74㎡(平米)・築26年の中古マンションリノベーション。廊下を「1つの部屋」に変えた、整理収納アドバイザー一家の住まい
面積:74㎡
間取り:2LDK
建物:マンション
完工時築年数:築26年
家族構成:ファミリー(お子様2人)
奈良県内、築26年・74㎡(平米)の中古マンションを2LDKにリノベーションした、夫婦とお子様2人のご家族。住まいづくりをきっかけに、妻さんは整理収納アドバイザーとして活動を始めたといいます。玄関の土間からキッチン、廊下の収納まで、暮らしながら磨き上げてきた工夫をご紹介します。
玄関の土間ワークスペース。夫さんの夢を叶えた3.5帖
土間を設けることは、リノベーション時に夫さんが唯一出した要望だったといいます。広さは3.5帖ほど。

会社員だった夫さんが、イラストレーターとして独立するための仕事場を求めていたそうです。独立後数年間はこの土間で働き、目標を叶えたといいます。現在は事務所を別に構え、土間は子供のキッズバイクや資材置き場のフリースペースに。造作棚は上2段が可動棚で、本や画材の高さに合わせて調整できます。

3.5帖の広さで圧迫感が出ないよう建具にはガラスの扉を採用。靴箱は備え付けの大容量タイプを活用し、扉の一部を鏡にして姿見代わりにもしています。


新婚時代の本棚を育てた、廊下の「1つの部屋」化
当時は廊下を短くする間取りが流行していたといいます。この住まいでは逆転の発想で、廊下を「1つの部屋みたいな形」のライブラリースペースに設計しました。きっかけは新婚時代の無印良品のスタッキングシェルフを、より大きく育てたいという要望だったといいます。

図面は一度で決まらず、何度も相談を重ねたそうです。「書いてきていただくたびに、すごくブラッシュアップされていくんです」とお施主さまは振り返ります。壁一面には塗り壁調のクロスを採用しコストダウン。収納には充電ケーブルをまとめた「充電ステーション」や日用品のストック、共有の文房具を用途ごとに配置しています。
床にも見どころが。工事中、浴槽跡の配管が飛び出すトラブルが発覚し、床を上げてスロープでつなぐことに。「大好きだったホテルの脱衣スペースが、こういうボコボコした床だったんです」とお施主さまは話します。同じ床材に殴り加工を施し、素足で歩きたくなる質感に。

壁面には子供2人分の保育園の準備物を色分けして貼り出し、朝の準備をこの場所で完結できるようにしているそうです。

インスタで一目惚れ。キッチンを「主役」にしたくぼみのある造作
LDKは元の間取りより広く取り、叶えたかったのはキッチンを主役にする空間づくりだったといいます。Instagramで見つけたキッチンに一目惚れしたのがきっかけ。天板の一部にくぼみのあるデザインを採用し、アイランドキッチンの圧迫感を抑えながら収納力を保っています。

理想のタイルを求めてショールーム巡り。造作と規制品を組み合わせた背面収納
好きなカフェの壁がタイルだったことから、キッチン背面にはどうしてもタイルを取り入れたかったといいます。ショールームに足を運び選んだのは名古屋モザイクのタイル。

造作の食器棚は費用がかさむため、規制品のキャビネットに収まる高さの造作作業台と飾り棚を組み合わせて叶えました。上部にはサンワカンパニー(現・ミラタップ)の「ピッタラ」を採用。
奥のパントリーにはシンクを2つ並べ、泥汚れの手洗いや植物の水やりに活用。背面の棚はすべて可動棚で、セカンド冷凍庫も収納できます。

夫さんのワークスペースは、家族の成長に合わせてフリースペースへ
LDKを広く取ったのは、大勢の人を招きたい想いと、子供がのびのび遊べる場所をつくりたい想いからだといいます。


リビング奥のスペースは当初は夫さんの仕事場でしたが、子育てをする中で子供を見守りながら働けるよう移した場所だそうです。現在は事務所を借りたため、来年小学生になるお子様の宿題スペースとしても使える家族のフリースペースに。間仕切りはお施主さま自身がホームセンターの丸棒とひもでDIYしたもの。

奥の収納スペースには家中の重要書類や、妻さんの整理収納アドバイザーとしての仕事道具を収納しています。壊せない配管用のパイプスペースをこの収納として提案したのはデザイナーだったといいます。

収納をあえて作らなかった、ホテルライクな水回り
水回りへはカーテンで仕切るスタイルを入居後に採用。床材にはPタイルを使い、目地を入れずに施工しコストダウンと高見え感を両立。

洗面ボウルはミラタップの「エリセコ」で、天板には木材を採用しホテルライクな雰囲気に。タイルは平田タイルの「オフブリッツ」で、あえて白い目地を選び模様が浮かび上がる仕上がりにしたそうです。

トイレは引き戸に必要な分の広さを確保し、同じPタイルの色違いをアクセントに使いました。

水回りと直結する寝室、将来2部屋に仕切れる設計
寝室は水回りのすぐ隣に配置。子供のトイレトレーニングを見据え、水回りとの距離を縮めたいと考えたそうです。実際にこの動線のおかげで、子供が自分でトイレに行けるようになり助かっているといいます。

寝室には入り口が2つあり、水回りからクローゼットを通って廊下に出られる回遊動線です。子供の成長にあわせて2部屋に間仕切れるよう設計し、照明スイッチはどちらの部屋からもオンオフできるようにしているそうです。
クローゼットは片側がハンガーパイプ、もう片側はIKEAの「パックス」を使ったセミオーダーのワードローブ。ファミリークローゼットとして機能し、子供用は大人と異なる高さにして自分で取り出せる工夫をしています。

住みながら育ててきた、整理収納アドバイザーの住まい
8年ほど暮らす中で、廊下の収納の役割は広がってきました。本棚だけでなく充電ステーションや日用品のストックなど、生活の変化に合わせて使い方を変えています。パントリーの水やりスペースについて、お施主さまは「めちゃくちゃ活用してます。作ってよかったです」と話します。ウォークスルークローゼットも「もうファミリークローゼットとして機能している」といいます。家族の持ち物をひとつの動線に集約できた手応えを感じているそうです。整理収納アドバイザーとして培った視点を随所に生かした、住みながら育てていく住まいです。


















