子供が生まれても心地いい。築23年・84㎡(平米)の4LDKを、贅沢な1LDK+WICに変えた「柔らかい線」のリノベーション
面積:84㎡
間取り:4LDK→1LDK+WIC
建物:マンション
完工時築年数:築23年
家族構成:ファミリー(お子様1人)
築23年・84㎡(平米)の4LDKを、贅沢に1LDK+ウォークインクローゼットへとリノベーションしたお住まいです。夫さんは美容師業、妻さんはヘアメイクのお仕事をされています。大量の洋服を収納できる大容量のウォークインクローゼットと、センスのいいインテリア選びが見どころです。設計のポイントは「柔らかい線」。玄関からリビングまで随所に散りばめられたRのデザインと、暮らし始めてから広がった家族の物語をご紹介します。
柔らかいRが出迎える、「玄関」とシューズクローゼット
元の間取りより広く土間を取った玄関。まず目に飛び込んでくるのが、足元のR形状の上がり框です。直線よりも脱ぎ履きのスペースが広く取れるため、お子様がいろいろな場所で靴の脱ぎ履きができます。

「見た目と実用性、両方兼ね備えてすごい良かったなって思ってます」とお施主さま。上がり框のスペースがあることで、お子様は椅子に座って靴を履き、夫婦は横で並んで準備できる仕様です。
天井も同じ形でRの曲線になっており、これはデザイナーからの提案です。工事中に解体して分かったことや決めたことも多く、この天井のRも工事の途中で決まったといいます。

玄関入ってすぐのインテリアはHAY(ヘイ)のもの。帽子やヘルメットをかけられるフックと、鍵置きを設けています。

正面の扉の奥は土間収納になっていて、手前に掃除用具、奥には靴をたくさん収納できるよう棚を多めに設置。正面の狭い幅にも棚をつけてもらい、なるべく多くの靴を収納できるようにしています。棚板は靴が増えたときに追加できる仕様です。
シンプルな「寝室」と大容量「ウォークインクローゼット」
玄関を上がってすぐ右の扉が寝室です。「寝室は本当にもうシンプルで、別に寝られさえすればいい」とお施主さま。クイーンサイズとシングルサイズのベッドを2つ並べ、ぴったりの広さに収めています。
寝室の奥はウォークインクローゼット。入り口は柔らかい曲線で作られています。入り口の幅が60cmとそれほど広くないため、普通のアーチにすると角度が急になってしまうので、半分のカーブを描く入り口にしました。
中は大容量のウォークインクローゼット。棚の高さはすべて変えられるようになっていて、持っているものに合わせてショップのように棚の間隔を調整できます。夫さんも妻さんも美容師・ヘアメイクの仕事で洋服が多いため、収納力を高めることが重視されたといいます。ウォークインの広さは設計上も重要な要素です。
生活感を消す仕掛けが光る、洗面から水回りへの動線
ウォークインクローゼットを出た廊下沿いには、デザイン性の高い洗面スペース。もともと脱衣室の中にありましたが、廊下に出したことで帰ってきてすぐに手洗いができ、横に並んで準備もしやすくなりました。
壁は塗装とタイルのバイカラー、ミラーや照明もデザイン性の高いものを選んでいます。ミラーの丸みのあるフォルムは玄関のRとマッチし、統一感のある空間に。大きなミラー一枚ではなく、あえて異なるサイズの2つを並べることで、横並びで準備できるようにしています。
廊下洗面は生活感が出やすいという難点がありますが、この住まいでは壁の中に歯ブラシなどを収納できるニッチを設置。閉めると壁と一体化して見えなくなり、必要なときだけ取り出せる仕組みです。

洗面を脱衣室の外に出したことで、廊下は一度クランクする形に。ここでデザイナーが提案したのが、クランク部分をアーチの壁にして緩やかにつなぐというアイデアです。リビングへの視線を程よく遮りながら、動線をつくっています。こうした空間の印象づくりは、お施主さまのタイプに応じてデザイナーが提案を変えているそうです。柔らかい人柄のお二人に似合う、曲線的なデザインが選ばれました。

開放感が広がる、40帖近い「リビングダイニング」
84㎡の半分ほどを占める、約40帖のリビングダイニング。天井高も3m近くあり、開放的な空間が広がっています。この広いLDKが取れることが、物件選びの決め手になったそうです。

物件探しは当初、別のエリアで進めていたといいます。条件に合う物件がなかなか見つからず、範囲を広げて探してようやく見つけた場所だそうです。部屋の真ん中にPS(配管)スペースや大きな梁があるといった物件も多い中、この住まいには空間を邪魔するものが一切ありません。
床材は通常のフローリングよりも幅が広く、1枚の長さも長いものを採用。貼り方も、互い違いにずらして貼る一般的な貼り方ではなく、目地をそろえて張る貼り方を選んでいます。フローリングのサイズや貼り方によっても、ゆったりとした印象をつくることができます。

