家の内装を黒にするメリット、デメリットは?ポイント、事例も紹介
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黒い内装の家に憧れてはいるものの、どのように取り入れるのがよいか分からないという方も多いのでは。そこで今回は、家の内装を黒にするメリットやデメリットをお伝えしたうえで、取り入れる際のポイントや事例などをご紹介します。
目次
家の内装を黒にするメリットとデメリット
内装は雑誌や画像で見たときに抱いた印象と、実際に暮らしてみたときの印象が異なることがあります。後悔しないためには、家の内装を黒にするメリットだけでなくデメリットも把握しておくことが大切です。
メリット
まず、家の内装を黒にするメリットには次のような点が挙げられます。
1:家全体に高級感が出る
黒は「高級」「上質」「重厚」「かっこいい」などのイメージを与える色です。内装に黒を取り入れることで、家全体に高級感を演出できます。
また、シンプルな黒の内装は都会的で「シック」や「モダン」な印象を与えます。重厚感がある色なので、大人らしく落ち着いた雰囲気の家になるでしょう。黒、白、グレーのモノトーンカラーでインテリアを統一すれば、洗練された印象になります。
2:空間に奥行きが出る
広く見える家というと、「白で統一された家」をイメージする方が多いかもしれません。白は膨張色なので空間を広く見せる効果があります。しかし、内装をすべて白にすると、無機質でのっぺりとした印象になることも。
そのようなときに効果的なのが、一部に黒を使うこと。たとえば、白い壁を残しつつ、アクセントとして壁の一部を黒にすることで、空間を広く見せられます。これは、黒が「後退色」であるためです。後退色とは、実際の距離よりも遠くにあるように見える色のことです。そのほか青などの寒色系や黒などの暗い色が該当します。
デメリット
続いて、デメリットには次のような点が挙げられます。
1:圧迫感が出て狭く感じる
次に、家の内装を黒にするデメリットです。黒は色のなかでももっとも明度が低く、重みを感じる色です。重厚感が出ますが、全体に黒を使うと圧迫感が出てしまいます。
たとえば、天井を黒にした場合を考えてみましょう。白い天井は実際の高さよりも10cmほど高く見えますが、黒い天井は20cmほど低く見えると言われています。天井が低く見えると圧迫感や窮屈さを感じる場合があります。
また、膨張色である白とは反対に、黒は「収縮色」です。収縮色は実際の面積よりも引き締まって見えるので、空間を狭く見せてしまいます。したがって、黒を多く使うと部屋の狭さを強調してしまうので、狭い家の場合は注意しましょう。
2:光が広がらず暗くなる
白をはじめとした明るい色は光を反射しますが、黒は光を吸収してしまいます。内装に黒を使った場所は窓から入った光や照明の光が広がらず、明るさが足りないと感じる場合があります。暗いと落ち着いた雰囲気になりますが、明るさや開放感を求めている場合は気を付けたほうがよいでしょう。
これらのデメリットの対策も合わせて、次章で家の内装を黒にするときのポイントをご紹介します。
家の内装を黒にするときのポイント
内装に黒を効果的に取り入れるためには、次のようなポイントをおさえておくとよいでしょう。
すべてを黒にせず部分的に取り入れる
前述したように、リビングや寝室など空間のすべてを黒にすると、圧迫感が出て狭く感じてしまうことがあります。圧迫感を避けるためには、以下のように部分的に使うのがおすすめです。
壁の一部や天井、建具のみに使う
圧迫感が出て狭く見えがちな黒ですが、壁の一部に使えば、奥行きが生まれて広く見せることができます。また、奥行きが出るだけでなく壁掛けのアートや小物を引き立てる効果もあります。また、天井は黒、壁は白のようにモノトーンカラーでの組み合わせであれば、コントラストが効いて洗練された空間になります。
建具に黒を取り入れるのもおすすめです。ドアや窓枠などの建具や、室内窓、ガラス張りのドアの枠などを黒で統一することで、全体のアクセントになってシックな印象になります。
キッチンなど水回り設備にのみ黒を取り入れるのもおすすめです。黒のキッチンはクールな印象があり、生活感を抑えて洗練された雰囲気を演出します。
黒はさまざまな素材に合う色です。木と合わせればナチュラルに、レンガやステンレスと合わせればインダストリアルなテイストにすることも可能です。
書斎やサニタリーなど小空間に使う
壁、天井、床、建具などをすべて黒に統一したいのであれば、リビングをはじめとした家族で使う広い空間ではなく、小空間で取り入れるのがおすすめです。全体に黒を使うと圧迫感が出て狭く感じることがありますが、おこもり空間である書斎やシアタールームのような部屋なら、ムーディーな雰囲気が出てマッチします。
落ち着いた雰囲気のバスルームにしたいのなら、一部を黒にするのもよいでしょう。また、クロムメッキの水栓やシャワーヘッドを黒にすれば、シックな印象になります。ただし、浴槽も黒にすると水垢や石鹸カスが目立ちやすくなるので注意しましょう。
トイレや洗面スペースなどの小空間を黒にすれば、統一感のあるスタイリッシュな雰囲気になります。
間接照明で明るくする
黒は光を吸収するので、暗くなることがあります。そのため、手元に明るさが必要な個所では、明かりが足りないと感じる可能性があるでしょう。たとえば、子供が宿題をするテーブルやワークスペース、細かい作業をするキッチンや読書をするソファなどは明るさが充分か確認する必要があります。
壁付け照明やダクトレールに付けるスポットライト、スタンドライトなどの間接照明を取り入れれば、スタイリッシュな雰囲気も演出できます。
中間色のグレーも使う
