住み替えに関するノウハウ公開!住宅ローン借り換えや減税方法まで

住み替えに関するノウハウ公開!
費用・ローン

「子供が生まれた」「子供が自立して部屋があまる」「急な転勤で家を手放す」など、ライフプランに変化があった際に、住み替えを検討することは多いですよね。実際に住み替えを考えた時に、なにから始めたらいいのか、費用はどのくらい必要なのか気になるところ。

「住み替えをするとき、お金の流れはどうなっているのか?」
「住宅ローンの残債が残っていても住み替えは可能?」
「住宅購入時や売却時にかかる税金など、諸費用はどのくらいかかるの?」

ここでは、住み替えの流れや必要な費用、実際に住み替えをした人の平均年収にいたるまで徹底解説していきます。住み替えは人生で何度も経験するものではありませんので、しっかりと下準備をして、損のないように住み替えましょう。

奥に室内窓のあるベッドルームが見えるリノベーション後のキッチン・ダイニング

みんなの住み替え事情

住み替えは、環境が変わったり費用がかかったり、不安になる方も多いのではないでしょうか?

まずは、実際に住み替えをしている人はどのくらいいるのか、住み替えをした人の平均年収はどのくらいなのか、データで見ていきましょう。

いまや、住み替えは当たり前

以下の表を見ると、住宅購入者の15%程度が2回以上住宅を購入しています。15%というと、「20人に3人は住み替えをしている」ことになります。意外と多いと思いませんか?

中古戸建て・中古マンション住宅に着目してみると、20%程度「5人に1人は住み替えをしている。」ことになります。以前は「一生に一度の大きな買い物」と言われていた不動産購入も、ニーズの多様化にともない変化しているのです。

項目

今回が初めて

2回目

3回目

注文住宅

85.1%

11.5%

分譲戸建住宅

82.1%

14.5%

分譲マンション

76.9%

16.6%

6.1%

中古戸建住宅

75.2%

21.4%

中古マンション

75.0%

16.6%

8.1%

出典:平成29年度住宅市場動向調査報告書

リノベーション後のキッチンと、見せる収納のある書斎

住み替えした人の平均世帯年収

住み替えをする人が思った以上に多いことがわかりましたが、それでも大きな買い物であることは事実。どのくらいの世帯年収があれば、住み替えは可能なのでしょうか?

以下の表は、実際に住み替えをした人の平均世帯年収です(未回答者を除く)。注文住宅(新築)や中古マンションなど住宅種別にかかわらず、世帯年収のボリュームゾーンは400万円~800万円。世帯年収によらず、住み替え経験はあるようです。

万円未満

400万円未満

800万円未満

1200万円未満

1200万円以上

注文住宅

19%

27%

26%

12%

注文住宅(三大都市)

25%

35%

34%

5%

分譲戸建

0%

33%

36%

12%

分譲マンション

0%

27%

32%

11%

中古戸建

15%

35%

20%

13%

中古マンション

20%

33%

29%

13%

出典:平成29年度住宅市場動向調査報告書 P35

インナーバルコニーに並ぶ観葉植物と多肉植物、サボテン

住み替えの方法

住み替えをすると決まったら、まずは資金計画を立てます。今住んでいる家の住宅ローンの残債や、貯金を確認しましょう。残債が残っている場合、あとどのくらいローンの残債があるのかも確認しておくとよいでしょう。

次に、自宅を査定に出し、いくらで売れるのかを確認します。査定額が出たら資金計画を立てますが、その際、今後のライフイベント(退職までの期間や自動車の購入など大型なローンを組む予定)を考慮することが大切です。また、売却価格は査定額より下がることもありますので、売却代金を住宅ローンの返済に充てる場合は注意しましょう。

「買い先行」と「売り先行」

資金計画がある程度決まったら、どの流れで住み替えるかを決めます。「買い先行」と「売り先行」と「売り買い同時進行」があります。「売り買い同時進行」は、新居の購入が先に決まれば「買い先行」となり、現在お住いの物件の売却が先に決まれば「売り先行」となります。

