外断熱と内断熱の違いとは?それぞれの効果とメリット・デメリットを解説

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物件の管理状態

住宅の断熱の方法には外断熱と内断熱があります。どんな違いがあるのか疑問に思っている方もいらっしゃるかもしれません。今回の記事では、外断熱と内断熱の違いやメリットやデメリットなどを解説します。

外断熱とは?

外断熱とはどのようなものなのか、基本的な特徴を見ていきましょう。

柱と壁の間に断熱材を入れる

外断熱は文字通り、建物の外側で熱の出入りを断ち切るのが特徴です。断熱材を入れる箇所は柱と壁の間の部分で、建物全体を包むようなイメージになります。

2種類の工法

外断熱は湿式工法と乾式工法のいずれかで施工されます。湿式工法は、透湿性がある軽い素材を断熱材として用い、外壁のコンクリートに密着させるのが特徴です。コンクリートに密着させる断熱材には、軽量かつ透湿性のある素材が用いられるため建物全体が軽くなります。

乾式工法は、支持金具を使用して外装材を固定する手法です。外壁と断熱材の間に、水蒸気の通り道も設置されます。これは水蒸気が断熱材に直接触れないようにするためのものです。

使用する断熱材

外断熱では使用する断熱材が限られている点も特徴です。繊維系断熱材か発泡プラスチック系断熱材のいずれかが使われます。

繊維系断熱材

繊維系断熱材というのは、主にグラスウールやセルロースファイバー、ロックウールなどです。グラスウールはガラスを細い繊維状に加工したもので、ロックウールは玄武岩や高炉スラグなどを主原料としています。セルロースファイバーは、パルプや古紙が主原料です。

発泡プラスチック系断熱材

発泡プラスチック系断熱材は、ウレタンフォームやポリエチレンフォーム、ポリスチレンフォーム、フェノールフォームなどがあります。ウレタンフォームは、クッションやスポンジなどに使われている素材です。ポリエチレンフォームは湿気に強い特徴を持ちます。ポリスチレンフォームは樹脂や発泡剤、難燃剤などから作られている素材です。フェノールフォームはフェノール樹脂を主原料として、発泡剤や硬化剤などを混ぜて作られています。

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外断熱と内断熱との違いとは?

外断熱と内断熱ではどのような点が違うのか見ていきましょう。

断熱材を入れる箇所

外断熱と内断熱の分かりやすい違いは、断熱材を入れる箇所です。内断熱は柱と柱に挟まれている部分に断熱材を設置します。建物の内側に断熱層をつくるのが、外断熱との相違点です。

気密性

外断熱では建物全体を断熱材で覆いますが、内断熱は部分的に覆うため、気密性に違いが出てきます。内断熱の場合、柱などがあるため断熱材を設置できない箇所が出てきます。そのため外断熱と比べて外気が入りやすくなります。

使用できる断熱材

外断熱は使用できる断熱材が限られますが、内断熱は種類が多く安価なものや断熱効果が高いものが揃い、使用範囲が広がります。

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外断熱のメリット・デメリット

外断熱を選ぶにあたってどんなメリットとデメリットがあるのか見ていきましょう。

メリット

建物全体を断熱材で覆う外断熱は気密性が高いため、結露が発生しにくい点がメリットです。結露が発生しにくいことで、カビの発生も抑えられます。金属製の建具も錆びにくく、住宅全体の寿命も長くなるでしょう。加えて、外気で室内が冷やされにくいのも外断熱の大きなメリットです。断熱材の効果で冷やされにくいことから冬でも室内は比較的暖かく、暖房は控えめでも快適に過ごせるでしょう。内断熱の建物と比べて、年間の冷暖房費も安く済みます。

デメリット

外断熱は施工費がおおむね100万円以上と、高額になりがちな点がデメリットです。はっきりと確立された汎用工法がないために施工できる業者が少なく、あまり主流な断熱方法ではありません。そのため、業者選びの選択肢も狭まってしまうでしょう。建物のデザインの面でもデメリットがあります。外壁が厚くなるため、デザインにこだわった住宅にはあまり向きません。

