失敗しないリノベーション会社の選び方

失敗しないリノベーション会社の選び方
リノベーション基礎知識

住宅の購入やリノベーションを行う際には、大きな金額が動きます。数百万~数千万円単位の大きな買い物のため、何としても失敗は避けたいところです。

しかし、「リノベーション済みの物件を購入したら、欠陥が見つかった」「イメージどおりに完成しなかった」などの失敗談も聞かれます。この失敗を防ぐポイントのひとつに会社選びがあります。中にはよくない会社も存在しているため、慎重に選ぶ必要があります。

そこで今回は、リノベーション会社の種類と特徴をお伝えします。また、注意すべきリノベーション会社の特徴についても解説します。トラブルを避け、あなたに合ったリノベーション会社を選べるようお役立てください。

目次

  1. リノベーション会社の種類と特徴
  2. こんなリノベーション会社には要注意!
  3. リノベーション業者の具体的な選び方

リノベーションされたリビング

リノベーション会社の種類と特徴

リノベーション会社は、規模や施工種類によって分類することができます。それぞれの特徴、メリット・デメリットを確認していきましょう。

1.展開規模

全国展開している大手のリノベーション会社

一般的によく知られているのは、ゼネコン、ハウスメーカー、住宅設備機器メーカーなど大手を母体とし、全国展開している会社です。リノベーションを専業として全国展開している会社もあります。

メリット

大手のメリットは実績が多く、信頼性が高いことです。また、長期保証やアフターケアなど、さまざまなオプションが用意されている点も安心感につながる要素と言えます。

ほかには、大規模な工事にも対応可能、物件探しからリノベーション工事までを一括して行えるなど、対応範囲が広いこともメリットのひとつ。各地にショールームやモデルルームを備えている会社も多く、完成後のイメージがつかみやすいことも魅力です。

デメリット

実際の工事は下請け会社が行うことがあります。基本的には、施工管理者が現場やスケジュールの管理を行います。しかし、別の会社が工事を行うこと自体に不安を覚える人もいるでしょう。

また、会社の規模が大きくなればなるほど多額の広告費や各地のショールーム運営にかかる費用などが上乗せされて、割高になるのが一般的です。

リノベーションされたキッチン

エリア展開している中堅のリノベーション会社

比較的規模の大きい地元工務店や、東北、東海、九州といったエリア限定で事業展開している流通小売業、ライフライン企業が母体となっている会社などが当てはまります。

メリット

大手の会社ほどではありませんが、対応エリア内での実績が豊富です。気候や地形など地域特性を考慮した設計、施工を得意としている会社もあります。

専任の営業担当やプランナーなどが在籍している会社であれば、きめ細やかな打ち合わせや希望に沿った提案をしてくれることが多いのが特徴です。また、大手ほど広告や人件費にコストをかけていない会社も多く、その分工事費が抑えられることもあるでしょう。

デメリット

大手と同様、実際の工事は下請け会社に依頼しているケースがあります。中には施工管理者が在籍していない会社もあり、「情報が現場に伝わっておらず、希望と異なる工事が行われた」といったトラブルなどもあるようです。

光が差し込む明るいリノベーション済のリビング

 

地域密着型で小規模のリノベーション会社

主に地元の工務店が該当します。大手や中堅の会社との大きな違いは対応範囲にあります。会社ごとに異なりますが、基本的には工事のみを行うところが多いとされています。

メリット

多額の広告費や中間マージンなどがかからないため、大手や中堅の会社よりも費用を抑えられる傾向にあります。また、施工者と直接打ち合わせを行えるため、時間のロスやコミュニケーションの行き違いが少ないこともメリットです。

デメリット

規模が小さいために対応エリアが限られます。提案力やサービスの提供範囲など、会社ごとに異なります。品質管理の体制が整っていないといった可能性もあるため、事前にサービス内容や体制、得意分野などを確認しておくと安心です。工事のみを行う会社の場合、物件探しやデザインは別のところへ依頼する必要があります。

また、リノベーション実績が乏しい会社もあるため、実績を確認して施工経験が豊富な会社に依頼すると安心です。保証やアフターサービスが整っていない場合もあるので、必ず事前に確認しましょう。

使い勝手のいい収納スペース

 

2.サービスの種類

リノベーション済み物件の販売会社

中古マンションの一室や中古戸建て住宅を買い取り、リノベーション工事を施して販売しています。

メリット

リノベーション工事が完了した状態で販売されているため、購入後すぐに入居できることがメリットに挙げられます。また、完成した状態を見て購入できるので、「イメージと違った」という失敗がありません。