新居の頭金を貯蓄で支払える方や、ローンが2重になっても払える方は「買い先行」がおすすめです。売却代金を新居購入に充てる場合は「売り先行」を選択しましょう。売却を始めて同時に購入先も探し始める。資金的にも時間的にも余裕のある方は、いい物件があれば先に購入、いい買い手が先につけば先に売却をおこなう

「買い先行」とは

「売り先行」とは

住み替え先の物件の購入を決めてから現在住んでいる物件を売却する方法

現在住んでいる物件の売却を決めてから住み替え先の物件の購入をおこなう方法

住み替えの流れ

「買い先行」の場合

「売り先行」の場合

1.売却査定を依頼

1.売却査定を依頼

2.全体の資金計画を立てる

2.全体の資金計画を立てる

3.資金計画に合わせた購入物件の見学

3.媒介契約の締結及び販売スタート

4.購入物件の契約

4.売却の契約

5.媒介契約の締結及び販売スタート

5.資金計画に合わせた購入物件の見学

6.購入物件の決済

6.売却の決済

7.リノベーション工事開始

7.購入物件の契約

8.売却の契約

8.購入物件の決済

9.売却の決済

9.リノベーション工事開始

10.リノベーション工事完成後入居

10.リノベーション工事完成後入居

メリットとデメリット
 

「買い先行」の場合

「売り先行」の場合

メリット

・今住んでいる物件の明け渡し時期を気にせずに、じっくり購入物件を検討できる

・売却した資金が手元にある状態で資金計画が立てられる

デメリット

・購入資金を先に準備する必要がある

・今住んでいる物件の売却時期が決まっていないため、資金計画が崩れやすい

・引き渡し日までに新居が決定しない場合、仮住まいへ転居する必要がある

タイルが貼られたキッチン横の壁とキッチンカウンター

住み替えで住宅ローンを組むには?

住み替えをする上で慎重に検討しなければならないものの一つが住宅ローンです。住み替え時に今住んでいる家の住宅ローンが完済していればあまり悩むことはないですが、そういった方は稀ですよね。住宅ローンの残債を抱えたまま、新しい家を購入することができる場合もありますので、しっかりと検討しましょう。

ここでは、「住宅ローン」「住み替えローン」「二重ローン」の3つの方法について、詳しく解説していきます。

1. 通常の住宅ローン

売却予定の家の住宅ローンを完済している場合や、住宅ローンの残債を住宅の売却代金で一括返済できる場合は、新居の購入時に通常の住宅ローンを組めます。しかし、住み替えを検討する方はローンを完済している方は少ないのが実状です。多くの方が住宅の売却代金で一括返済していると言えます。

この場合、今住んでいる家を購入した時と同じく、ライフイベントなどをシミュレーションしてローンを組みます。ただし、前回より年齢は確実に上がっているので、退職や定年などを念頭において返済期間を短くすることが大切です。

また、一般的に住宅ローンは、ローンの性質上2つ同時に組めません。金融機関によっては新しい物件購入時の融資までに、既存の住宅ローンを完済する事を条件とすることもあります。その場合、「売り先行」のお住み替えしかできませんのでご注意ください。

2. 住み替えローン

住んでいた家の住宅ローンを売却代金や貯蓄で一括返済しようと考えていたけれど、上手くいかず残債が残ってしまうケースもあります。その場合は無理をせず住み替えローンを利用しましょう。住み替えローンとは、売り買い同時進行の方向けのローンで、新居の住宅ローンにローンの残債を上乗せして組むことができます。

ただし、新居の価値以上のローンを組むことになるので、仮に返済できず新居を売ろうと考えた時に売却代金より残債が大幅に上回る可能性があります。また、金融機関も新居の価値以上の金額を貸すことになるので、ローンの審査が厳しくなる傾向にあります。住み替えローンを検討する場合は、返済計画を入念に立てましょう。

また、このケースは売却と購入の決済を同時におこなうことが条件ですので、購入と売却のタイミングが合わなければ利用できません。返済計画のみならず売却と購入のスケジュールも念入りに行わなければなりませんのでご注意ください。

