大人の男らしさが薫る48㎡(平米)。築38年、独身時代のこだわりを詰め込んだヴィンテージ中古マンションリノベーション
築38年、48㎡(平米)の中古マンションを1LDK+ウォークインクローゼットにリノベーションしたお住まいです。お施主さまがまだ27歳、単身のときに購入したお部屋で、今は結婚してお子様を授かり、ご家族で暮らしています。見どころはふたつあります。30代へのステップアップを見据えた、大人の男らしいヴィンテージ感のある内装。そして、独身時代だからこそできた物件選びとこだわりです。将来のライフステージの変化を見据えた、プロならではの住まいづくりもあわせてご紹介します。
独身時代のこだわりが息づく、広々とした玄関
独身時代は自宅に人をたくさん招いて過ごしたかったといい、玄関スペースはかなり広めに確保されています。大人数で靴が並んでも困らない広さです。収納はオープンな棚を採用。
靴を収納できるだけでなく、飾り棚としても使われています。棚にはヴィンテージ感のあるアンティークの小物が飾られ、玄関の表情を豊かにしています。

床材には白いヘキサゴンタイルを使用。あえてモルタルではなくタイルを選ぶことで、エントランスとしての重厚感と大人っぽさを演出しているといいます。

バーのようなカウンターキッチンと、横浜の夜景を楽しむ工夫
玄関を上がった正面に出迎えてくれるのが、カウンターキッチンです。まるでどこかのバーを訪れたような雰囲気に仕上がっています。


このマンションは丘の上に建っていて、バルコニーからは横浜の街が一望できます。この眺望こそが、物件を決めた最大の決め手だったといいます。独身で身軽だからこそ、好きな街を選ぶことにこだわったそうです。横浜は高校時代から馴染みがあり、飲み屋も多いエリアだったことから選んだといいます。
バルコニー側にキッチンを配置する、珍しい間取りも特徴のひとつです。お施主さまは以前バーで働いていたことがあり、お客様に眺望を楽しんでもらえるようにと、あえてこの向きにしたといいます。
上部には釣り棚を造作し、ワイングラスなどを取り出しやすく収納しています。カウンターはヴィンテージ感を出すポイントのひとつです。木の厚みがあり、安心して使える仕様になっています。

コンロは4口を確保し、料理好きにもうれしい仕様です。奥には冷蔵庫や電子レンジを置けるスペースを、1畳ほど確保しています。
カウンター横のロールスクリーンを開けると、食器や調理器具をしまえるパントリーのような空間が現れます。

背面は出窓のような造りになっており、ベンチのように腰かけて眺望を楽しむこともできます。コンセントを複数箇所に設けているため、カフェのように携帯を充電しながらくつろぐ使い方もできるそうです。
アンティーク家具と躯体現しの壁が語る、ダイニングの物語
キッチン横には、ふたり用サイズのダイニングテーブルとチェアを配置。リノベーションの際にインテリアコーディネーターへ相談し、アンティークのものを選んでもらったといいます。

印象的なのが、あえて剥き出しにされたOSBボードの壁です。木材を圧縮し接着剤で固めた素材で、本来は壁の下地材として使われることが多いといいます。

無骨さと木の温もりの両方を感じられ、アクセントとして取り入れる人も多い素材だそうです。
ダイニングとリビングを隔てる壁は、マンションの躯体をあえて残したポイントです。職人のメモや新築当時の書き込みも残されており、建物の歴史を感じられます。


お施主さまは家を購入する前、友人3人とルームシェアをして暮らしていたといいます。大きな家具もみんなでお金を出し合って揃え、それぞれの部屋のインテリアにもこだわっていたそうです。契約期間が終わり解散することになった際、家具を手放すことになったといいます。
賃貸に合わせてまた家具を一から揃えるよりも、家を買って自分好みの内装にする方がよいと考えたといいます。インテリアもプロに選んでもらえると考え、住宅購入を決めたそうです。リノベーションとインテリア購入を同時に進めたことで、金属パーツの素材や棚の縁の色味を、家全体で揃えることもできたといいます。
ここだけの贅沢。独身時代ならではのリビング
壁を挟んだ先には、こぢんまりとしたリビングスペースがあります。

この部屋にはカーテンが一切取り付けられていません。眺望のよさを邪魔しないよう、あえてカーテンをつけなかったといいます。
将来の変化を見据えた寝室づくり
ダイニング横の壁の向こうが寝室スペースです。壁の一面を室内窓にしているため、キッチンやダイニング側からも空間が広く感じられます。寝室側からも眺望を楽しめるのがうれしいポイントです。

寝室自体はベッドを置く程度のこぢんまりとした広さですが、窓があることで広く感じられます。

単身のときに購入した家ですが、将来パートナーができたり結婚したりしても、しばらく暮らせるようにと考えられています。そのため、寝室とLDKをあえて別空間にしているといいます。寝室を将来大きめのベッドが入るサイズで設計したのも工夫のひとつです。
ふたり分の収納が入るたっぷりの容量を確保しているのも、ライフステージの変化を見据えた工夫だといいます。
デザイン的な部分は、将来のパートナーの好みが分からないので、自分の好きなものに振り切ってリノベーションをしていて、ひとりだからこそ体現できたこだわりだったのかなと思います」とお施主さま。
現在は、ご家族で暮らす次の住まいを計画中とのことです。そちらは完全に妻さんの好みに寄せて、自由に作ってもらっているといい、「ここでやり切った」と話していたそうです
ヴィンテージ感漂う、こだわりの水回り
寝室を出て正面にあるのが水回りです。扉には寄木風の建具に、ワックス塗装でヴィンテージ風のエイジング加工を施しています。塗装するだけでも味わいが出せるといいます。

取っ手や鍵の部分にはアンティークのものを取り付け、開閉のたびに表情が変わる仕上がりです。家の中で数少ない扉のひとつが、この水回りの扉だといいます。
スイッチにはパチパチと上下に動かすトグルスイッチを採用。コックピットのようでかっこいいという理由から取り入れたそうです。
水回りは同じ空間に、トイレ・洗面・洗濯機置き場・脱衣スペースがまとめられています。
海外のホテルのような作りが特徴です。

洗面スペースは壁一面に青いタイルを使い、落ち着いた印象にまとめています。

トイレの横には、トイレットペーパーやティッシュなどのストックを収納するスペースも確保されています。
ルームシェアから住宅購入へ。資産価値を見据えた物件選び
お施主さまが大切にしたのは、こだわりを詰め込むだけでなく、将来家族が増えることを見据えた住まいづくりです。もうひとつ大切にしたのが、物件選びのポイントだといいます。意識したのは、売却しやすい物件を選ぶことです。売却しやすいというのは、言い換えると資産価値が落ちにくい物件を選ぶということ。購入時と近い価格で売却できれば、次の住み替えもしやすくなるという考えで物件購入を進めたといいます。
ライフステージの変化が起こりやすい世代は、売却も視野に入れておくとよい、とお施主様。価値が下がりにくい、築20〜30年以降の物件を選んでおくのもひとつの視点と仰っています。
独身時代のこだわりと、これからの家族の暮らしへ
自分のこだわりをとことん詰め込みながらも、将来家族が増えることを見据えた設計にしているのが、この住まいの大きな特徴です。ヴィンテージ感のある内装と、資産価値を意識した物件選び。
そのどちらもが、独身時代だからこそ実現できた、大人の男らしい住まいづくりといえます。そして今、この住まいで得た経験は、ご家族での次の住まいづくりにも生かされています。


















