防音リフォームの費用相場と施工事例を紹介!注意点や補助金制度も解説

防音リフォームの費用相場と施工事例を紹介!注意点や補助金制度も解説
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防音リフォームをする際には、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。本記事では、防音リフォームの工事内容や費用の目安を目的別にご紹介します。また、防音工事で利用できる補助金制度や防音工事を取り入れたリノベーション事例についてもご紹介します。

※最下部にある「費用情報に関するご注意事項」をお読みください。

 

目次

防音リフォームの前に考えたいポイント

防音リフォームをする際にまず押さえたいのが「音が伝わる部分」の対策です。必要な場所に対し適切に防音対策を行うことが重要となるため、何が問題かをはっきりとさせる必要があります。外からの騒音を対策したいのであれば壁や窓などの防音工事が必要になりますし、室内の生活音であれば壁、床、ドアなどを対策することになるでしょう。悩みとなっている騒音の種類や、どんな音漏れを防ぎたいのかなどを専門業者に相談しチェックしてもらいましょう。

【目的別】防音リフォームの工事内容と費用の目安

防音リフォームはその目的によって工事内容や費用は変わってきます。目的別に工事内容と費用の目安をご紹介します。ただし、リフォームを検討する地域や工事範囲、規模、そしてリフォームする前の状態や施工業者によっても費用は異なるため、あくまで目安として捉えてください。

屋外からの騒音、近隣への生活音の漏れを防ぎたい

車や電車の音のような屋外からの騒音を防ぐために防音リフォームをする場合には、窓や壁の工事で対策するのがおすすめです。また、自宅から出る生活音が近隣に漏れる、または聞こえるのを防ぎたい場合には、壁や床での対策が効果的です。

窓の防音リフォーム

窓の防音リフォームでは、窓を二重窓にしたり、防音ガラスなどの複層ガラスにする方法があります。二重窓は、現在の窓の内側にもう一枚窓を設置する方法です。外窓と内窓の空間が空気のクッションとなり、音を伝える空気を遮断する効果があり気密性も上がります。

防音ガラスなどの複層ガラスに取り替える場合、遮音性は二重窓に及びませんので注意してください。防音ガラスと二重窓と併用すれば、さらに防音効果を高めることができるでしょう。

 費用の目安は以下のようになります。

  • 二重窓(内窓)の取り付け:8万~15万円
  • 防音ガラス(複層ガラス)に取り替え:5万~15万円

窓の種類や大きさによって費用は異なりますので、リフォーム業者に確認しましょう。

窓

壁の防音リフォーム

壁の防音リフォームでは、壁の内側に防音材などを入れます。費用は防音材の種類や広さによって変動し、防音材の種類は、以下の3つがあります。

  • 吸音材:音を吸い込み小さくする
  • 遮音材:音を透過させずに跳ね返す
  • 防振材:発生した振動を隣の部屋や階下に伝えない

壁に防音対策を施しても、換気口などから音が漏れ出る可能性があります。そのため、換気口のキャップを取り替えたり、ダクト内に吸音材を入れることが有効です。壁全体をリフォームするのが難しい場合には、換気口だけでも対策することで室内からの音漏れを対策することもできるでしょう。ただし、壁を伝うような性質の音に対しては効果がないため、集合住宅ではあまり効果がない可能性があります。

壁を防音リフォームする際の費用の目安は以下のようになります。

  • 壁の内側に防音材を入れる:18万~25万円
  • 換気口を防音仕様に変更する:7,000円~5万円
    ※面積による

落ち着いた雰囲気のリビング

床の防音リフォーム

足音などの生活音が気になる場合には、防音機能のある床材に張り替えるなど、床の防音リフォームがおすすめです。集合住宅で2階以上に住んでいる場合など、下の階に住む住人に生活音で迷惑をかけるのでは?と不安に思うこともあるでしょう。また、小さい子供がいる場合にも気をつかうことがあるかもしれません。

