フローリングを張り替えるときにかかる費用は?床材の種類やおうちのコンセプトにあわせたリノベーション事例を紹介

フローリングを張り替えるときにかかる費用は?床材の種類やおうちのコンセプトにあわせたリノベーション事例を紹介
こだわり・暮らし方

今回の記事では、フローリングを張り替える際の、床材の種類や施工方法、費用をわかりやすく解説します。また、こだわりのフローリングを採用してリノベーションした事例5選と、フローリング張り替えの注意点もご紹介します。
※最下部にある「費用情報に関するご注意事項」をお読みください。

 

目次

フローリングは15年程度が張り替えどき

ピカピカだったフローリングも、年数が経つにつれ劣化します。どんなにこまめに掃除をする家庭でも、毎日生活をしていれば傷もつきますし、温度や湿度の影響を受けて変形や傷みが生じるのは自然なことです。

フローリング張り替えの目安は、15年〜20年程度とされています。フローリングが劣化することに伴って起こりやすい症状をご紹介します。

きしみ音が発生する

歩くと「ミシッ」「ギシギシ」と音がなるのは、ただフローリングが劣化しているだけではなく、ほかの問題が隠れている可能性があります。床のきしみを放置すると、床が抜けてケガをしてしまったり、シロアリが発生するリスクが高くなったりと、深刻な問題にもつながっていきます。

床のきしみは、必ずしも古い家だけに生じる問題ではなく、新しい家でも起こり得るものです。その原因は主に「床の構造のトラブル」「床材の変形」「シロアリの被害」「経年劣化」の4つが考えられます。

  • 床の構造のトラブル
    床全体は、「大引き(おおびき)」と「根太(ねだ)」を格子状に組み合わせて支えています。これらの床下の木材は、基本的には等間隔に、水平に配置されるものです。しかし、この部分に問題があると、床のきしみの原因になります。古い家の場合は、釘を使って施工されていることが多く、釘周辺の木材の水分がぬけて木痩せすることできしみが発生することもあります。

     

  • フローリングの木材の変形
    フローリングに使用される木材は、乾燥や湿気の影響を受けて収縮したり膨張したりすることがあります。特に、合板に比べると無垢材はこの影響を受けやすい特徴があります。乾燥して反ったり水分を含んで膨張したりすることによって、木材同士のつなぎめに歪みが生じ、こすれることで音がします。

     

  • シロアリの被害
    床下にシロアリが住みついた場合、木材を食い荒らしてスカスカにしてしまい、きしみ音の原因になることがあります。特に、きしみがひどい場合は、シロアリの被害の可能性が考えられます。シロアリは湿気の多い場所を好むため、キッチンやお風呂、洗面所などの水回りは特に注意が必要です。

     

  • 経年劣化
    施工に問題がなくても、床の施工に使われている木材の接着剤がはがれたり、床材が傷んだりすることで、きしみ音がすることもあります。

歩くと床が沈む・浮いている感じがする

床のきしみだけではなく、踏んだ場所が沈むというトラブルもあります。歩くとフローリングの一部だけ沈む、ふわふわと浮いているような感じがするといった症状が多いです。

床が沈む原因の多くは、湿気です。湿気できしみが生じることも多々ありますが、沈み込みがある場合は激しく劣化していることも珍しくありません。床材とその下にある下地材が剥がれてしまっている状態の場合、部分的な補修では対応しきれないことも多く、全体の張り替えを検討する必要がでてきます。

フローリング張り替え イメージ画像

床材の種類

床材のなかでも高い人気を誇るのが、木材で作られたフローリング。ナチュラルな見た目や心地よい肌触りが人気です。フローリングは大きく分けて「無垢フローリング」と「複合フローリング」の2種類あります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

無垢フローリング

無垢フローリングは「自然の素材をそのまま活用した床材」。原木から必要な形状を切り出した「無垢材」を使った、単層フローリングです。自然素材ならではのやわらかい肌触りや木の香り、調湿効果があるのが魅力。経年によって生まれる味わいや、表面を削ると真新しいフローリングのようによみがえる修復性なども、無垢フローリングの特徴です。

