリビング、洗面、収納をご紹介したいと思います。
リビングダイニング:あえて下地材を使う
下地材を仕上げに使う
リビングの主役になっているのは、ケースに収められたヴィンテージコレクション。15年以上かけて少しずつ集めた大切なアイテムです。
このケースの背景となる壁に貼られているのが「OSB合板」という木質ボード。配向性ストランドボードの略で「OSB」「OSBボード」とも呼ばれます。
構造用下地として開発されたもので、新築や賃貸の住宅では仕上げ材として使用されることはほとんどありません。リノベーションなら素材の選択は自由。部屋のテイストに合わせてこういった下地材で仕上げることが可能です。
このOSB合板、木の細長い削片がそのまま見えているラフな雰囲気が魅力なのですが、S様邸では部屋全体のヴィンテージテイストに合わせるために、さらにひと工夫されています。
それはあえてスタンプが押されているものを集めていること。製造年や国などの本来隠されてしまう文字を、あえて表に見せることでラフな雰囲気が増しています。
ショップのディスプレイのように
このOSB合板で仕上げた壁、ディスプレイの機能も果たしています。照明器具をあえて洋服などが掛けられる形状のものにし、ヴィンテージの洋服を飾ることでまるで古着屋さんのようなかっこいい雰囲気に。
手前のショーケースの上に何気なく置かれたL.L.Beanのトートバッグ、使いこまれた感じがいかにもヴィンテージぽく見えますが、奥様が高校生のころから使っているものだそう。
厳選したアイテムを大切に使い続けていらっしゃるご夫婦のこだわりが、伝わってきます。リノベーションの際も、「長く使い続けていい味が出るもの」を基準に素材を選ばれたそうです。
床材の張り分けでスペシャルな空間に
大切なヴィンテージコレクションを引き立てる素材として、リビングの床だけにヴィンテージチークの無垢フローリングを使用。他より少し濃い色の木にすることで、リビングを特別な空間にしてくれています。
リビングには他にも、旦那様がみずから取り付けたという天井のフックが。こちらにも洋服やドライフラワーをディスプレイされています。
天井と壁はマンションのコンクリート躯体を現しにした状態。塗装をしたり壁をつくったりするのとは違った粗い質感とコンクリートのグレーが、ご夫婦で厳選された家具やヴィンテージアイテムを引き立ててくれています。
洗面スペース、トイレ:印象的なカラーを大胆に
続いては洗面スペースをご紹介。ここで注目したいのはなんといっても空間をグッと印象的にしてくれているグリーンの壁。
この色は奥様がBEAMS BOY(ビームス ボーイ)の店舗で見て惹かれた色を参考に選ばれたそう。インパクトのある深い色で、思わずこの空間に目がいってしまいます。
グリーン一色ではなく、黒いモザイクタイルが貼られているのもポイント。タイルは名古屋モザイクというメーカーのものです。
壁のグリーン、ミラーのフレームや洗面台の木材の落ち着いた色み、タイルの黒が絶妙にマッチしています。
▲水栓金具までかっこいいです
このかっこいい洗面スペースが、壁で仕切られていないこともこのおうちのユニークなところ。下の写真のように廊下のすぐ横に洗面があります。こんなに素敵な空間なら壁で囲ってしまうのはもったいないですね。
実はトイレの壁の背面にも洗面スペースと同じグリーンの塗装壁が。細部へのこだわりが感じられます。
ウォークインクローゼット、シューズインクローゼット:飾るように収納する
最後にご紹介するのは玄関土間の続きにある大きな収納スペースです。
こちらもショップのディスプレイのようなかっこよさ。一般的にウォークインクローゼット、シューズインクローゼットと聞いて想像する見た目とはかなりかけ離れています。
玄関を入ってすぐに目に入る壁には、リビングと同じOSB合板を使用。こちらもスタンプが押された板を集めて使っています。
天井と壁もリビングと同じコンクリート躯体現し。加えて床がモルタルになっていることで、リビングよりさらにラフな印象を受けます。
洋服の収納には、空間の高さを利用してちょっと高めの場所に洋服をかけるバーを設置。旦那様のつなぎなど、長さのある洋服が無造作にかけてあるだけでまるでアパレルショップのような雰囲気。
▲何気なく置かれたアイテム一つひとつがおしゃれです
OSB合板はDIY好きな方にも人気です
リノベる。のWebサイトのリノベーション事例ページがとても人気のS様のおうちを基に、「かっこいい部屋のつくり方」をご紹介しました。
どのスペースもポイントを絞って素材や配置を決めていらっしゃる印象でした。「デザイナーさんが好みに合う素材を厳選して提案してくれたので、素材は選びやすかったです」と嬉しいひと言もいただきました。
S様が印象的に取り入れていらっしゃったOSBボードは、お値段も手頃でホームセンターなどでも購入できる素材です。賃貸にお住まいの方でもDIYなどでお部屋に取り入れやすいと思います。ネットで購入できるECサイトなどもありますので、気になった方は調べてみて下さい。
▼S様邸のお住まいの写真やポイントは、こちらでもご紹介しています
ヴィンテージコレクションと暮らす家
https://www.renoveru.jp/renovation/291
まとめ
ヴィンテージインテリアの部屋にするなら、使い込まれた質感や、どこか懐かしい雰囲気を感じさせるのがポイントです。本物のヴィンテージ家具を購入するのは、費用面でハードルが高い場合もありますが、エイジング加工された家具や小物も多く販売されています。費用を抑えたい場合には、そういったアイテムをうまく活用するのもよいでしょう。
よりこだわって部屋をコーディネートしたい方は、リノベーションを検討するのもひとつの手です。紹介した事例を参考にして、お気に入りの空間をつくってみてはいかがでしょうか。
【記事監修】リノベる。設計担当安江浩(やすえひろし) 大学卒業後、設計事務所で戸建住宅の設計等を担当。様々な建築家とコラボレーションを経験後、オフィス什器メーカーにてオフィス設計に従事。 |
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