壁もドアもほとんどつくらない。70㎡(平米)の中古マンションで、家族と一緒に育てていく住まい
面積:70㎡
間取り:1LDK+2WIC
建物:マンション
完工時築年数:築43年
家族構成:ファミリー(お子様2人)
神奈川県内、築43年・約70㎡(平米)の中古マンションを、2LDKから1LDK+2WICへとリノベーションした住まいです。壁や建具をできる限りつくらず、玄関からリビングまで視線が通る開放的な空間に仕上げました。お子様の誕生を機に住み替えを決めたご夫婦の実例です。土間玄関からリビング、回遊できるキッチンまで、家族の成長に合わせて手を加えながら育てていく住まいづくりをご紹介します。
開放感ある玄関と、増やせる収納
玄関は土間にして、ベビーカーがそのまま入れる広さを確保。シューズクローゼットも設置し、床の素材はモルタルにしたといいます。土間から続く収納は靴のまま出入りできるつくりで、アウターや帽子など外出時に必要なものをまとめて置けるそうです。
暮らし始めてからお子様が増え、靴の量も増えたといいます。似たような素材の板を買ってきて、自分たちで棚を増設したそうです。引っ越した後に収納をつくり替えられるのも、賃貸にはない自由度だといいます。
普通は玄関とリビングの間に廊下と扉を設けますが、この住まいには壁をつくっていません。窮屈にならず広く見せたいという考えから、帰宅してすぐリビングの様子を見渡せて、荷物もそのままキッチンへ運べるつくりにしたそうです。
壁のないリビングと、小上がりのある暮らし
リビングは玄関から続く、壁のない一体空間です。
小上がりは夫さんの発案でつくった造作で、ごろごろくつろぐ場所であり、来客時のベンチにもなっているといいます。
小上がり下の収納にはコンセントも設け、取り出したいものをすぐに使えるようにしたそうです。
天井を横切る木の板は、当初の希望ではなかったそうです。寝室のエアコン配管を通す必要があり、目隠しとしてつくられたものだといいます。結果的に作品を飾る棚になり、ダウンライトも設置できたそうです。
リビングでは、お子様が小上がりを上り下りしたり、ソファにダイブしたりして走り回っているといいます。
回遊できるキッチンと、通り抜けパントリー
キッチンは1段上がったつくりです。配管の関係で床に段差ができましたが、高さがあることでお子様の様子を見渡しやすくなったといいます。
梁の位置を考えて、設計士と相談しながらL字型のキッチンを採用したそうです。食洗機を入れたいという希望もあり、サイズを調整しながらこの形に決まったといいます。
釣り戸棚は設けず、開放感を優先。かわりに人がすれ違えるサイズのパントリーを通り抜け動線として設置し、キッチンから脱衣室・お風呂まで回遊できるつくりにしたそうです。

扉が閉まっているときや、赤ちゃんを抱っこしているときも、この動線が役立っているといいます。来客時にも洗濯物を運びやすく、お子様もぐるぐると回って遊んでいるそうです。
ダイニングの床下にはコンセントを設けたといいます。ホットプレートを使う際にコードが床を這わずに済み、安全性にもつながっているそうです。
脱衣室と洗面を分け、音への配慮
脱衣室には鏡と棚を設置し、お風呂上がりにドライヤーを使えるようにしています。
扉がないため、ドライヤーの音がリビング側に響くのを避ける工夫だといいます。
一方、洗面は脱衣室ではなく廊下に設けたそうです。
トイレにも水場がないため、廊下で手を洗える動線にもなっているそうです。
洗濯機の上の棚は、予算の関係で造作をしなかったといいます。お家で夫婦2人でDIYしてつくった棚だそうです。暮らしながら必要になった収納を、自分たちの手で補っているといいます。
将来2部屋に分けられる寝室と、夫婦専用のWIC
寝室はもともと2LDKだった2部屋の壁を取り払い、ひとつの大きな空間にしたそうです。お子様がまだ小さいため、細かく部屋を分ける必要はないと考えたといいます。
将来的には2部屋に戻せるサイズ感で設計士と相談しており、コンセントと照明はすでに2カ所ずつ設置されているそうです。
壁紙は白ではなく、水色系のアクセントクロスを選んだといいます。
ウォークインクローゼットには夫婦の服をまとめているそうです。
廊下沿いのもうひとつの収納にはお子様の衣類や大きめの荷物を収めたといいます。クローゼット内はパイプのみのシンプルな仕様で、成長に合わせて使い方を変えられるそうです。
扉をほとんどつくらなかった理由
この住まいで扉があるのは、トイレと脱衣室のみ。建具は費用がかかるとわかり、開放感を優先してほとんどの扉をなくしたそうです。天井の躯体現しも同じ理由で選び、雑誌やインスタグラムで見た仕上がりのおしゃれさも決め手になったといいます。
扉をなくしたメリットは、お子様が伸び伸び走り回れること。デメリットは、冷房が効きにくく風が抜けやすいことだそうですが、それぐらいだと感じているといいます。突っ張り式のカーテンレールなど、後からでも建具を足せる方法はあるそうです。
中古リノベーションという選択と、リノベる。との出会い
住み替えのきっかけは、妊娠だったといいます。それまでの住まいは手狭で、寝室はロフトになっており、子育てには不向きだと感じていたそうです。賃貸と購入の両方を検討するなかで、リノベーションという選択肢も気になっていたといいます。
決め手になったのは、友人家族がフルリノベーションした住まいを見たことだそうです。新築や戸建て、リノベーション済み物件などさまざまな選択肢のなかから、自分たちの好きにつくれる中古リノベーションを選んだといいます。
リノベる。との出会いは、結婚式場で開かれたワークショップ。無料だったことをきっかけに参加し、暮らしの変化やライフプランを考えながら提案を受けたといいます。担当者との相性の良さから依頼を決めたそうです。
妊娠中だったこともあり、打ち合わせは里帰り先からのリモートにも対応してもらったといいます。出産後は本社に足を運び、おむつ替えのできる場所を用意してもらうなど、子育て中の家族に合わせた進め方だったそうです。出産と保育園の入園時期を見据え、物件探しから引き渡しまでのスケジュールを逆算しながら計画を進めています。
物件探しでは、当初希望していたエリアでは予算が合わず、通勤に使う沿線沿いへと範囲を広げたといいます。最終的に決め手となったのは、管理体制の良さと、1階であることによる子育てのしやすさ、そして目の前が公園という立地だったそうです。
つくり込みすぎないから、家族と一緒に育てていける
この住まいは、壁や建具を最小限にすることで、家族の成長に合わせて姿を変えられるようになっています。玄関の収納はDIYで棚を増やし、寝室は将来2部屋に分けられる余白を残したそうです。
「扉をつけないとか、開放的なところは伸び伸び動けるというのがすごくいいです」とお施主さま。子育てのためだけに選んだ工夫ではなくても、結果的に家族が動き回れる住まいになったといいます。
お子様がもうひとり増え、家族の暮らし方はこれからも変わっていくそうです。つくり込みすぎない住まいだからこそ、そのときどきに合わせて手を加えながら暮らしていくことができます。

















