家族それぞれの「居場所」を大切にした85㎡(平米)。築44年・3LDK+ワークスペースの住み替えリノベーション
面積:85㎡
間取り:3LDK+ワークスペース
建物:マンション
完工時築年数:築44年
家族構成:ファミリー(お子様2人)
築44年・85㎡(平米)のマンションを、3LDK+ワークスペースへとリノベーションした事例です。暮らすのは、ご夫婦と高校生・中学生の息子さんの4人家族。子どもたちの成長とともに手狭になった住まいから住み替え、家族それぞれの「居場所」をつくるリノベーションに取り組みました。玄関からキッチン、個室まで、暮らしの困りごとを解消したアイデアをご紹介します。
「持ち物にジャストフィット」させた玄関収納と、斜めの上がり框
玄関は、床材は塩ビタイル、壁はピンクベージュの壁紙。建具は暗めの色でまとめ、落ち着いた雰囲気です。上がり框(かまち)は斜めにカットされ、直線にするより長い距離を確保。スリッパを何足も並べられる幅があり、家族が同じタイミングで出かける朝も、並んで靴を履くことができます。
収納は、家族4人分の靴に加えて工具なども収納できる大容量サイズ。壁面にはスーツケースを置いたりコートをかけたりできるスペースも確保しました。帰宅後すぐにコートをかけられ、外で使ったスーツケースもそのまましまえます。スーツケースのサイズに合わせて設計されているため、ぴったりと収まる仕様です。
「前の家だと玄関が狭くて、同じような時間帯にみんなが家を出るときにぎゅうぎゅうになっていました。今ではスムーズに、揉めることなくみんな快適に準備ができるようになりました」とお施主さま。
扉をひとつ挟み、洗面と脱衣を分けたゆとり動線
廊下沿いにトイレがあり、その隣が洗面スペースです。一般的な洗面脱衣所は扉を開けると洗面と脱衣がひとつづきになっていることが多いですが、この住まいには手前に扉がありません。まず洗面スペースがあり、その先にもう一枚扉があって、奥が脱衣スペースという構成。廊下から直接洗面が見える間取りは動線として便利な一方、生活感が丸見えになる点を気にする方もいます。こちらのお住まいでは奥まった場所に設けることで、その悩みを解消しました。

前の住まいは手前に扉が1枚あるだけだったそうです。誰かが入浴中は洗面が使えず、使いたいときは一度声をかけて隠れてもらう手間があったといいます。脱衣所と洗面を分けたことで、忙しい時間帯の困りごとを解消しているそうです。
洗面台はシステム洗面台を採用。床は塩ビタイルで、壁の色とマッチするグレージュの色味です。後ろには飾り棚を造作し、写真やタオルを飾ることができます。奥の脱衣スペースには下着やタオル、パジャマなどを収納し、家事室として使われています。
ソファ争いをなくした、居場所いっぱいのLDK
LDK全体は落ち着いた色合いでまとめられています。設計のテーマは「居場所づくり」。前の家では子どもが大きくなり、リビングに家族がいると座る場所が足りず、1つのソファに集まるしかなかったといいます。今回は広くスペースを取り、いろいろな場所に座ってお互いを感じられる空間にしています。
中心にはテレビとソファを配置し、くつろげる場所に。
窓際のコーナーには小上がりを造作し、"第2の居場所"として活用しています。小上がりの3面は引き出し収納になっていて、奥行きも大容量。デイベッドほどの大きさがあり、来客時はここで寝たり、布団を敷いて昼寝したりもできるそうです。
こちらのLDKでは、ソファ争いがなくなったとお施主さまは話します。子どもや来客が座って遊ぶこともあり、ダイニング側から目が届くので安心です。
室内窓越しにつながる、家族みんなのワークスペース
リビングの一角、室内窓の先に約2畳半のワークスペースがあります。夫さんの仕事や妻さんの在宅勤務のほか、子どもが宿題をするなど、家族みんなが使う場所。誰か1人の部屋ではなく、家族で共有できる場所として設計されました。
あえて閉じた個室にせず室内窓にしたことで、リビングやキッチンから中の様子が見えます。子どもがきちんと宿題をしているかも、自然と目に入る仕組みです。
段差でステージングされたダイニングキッチン
ダイニングキッチンは、床が1段上がった空間になっています。物件の構造上、キッチンの排水管を通すためにキッチン部分だけ床を上げる必要があったそうです。どうせならとダイニングも合わせて1段上げ、リビングとダイニングをゆるやかにゾーニングしています。
