築29年・69㎡(平米)を2LDK+WICに。「ひとりの時間」も「ふたりの時間」も大切にする住まいづくり
面積:69㎡
間取り:3LDK→2LDK+WIC
建物:マンション
完工時築年数:築29年
家族構成:ふたり暮らし(夫婦)
築29年・69㎡(平米)、3LDKの中古マンションを2LDK+ウォークインクローゼットにリノベーションした住まいです。夫さんはITサービスの企画、妻さんはWebサイト制作の仕事をしています。もともとひとりの時間を大切にしてきたふたりは、それぞれの時間もゆっくり過ごせて、一緒にいるときは一緒に楽しめる空間を目指しました。ワークスペースや個室の使い分け、色味のアクセントを引き算で効かせたデザインなど、住まいづくりの工夫をご紹介します。
「ひとりの時間」を尊重する、土間続きのワークスペースと趣味の個室
玄関の素材はモルタル。経年で表情が変わりやすい素材ですが、まだつるつるとした質感を保っています。

玄関のロールスクリーンの奥には、靴棚とワークスペースが並んでいます。夫さんが仕事や読書に使うスペースで、コンセントも装備。

前の住まいは会議の声が気になったり、妻さんの会議中にトイレへ行きにくかったりする悩みがあったそうです。そこでリビングと距離を取るため、玄関に近い土間側にワークスペースを設けました。
靴棚は高さを自由に変えられる仕様。在宅ワークが多かった時期から、今は週1回ほどの利用に減っているそうです。土間だからこそ、将来は靴箱を増やすなど別の使い方もできます。
奥の空間は夫さんの寝室。ベッドで寝るほか、ゴロゴロしながら漫画を読んで過ごす趣味の個室になっているといいます。個室にした理由は「ひとりでゴロゴロするのが好き」だからだそうです。

引っ越し前の住まいには区切りがなく、区切りが欲しいという思いがあったといいます。そこで壁の代わりにロールスクリーンで仕切る、土間続きの空間をつくりました。起きてすぐに開けられる気軽さと、寝るときに閉めるとスイッチが切り替わる感覚を気に入っているそうです。
空間を自由に設計できることが、リノベーションの決め手に
住宅購入とリノベーションを検討した理由は、妻さんと夫さんのワークスペースが近くなってしまうことを解消したかったことと、広い部屋を探していたことだといいます。広い部屋を探すと購入のほうが選択肢が広がるとわかり、購入を決めたそうです。あわせて、リノベーションなら空間を自由に設計できる点も、大きな決め手になったといいます。
アクセントウォールが印象的な、妻さんのプライベートな寝室
玄関を上がった先には、妻さんの寝室があります。大きめのダブルベッドを置き、寝るほかにゴロゴロしたり本を読んだりして過ごしているそうです。
寝室のアクセントウォールは塗装で仕上げています。表参道のショールームで見た色味が可愛らしく、寝室に取り入れたそうです。塗装なら色の選択肢が幅広く、いくつかの色を組み合わせながら理想の色にたどり着いたといいます。
一拭きで掃除が完了する、造作洗面カウンター
洗面まわりのこだわりは掃除のしやすさだといいます。カウンター全体がひとつながりの形になっていて、水拭き一拭きで掃除が完了します。カウンターの長さや位置は空間の幅に合わせてオーダーでき、色はグレーとベージュの中間で統一しています。

正面はヘキサゴンタイルを採用。タイル選びの際にPinterestやInstagramで見つけ、小さめのサイズで可愛らしくまとめたそうです。洗面カウンターに色味があるため、あえて色のないタイルを選び、引き算のデザインにしています。
洗面・脱衣・ウォークインクローゼットをつなぐ、家事楽動線
洗面の隣には広めのウォークインクローゼットがあり、洗面からすぐの場所で身支度が完結します。

その隣は脱衣所。洗面・脱衣所・ウォークインクローゼットを三角形に配置し、洗濯から乾燥、収納までの動線をつなげています。洗濯と乾燥を終えたら、そのままウォークインクローゼットに下着や部屋着をしまえる設計です。お風呂上がりも各室を行き来せずに済みます。床材には塩ビタイルを採用し、大理石のようなホテルライクな見た目に仕上げています。
無垢フローリングと引き戸で叶えた、開放的なリビング
リビングの扉は既製品で、窓は全面ではなく半分の大きさを選びました。全面窓だと玄関から室内が丸見えになりますが、半分ならほどよく中の様子が見え、リビングの光も廊下に届きます。
扉は壁にすっぽり収まる引き込み戸を採用。ロボット掃除機での掃除を前提に、開き戸ではなく引き戸を選びました。ドアの代わりにカーテンも使い、ロボット掃除機が行き来しやすいようにしています。
リビングの天井は高くつくり、明るく開放的な印象に仕上げました。床材には無垢材を採用。木のフローリングへの憧れがあり、ショールームで見た木の床の柔らかさや触り心地の良さに惹かれ採用したそうです。

