街を楽しみ、日々を味わう〈TOKYO SLOW〉な暮らしとは――tokyobike ×リノベる。イベントレポート

こだわり・暮らし方

リノベる。のお客様の中にもファンの多い自転車ブランド〈tokyobike〉と一緒に、トーク&試乗イベントを開催しました。今回はその模様をご紹介します。

「街を楽しむ」という発想から生まれた自転車

日本発の自転車ブランド〈tokyobike〉をご存知ですか。

山を走るのが「マウンテンバイク」なら、東京を走るのが「トーキョーバイク」。速く走ることや移動することだけが目的ではなく、なんでもない日常にささやかな変化を加える“道具”としての自転車をつくろうという思いからスタートし、現在国内に直営4店舗(取扱店は200以上)、海外に10店舗を展開しています。

 

彼らの掲げるコンセプトは“TOKYO SLOW”。スピードを出すことよりも、踏み込んだ瞬間の軽さや、上り坂をすいすいのぼれる気持ちよさ。自転車に乗っていることを意識させない、風景や空気の匂いを楽しめるようにと丁寧にデザインされたラインナップは、時間の流れを緩やかにしてくれるかのような、まさにSLOWな世界観を体現しています。

イベントでは、そんなTOKYO SLOWな価値観にもとづく“街の楽しみ方”や“暮らしの味わい方”について、〈tokyobike〉創業者の金井一郎さん、スタッフ・見城ダビデさんとのトークセッションをお送りしました。


tokyobike 代表取締役 金井一郎さん(写真左)、見城ダビデさん(写真右)

TOKYO SLOWとは?

TOKYO SLOW。この言葉を耳にするだけで、どこか時間の流れが緩やかになるような気がしてきます。金井さん曰く、TOKYO SLOWというフレーズは、東京の下町「谷中」との出会いから生まれたそう。

金井一郎さん(以下、金井):
〈tokyobike〉は、もともと僕が一人、世田谷の自宅で始めたのですが、いよいよ事務所をどこかに構えようと考えていたときに、たまたま通りかかったのが谷中という街。そこが、なぜかすごく気になってしまって。だったらもう引越しちゃえ、事務所も出しちゃおうと、不安もありましたけど思い切って決めたんですね。

そしたら、毎日が楽しくて仕方がないんです。近くに東京芸大があったりお寺が多かったり、そういう環境の影響もあるのか、わりと自由に自分たちのペースで暮らしている人が多い。一人でお店をはじめたという方もいっぱいいて、みんな生き生きしているんです。

ああ、今までみたいに何かに追われているかのように暮らす必要ってなかったんだなと。何かにとらわれてせかせか働くことって、本当に幸せなのかなと。

それまで東京という街にはどこか慌ただしいイメージを持っていたんですが、谷中に来て、東京にも“スロー”な一面があるんだと気づきました。自分がスローに暮らせる時間を見つけられたら、みんなきっと気持ちも楽になるし、幸せになれるんじゃないか。そんな思いから出てきたのが「TOKYO SLOW」という言葉なんです。

TOKYO SLOWな「街との付き合い方」

そんなTOKYO SLOWな目線で、街を味わう、街を楽しむ。その達人とも言えるのが、創業初期からのスタッフ、見城ダビデさん。10代から国内外を巡り、〈tokyobike〉でもメルボルンやシドニーなど、海外店舗の立ち上げのために現地の街に飛び込んでいったという彼のたどり着いた結論は、「どんな街でも住めば都」。むしろその街を楽しもうとすることで、初めて見えてくるものがあると言います。

見城ダビデさん(以下、見城):
僕の感覚としては、どの街を選ぶかよりも、その街での楽しみを見つけることにおもしろさがあると感じます。10代の頃イタリアで暮らしたことがあって、最初は右も左も分からなかったんですが、そのうち毎日のように通うピザ屋さんができたんですね。毎日行っているとお店の人ともすごく仲良くなって。自分がこの街に溶け込んでいるなという実感があったことを今も覚えています。メルボルンのときも、近くに良い肉屋さんがあって、休みの日はだいたいそこでお肉を買って、ベランダで焼いて食べたりするのが楽しかった。なにも特別なことではなく、何気ない日常のなかに楽しみを見つけることが、街を楽しむということなのかなと思います。

