ブルックリンスタイルとは?インテリアの工夫でブルックリンスタイルのお部屋を実現する方法とリノべーション事例4選
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数年前からよく耳にする「ブルックリンスタイル」。カフェやオフィス、自宅に取り入れる方も増えてきました。今回は、自宅をおしゃれなブルックリンスタイルにするために知っておきたい、特徴やインテリアの選び方、リノベーション事例をご紹介していきます。
※最下部にある「費用情報に関するご注意事項」をお読みください。
目次
ブルックリンスタイルとは?
ブルックリンスタイルとは、アメリカのニューヨークにある5つの行政区のひとつ「ブルックリン」を発祥としたスタイルのことを言います。同じニューヨークにあるマンハッタンは、高級住宅街もあり家賃が高額なエリア。一方、ブルックリンは、もともと工場や倉庫が建ち並ぶ物価の安い工業地区。1990年代に入ると若者やアーティストが、家賃の高騰が続いていたマンハッタンからブルックリンに移り住むようになりました。大きな空き倉庫や使われなくなった工場、古いアパートをリノベーションして暮らし始めます。その結果、コンクリートむき出しの壁、装飾や仕切りのない広い空間など、工業的(インダストリアル)な雰囲気が漂うカフェやレストラン、アパートが増えていきました。
2000年代には、クリエイティビティ溢れる街としてブルックリンが注目を集めるようになります。その独特な個性を持つ内装やインテリアは「ブルックリンスタイル」と呼ばれ、今でも高い人気を誇っています。
相性の良いインテリアテイスト
ブルックリンスタイルには街の特色でもある「カフェ風」あるいは「インダストリアル」なインテリアテイストがマッチします。
カフェのカウンター背面のようなオープンシェルフの見せる収納を設置したり、レンガを取り入れるなど、ブルックリンのカフェを思わせるアイテムを使用すると良いでしょう。
また、インダストリアルな雰囲気を出すには、ブラックカラーのアイアンなど無骨感漂う素材で出来た家具や建材を使うのがおすすめです。可能な場合は、天井や壁をコンクリート打ちっぱなし(躯体現し)で仕上げるとインダストリアルな雰囲気が出やすくなります。
ブルックリンスタイルに必要な構成要素
ここからは、ブルックリンスタイルを実現するために必要な構成要素を紹介していきます。
構成要素1:ダークカラー
ブルックリンスタイルの大きな特徴は、内装全体にダークカラーが使われていることです。ブラックやブラウン、グレーなどの配色にすると、無機質でクールなイメージの空間がつくり出せます。
構成要素2:レンガ・タイル
ブルックリンにある古いアパートはレンガ造りが多く、レンガを使った内装もブルックリンスタイルの特徴だといえます。
壁に貼り付ける際には、本物のレンガではなくレンガ風のタイルを用いることがほとんどです。角が欠けていたり、色合いが不揃いだったり、経年を感じさせるようなデザインのものがおすすめです。
なお、壁にタイルを貼ることが難しい場合は、レンガの画像がプリントされたクロスを貼るのが良いでしょう。初心者でも気軽にDIYで貼ることのできるのり付きの不織布壁紙などもあります。壁全面をレンガ風にするのではなく、一面に取り入れるだけでも空間のポイントになります。
また、赤茶系のレンガや白いサブウェイタイルを取り入れると、よりブルックリンスタイルの印象が増します。サブウェイタイルとは、1903年に開業したニューヨークの地下鉄構内で使われ始めたタイルのこと。一般的には長方形で光沢のある白色のタイルを指します。タイルの継ぎ目に使われる目地材も白にすると明るい雰囲気に。無骨な雰囲気を出したい場合は、黒やグレーなどのダークカラーを使用しましょう。目地の色によって印象が変わりますので、好みのデザインになるよう貼り方や目地を色を選んでみてください。
構成要素3:無骨な質感
ブルックリンスタイルは、使っていない倉庫や工場を改装して居住空間をつくり出したことがスタートといわれています。そのため、内装をコンクリート打ちっぱなし(躯体現し)にして、インダストリアルな空間にすることで、ブルックリンスタイルのお部屋に近づけられるでしょう。配線やダクトをむき出しにすることで演出することもできます。
構成要素4:開放感のある間取り
ブルックリンスタイルを作るうえで大事なポイントのひとつが「開放感」。間取りを考える際には、吹き抜けにする、天井を高くするなどして視界に広がりを持たせると良いでしょう。また、部屋全体に光が届くように間仕切りを少なくすると、開放感あふれる空間を作り出せます。
LDKを独立キッチン等にして区切らずに、ひとつの空間として使用するのもおすすめです。どうしても間仕切りが必要な場合は、ガラスパネルの入った間仕切りを用いれば圧迫感が軽減されます。可動式のパーティションを必要な時だけ使用するのもいいかもしれません。そのほか、窓の面積を広めにとるなど、明るさを意識した設計を考えると良いでしょう。
構成要素5:フローリング