複合フローリング

今やフローリング床材の主流となっている複合フローリング。その名の通り、合板や集積材の表面に、天然木や特殊シートなどを貼った複合床材です。無垢フローリングと比較した場合、反りや収縮が少なく素材が安定しています。色やデザインの種類が多く、防音効果などの機能性をプラスしたものもあるため、選択肢が豊富です。

フローリング張り替えイメージ画像

フローリング張り替えの費用相場

フローリングを張り替える場合、主に選ぶ床材・工法・面積などで費用は決まります。例えば、オーク材の「無垢フローリング」を使った費用相場は、一般的に1畳あたり2.5万~4.5万円ほど。同じオーク材の「複合フローリング」を使った費用相場は、1畳あたり1.5万円~3.5万円程度といわれています。

フローリング張り替えの施工方法

ここからは、フローリング張り替えの施工方法をご紹介。施工には「新規張り」と「重ね張り」の2種類があり、費用や工期が異なります。張り替え前の床材や下地の状態によって適した施工方法を選ぶ必要があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

方法1:新規張り(張り替え工法)

もともとの床材をすべてはがし、新しい床材を張り直す工法が新規張り(張り替え工法)です。和室から洋室にリノベーションしたいときなど、ほかの床材からフローリングに変えたいときに適しています。古くなった床材をはがすため下地の状態を確認でき、傷みがあれば修繕することができます。

「新規張り(張替え工法)」によるリフォーム費用の相場

張替え工法によるリフォームの費用は、使用する床材の種類やグレード、樹種によっても変わってきますが、一般的な目安は以下のとおりです。

広さ 費用の目安
1畳 3万円~6万円
4畳 7万円~14万円
6畳 9万円~18万円
8畳 10万円~20万円

方法2:重ね張り(上張り工法・レイヤー工法)

上張り工法・レイヤー工法ともいわれる重ね張りは、もともとの床材の上から新しい床材を張りつける工法です。新規張りと比較した場合、工期を短期間(最短1日)で抑えることができます。もともとの床材や下地が劣化していないケースに、適した工法といえるでしょう。

「重ね張り(上張り工法・レイヤー工法)」によるリフォーム費用の相場

重ね張り工法の場合、張り替え工法よりも安価に抑えやすいというメリットがあります。費用の目安は以下のとおりです。

広さ 費用の目安
1畳 2万円~5万円
4畳 5万円~10万円
6畳 6万円~14万円
8畳 8万円~18万円

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リノベーション実例5選

ここからは、ナラ材や栗材などの床材を使用した、5つのリノベーション事例をご紹介します。

日当たりのいいLDKのナラ材フローリング

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「ちょっとヴィンテージ、ちょっと北欧」というふたつのテイストを取り入れたおうちです。白と黒、コンクリートと木材を基調とした統一感のあるデザインが、クリエイティブな世界観を演出しています。広々としたLDKのスペースは、自然光が注ぎ込むバルコニー側に。床一面に張られたナラ材のフローリングで空間のあたたかみが増しています。

▼このおうちの詳しい事例を見る
「ちょっとヴィンテージ、ちょっと北欧」
https://www.renoveru.jp/renovation/340

ミッドセンチュリーな空間に合う栗材のフローリング

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日当たりと心地よい風通し、高い天井、静かな周辺環境に恵まれたお部屋です。 はやりに左右されないデザインを好むご夫婦がセレクトしたパーツや素材が、ミッドセンチュリーな空間を演出しています。お部屋の雰囲気にマッチした床材は、落ち着きのあるの無垢フローリングです。

▼このおうちの詳しい事例を見る
夫婦のコレクションを引き立てるミッドセンチュリー空間
https://www.renoveru.jp/renovation/300

ウクレレ塗装を施した無垢材フローリング

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ミニマリストのご夫婦がつくったシンプル空間。こだわりのLDKの主役は、コンクリート躯体とステンレスキッチン、そして無垢材フローリングです。ウクレレ塗装を施した無垢材フローリングの床は、深みのある色合いに仕上がっています。

▼このおうちの詳しい事例を見る
「ミニマリスト夫婦のシンプルライフ」
https://www.renoveru.jp/renovation/281

アクセントカラーを引き立てるナチュラルなフローリング

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ネイビーカラーとコンクリートが調和した、「ジブリ作品の世界観」を感じられるお部屋です。小屋のようなキッチン、丘を彷彿とさせるリビングの小上がりなど、物語を感じる空間になっています。ナラ材の無垢フローリングが、ネイビーカラーを引き立てています

