築24年・66㎡(平米)のマンションを1LDKにリノベーションした住まいです。お施主さまは共働きのご夫婦で、細かなこだわりを詰め込むより、暮らし方や生活スタイルをデザイナーに伝えることを大切にしたといいます。玄関の靴磨きスペースから書斎まで、プロにお任せして叶えたシンプルで洗練された住まいをご紹介します。
靴磨きとお気に入りタイルにこだわった、広々玄関
玄関には靴を磨ける広いスペースを造作。週末に仕事用の靴を磨く習慣があり、専用のスペースが欲しかったといいます。床材はお施主さまお気に入りの寿司店に似せたタイルを採用。1枚ずつ表情が異なるタイルで、汚れても拭くだけの手入れのしやすさも兼ね備えています。

靴棚はあえてオープン仕様に。隠すと匂いがこもりやすいため、常に靴をきれいに保てるようにしたといいます。

休息だけに特化した、シンプル設計の寝室
寝室はベッドが入るだけのシンプルな空間に設計。休むことに特化した部屋にしたかったといいます。エアコンの風向きに合わせてベッドの向きを変えられるよう、両側にコンセントを設置。

白と無垢材でまとめた、開放的なLDK
LDKはテレビや食事、お酒を楽しむための空間として設計。キッチン・ダイニング・リビングが一体になった、時間を共有できるつくりになっています。

床材は幅広の無垢材で、木目を目立たせずすっきりと見せているのが特徴。壁は白一色の塗装、天井は塗装をせずに躯体現しとしています。アクセントウォールも検討したものの、色が決まらず「塗りたくなったら塗る」ことにしたといいます。
旅心をくすぐるトランク型テーブルと差し色インテリア
リビングにはブランドを指定せず、旅行好きな夫婦のイメージに合うインテリアを採用。収納の少なさを補うため、化粧道具などをしまえるトランク型のテーブルを選んだといいます。

ソファや椅子、カーテン、照明はインテリアコーディネートで提案してもらったそうです。照明は床置きだと邪魔になるため、あえて吊り下げタイプでインパクトのあるものを選択。黄色と紫の、好きな色を差し色として家具に取り入れています。

テレビ台は既製品で気に入るものがなく、収納とベンチを兼ねた造作に。奥に続くカウンタースペースは、洗濯物を畳んだり、エアコンの風を浴びながらくつろいだりするラウンジとして使われているそうです。

「訳あり物件」も気にならない、フルリノベーションだからこその決断
実はこの物件、以前の飼い主のペットのにおいが残り、1年以上売れていなかったそうです。同じような条件の物件が2つあり、片方はきれいな分価格が高かったといいます。担当者から「フルリノベーションで床も壁もすべて外すのだから、過去がどうであれ関係ない」と言われ、価格が安いこちらの物件を選んだそうです。解体した頃はまだにおいが残っていたものの、内装工事が始まってからはまったく気にならなかったといいます。フルリノベーション前提だからこそ出会えた掘り出し物件だったそうです。
油はねを気にせず使える、お手入れ簡単な壁付けキッチン
キッチンは壁付けタイプを採用。調理中に油が飛んでも気にならない工夫だといいます。面材は床材の色に合わせたシンプルな仕様です。ものを上に置かないよう、食器洗浄機はあえて設置せず、すべて引き出し収納にしています。

奥まった位置にはパントリーも造作。床材はキッチンと寝室で共通の塩ビタイルを採用し、油や水がはねても手入れしやすい仕様にしています。

清潔感を保てる、お手入れが楽になる水まわり
水回りは汚れが気になりやすい場所だからこそ、清潔を保てる工夫を採用。洗面台はシンクとカウンターが一体になったタイプで、溝がなく一拭きで手入れが完了。鏡は収納付きを選び、すっきりとした見た目にしています。

床材はキッチンと同じ塩ビタイルです。ちょっとした贅沢として、タオルウォーマーを設置。冬でも温かいタオルで体をふけるようにしたといいます。

造作ガラス窓の先に広がる、本と集中のための書斎スペース
ラウンジの先には、リビング扉と書斎に続く造作窓があります。どちらも素材を揃え、リビング扉は耐震性を考えて中桟を入れたデザインになったといいます。

書斎スペースには、たくさんの本を手放さずに収納と、夫さんが集中して勉強できる書斎、洋服を大切にしまえるクローゼットの3つの要望をこの1室でかなえたといいます。風通しのよさにもこだわり、廊下からリビングまで風が抜ける設計に。あえて玄関側からしかアクセスできない動線にすることで、秘密の部屋のような特別感のある空間になっています。

住まい方を伝えるだけ。プロに任せて叶えた、洗練された住まい
プランを考える時間のほとんどは、自分たちの住まい方や生活スタイルを伝えることに使ったといいます。「ああしたい、こうしたい」という要望は少なく、暮らし方に対する提案を受け取る形で進めたそうです。共働きで忙しくても、シンプルで美しさを保てる住まいが完成したといいます。「まさかここまで叶うとは」と驚くほど、満足度の高い仕上がりになったそうです。自分でこだわりを詰め込むだけでなく、プロに要望を伝えて任せるという進め方も、リノベーションの選択肢のひとつだといえます。