フローリングの床材は、ヴィンテージ感のある素材がおすすめ。木目の濃淡がはっきりと感じられるもの、深みのある色合いのものなどがマッチします。表面にエイジング加工されているものや、足場板を使用することでも、ヴィンテージ感が演出できます。
またランダムな感じのでる貼り方にすると、より雰囲気を感じられるでしょう。たとえば、寄せ木細工で仕上げられた「パーケット張り」や山形と谷型が連続するように並べられた「ヘリンボーン張り」など、特徴的なパターンを持つタイプだと相性が良いです。
構成要素6:重厚感のある素材
ドアや窓枠などの建具(たてぐ)には重厚感のある素材を合わせると良いでしょう。金属部分にはブラックカラーでスチール素材のものを。マットな質感で仕上げられたものだと、うまく調和します。木材を使う場合は、経年を感じさせる素材がおすすめ。色合いが不揃いになっているものも良いでしょう。
ブルックリンスタイルを実現するためのインテリア選び
自宅を洗練されたブルックリンスタイルにするためには、インテリア選びも大事な要素になります。ここからは、インテリア選びのポイントを紹介していきます。
ポイント1:インダストリアルな家具
ブルックリンスタイルのお部屋にするには、インダストリアルな雰囲気の家具がとても有効になります。スチール製の棚やラック、ステンレス製のキッチンなど、工業的なデザインを取り入れることで無骨さを感じられる空間になるでしょう。照明も、電球がむき出しになった裸電球やアイアン素材の照明を選ぶのがおすすめです。
ポイント2:アンティークな家具
ブルックリンスタイルには「古い物を活かす」という精神があり、アンティーク家具を上手に取り入れるのも特徴のひとつです。おすすめの素材は「木材」「レザー」「ブラックアイアン」の3点。レザーソファーはブルックリンスタイルの定番アイテムで、スタイリッシュな雰囲気が一層増します。また、テーブルやラックには木製の天板にブラックアイアンの足が付いたものを選ぶと、レザーソファーと馴染んで相性抜群です。
ポイント3:観葉植物
ダークカラーを基調としたブルックリンスタイルのお部屋は、どうしても暗い雰囲気になりがちです。そこにグリーンのアイテムをプラスすることで、イメージを損なわず、お部屋に彩りとやさしい雰囲気を演出してくれます。特におすすめのアイテムは、観葉植物です。植物の世話が苦手な方は、人工のものでもいいでしょう。大きめの植物をあえてざっくりとした感じで置くと、お部屋の雰囲気とマッチします。
ポイント4:アーティスティックな絵画や写真
ブルックリンには、新進気鋭のアーティストに人気のエリアです。絵画や写真、ポスターなどのアート作品は、ブルックリンスタイルを作るうえでの代表的なアイテムです。お部屋に取り入れる場合は、英字のアイテムで統一すると空間がまとまりやすくなります。
ブルックリンスタイルの家にするには?
ここからは、お部屋をブルックリンスタイルにする方法として「リノベーション」と「DIY」をご紹介します。リノベーションは、間取りや内装などを大幅につくり変えること。DIYは、家具などを自分たちで作ることをいいます。それぞれのメリット、デメリットを見ていきましょう。
リノベーション
リノベーションとは、既存の内装を改修するだけではありません。間取り・内装・配管などの全てを考え直し、住む人の生活に合わせて性能を向上させて価値を高めます。
メリット
フルリノベーションの場合、既存内装を一度すべて解体します。そうすることで、ブルックリンスタイルの特徴ともいえる、倉庫を改装したような広いワンルームの間取りにすることが可能です。また、コンクリート躯体現しの天井や壁にすると無骨な印象になり、空間全体をインダストリアルな雰囲気に統一できます。壁一面をレンガとダークカラー塗装で仕上げるなど、部分的なリノベーションでもブルックリンスタイルに仕上げられるでしょう。
デメリット
ブルックリンスタイルは、天井が高い倉庫や工場をリノベーションすることで解放的な空間がつくられています。天井の低い住宅でレンガの壁の面積を広くすると、圧迫感が出て狭く感じる可能性があります。また、リノベーションで本格的なブルックリンスタイルを実現するには、工事が広範囲になるため費用がかかります。業者に依頼する必要があるため、打合せを含め完成までに工数と時間が必要になります。
なお、リノベーションにかかる費用は、部材のグレードや施工範囲、エリア、既存内装の状態などによって異なります。参考として以下に費用の目安を紹介しますが、実際の金額は施工会社に見積もりを取るようにしてください。
▼ブルックリンスタイルにリノベーションする際の費用目安
壁にレンガタイルを貼る | 1〜2万5,000円/1平米 |
---|---|
レンガ模様のクロスを貼る | 4万円〜/6畳・4面貼り |
ドアの交換 | 9~30万円 |
床を無垢フローリングに 張り替える | 15万円〜/6畳 ※現在の床がフローリングの場合 |
室内窓の設置 | 10万円~ ※小窓の場合 |
DIY