しかし、マンションの場合は事前に床の張り替えができるか確認が必要です。特にフローリングへの張り替えは規定が設けられていることもあります。中古マンションでは床が畳やカーペットになっていることも少なくありません。フローリングよりも畳やカーペットのほうが音が響きづらいことから、フローリングへのリフォームを禁止しているマンションもあります。

また、マンションの管理組合でフローリングの遮音規定が設けられている場合も多いです。この場合、規定を満たしたフローリングを使用する必要があり、事前に管理組合へ申し出が必要なケースもあります。さらに、下の階に住む住人や隣の住民の許可を得ることが条件になっていることもあります。事前にマンションの管理規約を確認し、ルールに沿った床リフォームを行いましょう。

床の防音リフォームでは、床材を防音機能のある床材に張り替える方法や、床材の下に遮音マットを敷いたり、吸音性のある素材を敷き詰める方法があります。

床の防音リフォームにかかる費用は以下のようになります。

  • 防音機能のある床材に替える:25万~30万円
  • 遮音マットを敷く:30万~60万円
  • 吸音性のある素材を敷き詰める:35万~80万円

床材の素材や解体の有無、さらに施工する床の広さなどによって費用は異なります。

床

楽器の演奏音が近隣に漏れるのを防ぎたい

ピアノやドラムなどの楽器を演奏する場合には、部屋全体に防音工事を行い、防音室としてリフォームする方法が考えられます。楽器以外にも、映画鑑賞を大音量で楽しみたい場合にも有効でしょう。

建物が木造の場合には、音が漏れやすい性質を持つため、工事の規模が大きくなり、費用も高額になります。費用がネックとなる場合には、リフォームではなく組み立て式の防音室を設置することも検討するとよいでしょう。4畳程度の個室スペースを室内に作り、防音室のように使うことができます。

部屋を防音にする費用は以下のようになります。

  • 部屋全体を防音室としてリフォームする:160万~700万円(※1)
  • 組み立て式の防音室を設置する:50万~300万円(※2)

※1)6畳でシンプルなつくりの場合は160万~270万円程度
※2)0.8畳~1.7畳の小型タイプは55万~140万円程度

いずれも広さやグレードによって費用は変動しますので、あくまでも目安として考えてください。

インテリア植物

防音リフォームの注意点

防音リフォームをする際に、注意したい点についてご紹介します。

マンションでは専有部分のみ工事可能

分譲マンションの場合、リフォームを行うことができるのは専有部分に限られます。そのため、専有部分に該当する箇所をあらかじめ確認するようにしましょう。一般的に窓ガラスやサッシは共用部分となっていることが多いです。

また、たとえ専有部分であっても、規約によってリフォームの内容が制限されている場合もあります。なお、窓が共用部分になっていても、内窓の設置は専有部分となり、管理会社から許可されていることもあります。

ハウスメーカーの紹介は費用が高くなることも

防音工事をどの業者に依頼してよいか分からず、ハウスメーカーに紹介を依頼することもあるでしょう。紹介の場合には安心できる面はあるものの、ハウスメーカーに紹介料を支払わなければならないことから、工事費用が割高になることもあるため注意しましょう。

室内窓のあるLDK

防音リフォームで補助金が支給されることも!ケース別に紹介

防音リフォームをする際には、自治体などから補助金が支給されることもあります。立地条件にもよりますので、条件を満たしているか確認してみましょう。

また、最新の情報は各自治体や法人などのホームページを確認するようにしてください。

空港の近くに住んでいる

空港の周辺に住んでいて、「第1種区域」として指定された区域内の住宅であれば、条件にもよりますが、防音リフォームの工事が補助金支給の対象になる可能性があります。この「第1種区域」は、航空機騒音が著しい区域として国で定められており、防音工事費用の一部、または全部がが支給されます。

幹線道路の沿道に住んでいる

 沿道整備道路として指定された道路の沿道に住んでいる場合には、防音工事助成が受けられる可能性があります。東京都建設局では、対象となるのは以下の条件に当てはまる場合です。

