「使ってない部屋、多くない？」——賃貸のもったいなさから始まった住まい探し
以前住んでいた賃貸は、部屋数こそ多かったものの、実際に使っていたのは限られたスペース。「これなら、広めのワンルームに住んだほうが、無駄がなくて気持ちいいよね」と、ふたりの理想が一致。
ところが、そんな理想のワンルーム賃貸は福岡市内にはほとんどなく、たどり着いたのが「購入＋リノベーション」でした。
「最小限の工事」で最大限の自由を。解体したままの天井、むき出しの素材感
選んだのは、築47年・RC造の55㎡マンション。
間取りは3DKから、広々とした1R＋WICへと大胆に変更。
設計の仕事をしているご夫婦だからこそ、“つくり込みすぎない”ことがコンセプト。
天井や壁はあえて解体したまま、軽量鉄骨の下地や配線、換気扇もむき出しに。素材感を楽しみながら、空間の使い方は自分たちの手で調整していく——そんな“実験的な暮らし”がスタートしました。
カウンターは収納を兼ねた造作の移動式。キッチンさえも移動できるようにと考えるほど、暮らしそのものを自由に楽しんでいます。
家事をラクに、美しく。機能とデザインが両立する空間づくり
住まい全体には、ケミューのタイルを敷き詰め、拭き掃除がしやすいように設計。
玄関にはスロープを設けて、お掃除ロボットが部屋全体を走れるようにするなど、見えないところにも家事楽の工夫が散りばめられています。
ランドリールームと衣類収納はひとつの空間にまとめ、洗う・干す・しまうを一箇所で完結。海外製の大容量食洗機など、設備面にもこだわりました。
“デザインは、つくりこみすぎない美しさ”——ふたりの理想が形になった空間
インテリアのテイストは、ヴィンテージとブルックリンがベース。
タイルやコンクリートの素材感が引き立ち、観葉植物との相性も抜群です。
必要なところにだけ壁をつくり、回遊動線を活かした間取りは、日々の生活を心地よくサポート。
プロジェクターを使ったホームシアターも取り入れ、オンもオフも思いきり楽しめる空間が完成しました。
リノベの進め方にも、安心感があった
「他社では、いきなり物件の内覧から始まり、ついていけない感じがあったんです。でも、リノベる。は最初にしっかりヒアリングをしてくれて、自分たちの考えを整理したうえで進めてくれた。安心して任せられました」
住まいを“完成形”としてとらえず、実験しながら、育てながら、使っていく。
そんな自由な発想が詰まったおふたりの住まいは、「リノベーションってもっとラフでいいんだ」と教えてくれる、唯一無二の事例です。