3. 二重ローン

住んでいた家の住宅ローンを一括返済できない場合、二重ローンという方法もあります。その名の通り、住んでいた家のローンと新居のローンを同時に組み、同時に返済していくローンになります。買い先行の方や、ローンの残債が少なく、返済のめどがたっている方が検討するようです。

ただし、二重ローンは今までのローン返済に加え、新居のローン返済が加わり、負担がおよそ2倍になります。今は返済できると思っていても、突然の事故や病気、退職など、人生なにが起こるかわかりません。二重ローンの期間が長ければ長いほどそのリスクは高まります。できる限り、避けたいローンの組み方です。

リノベーションした部屋の窓辺で読書する女性とコーヒーテーブル

住み替えにかかる税金

住み替えをするときは、住んでいる家を購入した時と同様、税金がかかります。それだけでなく、売却にも税金がかかります。どんな税金がかかるのか把握し、余裕をもって資金を備えておきましょう。

購入時にかかる税金

項目

概要

印紙税

売買契約書、住宅ローン契約書、工事請負契約書などを作成する際に課される

登録免許税

所有権保存登記、所有権移転登記、抵当権設定登記、抵当権抹消登記の際に課される

不動産取得税

不動産を購入した際に課される

住宅を購入する際は上記の税金がかかります。税額は評価証明書に記載されている金額や購入物件の築年数などによって異なります。購入の契約行為ごとに1度だけ必要となりますが、減税が受けられる物件かどうか確認しましょう

納付方法は、自ら申告後に各都道府県から納付書が送られて来ますが、購入時期から3~6カ月後と忘れた頃に届くので注意が必要です。軽減措置により0円になる場合もあるので、あらかじめ税理士などに聞いておくと安心です。

売却時にかかる税金

所得税にかかる税金

住民税にかかる税金

譲渡益に対して他の所得と分離して課される

譲渡益に対して他の所得と分離して課される

不動産を売却した際に利益が発生した場合、その利益を譲渡所得とみなし、所得税と住民税が課されます。譲渡所得は譲渡価格から取得費用と売却費用を差し引いた額になります。売却費用には、購入時の所有権移転に関する登記費用や契約書に貼付した印紙代、仲介手数料などが含まれます。

例えば、2,000万円で購入した家が3,000万円で売れた場合、1,000万円の利益となります。この利益を譲渡所得と言います。所得税が15%、住民税が5%で、合わせて20%。ただし所有期間が5年未満の不動産を売却する場合、所得税が30%、住民税が9%となり約2倍となるので注意が必要です。また、この譲渡所得にかかる税金は控除を受けられる場合があります。控除については次の項目で説明します。

※こまかくいうと、建物部分は減価償却した部分の金額も利益とみなされますし、所有期間は実際の所有期間ではなく、所有期間の中で1月1日~12月31日まで丸々1年所有した期間が何年かで判断されます。詳しくは、税務署などでご確認ください。

ダイニングテーブルとチェアのセットが置かれたリノベーションの個別相談ができる部屋

住み替え時に利用できる減税措置

減税措置

概要

1.譲渡所得の特別控除

マイホーム(居住用財産)を売った場合、3,000万円の特別控除の特例

2.譲渡損失の損益通算及び繰越控除

マイホームを、取得費用(購入金額-減価償却費-取得経費)を下回る価額で売却して損失(譲渡損失)が生じたときは、一定の要件を満たすものに限り、その譲渡損失をその年の給与所得や事業所得など他の所得から控除

3.住宅借入金等特別控除

個人が住宅ローン等を利用して、マイホームの新築、取得又は増改築等をした場合で一定の要件を満たすときにおいて、その取得等に係る住宅ローン等の年末残高の合計額等を基として計算した金額を、居住の用に供した年分以後の各年分の所得税額から控除

住んでいた家を売却した際に、購入した価格よりも高い金額で売れた場合に発生する利益に対して、所得税と住民税が課税されます。譲渡所得の特別控除とは売却した利益が3,000万円以内であれば、一定の条件を満たすことで所得税や住民税が課税されません。

売却する物件が他の課税特例の適用を受けていないなど複数の適用条件があるので、自分があてはまるかしっかりと確認しましょう。この特例は所有期間に関係なく適用されるので、購入から年数が経っていない場合にもおすすめです。

