築20年、67㎡(平米)の中古マンションを購入し、ふたり暮らしの住まいへとリノベーションした事例です。住まいのテーマは、3000枚近いアナログレコードを楽しく聴ける空間づくり。玄関からお風呂までの動線や、既存設備を活かしたキッチンの工夫もあわせてご紹介します。
玄関からウォークインクローゼット、脱衣所まで。ひとつながりの生活動線
玄関には造作の靴棚を設置。お施主さまの靴が多いため、棚を大きく確保したそうです。下段には防災グッズや工具を収納しています。

ベンチも造作でつくられています。座ったまま靴の脱ぎ履きができ、中身は開けると収納として使えるつくり。ハンガーパイプもあり、雨で濡れた上着や洗濯物を干すのに使っているといいます。


玄関の左手の扉を開けると、ウォークインクローゼットです。お施主さまの服が多いため、広めに設けたそうです。上部もすべて収納になっていて、季節外の服や旅行かばんをしまっています。

このウォークインクローゼットを抜けると、そのまま脱衣所につながる動線。帰宅後すぐにお風呂に入るライフスタイルに合わせ、この動線を考えて設計したといいます。
脱衣所には、部屋のカラーに合わせて選んだ緑のタイルを配置。収納には化粧品や洗剤を入れています。物干しポールも上部に設置し、室内干しやバスタオル干しに使っているそうです。右側のスペースは、洗濯物の一時置きとハンガースペース、そして掃除機や踏み台の収納に使っています。


既存の家具を活かした、ワントーン落ち着くグレーのリビング
リビングの壁は、白をベースにしつつ、より落ち着いた空間を演出するため、白に近いライトグレーを選んだそうです。

家具はテーブルやテレビ台、コーヒーテーブルなど、以前から使っていたものをそのまま活用。これらの家具に合わせて、インテリアコーディネーターに照明やソファを選んでもらったといいます。
床材の色についても、既存の家具に合う色を数種類の中から提案してもらい、お施主さま自身で選んだそうです。

見せる収納と隠す収納でメリハリ。既存設備を活かしたキッチン
キッチンは、妻さんが元々よく料理をしていたことから、広めに設計したといいます。キッチンカウンターは、来客時やお酒を楽しむ時間のために設けたそうです。リビングとつながる一体感があり、バーのような雰囲気も楽しめる空間になっています。

背面のタイルは、柔らかさを出すためマットな質感を選んだそうです。色も数種類の候補からチョイス。収納は背面棚を造作し、普段使うグラスや調理器具を並べる「見せる収納」に。奥にはパントリーを設け、使用頻度の低い洗剤や保管品をしまう「隠す収納」としています。

床はタイル素材。キッチンでの料理中に水が跳ねてしまうため、フローリングではなくタイルを選んだそうです。色もキッチンの色に合わせ、暗めのマットな色にしています。
アナログレコード3000枚と暮らす。リビングとつながる「見せる」音楽スペース
今回のリノベーションで、もっとも重点を置いたのがこの音楽スペース。

お施主さまの趣味は音楽鑑賞で、アナログレコードを3000枚近く所有しているといいます。以前は置き場所が足りず、いろいろな場所に分散して収納していたそうです。レコードの枚数と寸法をデザイナーに伝え、ぴったり収まる造作棚をつくってもらったといいます。リビングとつながる窓や開口部も、デザイナーのこだわりのひとつ。収納をつくる際にできやすいデッドスペースを、あえてリビング側の飾り棚として活かしています。
飾り棚には、妻さんの出身地である北海道八雲町の木彫りの熊をはじめ、雑貨が並びます。犬をかたどった郷土玩具【要確認:品名】もそのひとつ。夫婦そろって犬が好きで一目惚れして購入したものだそうです。岡本太郎の太陽の塔も飾られています。

椅子はロッキングチェアを選んだといいます。足がクロスした珍しいタイプで、以前から憧れがあり購入したそうです。「座り心地は最高です」とお施主さま。ここに座り、音楽を聴きながらまったりとした時間を過ごしているといいます。

音楽は毎日聴いているそうです。「会社から帰って、ご飯を食べ終わって落ち着いた時間や、寝る前などにリラックスするために聴いています」とお施主さま。
深い緑のアクセント壁と、隠せるワークスペースのある寝室
寝室のポイントは、照明とアクセント壁。より良い睡眠につながるよう、深い緑をデザイナーに何種類か提案してもらい選んだそうです。

ロールスクリーンの裏側には、妻さんのワークスペースを設置。テレビとパソコンを置き、週に1回の在宅勤務に使っているといいます。以前の家ではリビングのテーブルで仕事をしていましたが、落ち着いて作業できなかったそうです。そのため、寝室にワークスペースを設けています。


「気持ちよさ」で選んだ、物件探しの決め手
物件探しでは、都心により近い物件とも迷ったそうです。決め手になったのは、毎日の通勤経路。「この道を通って通勤するのが、非常に気持ちいいと感じました」とお施主さま。
この物件は高台にあり、通勤中に富士山が見えることもあるといいます。自然が多い地域で、川のせせらぎや鳥のさえずりを感じながら生活できる点も魅力だったそうです。
以前は中古マンションを購入し、既存の間取りのまま暮らしていたといいます。しかし、既存の間取りに沿った生活動線やスタイルになってしまい、住みづらさを感じていたそうです。リノベーションによって、自分たちのライフスタイルに合った間取りと、レコードを楽しめる空間を実現しています。