中古住宅を購入してリノベーションするメリットとは?
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理想の住まいを手に入れるベストな方法は、新築注文住宅の購入だけとは限りません。中古住宅を買って自分好みにリノベーションするという選択肢も広がりつつあります。今回の記事では、「中古住宅の購入+リノベーション」を選択するメリットや費用感、注意点などについてご紹介します。家を購入する際に、候補のひとつとして検討してみてください。
※最下部にある「費用情報に関するご注意事項」をお読みください。
「中古住宅のリノベーション」にはこんなメリットがある
まずは中古物件を選ぶメリットを見ていきましょう。
中古物件購入のメリット
中古物件を購入するメリットは以下の3つです。
1.新築よりも価格が安い
面積、立地などが同条件の物件であれば、新築と比べて中古の方が3~4割程度価格が安いと言われています。
国土交通省「令和元年度 住宅市場動向調査報告書(2019)」によると、住宅の購入資金の平均は以下のとおりです。
- 注文住宅(土地も購入) 4,615万円
- 分譲戸建て住宅 3,851万円
- 中古戸建て住宅 2,585万円
木造の戸建ては、購入してから20年で市場価値はほぼ底値まで下落。マンションも25年で半値まで下がるとされ、新築物件よりも安く購入できる可能性が高いと言えます。
中古物件を購入してリノベーションする場合、工事内容によっては総額が新築と同程度になることもあります。いずれにしても、リノベーションで理想の住まいにつくりかえる際、物件の安さはメリットとなります。
2.エリアや立地条件の選択肢が多い
利便性の高いエリアや人気エリアにはすでに建物が建っており、戸建てを新築できる土地を探すのは容易ではありません。「やっと土地を見つけたけれど予算が合わない」というケースも多くあります。一方、中古の場合は、すでに建っている物件が売りに出される可能性があるため、物件選びの選択肢が増えます。
マンションの場合さらに顕著で、2018年度の中古マンションの新規登録件数は新築マンションの5倍以上。中古マンションの流通量の方が圧倒的に多いため、環境や立地を優先した物件探しがしやすいと言えます。
出典:全国宅地建物取引業協会連合会「不動産市場動向データ集(2020)」
3.将来売却する際の損失が少ない
戸建て住宅は新築から10年で資産価値が半分ほどになり、その後の下落率は緩やかになります。そのため、築10年以上の中古物件を購入すると、購入価格と将来の売却価格との差額が小さくなり、売却損失も抑えられることになります。
新築マンションは、「鍵を開けた瞬間に資産価値が20%下がる」とも言われ、一般的に20年程で購入時の40~50%ほど下落するケースが多いとされています。
中古物件をリノベーションするメリット
中古物件をリノベーションするメリットは以下の3つです。
1.新築の建築費に比べ費用が安い
中古物件のリノベーションは、建物の基礎や構造などを残し、活かせる部分は活用する設計ができます。そのため、新築と比べ少ない費用で理想の家づくりがしやすくなります。重視する部分に予算をかけ、こだわりがない部分は既存利用するなど、メリハリをつけたプラン設計が可能です。
2.自分の好みの間取りや内装にできる
リノベーションの範囲は、部屋の一部の解体や住宅設備の交換だけではありません。内装や設備を一度すべて解体し、ゼロから好みの住まいをつくり上げる「フルリノベーション」という方法もあります。
<フルリノベーションの一例>
- 床材や壁紙などをすべて好みのデザインに変更する
- 間取りを含め内装を一新する
- 構造を補強して耐震性を高める
- 断熱材や断熱窓ガラスで断熱性能をアップさせる
3.売却の際に価値がつくことも
住宅の資産価値は、時間が経過するとともに下落するのが一般的です。しかし、フルリノベーションで新しく生まれ変わった中古物件は、同様の築年数が経過した既存内装の物件よりも高い価格で売れるケースも。
内装や設備の新しさ、耐震性・断熱性の高さなどが住宅購入検討者のニーズと合った場合、高く売却できる可能性が高まります。
「中古物件を買ってリノベーション」は安い?高い?