譲渡損失の損益通算及び繰越控除とは、住宅ローンの残債がある場合に売却で損失がでてしまうと適用されます。損失分を他の所得から控除することができます。申告することで給料から引かれている税金も戻ってくる場合があります。翌年以降3年間控除できるので、1年で控除をしきれなかった場合でも安心です。

いくつか条件をすべて満たすことで適用されます。条件は、所有期間が5年以上である、新居を取得した住宅ローンが10年以上のローンであるなどがあります。

住宅借入金等特別控除とは、通称「住宅ローン控除」のことです。住んでいる家を購入する際に受けている方も多いでしょう。一度受けても一定の条件を満たすことで再度受けることができます。条件の中で注意したいのが、譲渡所得が生じた場合3,000万円の特別控除は併用できないため、どちらかを選択することになります。リノベーション後のキッチンカウンターに置かれた砂時計

住み替え時の注意点

[注意点]
1.売却価格は相場に合わせ、欲を出さない
2.不動産の購入・売却に必要な費用を把握する
3.買取保証をつけて安心を得る

「住んでいる家の住宅ローンの残債を売却代金で一括返済する」と考えると少しでも高く売りたいというのが本音ですよね。しかし、欲を出して相場より高い金額で設定しても買い手はつきにくくなります。売却が進まないと住み替えの予定が先延ばしに。売却代金は周辺相場に合わせることが大切です。

住み替えをするにあたりさまざまな費用が掛かります。新居購入時には印紙税などの税金に加え、仲介手数料、ローン事務手数料、火災保険料、ローン保証料などがあります。

売却する際には、譲渡所得がでた場合の所得税や住民税に加え、譲渡所得に関係なく仲介手数料や一括で繰上返済した場合の手数料、抵当権抹消費用などがあります。

ローンに関わる費用は金融機関によって異なるので、残債を確認する際にあわせて調べておきましょう。

買取保証とは、一定期間、買い手がつかず売却できなかった場合、依頼した不動産業者が買い取ってくれるサービスです。いつまでも待つことなく最終的に買い取ってもらえるため、安心して住み替えを進めることができます。ただし、不動産業者が限られている、一般媒介でなく専属専任での契約となるなどデメリットもあります。メリットとデメリットを見比べて自分に合った方法を選びましょう。

リノベーションされた部屋のダイニングテーブルとチェア

住み替えで「中古住宅購入+リノベーション」という選択肢

住み替えにはある程度費用がかかります。利便性を良くしたい、生活に困らない立地、自分に合った間取りなど理想の住まいを探すとなると、費用はさらに上乗せに。しかし、「費用は抑えて、自分好みの家を手に入れたい。」こう考える方は少なくありません。そこで、おすすめなのが、リノベーションです。

中古住宅を購入してリノベーション

住み替えを考えた時に、中古物件を探す人が増えてきました。その中で近年の新定番とも言えるのが、「中古物件購入+リノベーション」です。各金融機関ではそのニーズに合わせたローンが用意されています。

中古住宅は築年数にこだわらなければ、新築物件と比べて費用を抑えることができるため、都市の中心部など立地条件のいい物件も選択することができます。また、間取りや内装デザインにこだわりたい方にも一から考えることができるのでおすすめです。

ただし、築年数はかなり経っている建物が多く、耐震性など建物自体の耐久性に不安が残ります。また、柱など建物の主要部分が経年劣化している場合もあるので確認が必要です。リノベーションをおこなう期間が必要となるため、入居までに一定の期間がかかります。場合によっては仮住まいが必要となることも。

ライフスタイルに合わせて住み替える自由を!

[まとめポイント]
1.住み替えをする人は増加傾向
2.住み替えの進め方が「売り先行」「買い先行」
3.住み替えでの住宅ローンは3つ。余裕のある資金計画を

「一生のすみか」と言われていた時代もありますが、多様化するライフスタイルによって住み替えをする人は珍しくありません。減税措置や住宅ローンの組み方で誰でも住み替えをすることができます。資金計画やライフイベントをしっかりと把握し、より自分にあった住まいを探しましょう。

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