黒の内装で反対色である白と組み合わせるとトーン差がはっきりしているため、目がチカチカして落ち着かない空間になる可能性があります。
したがって、黒と白のモノトーンを組み合わせるときには、濃淡や明暗で変化をつけることがポイントです。おすすめの色は、白と黒の中間色であるグレーです。白より落ち着いていて、黒より明るさがあるグレーは、白と黒のコントラストをやわらげ、統一感を出すことが可能です。
ソファやクッション、カーペットなどをグレーにすれば、全体の雰囲気をやわらげられます。
鮮やかな色をアクセントとして取り入れる
無彩色である黒やモノトーンを基調とした内装は、スタイリッシュな半面、冷たい印象になることがあります。したがって、鮮やかな色をアクセントとして取り入れるのもよいでしょう。
黒はさまざまな色と相性がよいですが、淡い色よりも赤、青、黄、緑などのビビッドな色を取り入れると温かみが生まれ、空間に奥行きも出ます。ただし、取り入れすぎに注意が必要です。ビビッドな色は1色だけ使うのがおすすめです。
また、ソファやラグなど面積が大きいものではなく、クッションやカーペット、チェア、照明器具などの家具や小物で取り入れるとバランスがよくなります。
内装に黒を効果的に取り入れたリノベーション事例
ここまで、黒い内装にする際のポイントをご紹介しましたが、実際に新築でそのような住宅にする場合、注文住宅だと条件にもよりますが費用が高くなる傾向があります。そのようなときには、中古物件を購入してリノベーションをすることも選択肢のひとつとして考えるとよいでしょう。
新築よりも物件の購入費を抑えやすく、自分好みの空間にできます。そこで本章では、実際に中古物件を購入し、内装に黒を効果的に取り入れたリノベーション事例を4つご紹介します。
ソフトインダストリアル×ホテルライクがテーマの空間
「ソフトインダストリアル」と「ホテルライク」をテーマにリノベーションしたお部屋です。もともと家主が好きだったカフェや古着屋をイメージに、モノトーンをベースとした落ち着いた雰囲気のデザインにしています。
LDKと玄関土間の天井、洗面スペース、トイレの壁は真っ黒ではなく少しグリーンがかった色味を使用。艶のある塗装仕上げにすることで、柔らかい印象のインダストリアルスタイルを実現しました。
寝室とLDKの間は扉ではなく黒のカーテンで仕切り、カーテンを開ければひとつづきのワンルームになるように。また、黒は圧迫感が出やすい色ですが、玄関とLDKの間や洗面スペースの仕切り壁をガラスにすることで、開放感を感じられるように工夫しました。
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脳内のイメージをそのまま再現した38㎡ひとり暮らしリノベ
https://www.renoveru.jp/renovation/311
コンクリートと黒の建具で重厚な雰囲気のワンルーム
LDKを最大限に広くするため、寝室とLDKの間には透明なガラスの間仕切りを使用するなど、視界が抜けるように工夫しました。寝室奥には扉がないオープンタイプの書斎スペースをつくり、窓から書斎まで奥行きが感じられるようにしています。
内装は躯体現しの天井と、パイン材の床が組み合わさって落ち着いた雰囲気です。黒は全体に使わず、ダクトレールや建具、ガラス戸のフレームなどにアクセントとして取り入れています。
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男は黙ってワンルーム
https://www.renoveru.jp/renovation/235
黒がアクセントのインダストリアルなお部屋
採光のよさを活かすため、壁は光を反射する白をベースに使用。建具やダクトレール、間仕切りの壁にアクセントとして黒を取り入れることで、空間に奥行きが出ています。また、コンクリート打ちっぱなしの天井と濃色の無垢材の床と組み合わせることで、インダストリアルな雰囲気が演出されています。
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80.12㎡、迫力の1LDK
https://www.renoveru.jp/renovation/209
黒板や黒のパーテーションが印象的な「男の趣味部屋」
壁やドアで閉じるのではなく、大きな梁や金網の間仕切りを利用して、視線が抜ける空間になりました。お部屋の内装にはタイル、レンガ、古材、鉄材、金網などさまざまな素材を使用。“自由”をイメージさせるインダストリアルなデザインです。
ベッドスペースとワークスペースをゆるやかにゾーニングする壁にはブラックボードを使用。艶のないブラックボードは黒でも圧迫感が少なく、ほどよいアクセントになっています。また、ベッドスペースとリビングスペースの間には、壁ではなく黒の金網のパーテーションを使い、視界が抜けるので広々とした開放感を楽しめます。
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男の趣味部屋。ワンルームのように楽しむ広々1LDK
https://www.renoveru.jp/renovation/262
まとめ
黒の内装にすると、高級感や重厚感がある落ち着いた雰囲気を演出できます。しかし、黒は全体に使うと圧迫感が出て狭く感じたり、光が広がらず暗くなることがあるので、部分的に取り入れるのがおすすめです。また、黒や反対色の白だけで統一するのではなく、中間色のグレーやアクセントカラーを取り入れることで、バランスがよくなることも。本記事でご紹介したポイントを参考に、好みに合った黒い内装の家を実現してください。
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