ピザ屋のマスターや肉屋のあんちゃんみたいな人情味を感じられるというか、“人の顔の見える街”は、いい街だなと感じますね。お店以外のところで偶然すれ違って「どうも」と挨拶するのが嬉しいというか。

金井:
そういう意味でも、東京のなかでも東側には面白い街が多いですね。大きな資本が入っていない街、とも言えるかもしれない。

最近好きなのは、谷中や浅草のちょっと先にある「向島」という街です。そこに「東向島珈琲店」という喫茶店があるんですが、お店が一軒あるだけで、そこにコミュニティができているんですよね。仲間うちではみんな略して「ヒガムコ」と呼んでいるんですが、「ヒガムコがあるからこの街に引っ越してきた」なんていうご夫婦も。街の一員になれること、自分たちの仲間がいる場所というのは、そこに住まう人にとっての幸せの基準かなと思います。

他にいま個人的に好きな街をあげるのであれば「浦和」。実は穏やかな大人の街なんですよね。もともと文教都市で、芸術の街でもある。中山道が通っていて歴史もあり、もちろん郊外型の店舗もあるんですが、線路近くの裏手をいくと昔ながらのお店もあります。

自転車で、街の楽しみ方が変わる

tokyobikeは「街を楽しむ道具の一つ」と言い切る金井さん。創業当時、自転車は子どもの乗り物だと思っている方も少なくなかったそうなのですが、その時から「自転車には、いろいろなものを見て、感じることができるようになった大人だからこその楽しさがある」と伝え続けてきたのだそう。日々の暮らしに自転車があるからこその、街の楽しみ方とは?

金井:
目的地を決めないこと。気になったところをとにかく曲がってみる、とかね。そこで何か見つけたら、しめたもの。自分で見つけたものって、自分だけの特別なものになるんです。

仮に目的地があったとしても、まっすぐ行かない。できるだけ表の大きい通りを通らないようにすると、意外な発見があったりします。

見城:
自転車のいいところは、ポジティブに迷えること。気になった道を進んで、もし行き止まりだったら戻ればいい。徒歩だとしんどいですが、自転車だったらそんなに負担じゃないですから。

大事なのは、“気になる”という自分の感覚に素直に従うこと。なんとなく気になった道って、だいたいその先には何かおもしろいものがあるんです。第六感なのか、何かを感じ取っているんですよやっぱり。

自転車に乗っていると、感覚が刺激されるんですよね。焼き鳥とか蒲焼とか商店街の匂いに敏感になりますし、金木犀の香りに秋の訪れを実感する瞬間があったり。いつも通っている道でも、普段とは違う情報が入ってくるようになるんです。それがおもしろい。その楽しさを味わうためにも、「はやく目的地へ」ではなく、スローなペースで、五感をフルに働かせるのがポイントです。

金井:
無理して乗らない、というのも大事かも。雨が降ったら、電車を使いましょうと。そういう無理のない範囲で楽しむというのも、その人の自由。強制ではなく、自分で選ぶことが大切だと思います。

見城:
僕は逆に、ちょっと無理をしてみるのがおもしろいなと感じることも。夏の暑い中を、汗びっしょりになって、そのあとに飲む最高の一杯とか。冬も、寒いから電車でというのではなく、その寒さを感じることのおもしろさもあるかなと思います。キンキンに冷えた身体で帰った自分を、迎えてくれる家族のあたたかさが身に沁みるとか(笑)。そういうのも、たまには良いかもしれません。

“便利至上主義”を離れたところに見えてくる、豊かさ

住まい探しも、「どの街に暮らすか」を決めるところから始まります。多くの場合、普段のお買い物や交通の利便性を中心に選ばれるケースがほとんどですが、ふと立ち止まって〈TOKYO SLOW〉という言葉を思い浮かべてみると、街が少し違って見えてきそうです。

リノベーションは、“自分らしい暮らし”と出会う絶好の機会でもあります。物件探しの際など、少し視点を変えて街を散策してみるのもおもしろいかもしれませんね。

リノベる。では、今後もこうした豊かな視点を持ったさまざまなブランドとのコラボレーションを積極的に行っていきます。お気軽に遊びにいらしてください。

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