株式会社リクルート住まいカンパニーが2018年に行った調査によると、中古物件を買ってリノベーションした人の「物件購入費用」は平均3,156.3万円。「リノベーション費用」は平均628.1万円でした。ただし、部分リノベーションも含めた結果のため、幅があります。
リノベーション費用の相場は首都圏の場合、1平米あたり10~20万円程度と言われています。仮に50平米の住宅でリノベーションする場合、費用は500~1,000万円。面積に比例して費用にも幅がでることになります。これを、物件費用平均の3,156.3万円に加算したとすると、約3,656~4,156万円となります。リノベーション内容によっては合計費用が新築と大幅に変わらないケースも。リノベーションだからといって必ずしも安くなるとは限りませんが、費用のかけ方にメリハリをつけるなどして、お得に理想の住まいを実現する方法はあります。
出典:株式会社リクルート住まいカンパニー「2017年大型リフォーム実施者調(2018)」
エリアや広さなど希望する暮らし方によって予算は100万円単位で変わるため、理想とする条件に合わせた資金計画が重要になってきます。まずは気になる業者に、ご自身の条件に合わせた概算見積や資金計画の相談をしてみてください。
よくある3つの資金計画
物件購入費やリノベーション工事費について、住宅ローンを利用する場合の資金計画は、下記の3パターンが多いと言われています。
- 物件購入費は住宅ローンを利用し、リノベーション費用は自己資金(または親族からの贈与など)
- 物件購入費は住宅ローン、リノベーション費用はリフォーム(リノベーション)ローンを利用
- 物件購入費とリノベーション費用をまとめて住宅ローンを利用
一般的に住宅ローンは住宅購入費にのみ対応するものですが、金融機関によってはリノベーション費用も含めて契約できる商品があります。しかし商品数は少なく、契約時点でリノベーション費用が確定している必要があるため、利用するハードルが高いと感じる場合も。その場合、物件の購入費用は住宅ローン、リノベーション費用はリフォームローンと別々のローンを利用する方法もあります。
ただし、2種類のローン契約を同時に進めることになるため手間は増えてしまいます。リフォームローンは無担保のもの、審査期間が短いものが多くあります。一方で、住宅ローンと比べると借入上限額が低い、返済期間が短い、金利が高いといった特徴があるので注意が必要です。
また、リノベーション費用は、工事開始後に追加工事が必要になるなど内容が変動する可能性もあります。可能な方は自己資金を利用することで、柔軟かつスムーズに進められます。
補助金を上手に使おう
一定の条件を満たすリノベーション・リフォームに対して、国や自治体が補助金制度を実施しています。たとえば、国が実施している「令和2年度長期優良住宅化リフォーム推進事業」があります。住宅の長寿命化や省エネ化などの性能向上や、子育てしやすい環境、複数世帯が同居しやすい環境整備などを対象としています。壁や窓の断熱性アップ、耐震性向上、バリアフリー改修などに、工事費の1/3を上限として最大300万円の補助金が給付されます。給付額や限度額は世帯の種類やリノベーション内容により異なります。
このほかにも、リノベーションに対して独自の補助金制度を打ち出している自治体もあります。お住まいの自治体の制度を調べてみましょう。
中古住宅を買ってリノベーションする際の注意点
中古を買ってリノベーションすることを検討される方に、後で後悔しないためのリノベーションならではの注意点をお伝えします。
工事期間がかかる
内容にもよりますが、全面的なリノベーションは打ち合わせから引き渡しでまで一般的に4~5か月ほどかかります。1年前後の期間が必要となる注文住宅と比べると約半分ですが、分譲住宅の購入に比べ時間がかかることを想定しておく必要があります。
物件探しから工事までひとつの窓口で相談できるワンストップリノベーションの会社などでは、打合せから引き渡しまでが3〜4か月程度になる場合もあります。気になる方は相談してみてください。
希望のリノベーションができない場合がある
もともとの構造や工法、物件が建っているエリアなどによって、希望のリノベーションができない場合があります。たとえば、建物を壁で支える「ツーバイフォー工法」や「壁式構造」による建物。建物を支える役目を持つ構造壁(耐力壁)が室内にもあり、これは撤去できません。構造壁に影響があるような大規模な間取りの変更は難しいでしょう。また、エリアによって建物の大きさや高さに決まりがあり、さらに土地ごとに敷地面積に対する建築面積や容積比率も決まっています。これらに反するリノベーション工事はできません。
また、マンションでは一般的に共用部分はリノベーションができません。「配管に関わる部分はリノベーションができない」など、マンション独自の規則があることも。購入予定の物件で希望のリノベーションが可能かどうか、事前に確認することをおすすめします。
建物の状態によっては工事費が高くなる
建物の枠組みや基礎の状態は、スケルトン(内装や設備をすべて解体して柱や梁などの構造体をさらした状態)にしなければわからない場合があります。解体して初めて構造部分や基礎の修繕が必要なことが判明すると、想定よりリノベーション費用が膨らむことがあるため注意が必要です。
まとめ
理想の住まいを実現するには、新築だけでなく中古住宅を買って自分好みにリノベーションするという方法もあります。価格や立地の選択肢の多さは中古物件ならではのメリット。リノベーションを前提にすると、さらに選択肢を増やすことができます。
ただし、建物の条件や状態によっては希望のリノベーションができないこともあるので注意しましょう。費用は内容によりかなり幅があります。工事費も含めてリサーチし、計画していくことが大切です。
費用情報に関するご注意事項
リノベる。JOURNALは、一般的な内容をご紹介するメディアです。
リノベる株式会社の費用とは異なりますのでご注意ください。
尚、記事内の費用相場は、小規模な工務店や職人による施工費用も含んでいます。
会社や工事の規模やサービス内容により費用は大きく異なりますので、ご了承下さい。
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