無垢材の床は裸足でも気持ちがよく、床に座ってヨガやストレッチをする過ごし方も生まれたといいます。ソファでくつろぐ人もいれば、ダイニングテーブルの席で本を読んだりストレッチをしたりする人もいます。それぞれ好きなように過ごせる空間になっています。
家具の多くは引っ越し後に購入しました。ソファのみ前の住まいから持ち込み、インテリアコーディネーターにソファを見せながら好みのテイストを伝えて選んでもらっています。ソファ、テレビ台、サイドテーブル、ダイニングの照明、デスクと椅子、コート掛けはすべてHAYで統一しています。
リビング横にはもうひとつ、本を楽しむためのワークスペースを設置。本をたくさん置きたいという思いから、ネイビーにグレーが混じった落ち着いた色でまとめたそうです。カフェのような空間に憧れて、その一部を取り入れたといいます。

家事をしながら働けるワークスペースと、床にコンセントを仕込んだダイニング
ダイニングにはもうひとつワークスペースがあり、こちらは妻さんが使っています。夫さんは玄関の土間側で仕事をし、妻さんはリビング側で家事をしながら仕事ができるように配置しました。転職でWebサイト制作の仕事になってから在宅ワークが増えたそうです。ふたりとも在宅の日でも、音は気にならないといいます。トイレやキッチンが間にあるため、行き来のしにくさも感じずに過ごせているそうです。

ダイニングの床にはコンセントを設置。鉄板料理やたこ焼きパーティーをするときに使うためで、友人を招いて鍋やお酒を楽しむときにも便利です。前の住まいではコンセントの位置の関係で、テーブルがテレビに近づきすぎてしまったそうです。この配置ならその心配がありません。
ダイニングテーブルは丸テーブルで、HAYの家具。商品を見て一目惚れし、形やサイズ感がしっくりくるものを選んだそうです。ネイビーの色合いとも相性がよく、最初に軸となるデザインを決めたことで、その後の家具選びがしやすくなったといいます。

分担しながら楽しむ、Ⅱ型キッチン
キッチンにはネイビーのタイルを採用し、目地は黒っぽいグレーでまとめています。床や建具の色と合わせつつ、ワークスペースのネイビーとも呼応させています。目地の色は選べますが、汚れが目立ちにくい黒を選びました。

腰壁はアクセントクロス。本当はモルテックスの腰壁を採用したい思いがありましたが、予算の兼ね合いで近い色味のグレークロスに変更したそうです。タイルの濃いネイビーと薄いグレーの組み合わせで、引き算の効いたまとまりのある空間になっています。

キッチンはLIXILのⅡ型を採用。一直線型だとリビング側にスペースが取られてしまうため、Ⅱ型を選びました。
ふたりでキッチンに立つことも多く、忙しい日は手分けして、休みの日は一緒に料理をしているといいます。ふたりで作業することを見据えてⅡ型を選びました。高さは90cmと85cm前後で異なりますが、どちらの高さでもお互いに作業ができ、幅にもゆとりがあるためすれ違いも気になりません。
収納量も1.5倍ほど増え、食器や調理器具をすべてしまえるそうです。作業スペースの周りに物を置かずに済み、すっきりとした見た目を保てています。奥にはパントリーを設け、電子レンジや炊飯器、冷蔵庫を収納。リビングやダイニング側からは見えない配置にしています。
このキッチンになってから、ふたりで料理をする回数が増えたそうです。休日は野菜を切る人と焼く人で分担し、一緒に食べるまでの時間が短くなったと感じているといいます。
ふたりらしい暮らしを叶えた住まいづくり
ダイニングでは一緒にご飯を食べ、お酒を飲みながらゆったり過ごしているといいます。リビングでは映画やドラマを見る時間も大切にしているそうです。食べることとお酒を飲むことは、ふたりの共通の楽しみだといいます。
「元々ひとりの時間を大事にしていたので、それぞれの時間もゆっくりできるし、一緒にいるときは一緒に楽しめるような空間にしたい」とお施主さま。
ワークスペースや個室でひとりの時間を確保しながら、ダイニングやリビングでふたりの時間も大切にする。ふたりらしい暮らしをかたちにした住まいづくりです。


