デメリット

すでに内装が出来上がった状態のため、間取りやデザインに関する自由度はありません。また、表面からは見えない配管や断熱材の状態などを目で確認できないため、「内装はきれいに仕上がっているが、配管が古いままだった」というトラブルが発生することも考えられます。

施工状況について、リノベーション済みの物件を販売している会社にしっかり確認しておくことが大切です。

リフォームされたリビングはくつろぎの空間

 

ワンストップリノベーション会社

中古物件探しからリノベーション施工まで、すべての工程を一貫対応している会社です。

メリット

物件探し、デザイン、施工はもちろん、資金計画や住宅ローン選びなどマイホーム購入に関することを一括して依頼・相談できるのが大きなメリットです。通常であれば、物件探し、住宅ローン手続き、リノベーションという各工程について、自身で会社や金融機関を選定し、それぞれの窓口と並行してやりとりを進めなければなりません。

しかし、ワンストップリノベーション会社であれば、連絡・相談窓口が1か所に集約されるため、手間や時間が大幅に削減できます。また、物件探しにおいてもリノベーションのプロと相談しながら進められるため、「希望どおりのリノベーションができなかった」という失敗のリスクも軽減されます。

デメリット

リノベーションの設計から施工までを行います。そのため、リノベーション済み物件に比べると、入居までに時間がかかります。また、完成形をイメージしにくいこともデメリットのひとつ。ホームページに掲載されている施工事例を見たり、問い合わせるなどして、自分好みの間取りやテイストが叶うかどうかを確認しましょう。

ショールームやモデルルームがある場合は見学するのもおすすめです。実績が豊富な会社であれば、Webサイト上の口コミ情報を確認し、参考にしてみるのもいいでしょう。

ワンストップリノベーションの進め方、スケジュールについてくわしく知りたい方は下の記事も参考にしてみてください。
☞『リノベーションとは? リフォームとの違い、費用、進め方を解説します。

リノベーションされたキッチン

 

リノベーション設計・施工会社

設計・施工のみを請け負う会社です。先ほど述べた展開規模でいうと、主に地域密着型の小規模な会社がこれに該当します。

メリット

施工担当者と直接やりとりするケースが多く、コミュニケーションを取りやすいことがメリットに挙げられます。工程がパッケージ化されていないため、柔軟に対応してもらえることもメリットと言えるでしょう。

デメリット

物件探しは自身で行う必要があります。また、住宅ローンも自ら手続きを行わなくてはなりません。物件探しや住宅ローンはそれぞれ窓口が異なるため、手間や時間がかかります。

リノベーションされた使い勝手のいい玄関

こんなリノベーション会社には要注意!

業界を問わず、よくない会社は存在します。契約を強引に進めてくる、見積金額の内容が不明瞭、根拠もなく「他社より〇〇万円安くできます」などと断言する。このような会社には、注意しましょう。特に、検討する時間を与えずに契約を求めてくる場合は要注意です。

そのほか口コミサイトなどでは、「多額の追加料金を請求された」「手抜き工事が見つかったのに対応してもらえない」など、多くのトラブル事例が報告されています。
トラブルに巻き込まれないよう、慎重に信頼できるリノベーション会社を選ぶことが大切です。

リノベーション会社選びで失敗しないための4つのポイント

先ほどもお伝えしましたが、「安心度・実績・費用・きめ細やかな提案・サービス提供範囲」をポイントにするならば、展開規模に着目しましょう。また、「入居時期・内装のイメージ」を重要視するならば、サービスの種類を確認してみてください。

集中できるプライベートな空間

 

1.リノベーション会社の強みや特徴が自分の希望とマッチしている

リノベーション会社といっても、強みや特徴はそれぞれ異なります。デザインや不動産仲介、リーズナブルな価格に強みがあったりとさまざまです。設計力や提案力に自信がある会社もあるでしょう。ほかにはワンストップサービス(物件探し・住宅ローン相談・設計施工まで一貫して行うこと)を提供しているリノベーション会社もあります。

まずは「自分が最も重要視するのは何か」を明確にしましょう。そしてリノベーション会社のホームページやパンフレットで会社概要、強みや特徴、施工事例を確認し、自分の希望が叶えられるか検討してみましょう。

