51㎡。理想よりちょっと狭いお部屋を快適にするリノベーションアイデア

リノベーションした明るいダイニングとリビング
こだわり・暮らし方

マイホームを買う時にゆずれないポイントの上位に挙げる人も多い「広さ」。広さを妥協してしまったら、その後の暮らしが窮屈になってしまうと思っていませんか?

今回は中古マンションを買ってリノベーションする際に、広さの優先順位を下げたファミリーのリノベーション実例をご紹介。

理想よりちょっと狭い部屋に対して、リノベーションにはどんな解決策があるのか?ファミリーで快適に暮らすための具体的なリノベーションアイデアをご紹介していきます。

51㎡の中古マンションをファミリー仕様にリノベーション

【Oさんファミリー】
ご夫婦と3才の娘さんの3人家族。
もうすぐ2人目のお子様が生まれて4人家族になる予定。
住宅関係のお仕事をされている旦那様は、宅建やFP、さらに住宅ローンアドバイザーの資格をお持ちです。

【お住まい】
エリア:東京都新宿区の人気エリア
間取り:3DK(リノベ前)→1LDK(リノベ後)
面積:51.17m²
築年数:築48年(完工時)

工夫したのは下記の4点。
①廊下のない間取り
②住宅設備の配置
③家具選び
④広く感じる視覚効果

この4つについて詳しくご説明していきます。

とにかくLDKの有効スペースを広く

Oさん邸のLDKは下図の水色の部分です。
リノベーション後の間取り(キッチン・ダイニング・リビング)
ここでは、さきほど挙げたリノベーションの工夫の2つをご説明します。

①廊下のない間取り
部屋と部屋をつなぐ空間は、部屋そのものです。廊下として使われるスペースを設けず、使える空間として活用しています。

②住宅設備の配置
対面式キッチンカウンターにすると独立した作業スペースが必要になりますが、壁付けキッチンにすることで、キッチンの作業スペースとダイニングのスペースを共用できるので、空間を広く使うことができます。

そのほか、洗面・トイレ・お風呂の水回りは玄関側の1ヶ所に、収納スペースもウォークインクローゼットの1ヶ所にまとめています。

大型家具を固定しないメリット

続いてリノベーションの工夫3つ目。「③家具選び」について。

▼Oさん邸のリビングは下図の水色部分
リノベーション後の間取り(リビング)
家の中で一番広い横長の空間をリビングにしています。かなり広いスペースですが、大型のソファはありません。代わりに2つのビーズクッション。

ビーズクッションが2つ並ぶリノベーション後のリビング

大型家具をあえて置かなかったのは、その方が空間の使い方を簡単に変えることができるから。
近々お子様が生まれる予定のOさんファミリー。「4人での暮らしが始まってみないと、快適なレイアウトがわからない」と暫定的にこの選択をされているそうです。

家族でテレビを見るときには、ビーズクッションをひょいっとテレビの前に移動。娘さんがおうちの中で遊びたいときは、クッションを壁際に集めます。広い横長の空間ができるので、ストライダーや三輪車を走らせて遊ぶこともできるそう。

Oさん邸のLDKは、2つのゾーンに分けて空間づくりが考えられています。ひとつはさきほどご説明した横長のリビング。もうひとつは、縦長のキッチンダイニング(+リビング)です。

▼キッチンダイニング(+リビング)
リノベーション後の間取り(キッチンダイニング+リビング)
縦長の空間全体をキッチンダイニングとして想定。友人を招いてホームパーティーをするときは、広いダイニングとして使うことができます。リノベーション後の明るいダイニングスペース

そして、2つのゾーンの重なった場所が柔軟な使い方ができるポイント。

▼ダイニングとリビングが重なる場所(濃い水色の部分)
リノベーション後の間取り(LDK)

食事、くつろぎ、子供の遊び、ホームパーティーなど、用途に合わせてダイニングの延長にも、リビングの延長になるスペースです。

リノベーションのプラン検討中、ここに小上がりスペースを設ける案もあったそうですが、最終的に何もない空間として仕上げることになりました。

それによって、過ごし方に合わせて自在にレイアウト変更がおこなえる柔軟な空間活用が可能になりました。

視線をコントロールして奥行きを強調

最後は、51㎡をファミリー仕様にリノベーションした際に工夫の4つ目。「④広く感じる視覚効果」についてご説明していきます。

Oさん邸の間取りは1LDK。
LDKは下図の水色部分、長方形2つを少しずらして並べたようなかたちになっています。この形状になっていることで、立つ位置によって目線が集まる場所が変わります。リノベーション後の間取り(キッチン・ダイニング・リビング)

▼ひとつは玄関土間に立ったときの目線。キッチンに視線がいきます。
リノベーション後の間取り(玄関からキッチンを見た時の目線)
Oさんご夫婦が、インスタグラムを見て理想のイメージを膨らませたというこだわりのキッチン。作業台も含めると約3m40cmとワイドなサイズになっています。
リノベーション後のステンレスキッチン

リノベーション後のキッチンでお菓子づくりを楽しむ親子
広い作業スペースで、娘さんと一緒にお菓子づくりを楽しんでいらっしゃるそうです。

▼もうひとつはキッチン・ダイニングに立ったときの目線。
リノベーション後の間取り(キッチンからリビングを見た時の目線)
対角線上のリビングの壁に視線がいきます。目線の流れと同じ向きで、フローリングがリビングの窓側方向へ斜めに貼られています。奥行きが強調され、51㎡以上の広がりを感じさせる視覚的効果があります。

フローリングを斜めに張ったリノベーション後のリビング

視線をコントロールするポイントがもうひとつ。塗装に使用した素材です。

視線を集めるキッチンの壁と部屋一番奥のリビングの壁には、「バルペイント」という塗料が使われています。この塗料、日本の住宅で使われたのは初めてだそう。

壁にバルペイントを塗ったキッチン

バルペイントで塗装したリビングの壁

白くシンプルな空間に、色と質感の異なる素材を入れることで、自然と視線を集める効果を生んでいます。

リノベーションだからこそ下げられた、広さの優先順位

物件購入の際、「広さ」の優先順位を下げたOさんファミリー。逆に最重要視したのは資産価値でした。

購入された物件があるのは東京都新宿区の人気エリア。都心で便利な場所ですが、周辺の落ち着いた雰囲気がファミリーにも魅力です。

そんなエリアだからこそ、「この辺りで50㎡の広さがあれば、将来貸したり、売ったりすることになっても需要がなくて困ることはないはずだと思えた」ことが物件購入の決め手になったそうです。

資産価値を重視して、理想の広さより10㎡ほど小さい物件を購入されました。

リノベーション後のリビングで談笑するファミリー

リノベーションでの間取りの工夫やデザインによって、10㎡小さくてもファミリーが快適に暮らせるおうちができあがりました。

物件探しで「妥協したら後で後悔するかも……」と、どの条件もゆずれなくなっている方に、ぜひ参考にしていただきたい事例です。上手に優先順位をつけて心地よい暮らしを手に入れてください。

▼このファミリーのお住まい記事
つくりすぎず、無駄なく、柔軟性のある暮らし

本記事は2018年11月取材時点の情報です。

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