DIYとは「do-it-yourself」の略で、業者やプロに依頼するのではなく、自分で何かを作る、修繕する、日曜大工をすることを言います。
メリット
DIYのメリットは、リノベーションよりも費用をかけずに再現できることです。古材で棚を作ったり、レンガやコンクリートがプリントされた壁紙を張り替えたりして、ブルックリンスタイルをお部屋に取り入れることができます。好みや予算に合わせて部分的に取り入れることができ、他のスタイルへ変更しやすい点もメリットと言えます。賃貸マンションでも、コンクリート打ちっぱなしのプリント壁紙を貼るなどして、インダストリアルな空間を演出できます。
なお、壁紙の費用は素材や機能性にもよりますが、はがせるシールタイプのものだと、50cm×5mのサイズで2,000円~3,000円程度でインターネットなどで購入できます。横幅が狭く、のり付けも不要なため、一人でも簡単に貼ることができ、賃貸物件で一人暮らしをしている方も気軽に取り組めます。
デメリット
DIYの場合は古材や壁紙で張り替えるため、リノベーションに比べると、どうしても再現性が落ちてしまいます。間取り変更など大掛かりな改修が難しい点もデメリットのひとつ。また、水回りの配管や電気系の配線位置を変更できないため、レイアウトやコンセントの位置などは既存のものを活かす必要があります。
ブルックリンスタイルのリノベ―ション事例4選
ここからは、ブルックリンスタイルを取り入れたリノベーション事例を紹介していきます。
サブウェイタイルを用いたブルックリンスタイルのキッチン
友達を呼んで一緒に料理することの多いキッチン。黒の目地がおしゃれなサブウェイタイルを用いてブルックリンスタイルに仕上げています。
▼このおうちの詳しい事例を見る
「好きを重ねるカラフルなミックススタイル」
https://www.renoveru.jp/renovation/312
天井の高さをいかしてブルックリンのカフェを再現
インテリア好きのご夫婦が描く「ブルックリンのカフェ」をイメージしたおうち。天井を躯体現しにして、天井の高さを出すことによって、実際の面積よりも広く感じられるLDKに。サブウェイタイルと、黒のダクトレールの照明がアクセントになり、ブルックリンにあるカフェのような雰囲気を作り出しています。
▼このおうちの詳しい事例を見る
「サブウェイタイルと木の質感。日差しのなかの子育てハウス」
https://www.renoveru.jp/renovation/229
ブルックリンスタイルを意識したレンガの対面キッチン
ご夫婦と猫2匹でお住まいのおうちです。ブルックリンスタイルを意識して、天井は「躯体現し」、対面キッチンの腰壁は「レンガ」に。アンティークの家具とマッチした、温かみのある空間に仕上げました。取り外せないパイプやパーツはデザイナーの提案で黒に塗り替え、全体のバランスにあわせて統一感をだしています。
▼このおうちの詳しい事例を見る
「Jazzと猫とゆったりとした暮らし」
https://www.renoveru.jp/renovation/321
ヘリンボーン張りの床でブルックリンスタイルを演出
アンティークショップにあるような家具とヘリンボーン張りの床が、ブルックリンスタイルを見事に演出。間延びしないようにキッチン部分にはタイルを使用し、素材の違いで空間を仕切っています。ステンレス製のアイランドキッチンが、アンティーク雑貨との相性抜群です。
▼このおうちの詳しい事例を見る
「アンティークと現代性が織りなす個性派空間」
https://www.renoveru.jp/renovation/19
ブルックリンスタイルについてよくある質問
Q:ブルックリンスタイルにおすすめの家具は?
A:スチール素材を使ったインダストリアルテイストの家具がおすすめです。また革製のソファーやヴィンテージ感のある木材を使用したテーブルや棚なども定番のアイテムとして取り入れると良いでしょう。
Q:ブルックリンスタイルとインダストリアルインテリアの違いは?
A:インダストリアルインテリアは工場や倉庫などをイメージしており、ブルックリンスタイルよりも無機質な印象が強くなります。ブルックリンスタイルも無骨な印象を受ける建材や家具が多く使われていますが、木材や観葉植物などオーガニックなテイストも取り入れられている点が特徴だといえます。
まとめ
人気のブルックリンスタイルをご紹介しました。家具や観葉植物、絵画などインテリアの選び方次第で、スタイリッシュな空間をつくり出せるのが魅力。DIYでも取り入れられるので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
費用情報に関するご注意事項
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尚、記事内の費用相場は、小規模な工務店や職人による施工費用も含んでいます。
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