規模にもよりますが、リノベーションを行うには費用が高額になることもあります。そのため、たとえ工事費用が安くても、自分の希望やこだわりを反映してくれない場合はあとになって後悔してしまう可能性もあります。いろいろなリノベーション会社をリサーチして比較・検討し、理想のマイホームを実現しましょう。

2.豊富な施工実績がある

リノベーション会社のホームページやパンフレットに豊富な実績が掲載されているのは、多くの人々が依頼したということ。つまり「信頼の証」といえるでしょう。実績が多いとさまざまな施工を行い、多種多様なノウハウが蓄積していると考えられます。

どの会社もホームページやパンフレットにすべての事例を掲載しているわけではないため、理想とする住まいのイメージをお持ちの場合は、問い合わせて確認してみましょう。

3.きめ細やかなプランニングに対応している

要望をすべてプランに反映させたら予算をオーバーしてしまった、という例も数多くあります。そのため、決められた予算の中で理想に近いリノベーションを行うためには、きめ細やかなプランニングが大切です。取り入れたい素材やアイデアに基づく詳細な見積りを提示しながら、柔軟に提案してくれる会社が望ましいと言えるでしょう。

プランニング時に設計者との意思疎通がうまくはかれていなかったために、動線が悪く住みづらい家になってしまったという失敗例もあります。希望のデザインや間取りにするとどのようなメリット・デメリットが生じるのか、プロの視点で的確にアドバイスや提案を行ってくれる会社を選びましょう。

4.工事後のトラブルをカバーする保証やアフターサービスが充実している

保証期間、定期点検、緊急対応、保証書の発行など、会社によって保証やアフターサービスの内容が異なります。新築の場合は、躯体(くたい)のような構造上重要な部分については引き渡しから10年間という保証期間が定められています。しかし、リノベーションの場合は会社によって保証内容が異なります。一般的に大手のリノベーション会社の方が保証やアフターサービスが充実している傾向があります。

「工事後半年で不具合が見つかったのに、対応してくれなかった」といったトラブルに陥らないよう、保証やアフターサービスが充実している会社かどうか、事前に確認しておきましょう。

リノベーション業者の具体的な選び方

おうちの設計図面

リノベーション業者の具体的な探し方や見極め方について見ていきましょう。

探し方

今すぐ手軽に始められる業者探しはネット検索です。大手の業者から中堅や中小の業者まで、幅広く調べることができます。その中から気になった業者をいくつか絞り込んで、コンセプトやサービスなどを詳しく見てみましょう。

ただ、ネット検索では情報が多すぎると感じる人もいるかもしれません。そういった場合におすすめなのが、経験者の体験談を聞くことです。知人でリノベーションをした人がいれば、業者の探し方や依頼した業者の良かった点など体験談を聞いてみてください。満足しているポイントに納得感があれば、紹介してもらうのもいいと思います。

まわりにリノベーション経験がいない場合には、ブログやSNSを活用して、経験者のリアルな声を知る方法もあります。最近ではリノベーションしたおうちからライブ配信などで体験談を発信している人もいます。
ほかに、雑誌などのメディアから情報を得る方法もあります。例えば、リノベーション専門誌『relife+』なら、リノベーションの実例が工事費と一緒に紹介されています。会社やサービスの特徴なども掲載されているため参考になります。

リノベーションされてリビングで本を読む女性

見極め方

良さそうな業者がいくつか見つかったら、セミナーや相談会、見学会などに参加してみましょう。ネットの情報だけで判断せず、直接話をしてみることをおすすめします。調べた情報の確認をしたり、疑問を解消したり、相性がわかったりとさまざまな判断材料が得られます。

このとき、工事の進め方の手順や自分が希望するリノベーションの実績などについて質問すると、見極めやすくなります。工事期間やアフターサポートなどについても確認しておきましょう。相談するときは、具体的な予算や希望する間取りなどについての情報も伝えておくと、より有益な提案をもらえます。

リノベーション費用のローンを組むことを検討している場合は、リフォームローンのサポートがあるかも確認しましょう。ローンの借入先を自分で探す必要がある場合は、その準備を同時進行で進める必要があります。物件探しのサポートの有無も事前に確認しておきたいポイントです。設計施工のみ対応していて、物件探しのサポートを行なっていない業者もあります。

リノベーションの工事費は少額ではないため、安心して依頼できる業者の見極めは大切なポイントです。経験者の体験談を聞いたり、相談会に行くなどして、疑問を解消し納得した上で判断しましょう。




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