「家族がもっと仲良くなれる」住まい。102㎡(平米)中古マンションに図書室や秘密基地を詰め込んだ、4人家族のフルリノベーション
面積:102㎡
間取り:3LDK→2LDK+ロフト
建物:マンション
完工時築年数:築47年
家族構成:ファミリー(お子様2人)
もともとは新築の建売戸建てに住んでいたという、4人暮らしのファミリー。「家族がもっと仲良くなれる住まいにしたい」。そんな想いから、戸建てからマンションへの住み替えとフルリノベーションすることを選びました。
選んだのは築50年、102平米の中古マンション。喧嘩の原因をリノベーションで解決し、広さを活かした大人も子供もワクワクするこだわりと遊び心が詰まったお住まいをご紹介します。
家族の喧嘩をリノベーションで解決?自己紹介シートから始まった住まいづくり
今回の住まいづくりにあたってポイントになったのが、設計の前に家族で「どんなことで喧嘩をするのか、怒られるのか」をリスト化したこと。

リストには「畳んだ洋服をしまわない」「トイレの電気を消さない」「寝るときに電気を消さない」……。こうしたリアルな悩みを解決するために、自己紹介シートを作成し、小学校入学前のお子様まで全員で「新しい家でやりたいこと」をデザイナーへプレゼンしたのだそうです。
設計の早い段階でこうした「暮らしの悩み」を一貫して共有できていたからこそ、1回目の打ち合わせから理想通りの提案を受けることができたといいます。

「会話」が自然に生まれる、機能とデザインにこだわった玄関土間。
玄関の扉を開けると広がる、開放的な土間。
右手のオープンな靴棚は、横幅180cm、奥行き40cmというゆとりのあるサイズです。
「ひとり1段」と場所を決め、そこからあふれた分は処分やリサイクルを検討するというルールにすることで、玄関が靴で散らかるのを仕組みから防いでいます。
土間から続くワークスペースは、在宅ワークがメインであるご夫婦にとってリノベーションする目的のひとつでした。
玄関のすぐそばに位置しているので、子供たちが学校から帰ってきたとき、声をかけられるのも「家族が仲良くなれる」ポイントに。また、リビングや子供部屋からあえて離れた場所にワークスペースをつくることで、子供たちがリビングで過ごしていても音を気にせず、ストレスなく仕事に集中できる環境を整えました。
デスクの柱は、リノベーション前の和室にあった「床柱」を再利用しました。
また、窓には夫さんのアイデアをデザイナーが形にした格子状のデザインを取り入れ、大通りに面した窓の安全性を確保しつつ、オリエンタルな雰囲気を演出しています。
さらに、住まい全体の壁には断熱材をしっかり入れ、窓を二重サッシ(インナーサッシ)にすることで、冬でもエアコンをほとんど使わずに過ごせるほど暖かい住まいに。結露や外の音に悩まされることもなく、快適な環境を整えているといいます。
廊下を「家事室」に。洗濯・畳む・収納するを1箇所に集約した超家事ラク動線。
廊下には、「便利で、本当におすすめ」と語る、家事を劇的に楽にする秘密があります。それは、廊下そのものを「家事をする場所」にしていること。
洗濯機から出した服を、すぐ横の台で畳み、そのまま後ろのファミリークローゼットへ。クローゼットの中も「ひとり1区画」に分かれています。

「畳んだ洗濯物をそれぞれの部屋に持っていかない」という以前住んでいたお住まいで感じていたストレスも、この間取りによってすっきりと解消されました。
約30帖の広々LDK。中古リノベの制約をアイデアに。人が集まる回遊キッチン
LDKの広さは約30帖。住まい全体の約半数をLDKが占めており、ゆとりのある空間です。
キッチンは、壁付けタイプに、ステンレス天板の大きな作業台を組み合わせた形にしました。
マンションの構造上、キッチンの位置は変えられなかったそうですが、作業台を中心にくるくると回遊できる動線にしたことで使い勝手はぐんと向上。
ここでご友人とお魚をさばいたり、子供たちと一緒に料理を楽しんだりと、家族や仲間が集まる「ドリンクバー」のような場所になっているそうです。

家族で塗り上げた「思い出の壁」とプロセスの記録
ダイニングテーブルは、あえて真正面を向かずに視線がほどよく交差する「豆型」を。以前の住まいから大切に使っているものを持ってきました。
このダイニングでは、リノベーションが家族の思い出になる取り組みが。
それは食事のシーンを「購入当時」「解体後」「工事中」「完成後」と同じ場所から撮影した「定点写真」。
住まいが出来上がっていくプロセスそのものを家族の思い出にしています。
リビング正面の壁は、家族みんなで「ポーターズペイント」を塗られたそう。引っ越した当時は下地の状態のまま住み、そのあとみんなで塗った思い出の壁です。自分たちで手を加えたからこそ愛着が湧いたようで、ゲストが来ると娘さんは「自分たちで塗った壁」と紹介しているのだそう。
将来もし壁が汚れてしまっても、塗料が残っていれば自分たちで直せるという安心感もあります。
大人も子供もワクワクする、「図書室」と「秘密基地」。どこにいても家族を感じられる、戸建てから中古マンション住み替えの魅力
リビングの脇には、高さを活かしたロフトをつくりました。
下の段は、前の住まいであふれがちだったCDやDVDが並ぶ趣味の「秘密基地」。
上の段は畳の「図書室」として、本や漫画を楽しむ場所になっています。
来客時はここがゲストルームにもなるそう。
「前のお住まい(戸建て)ではそれぞれの部屋がしっかりと独立していたので、部屋に入ってしまうと存在がわからないけれど、今だとちょっとした空気感とかお互いの動きっていうのが、なんとなく感じられるっていうのはすごく心地がいいですね」と語るお施主さま。家族の気配が安心感につながっているようです。
自分たちで選ぶ楽しさを。ピンクの有孔ボードとコンクリート現しの対照的な子供部屋
子供部屋は、大きな二段ベッドを境に、お姉さんと妹さんの場所に分かれています。壁の色や床の素材は、ふたりがそれぞれデザイナーと相談して選んだもの。
妹さんは大好きなピンクのパンチングボード、高校生のお姉さんは、コンクリートがそのまま見えたかっこいいスタイル。自分たちで「選ぶ」体験をしたことで、自分のお部屋を大切にする気持ちが育まれているようです。
アイデア光る洗面リノベ。スマートライトとダストシュートで「消し忘れ・散らかり」を仕組みからなくす
水回りにも、悩みを解消するアイデアが光ります。
洗面台には、ゴミをそのまま落とせる「穴(ダストシュート)」をつくり、置きっぱなしを解消。
また、トイレや洗面所の電気は、人がいなくなると自動で消えるスマートライトを導入しました。これで、「電気を消して!」と怒る必要がなくなりました。
また、センサー式の水栓を採用することで、水の出しすぎを防ぎ、感染症対策にも配慮。お風呂などはあえてミニマムにし、コストも賢くバランスをとっています。
リノベーションで「暮らしの仕組み」をデザインする
リノベーションでつくったのは、ただきれいな家ではなく、日々の小さなストレスを仕組みで解決した「暮らし」そのもの。
以前住んでいた建売戸建ての住まいとは異なり、どこにいても家族の動きや空気感を感じられるようになったという新しい住まい。自分たちで素材を選び、手を加え、解体から完成までのプロセスを楽しむ――。そのすべてが、家族のかけがえのない思い出になったといいます。そんな住まいづくりの体験そのものが、「家族がもっと仲良くなれる」暮らしの土台を築いています。








