ユニットバスとは?誤解されがちな意味とサイズ・レイアウトの選び方

「ユニットバスじゃなくて、バス・トイレ別がいいんだよね〜」。物件探しでそんな言葉を口にしたことがある方も多いのでは? ユニットバスというと、シングル向けの賃貸やビジネスホテルで見かける「トイレ・バス・洗面」が一体になったものを連想されるかもしれませんが、実はこれ「3点ユニットバス」というユニットバスの一種に過ぎないんです。
マンションや戸建の建築でもよく「ユニットバス」という言葉が飛び交いますが、そもそもユニットバスとは何なのか? その定義について解説します。
目次
「ユニットバス」とは?スピーディなユニット工法の浴室
「在来工法」と呼ばれる従来型の浴室の施工方法は、床や壁にタイルを一枚ずつ貼る工法でとても時間がかかるものでした。そこで誕生したのが、あらかじめ防水性の高い素材で浴槽・天井・床・壁などをユニット化しておいて、現地に運んで組み立てる工法。そもそも「ユニットバス」とは、こうしたユニット工法でスピーディに組み立てられたバスルームを言います。「システムキッチン」と同様に、基本機能にプラスしてセレクトしたオプション機能を搭載できることから「システムバス」とも呼ばれています。
ユニット式の工法は、もともとは東京オリンピックの際に超スピード工期で高層ホテルを建築する必要があり、そのために研究を重ねて採用されたものでした。この浴室がトイレ・洗面と一体になった「3点ユニット」だったことで、いわゆる「ユニットバス」と呼ばれるようになったようです。
実際ユニットバスには、よくイメージされる「3点ユニットバス」もあれば、バスと洗面が一緒になった「2点ユニットバス」もあります。(独立洗面台がある物件に、ユニットバスと表記されているケースがあるのもこのため)
ユニットバスのレイアウト種類とサイズ、選び方
ユニットバスの種類
一般的に「ユニットバス」というと、3点ユニットをイメージされる方が多いと思いますが、実際にはユニット式の工法でつくられるユニットバスは、大きく3種類つの種類があります。「1点ユニットバス」「2点ユニットバス」、そして「3点ユニットバス」です。
1点ユニットバス:浴室のみ
浴槽と洗い場で構成されているものです。ファミリー向けの住宅ではこのタイプが設置されていることがほとんどだと思います。
2点ユニットバス:浴室と洗面
浴槽と洗面台がひとつの空間にまとめられているもので、賃貸住宅などでもよく見られるタイプです。
3点ユニットバス:浴室と洗面とトイレ
浴槽、洗面台、トイレがひとつの空間に組み込まれたタイプです。賃貸住宅のほか、ビジネスホテルなどでも多く採用されています。
ユニットバスのサイズ
ユニットバスのサイズは「1216」や「1616」など、浴室内側の寸法(内法寸法)を表す数字で表記されます。
▼一般的なユニットバスの規格サイズ
サイズ | 坪 | 内法寸法(短辺/長辺) |
1216 | 0.75坪 | 1200mm×1600mm |
1317 | 0.75坪 | 1300mm×1700mm |
1416 | 0.75坪 | 1400mm×1600mm |
1418 | 0.75坪 | 1400mm×1800mm |
1616 | 1坪 | 1600mm×1600mm |
1717 | 1坪 | 1700mm×1700mm |
1618 | 1.25坪 | 1600mm×1800mm |
1620 | 1.25坪 | 1600mm×2000mm |
1624 | 1.5坪 | 1600mm×2400mm |
住宅向けユニットバスのサイズは規格化されていますが、奥行き・幅ともに豊富なパターンから最適なサイズを選ぶことができます。「足を伸ばして入浴したい」「横幅がゆったりとした浴槽がいい」など、ご希望と予算などに応じてセレクトすることが可能です。
ユニットバスのサイズやレイアウトを決める際は、メーカーのショールームに足を運んで大きさを体感してみるのがおすすめ。実際に浴槽に入って足を伸ばしてみたり、普段の洗い場での動きを再現してみてください。浴槽やシャワーを設置する面など、具体的にイメージしてみることで、自分に合ったユニットバスを選びやすくなります。
ユニットバスのメリット・デメリット
現代のユニット式工法のシステムバスは、高機能でフレキシブルに選択できるオプションも豊富にあります。ここからは、ユニットバスのメリット・デメリットをご紹介していきます。
ユニットバスのメリット
掃除しやすい
浴室に適した材質でつくられたパーツが一体化されているため、日々の手入れがしやすいメリットがあります。各メーカーがカビや汚れのつきにくいパーツの開発にも力を入れているため選択肢も豊富です。
工事期間が短い
工場でつくったパーツを現場に運んできて、現場ではおもに組み立て作業を行うため、短い期間で工事が完了します。
断熱性に優れている
浴室の熱が外に逃げにくい構造のため、冬でも浴室内を温かく保てます。
水漏れのリスクが少ない
床部分の防水パンがつなぎ目のない形になっており、在来工法の浴室に比べ防水性が高い特徴があります。階下への漏水のリスクが軽減されます。
ユニットバスのデメリット
通気性が悪い
断熱性に優れる一方、通気性が悪く湿気がこもりやすいデメリットがあります。カビの発生を防ぐため、24時間換気システムを使用するなどして浴室内の換気をこころがけましょう。
設置できないケースがある
設置希望箇所のの形状によっては設置できないことがあります。天井の傾斜や柱の位置などで複雑な形をしている場合などは特に注意が必要です。
対応していないパーツや設備がある
ユニットバスは基本的に規格品であるため、後々手すりの取り付けが必要になった場合などに対応しないパーツがあります。メーカーごとの規格やシリーズによっても仕様が異なるため、設計・施工を行う会社に事前に相談できると安心です。
ユニットバスの定義や種類、サイズ、メリット・デメリットをご紹介してきました。「ユニットバスじゃなくて、バス・トイレ別がいいんだよね〜」といった表現の間違いにも気づけたと思います。
最近は、断熱構造で帰宅が遅くなってもお湯が温かいままの浴槽や、水はけがよく衝撃にも強い床などうれしい機能も満載です。リノベーションをする際は、ぜひ豊富なユニットバスのラインナップをチェックしてみてください。
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【記事監修】リノベる。設計担当安江浩(やすえひろし) 大学卒業後、設計事務所で戸建住宅の設計等を担当。様々な建築家とコラボレーションを経験後、オフィス什器メーカーにてオフィス設計に従事。 |
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