  • 特別区が定めた「防音構造に関する条例」の適用区域内に建っている住宅でこの条例が施行された日以前からある
  • 道路交通騒音の大きさが、夜間65デシベル以上または昼間70デシベル以上ある居室を有する

東京都が審査した工事費用の3/4を限度額として助成金が支給されます。

※他規定により、上記に該当していても対象外となる場合もあります。

自衛隊や在日米軍基地の近くに住んでいる

防音工事をする建物が自衛隊や在日米軍基地の近くである場合も、防音工事費の助成が受けられる可能性があります。北関東防衛局では、防音工事の対象は、各飛行場や種類別に定められた建築期日までに建てられた住宅となっていて、助成金は原則100%支給されます。

躯体あらわしの部屋

DIYでできる防音対策

大掛かりなリフォームは検討していない、賃貸で自由にリフォームができない場合には、DIYで防音対策を考えている場合もあるでしょう。DIYでできる防音対策には、以下のようなものがあります。

  • 防音カーペットを敷く:1万~6万円
  • 防音、遮音カーテンに取り替える:1万円以上
  • 防音テープを使う:500円以上

どの方法も広さによって費用は異なりますが、それほど高額ではないため手軽に試すことができるでしょう。

DIYのイメージ

防音を取り入れたリノベーション事例を紹介

空間全体のデザインや間取りを変更したい場合は、防音工事とあわせて部屋全体をリノベーションするのもおすすめです。防音工事を取り入れたリノベーション事例をご紹介します。

趣味を楽しむ音楽室

趣味の音楽部屋

ご自宅のなかに防音機能を備えた音楽室をつくりました。4畳という小さなスペースに趣味のギターが飾られ、壁下に2重の石膏ボードと遮音シートが設置されています。この場所で思う存分趣味を楽しんでいるようです。

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LDK一面の間仕切り本棚と、男たちの秘密基地
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ギター演奏を気兼ねなく楽しめる部屋

ギターを楽しめる部屋

旦那様の個室は趣味のギターを楽しめるように防音に配慮。ドアは防音使用のものを採用しました。また、隣の奥様の寝室との間に収納スペースを設置する、床はフローリングよりも反響しにくいカーペット敷きにするなど、間取りや仕上げ材の防音対策を施しています。

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アンティークが似合う空間で楽しむセカンドライフ
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リノベーションならではの本格的な防音ルーム

リノベーションで設置した防音ルーム

エレキベースやコントラバス、ピアノの演奏ができる防音室を、リノベーションにより実現した事例です。壁や天井には吸音材を貼り、二重ドアにすることで、本格的な防音室が完成しました。生徒さんのレッスンもこちらのお部屋で行っています。

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開放的な45㎡。ご夫婦と2匹の猫ちゃんのおうち
https://www.renoveru.jp/renovation/314

心配だった屋外の音も二重窓で解決

二重窓のある部屋

学校の隣という立地で、リビングが体育館側になることから、外からの音が気になるのではないかと心配していましたが、窓を二重窓にすることで解決。気密性も上がり、夏は涼しく冬は暖かい、暮らしやすい空間に仕上がりました。

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丁寧に選ぶ暮らしづくり。北欧スタイルが心地よい空間
https://www.renoveru.jp/renovation/272

まとめ

防音リフォームについてご紹介しました。主に窓、壁、床の施工を行うことで外からの騒音や生活音の音漏れを防ぐことができます。楽器の演奏や大音量での映画鑑賞の場合は、部屋全体に防音工事を行い、防音室としてリフォームする方法がよいでしょう。なお、マンションのリフォームの場合、管理規約により素材の種類やリフォーム方法に制限がある場合があります。事前に確認をとり、リフォーム計画を立てるようにしましょう。

また、防音リフォームで補助金が支給されるケースがあります。空港の近くなど、騒音が問題になりそうな場所に住んでいる場合が対象になることが多いです。立地条件にもよるので、最新の情報は各自治体や法人などのホームページを確認するようにしましょう。

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