インダストリアル×かわいいの絶妙バランス。築47年・65㎡(平米)の中古マンションを1LDK+WIC+ワークスペースにリノベーションした、ネコと暮らす夫婦の住まい
面積:65㎡
間取り:1LDK+WIC
建物:マンション
完工時築年数:築47年
家族構成:ふたり暮らし(夫婦)
築47年、65㎡(平米)の中古マンションを1LDK+WIC+ワークスペースにリノベーションしたお住まいです。お施主さまは、Instagramで人気のインテリアアカウントを運営するご夫婦。夫さんはインダストリアルテイスト、妻さんはかわいいテイストが好みだといいます。この2つをどう調和させるかが、住まいづくり1番のこだわりだったそうです。見どころは、扉をなくして会話やネコちゃんの気配を感じやすくしたLDKと、随所に散りばめられた「R」のアクセントです。
モルタルの無骨さにRのやわらかさを添えた玄関
玄関は壁を設けず、開放的な土間として仕上げています。キャリーケースやベビーカーも置けるほど広く取る案もあったそうですが、必要最低限の広さにまとめたといいます。

靴の数が多いため、見せる収納として靴をずらりと並べられる可動棚を採用。「見ているだけでテンションが上がる」と話します。
玄関に入って正面の壁は、直角ではなくカーブを描くR仕上げになっています。モルタルの無骨な質感に、Rのやわらかさを加えて中和させたといいます。
扉のない、会話がしやすいLDK
LDKは約22帖の広さで、扉を設けていません。お施主さまの職業柄、勤務時間が不規則で生活リズムがずれることもあるといいます。そこで扉をなくし、会話がしやすくネコちゃんの居場所も感じやすい間取りにしたそうです。「ひとりの時間も確保しながら、いいバランスで過ごせている」と話します。

床材は合板の無垢フローリング、天井と壁上部は躯体現しのまま残しています。躯体現しは夫さんの好み、白壁は妻さんの好みで、面積のバランスを取って両立させたといいます。
ダイニングテーブルはアンティークショップ「ロッカ」でオンライン購入したもので、天板を継ぎ足すと最大2m10cmまで広がる仕様です。来客が多いため、普段はコンパクトに、来客時は大きく使える点が決め手だったそうです。

リビングには大型のソファーは置かず、軽量なソファーとビーズクッションを組み合わせています。75インチの壁付けテレビで配置が固定されるため、あえて大型ソファーを置かなかったそうです。ソファーは「LOOSY」のものだといいます。


見せる洗面台がLDKの顔になる、リビング洗面
リビングの一角には、洗面スペースを設けています。もともとは玄関に土間洗面を作る案もあったそうですが、スペースが確保できず断念したといいます。そこで思い切って、リビングに設けることにしたそうです。

見せる洗面台にするにあたり、色選びに1番悩んだそうです。グレーではインパクトに欠けると考え、最終的にベージュを採用。かわいくなりすぎないよう、水栓はマットブラックを選んで引き締めたといいます。洗面ボウルは実験用シンクを採用し、大きく深い使い勝手にこだわったそうです。壁もRの形に仕上げ、玄関の下がり框と揃えたラインに。床は水はねに配慮して塩ビタイルとしています。
水やりや手洗いなど使う頻度が想定より多く、冬は暖かく夏は涼しい点も利点だといいます。
細部までこだわり抜いた、キッチン
キッチンは壁付けタイプで、対面には別に作業台を置いて空間を広く使えるようにしています。ツールボックスのもので、面材はラワン材で、天板はステンレスを採用しました。オールステンレス希望の夫さんと、色味を優先したい妻さんの好みをバランスさせたそうです。

タイルは白を採用しており、Instagramで見た憧れのキッチンを参考にしたそうです。「汚れてもすぐに拭き取れて掃除がしやすい」と話します。
対面の作業台は楽天で購入したもので、食器棚と作業台を兼ねた見せる収納にしているそうです。
キッチン奥のパントリー入口は、片側だけのアーチ仕上げにしています。

左右対称のアーチだとかわいらしくなりすぎるため、Instagramで見つけた片側アーチを取り入れたといいます。角度は設計士と何度も検討を重ね、25度に決めたそうです。
ネコちゃんのために生まれた、ベンチとワークスペース
キッチンの向かいには、横幅150cmほどのベンチを造作しています。ネコちゃんのトイレを生活感なく置く方法を考えるなかで生まれたスペースだといいます。

もともとは壁にする予定だった場所を、設計士の提案でベンチに変えたそうです。ネコちゃんが通り抜けられるトンネルも造作しており、仕事中に呼びに来ることもあるそうです。

ベンチの奥は夫さんのワークスペースになっており、ガラス扉で仕切っています。壁はこの部屋だけ躯体現しのまま残し、職人の書き込みも味にしているそうです。

このワークスペースは唯一壁のある個室のため、将来的には子ども部屋にも転用できる設計にしているといいます。
開放感を大切にした、仕切りのない寝室
寝室にも扉や壁を設けず、オープンな空間にしています。生活リズムの違いをあまり気にせず眠れるタイプだといい、開放的な間取りでも支障はないそうです。

天井にはカーテンレールを設けており、必要なときは仕切れる仕組みになっています。
背面の壁にはツールボックスのリブパネルを採用しました。ラワン素材との統一感を持たせつつ、白壁だけでは物足りない印象を補ったそうです。
壁の塗装はポーターズペイントというオーストラリア発の自然素材塗料を採用しました。
増えすぎない工夫をした、ウォークインクローゼット
寝室の壁の裏側は、ウォークインクローゼットになっています。天井まで壁を作らず、風や光が抜ける開放的なつくりにしているそうです。
以前の住まいの大きなクローゼットでは服が増え続けてしまったといい、あえてこのサイズにとどめたといいます。季節ごとに左右で分けて収納しているそうです。
一方には、りんご箱を使った見せる収納を採用しています。古道具店のような雰囲気になり、妻さんお気に入りの見せ方だといいます。りんご箱は楽天で農家から購入したものだそうです。

大きな姿見も設置しており、コーディネートと靴を合わせて確認できるようにしているといいます。

シンプルながら心地いい、水回り
脱衣所やお風呂、トイレの床は、キッチンと同じ塩ビタイルで統一しています。浴室とトイレはお互いに強いこだわりがなかったため、シンプルに仕上げたそうです。
リビング洗面を採用した分、脱衣所にはステンレスの棚と鏡、ドライヤー用のコンセントを設けています。鏡は楽天で購入した海外製のもので、タオル掛けはツールボックスのものだそうです。

トイレにはラワン素材の板と棚を設け、冷たくなりがちな空間に温かみを加えているそうです。

バランスの妙が生んだ、ふたりとネコの理想の住まい
インダストリアルとかわいい、2つの好みを丁寧にすり合わせてできた住まいです。扉をなくした間取りが、会話のしやすさとネコちゃんとの距離感をちょうどよく保っています。玄関からキッチン、洗面台まで散りばめられたRのアクセントが、住まい全体に統一感を与えているといいます。好みの違いを我慢するのではなく楽しみながら形にした、夫婦ふたりとネコちゃんの理想の住まいです。


















