近年では、住まいに関する様々な条件の選択肢が広がることから、中古住宅やマンションを購入してリノベーションする事例が増えてきました。 実際にリノベーションを行う場合、物件購入費とリノベーション工事費を合わせると、多額の費用が必要になるため、どのローンを選ぶのが最適か検討している方も多いのではないでしょうか。
この記事では「リフォームローン」と「住宅ローン」の特徴や利用パターン、申請可能な補助金、助成金制度などを分かりやすく解説。自分に合ったローンを見つけたい方に向けて、役立つ情報をお届けします。
目次
リノベーションに使えるローンの種類は?
リノベーションには主に「リフォームローン」と「住宅ローン」が利用できます。それぞれの特徴や注意すべきポイントについて、くわしく見ていきましょう。

リフォームローンとは
リフォームローンとは、住宅のリフォーム費用に利用できるローンです。一般的な住宅のリフォームとは「浴室・トイレ・キッチンなどの設備や機器の交換」「住宅の増改築」「住宅の修繕」などを指します。なお、リフォームローンで借りた資金は住宅の購入資金には使えません。
リフォームローンの最大の魅力は、多くの場合、無担保で利用できることです。そのため住宅ローンと比較すると手続き の手順は少なく、スピーディーな資金調達が可能です。一方で、金利は住宅ローンより高い傾向があり、借入可能額にも上限があるため、大規模な工事には向いていない場合があります。
また、返済期間は最長でも15年程度と短めなことが多く、毎月の返済負担がやや大きくなりがちです。ただし、小規模なリフォーム・リノベーションや緊急の修繕が必要なときには、手続きの手軽さから役立つケースが少なくありません。
住宅ローンとは
住宅ローンは、自宅として戸建て住宅やマンションを購入するときに利用できるローンです。原則として、契約者本人や親族が住む住宅の取得資金に利用するもので、自宅のリフォームや借り換えのときにも活用できます。ただし、賃貸目的の物件や店舗などの購入には利用できません。最近では物件の購入費用とリフォーム費用を一括で借りられる住宅ローンも増えており、選択肢が広がっています。
住宅ローンの大きな強みは、金利が低く、 長期返済が可能なことです。ただし、借入金額が大きい分、金融機関の審査は厳しくなる傾向があり、通常は担保として物件に抵当権を設定する必要があります。書類の準備や手続きに時間がかかることも多く、勤務年数・年収や返済負担率なども審査基準に含まれるため、事前にしっかりとした資金計画を立てましょう。
金利タイプには変動型、固定型、固定期間選択型などがあるので、将来的なリスクを考慮した上で選択をすることが理想です。また、住宅ローン控除などの税制優遇 を活用すれば、実質的な返済負担を抑えられます。
リノベーションで住宅ローンを利用する場合の事例をご紹介
リノベーションで住宅ローンを活用する際の具体的なケースを見ていきましょう。事例を参考にすることで、ご自身の状況に合わせた資金計画が立てやすくなります。

