駅近の中古マンションで実現。築54年・58㎡(平米)を、リノベーション費用を抑えて叶えた「お店みたいな」暮らし
面積:58㎡
間取り:1LDK+WIC
建物:マンション
完工時築年数:築54年
家族構成:ふたり暮らし(夫婦)
夫さんと妻さんが選んだのは、駅近の中古マンションという選択肢です。 都心にある築54年・58㎡(平米)のマンションを、リノベーション費用を抑えながら理想の住まいに変えました。 ずっと賃貸暮らしを続けてきたおふたりが、家賃の値上げをきっかけに購入を決意したといいます。 コンクリートの質感を生かし、キッチンを主役にした「お店みたいな」インダストリアル空間へ。 コストダウンの工夫を重ねながら理想の立地を叶えた、住まいづくりのポイントをご紹介します。
「ウェルカムキッチン」から始まる、廊下のない玄関動線
このお住まいには、一般的な住宅にある廊下がありません。 玄関を開けるとすぐ目の前にキッチンが広がる、ウェルカムキッチンという間取りです。 設計提案の際、キッチンの向きを変えれば「お店みたいにできる」と気づいたことがきっかけだといいます。

リビングを広く、収納を多めにというこだわりから、玄関や廊下はできる限りスペースを抑えました。 玄関を入って右奥には水回りと洗面スペースを配置し、荷物を置いて手を洗いそのままリビングへ向かえます。

洗面台は壁ぎりぎりまで大きな鏡を採用し、鏡の裏側にも収納を確保しました。 賃貸時代は鏡が小さく、朝の身支度で鏡を取り合っていたことが背景にあるといいます。 洗面カウンターはアイカ製の造作で天然石を使い、水栓はコストよりこだわりで黒を選んだそうです。

遊び心のある、お店のようなスタイリッシュキッチン
キッチンはステンレスと黒系の素材で統一し、カウンターはグレーにまとめています。 食べ歩きが好きな夫さんの「家を自分たちのお店みたいにできたら面白い」という発想から生まれました。

朝食はここで食べ、夜はバーのようにお酒を楽しむなど、気分転換の場になっているといいます。 カウンターには椅子を2脚設置し、友人がベルを鳴らしたらお酒を作るという遊びも生まれたそうです。 収納はシンク下と壁面、天井上部、食器棚と、限られたスペースを余さず活用しています。 壁はミラタップのマグボードを採用し、天井にはラックを設けてワイングラスを見せる収納にしました。

見せる収納で叶えた、壁一面のギャラリーリビング
リビングには壁一面の造作収納を設け、趣味のアイテムを見せる収納にまとめました。 以前の住まいでは収納があちこちに分散し、探し物のたびに部屋を渡り歩いていたといいます。 今はリビングの1箇所に集約したことで、物を探さずに取り出せるようになったそうです。

収納家具はマルゲリータで、書類などを隠せる棚も組み合わせています。 スポットライトを取り入れ、収納をギャラリーのように際立たせる工夫も施しました。 賃貸では叶わなかった壁面へのビス留めも、購入したからこそ自由にアレンジできたそうです。

リビングと地続きの、造作いらずのワークスペース
リビングの一角には、仕切りのないワークスペースを設けています。 以前の住まいでは居場所とワークスペースの動線が離れ、ほとんど使っていなかったといいます。

コンセントは多めに配置し、ふたりが同時に作業できるようにしています。 本棚は壁を生かして造作し、完成時に棚板の位置が低かった際もすぐに調整してもらえたといいます。 デスクはキャスター付きで移動でき、テレビを見ながら作業したいときにも対応できる仕組みです。 仕事をしながら会話をしたり、料理の合間に立ち寄ったりと、家族の距離が近くなったそうです。
部屋数より暮らし方。2LDKから1SLDKへの選択
賃貸時代は2LDKでしたが、新居では部屋がひとつ減り1SLDKという間取りになりました。 「部屋数が多くても間取りが微妙だったり動線が微妙だと使いにくい」と、以前の住まいで感じていたといいます。 今回は間取りにこだわったことで、部屋数が減ってもスペースを有効に活用できたそうです。


寝室は寝られれば十分という考えから、玄関や廊下と同様に最小限に抑えています。 ウォークインクローゼットはタンスをなくし、天井から床まで可動棚を設置しました。 以前は服がタンスから溢れていたため、綺麗に片づけたいという思いから広めに計画したといいます。
リノベーション費用を抑える、コストダウンの工夫
躯体現しにしたことで、壁紙などの仕上げ費用を抑えることができたといいます。 汚れのあった梁は、リノベる。から教わったモルタル風の塗り方でふたりが夜なべしてDIYしたそうです。

キッチンはカウンター全体ではなく見える部分だけをステンレスにし、コストを調整しました。 天板の素材は当初モールテックスを検討したものの、価格を抑えられるDポリッシュを提案されて採用したといいます。

キッチンの床材はあまり見えない場所のため塩ビタイルにし、玄関側は見える部分としてタイルにこだわりました。 床はタイルとフローリングで空間を分け、身支度はタイル側、くつろぎはフローリング側とゾーニングしています。

トイレは収納をあえて設けず、スペースとコストの両方を抑える工夫をしています。

駅近の中古マンションを実現。物件探しとリノベるを選んだ理由
「都内で働いているので都心が良かったけど、月々のローンは抑えたい」というわがままな希望で物件を探したといいます。 予算内の条件に合う物件は都心から離れたものが多く、優先順位を見直す必要があったそうです。 最終的にはエリアを最優先にし、築年数の優先度を下げてリフォーム費用を抑える方針を選びました。 新耐震基準が適用される住宅ローン控除の対象であれば、築年数にはこだわらなくてよいと分かり安心したといいます。 理想は70㎡ほどでしたが、担当から60㎡台の実例を案内してもらい、十分な広さだと納得できたそうです。 インダストリアルな空間が得意な会社も検討したものの、こだわりを説明すれば実現可能だと分かりリノベるに決めました。 「担当の人柄がすごく良く、生活スタイルを汲み取った提案をしてもらえた」ことが決め手になったといいます。 物件探しから資金計画、施工までワンストップで進められる安心感も、決め手のひとつだったそうです。
視点を変えれば、理想の立地とコストは両立できる
「理想の物件が予算内で見つからない」という悩みも、条件の優先順位を変えることで解決できます。 築54年のマンションでも、リノベーション費用を抑えるコストダウンの工夫次第で理想の暮らしは叶います。 そんな視点の転換が、駅近の中古マンションという暮らしを実現させました。 中古マンションとリノベーションという選択肢が、住まい選びの可能性を広げてくれる好例です。


