床材は水回りと同じ塩ビタイルで、食べこぼしも拭き取りやすい素材です。
壁の一面はプロジェクター用のスクリーンになっていて、popIn Aladdin(ポップインアラジン)を設置。旅先で見つけて気に入り、最初から取り付けたいと考え、設計段階から配線を想定していたそうです。
テレビを誰かが使っていても、こちらで別の映像を楽しめるため、テレビの取り合いにならない仕組みだそうです。
「スタバみたいに」を形にしたアイランドキッチン
キッチンには、妻さんから「スタバみたいにしたい」という要望があったそうです。天井の色などはデザイナーと相談を重ね、当初はより濃い色の提案もありましたが、淡い色に落ち着いています。リビング側の天井は白ですが、キッチン側は壁と同じピンクベージュに塗装。床材はグレートーンを採用しています。
キッチン本体は「グラフテクト」を採用。家具のような佇まいで、置くだけで空間の印象が変わります。収納量が多く、上に物を置かずに済むのが助かるポイント。お菓子作りの道具やグラス類などを収納しています。
Ⅱ型キッチンで、シンクとコンロが向かい合う配置です。洗い物中はリビング側を見ながら、コンロ側は油はねを気にせずプロジェクターの映像を楽しみながら作業できる配置。カップボードも同じブランドで統一され、まとまりのある空間です。
前のキッチンは突き当たりで行き止まりで、1人が作業していると後ろを人が通る必要があり、2人以上での作業が難しい状況だったそうです。新しいキッチンは冷蔵庫・コンロ・シンクへ誰もがアクセスしやすくなっています。作業台が2箇所取れるため、複数人が同時に作業してもすれ違いやすい設計です。
天井の梁の部分は、本来コンクリート打ちっぱなしで壊せない箇所です。スタバ風のデザインに合わせて梁型の造作を追加し、木目調のシートを貼って仕上げ。キッチンの換気ダクトもまとめて通し、天井をすっきり見せました。ダウンライトを埋め込み、より店舗のような雰囲気に仕上げています。
子どもの個性に合わせた個室と、回遊できる夫婦の寝室
玄関を入ってすぐの扉は、お兄ちゃんの部屋です。上の子は広めの部屋を希望し、「社長の部屋」をコンセプトにしたデスク配置にしたそうです。
隣は夫婦の寝室です。収納スペースも十分に確保し、2人分の洋服を収納。ワークスペースへのれんをくぐって行き来でき、そこからリビングへも移動できる回遊動線になっています。
リビングの一角には、隠し部屋のように配置された弟さんの部屋があります。約3畳のコンパクトな空間で、「押入れくらいのところに住みたい」という本人の希望に合わせた広さだそうです。
収納棚は高さを変えたり取り外したりできるつくりで、成長や暮らし方の変化に対応できる柔軟性を持たせています。
「不安」を「安心」に変えた、リノベる。との住まいづくり
前の住まいはマンションで、子どもが小さい頃に購入したものの、成長とともに手狭になり、受験が一段落したタイミングで思い切って住み替えを決意したといいます。元の住まいで感じたストレスを解消するため、自分たちに合った間取りを実現できるリノベーションを選んだそうです。
最初の無料相談では、スペースの取り合いや通勤・通学の負担などの困りごとを伝えたといいます。担当者がニーズをよく理解し、丁寧に汲み取ってくれたそう。設計担当は具体的なプランを複数提案し、微妙に異なるパターンの図面を何度も作成。少しずつイメージが具体的になっていったといいます。
広さの実感が湧きにくかったため、内見とは別の機会に物件を訪れるなど、都度細やかなサポートを受けたそうです。そのおかげでイメージが具体的になり、安心して最終的な決定ができたといいます。
家族の数だけ「居場所」がある暮らしへ
リビングの小上がりやワークスペース、それぞれの個室まで、家族一人ひとりの「居場所」を大切にした住まいです。
「リビングにこう集まってる時間がすごく快適になりましたね。家族みんなが家にいることのストレスが全くなくなって、兄弟同士の会話も増えて、兄弟もすごく仲良くなりました」とお施主さま。
中古マンションのリノベーションの魅力は、間取りや動線を自分たちの暮らし方に合わせて設計し直せる点。この住まいは、家族の成長に合わせて「居場所」をつくり直した事例と言えます。


