中古住宅・中古マンション購入+リノベーション
中古の一戸建てやマンションを購入してリノベーションを行う場合、物件購入費と工事費をまとめて借りられる住宅ローン(リノベーション一体型)が向いています。金利が低く返済期間も長いため、月々の支払いを抑えられるのが大きな利点です。
中古物件は新築に比べて価格が抑えられるため、その分をリノベーション費用に充てることで、自分好みの間取りや設備を整えた理想の住まいを実現できます。一体型ローンを利用すれば、資金を一本化でき、総支払額の管理もしやすくなります。
ただし、物件の担保価値や築年数によっては、融資額や審査条件に影響が出る場合もあります。購入前に金融機関や不動産会社、施工会社に相談し、見積もりやプランをしっかり準備しておきましょう。
持ち家があり、ローンが残っている場合
すでに持ち家があり、住宅ローンを返済中の方がリノベーションを検討するケースも少なくありません。追加で融資を受ける際には、融資上限や残債との関係、審査基準などをチェックしておきましょう。
金利が高いリフォームローンで工事費用をまかなうよりも、既存の住宅ローンを借り換えて、リノベーション費用も含めて低金利の住宅ローンに一本化する方が、返済負担を軽減できる場合があります。ただし、借り換えには諸費用や抵当権の設定手続きなどのコストが発生するため、トータルでメリットがあるかどうかを確認しましょう。
なお、リノベーションの内容(耐震性や省エネ性の向上)によって物件の資産価値が向上する可能性もあります。将来的に売却や資産活用を考えている方は、早めに金融機関やファイナンシャルプランナーに相談し、最適な融資計画を検討することをおすすめします。
持ち家のローンを完済している場合
すでに持ち家の住宅ローンを完済している場合、物件を担保にして融資を受けやすいという利点があります。担保価値が高いほど金利や審査で有利になる可能性があります。
特に大規模なリノベーションを検討している方は、手持ち資金だけでは足りないケースも多いため、有担保ローンを活用することで資金不足を補えます。ただし、借りすぎに気をつけて、無理のない返済計画を立てることが大切です。
融資を受ける際には、リフォームローンや住宅ローンなど複数の選択肢を比較検討しましょう。ご自身のライフプランやリノベーションの目的に合わせて適切なローンを選ぶことで、費用対効果を高めることができます。
リフォームローンと住宅ローン、どちらがおすすめ?
物件購入とリノベーションを同時に行うなら、低金利で長期返済が可能な住宅ローン(リノベーション一体型)がおすすめです。毎月の返済負担を抑えられるため、家計に合った返済計画が立てやすくなります。
一方、すでに住んでいる物件の小規模なリフォームや緊急の修繕には、手続きが簡単で審査が速いリフォームローンが適しています。ただし、金利は高めで返済期間も短いため、大規模工事には向きません。
どちらを選ぶかは、工事の規模や資金計画によって異なります。金利や返済期間、審査の難易度などを比較し、ライフプランに合ったローンを選びましょう。

リフォームローンからの借り換えは可能か?
リフォームローンから住宅ローンへの借り換えは可能です。住宅ローンの方が金利が低く、返済期間も長く設定できるため、毎月の返済負担を抑えることができます。
ただし、借り換えには新たな審査や手続き、抵当権の設定費用などの諸費用がかかります。これらのコストを考慮すると、期待したほどの軽減につながらない場合もあるため、現在の返済総額と借り換え後の返済総額を比較し、トータルで得になるかどうかを見極めることが肝心です。
なお、リノベーションによって住宅の資産価値が向上している場合、担保評価が上がり、借り換えに有利に働く可能性もあります。借り換えを検討する際は、リノベーション内容や現在のローン条件を十分に確認しましょう。
リノベーションに関する補助金や住宅ローン控除などについて

一定の要件を満たしたリノベーションを行った場合、所得税や固定資産税の減税措置が受けられる可能性があります。住宅ローン控除も含め、活用できる制度を事前に調べておきましょう。
住宅ローン控除の制度を活用すれば、一定期間にわたり年末の住宅ローン残高に応じて所得税が控除されます。リノベーション費用を組み込んだ住宅ローンでも、要件を満たせば控除の対象となる可能性があります。
その他にも、省エネ改修に対する補助金や先進的窓リノベ事業など、国や自治体による支援策があります。 リノベーションの規模が大きくなるほど費用負担が増えるため、こうした制度を活用して総費用を抑えることも検討しましょう。
国土交通省「住宅リフォームの支援制度」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_fr4_000087.html
まとめ
リノベーションを行う際は、工事の規模や資金計画に合わせて適切なローンを選びましょう。物件購入と同時にリノベーションを行うなら低金利の住宅ローン、小規模な工事なら手続きが簡単なリフォームローンが適しています。
また、住宅ローン控除や特定リフォーム減税、補助金制度など、活用できる支援策も多くあります。事前に金融機関やファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談し、総費用を抑えながら理想の住まいを実現しましょう。
筆者
リノベる。JOURNAL編集部
物件探しからアフターサービスまで、リノベーションに関わることを一社完結のワンストップで手掛ける「リノベる。」
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始めてのマイホームで中古物件を購入される方や、リノベーションを検討される方も少しずつ増えていますが、多くの方にとって「中古マンションの購入」「リノベーション」は、まだ身近なものとは言えないのが事実だと思います。このリノベる。JOURNALを通して、一人でも多くの方に「中古マンションのリノベーション」という選択肢について知っていただけると嬉しいです。
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