壁は角部屋のため、こちら側は躯体現しにせず塗装で仕上げ。色はベージュがかったもので、リノベる。表参道ショールームの色を参考にしました。大きなソファの前にはテレビボードを置き、テレビは壁付け。配線はすべて壁の後ろに隠し、コンセントもテレビの裏に設置することで、壁付けにありがちな配線の見えを解消しています。テレビとは別にスクリーンも設置し、popIn Aladdin(ポップインアラジン)でプロジェクター投影もできる贅沢なつくりです。
一方、ダイニング側の壁と天井は解体したままの躯体現し。職人さんのメモ書きが残るなど、解体時の様子をそのまま生かしています。天井も解体によって30cmほど高さが出ており、配管は見える形になりますが、その分開放的な空間をつくり出しています。

お子様の遊び場にもなる「小上がり」
リビングの一角には、3帖ほどの小上がりを設置。現在はお子様の遊び場がメインの使い方で、おもちゃなどが置かれています。

小上がりの下は引き出し収納になっていて、おむつやティッシュなどのストックを収納可能。奥の面もすべて開ければ床下収納として使えるため、ここだけでもかなりの収納量を確保しています。
小上がりがあることで、ソファ以外にも人が集まったときの腰掛けスペースになったり、お子様のお昼寝スペースや洗濯物を畳む場所になったりと、何かと便利な存在。広いリビングの一角にアクセントとして設けることで、空間が間延びしすぎないようにする役割も果たしています。
上部にはレールが通してあり、カーテンでさっと仕切って個室のようにすることも可能。手前の角には隠し収納があり、ゲーム機を置いたままコントローラーだけ持ち出して遊べるよう、HDMIコードを延長してコンセントも内蔵しています。反対側は収納をつけず、木の部分と畳の部分のみとしています。
子供ができてから、この広さの良さを改めて感じているとお施主さま。歩けなかった時期はアンパンマンの乗用玩具で自由に遊び、今は小上がりの広さを生かしてプラレールで遊ぶなど、広いリビングと小上がりの両方があることで過ごし方の幅が広がっているといいます。
見渡せる位置に配置した、造作カウンター付きの「キッチン」
キッチンは、広いLDKが完全に見渡せる位置に配置されています。腰壁は少し高めに設計し、その中にコンセントなどを仕込んでいます。キッチン本体はツールボックスのもので、木目のタイプを選択。カウンターの反対側は造作でつくられており、キッチンと同じくラワン材を使うことでデザインに統一感を持たせています。

カウンター下にはゴミ箱などを収納できるスペースを確保。ゴミ箱はネットで購入したもので、住み始めてから1〜2年ほどして見つけたお気に入りだそうです。
「キッチンに高さがあることで、外から生活感が見えてこない」というのがお施主さまお気に入りのポイント。フルフラットのキッチンにはそれはそれで店舗のような良さがありますが、切ったものや洗い物が溜まってしまうこともあるため、あえて高さをつけることも一つのポイントになっています。
「リノベる。」を選んだ理由と、譲れなかった物件探しの条件
家を買うと決めたときから、賃貸よりも自分たちの家を持とうという意見がお二人の中で一致していたそうです。「既存のマンションだと自分たちの好きな雰囲気にできないので、意外とこだわりがそれぞれあったので、そのこだわりを実現させるのはリノベーションが一番いいのかなというので、2人で相談して決めました」とお施主さま。
戸建てかマンションかも検討したといいます。「私も元々戸建て育ちだったので、戸建てでもいいのかなって思ったんですけど、夫が広い空間っていうところにこだわりがあって。戸建てよりマンションの方が、ワンフロアで地続きですごく広いスペースを取れるっていうところがすごいマンションの魅力だなって思ったので、私もその話を聞いて同じ意見になって、もうマンションのリノベーションっていうのは最初から変わらず意見が一致したところです」。マンションのリノベーションだからこそ、これだけ広いワンフロアの空間を実現できました。
柔らかい線と広さが育む、家族の暮らし
Rや楕円などの柔らかい線を随所に使うことで、優しく温かみのある印象に仕上がったこちらのお住まい。特にリビングは、広い空間の中にRのデザインや小上がり、センスのいいインテリアがアクセントとして効いています。玄関周りの大きな配管といった物件のネガティブな面も、間取りやデザインの工夫で最小限に抑えられており、天井高などこの物件が持つポテンシャルを最大限に引き出したリノベーションです。
子供が生まれてから広さの良さを改めて実感しているというお施主さまの言葉どおり、この住まいは家族の成長に合わせて過ごし方が広がっていく、中古マンションリノベーションならではの一例です。


