▼このおうちの詳しい事例を見る
「ネイビーが映える小屋と丘の世界観」
https://www.renoveru.jp/renovation/331

インダストリアルな空間に映える足場板

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駅からも近い眺望抜群の53㎡のお部屋です。もともと2LDKだったおうちを1LDKにリノベーションし、空間を広々と見せる長方形のレイアウトにされました。お部屋の3面にある大きな窓からは、街を一望できるとともに、自然の光と風を取り込めるようになっています。躯体現しの天井、白塗装の壁、モルタルの玄関床など無機質な空間にチョイスした床材は、幅広の足場板。「多少の傷や汚れも味に見える」と選ばれたフローリングが、築50年の味のある空間にマッチしています。

▼このおうちの詳しい事例を見る
「音楽と猫、ぬくもりインダストリアル」
https://www.renoveru.jp/renovation/316

フローリングを張り替える際の注意点

フローリングの張り替えは、床材の種類や工法などによって費用や工期が大きく異なります。単純に「費用は安く工期は短く」だけで選んでしまうと、張り替えた後に後悔することも。ここからは、後悔をしないために知っておきたい注意点をご紹介します。

注意点1:工法のデメリットも考慮する

フローリングを張り替える際は、工法のメリットとデメリット両方を考慮するようにしましょう。新規張りを選ぶ場合、もともとの床材をすべてはがす費用がかかり、工期もそれなりにかかります。重ね張りを選ぶ場合は、元の床材の上から新しい床材を張るため、5cm~15cmほど既存よりも床が上がり段差が生じることも。また、下地の確認や補修ができません。

注意点2:無垢フローリングは素材の特徴も選択の基準に

床材を無垢フローリングにする場合、それぞれの樹種の特徴を把握することも大切です。人気のあるオーク材を使った無垢フローリングは、硬いため傷がつきにくくメンテナンスも容易です。パインやスギ材は、材料費を安く抑えられる半面、柔らかいため傷がつきやすい難点も。頻繁なメンテナンスが必要になってしまいます。

無垢材の基礎知識や無垢フローリングの張り方、日頃のお手入れ方法を、以下の記事でご紹介しています。あわせてチェックしてみてください!
https://www.renoveru.jp/journal/470
https://www.renoveru.jp/journal/2633
https://www.renoveru.jp/journal/5400

フローリング張り替え イメージ画像

フローリングの張り替えについてのよくある質問

Q:床暖房がある場合でもリフォームは可能ですか?

A:状況にもよりますが、基本的には可能です。フローリングを剥がした際の床暖マットの状態によって、床暖マットの交換が必要になる可能性があります。張り替えたい床材や張り替え方法など、プロに相談して検討されることをおすすめします。

Q:フローリングの床材選びに迷います。どうやって選べばよいですか?

A:まずはお部屋の雰囲気の方向性を決めるため、SNSや雑誌、リノベーション会社の施工事例などから理想のイメージを集めてみてください。そこから施工会社に相談するなどして、見た目の印象だけでなく、メンテナンスの仕方や床材の特徴を知ると選びやすくなります。お掃除のしやすさや湿度・温度の変化を受けにくいものがよいのであれば合板(複合フローリング)、木材そのものの風合いや経年変化を楽しみたいのであれば無垢材といったように、重視したいことによって決めるのもひとつの方法です。

Q:フローリングの板の幅ってこだわったほうがよいですか?

A:板の幅は、見た目の印象を大きく左右します。一般的に、幅広で長いものを選ぶとお部屋が広く見えやすいとされています。15cm以上の幅があると、高級感も演出しやすくなるでしょう。お部屋の広さによっても感じ方は変わるため、空間全体のバランスをみて検討してみてください。

まとめ

フローリングを張り替える費用は、その床材・工法・面積によって異なります。それぞれのメリットとデメリットを知っておくことが、かしこくフローリングの張り替えをおこなうためには大切です。もちろん、リフォームを依頼する業者選びも大切なポイントになってきます。理想の空間を手に入れるためにも、フローリングの張り替えに関する知識を事前におさえておきましょう。

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