広々20帖のLDK。58㎡(平米)で実現した「雑な暮らし」と趣味を楽しむ住まい
面積:58㎡
間取り:ワンルーム→1LDK
建物:マンション
完工時築年数:築48年
家族構成:ふたり暮らし(夫婦)
都内の築48年(購入当時)のマンションを購入し、フルリノベーションしたお住まいをご紹介。現在は暮らし始めて7年が経過し、築55年となった58㎡(平米)の空間でご夫婦で暮らしています。
この住まいのコンセプトは、あえて言うなら「雑な暮らし」。物がいっぱいあるという意味ではなく、ラフでリラックスできる空間を目指したのだそうです。使い込んでいくことで味になっていくような住まいづくりの工夫、築古物件を選ぶ際のポイントについてもご紹介します。
自転車2台を置くために広げた、自由度の高い土間玄関
玄関を入ると、夫婦それぞれの靴が並ぶ広い土間があります。リノベーション当初、このスペースには夫婦それぞれの自転車を2台置いていたため、あえて靴棚を設けず広くスペースを取っていたのだといいます。

現在は生活の変化に合わせて自転車を手放したため、空いたスペースに自作の棚を設置し、靴を収納しているんだそう。ライフスタイルに合わせて使い方を変化させている場所のひとつです。
ラフに使えるステンレスのキッチン
廊下を進んだ先にあるキッチンは、サンワカンパニー(現:ミラタップ)の「グラット45」を採用。ステンレスの質感が特徴で、メンテナンスに気を使いすぎず、ラフに使える点にメリットを感じて選んだのだそうです。

キッチンの背面には、あえて造りつけの収納を設けていません。自由度が少なくなることを避け、ヴィンテージの家具を置いて活用しているといいます。

ヨーロッパのアパートメントをイメージした造作洗面台
水回りのこだわりは、オーダーでつくった洗面台。学生時代に海外旅行で訪れた、ヨーロッパの古いアパートメントのイメージを再現したのだそうです。
床にはタイルを貼り、建具は既製品を自分たちで塗装して仕上げています。塗装のムラや、アンティークショップで購入した真鍮のドアノブが経年変化していく様子も、コンセプトである「雑な暮らし」の一部なのだといいます。

一方で、お風呂やトイレは「シンプルで安いもの」という基準で選び、コストのメリハリをつけているのも、オーダーリノベーションならではのポイント。
20帖のLDKと、寝室・収納を両立させる画期的なアイデア

58㎡(平米)の限られた面積の中で、キッチンを含めて約20帖という広いLDKを実現したこちらのお部屋。リビングの一角の約2.5帖のスペースには、この広いLDKを確保するためのある秘密が隠されているそう。
このスペースは、なんと下段がダブルのマットレスが収まる寝室、上段が収納に。上部の収納は玄関側まで繋がっており、高い収納力を持っているのだそうです。
この大胆な間取りが生まれた背景には、「エリア(立地)」への強いこだわりがあったといいます。
共働きで仕事も趣味も大切にするおふたりにとって、都心エリアでの暮らしは譲れないポイントでした。
優先順位を整理した結果、寝室と収納をコンパクトにまとめ、広々としたリビングを優先した間取りとなっています。

「味が出る」素材選び。クリーム色の壁とカバ材の床
内装の細部にも、経年変化を楽しむための工夫が凝らされています。壁の色は真っ白ではなく、行きつけのビストロを参考にしたという、黄色味の強いクリーム色を選択。ラフでヴィンテージ感のある雰囲気を演出したのだそうです。
床材にはカバの木を採用。柔らかく足触りが良いのが特徴で、オイル塗装で色味を調整しているとのことです。家具の跡や小さな凹みも「傷ではなく味」と捉え、あえて節(ふし)のある表情豊かな木材をデザイナーに提案してもらったのだといいます。
築年数が経過したマンションを選ぶポイント
物件を決める際は、築年数そのものよりも管理状態を重視したといいます。
過去の修繕履歴や今後の計画、修繕積立金の状況を確認することが、築古の中古マンションを選ぶ際のポイントなのだそうです。実際に住み始めてからも、オートロックの設置や耐震補強工事が行われるなど、適切な管理を実感できることが、暮らすうえでの安心感に繋がっているとのことです。
リノベーションは「理想のライフスタイル」を叶える手段
立地を最優先した物件選びから始まった住まいづくり。「ライフスタイルを変えずに、好きなことを好きなだけできている」と、今の暮らしへの満足感を語ります。
新築やリフォーム済みの物件は、立地と間取り・デザインがセットになっていますが、中古マンションを購入してリノベーションするという選択肢は、そのすべてを自分で選ぶことができます。
自分にとって何が重要で、何が妥協できるのか。予算とのバランスを考えながらひとつひとつをセレクトしていくプロセスこそが、リノベーションの醍醐味。この住まいは、リノベーションが趣味や仕事を含めた理想のライフスタイルを最大化するための手段であることを教えてくれています。