また、敷地や間取りに断熱材を設置するスペースを持たせる必要があり、都市部の住宅街に多い狭小住宅にもあまり向かないでしょう。木造住宅で発泡プラスチック系の断熱材を使用する場合、火災のリスクが高くなることにも注意が必要です。発泡プラスチック系の素材は、数百度程度の低温でも発火してしまう可能性があります。

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内断熱のメリット・デメリット

内断熱の場合にはどんなメリットとデメリットがあるのか見ていきましょう。

メリット

内断熱は施工費用が比較的安く済むのがメリットです。一般的な断熱方法であるため、住宅の建設やリフォーム、リノベーションなどを行なっている業者ならほぼ対応しています。また、外壁の厚みにも影響しないため、デザイン性にこだわった住宅や、狭小住宅などにも向いているでしょう。

デメリット

内断熱は空気が出入りしやすく、建物の内側と外側で温度差が出てきます。その影響で結露も発生しやすく、特に鉄筋コンクリート造の住宅ではその傾向が強くなります。

また、内側で熱が遮断されるため冷暖房が効き始めるまでの時間は短いですが、断熱材のない隙間があるため、熱損失が生じてしまいます。冷暖房で適度な温度を保つ際の消費電力は大きくなるでしょう。

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家の造りで外断熱の効果は異なる

木造と鉄筋コンクリート造の場合について、外断熱の効果の違いを見ていきましょう。

木造の場合

木造の建物は鉄筋コンクリート造の建物と比べると、熱容量はあまり大きくありません。建物自体は外気によって冷やされにくいことから、外断熱の効果は実感しにくいでしょう。そのため、木造の建物には外断熱よりも内断熱のほうが適しているといえます。

鉄筋コンクリート造の場合

鉄筋コンクリート造の建物は、熱容量が大きい点が特徴です。構造躯体自体が蓄熱層になるため、外側に断熱材を設置することで効率よく熱を遮断できます。そのため、鉄筋コンクリート造は外断熱と相性が良いといえるでしょう。外断熱は北ヨーロッパなど、気温が低く、鉄筋コンクリート造の建物が多い地域で主流の断熱方法です。

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外断熱に必要な費用

住宅を外断熱にリフォームする際にかかる費用について見ていきましょう。

工事費用

外断熱へリフォームする工事は、既存の外壁の上から工事する方法と、既存の外壁を剥がして工事する方法があります。

既存の外壁の上から工事する場合

既存の外壁の上から断熱材を貼って、新しい外壁材を施工します。住宅の規模によって費用は異なりますが、かかる材料費は一般的に100万円程度です。施工の際には足場が必要になります。広めの住宅では、100万円以上の費用がかかるケースも。逆に平屋などの場合には、安く済むことがあります。

既存の外壁を剥がして工事する場合

既存の外壁を撤去したうえで、断熱効果のある新しい外壁を施工します。材料費や施工費だけでなく、既存の外壁の撤去費用もかかるため、費用相場はやや高額です。撤去費用の相場は足場費用を含めて、150万~290万円程度が一般的です。新しい外壁の材料費と施工費は、50万~90万円程度。合計で200万~380万円程度の費用を見込んでおくといいでしょう。既存の外壁が経年劣化している場合には、こちらの方法が適しています。

ランニングコストを加味すると外断熱がお得!?

外断熱の戸建て住宅で1年間にかかる冷暖房費は、約9万5千円と言われています。これに対して、内断熱の住宅で1年間にかかる冷暖房費は約22万円。外断熱にリフォームすると工事費用がかかりますが、ランニングコストは毎年約12万5千円安くなります。そのため、長い目で見ると内断熱よりも外断熱のほうが経済的なメリットが見込めるケースも多くあります。工事費用に200万円かかったと仮定して、その後16年以上住むとトータルのコストが安くなる計算になります。300万円と仮定しても24年で元が取れることになります。

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まとめ

外断熱と内断熱の違い、それぞれの効果、メリット・デメリットなどをご紹介しました。外断熱の方が、断熱効果やランニングコストを加味すると長期的にはお得と言えるかもしれません。壁の断熱リフォームを考えている方は、建物のつくりや予算を加味してご自宅に適した断熱方法を検討してみてください。

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