窓の断熱方法・アイデア実例2選!費用相場や断熱材の選び方も紹介

窓の断熱方法・アイデア実例2選!費用相場や断熱材の選び方も紹介
リノベーション基礎知識

寒い季節はお部屋のすみずみまで暖かくして過ごしたいものです。窓にもしっかりと断熱対策をしないと、窓周辺が冷えるだけでなく、結露が発生するなどトラブルの原因にもなります。そこで本記事では窓の断熱方法について、くわしく解説します。

※最下部にある「費用情報に関するご注意事項」をお読みください。

 

目次

窓の断熱性ってどのくらい重要なの?

冬の寒い日に、窓からの冷気を感じたことのある人は多いのではないでしょうか。窓際にいると、夏は暑く冬は寒いと感じやすいのは、熱の出入りに窓が大きく関わっていることが原因です。

私たちは快適な温度で過ごし健康を守る意味でも、冷房や暖房を使って室温を調節します。しかし、建物の断熱性・気密性が低いと、外気に熱が逃げたり入ってきたりして、快適な室温が保ちにくくなります。

換気は別として、熱の出入りに関わるのが屋根や床、壁、窓です。特に窓は、夏の外気の熱を入れ、冬の室内の熱を出してしまう割合が大きいとされています。たとえば、冬の室内で暖められた熱が、外に逃げる割合を見たとき、換気や外壁から逃げる熱がそれぞれ15%なのに対し、窓から逃げる熱は58%。これは屋根や床よりも断然高く、断熱性能を高めるのであれば窓が一番効果を得やすいということでもあります。

言い換えれば、窓の断熱性が低いままだと、せっかくつけた冷暖房の効きが悪くなります。そのほかには、結露が発生しやすくカビの原因につながったり、ヒートショックのリスクが高まったりするなどの心配も出てきます。

窓の断熱方法とは?

窓の断熱方法には業者に依頼するものからDIYでできるものまで、さまざまな方法があります。

断熱ガラスに交換する

断熱ガラスには普通のガラスを2枚重ねたペアグラス、ガラスを3枚重ねたトリプルガラス。そのほか、遮熱効果の高い「Low-E膜」をコーティングしたものがあります。ガラスとガラスの間にガスを注入することで、断熱効果はさらに高まります。断熱ガラスへの交換は専門業者に依頼しましょう。

窓サッシを交換する

アルミ製の窓サッシは断熱性が低く、断熱ガラスを使用しても断熱効果は高まりません。窓サッシを熱が伝わりにくい木製や樹脂製のものに交換すると、断熱性は高まります。窓サッシの交換も専門業者に依頼することをおすすめします。

二重窓(内窓)にする

二重窓は今ある窓の内側に、もうひとつ窓枠を設置することです。内窓、二重サッシ、インナーサッシとも呼ばれています。窓の断熱性を高められるだけでなく、防音や防犯、結露対策にもなります。二重窓(内窓)の設置も、専門業者に依頼することをおすすめします。

窓用断熱シートを貼る

窓用断熱シートは、窓に貼るだけで断熱性を高められるシートです。気泡緩衝材タイプのものや花柄、ステンドグラスなどのデザインが施されたものまで、さまざまなタイプがあるので、お好みで選んでください。水やシールで貼ることができ、取り付けも簡単。ホームセンターやインターネットで手軽に購入できます。

窓の断熱 イメージ画像

プラスチックダンボールを貼る

プラスチックダンボールを窓に貼ると、断熱効果が高まります。ホームセンターやインターネットで購入できるので、DIYで簡単に断熱対策が可能です。

断熱性の高いカーテンにする

カーテンを断熱性の高いものにすることでも、お部屋の断熱効果は高まります。その際、カーテンと床の間に隙間をつくらないことが大切です。なお、断熱カーテンだけでは結露ができることがあります。結露対策として、窓ガラスとカーテンの間に結露防止シートなどを吊るすと効果的です。

隙間テープを貼る

窓枠とサッシ枠との間は、熱の逃げ道となる場所です。ここに隙間テープを貼ると断熱効果が高まり、隙間風対策としても有効になります。隙間ができないようにしっかりと貼ることが重要です。

断熱ボードを置く

マンションはさまざまな規約があるため、自由に窓まわりの断熱対策ができないことがあります。こうした場合におすすめなのが、断熱ボードの設置です。窓の下側に立てかけるだけで、室内に冷たい空気が入るのを防ぎます。断熱カーテンなど、ほかの断熱対策と同時に行うとより効果的です。

窓の断熱 イメージ画像

窓の断熱性が低いままにするデメリット

窓の断熱性が低いと、寒い季節に窓の周辺が寒いほかにも、さまざまなデメリットがあります。窓の断熱性が低い場合のデメリットについても、しっかりと確認しておきましょう。

結露の原因になる

窓の断熱性が低いと結露ができます。結露を放置すると、窓枠やカーテンなどにカビが発生し、木材の中まで浸食するなどして住まいの劣化を早める原因になります。さらにはカビが空気中に舞い、気管支ぜん息やアレルギーなどの病気の原因となることもあります。

余計な暖房費がかかる

断熱対策がとられていない窓ガラスからは、室内の熱が常時逃げていきます。そのため、余計な暖房費がかかってしまいます。

健康を害することがある

近年、高齢者の事故による死亡件数は、交通事故死よりも家庭内での事故死のほうが多くなっています。特に気を付けたいのがヒートショックによる死亡事故です。急激な温度差は血管を傷つけるといわれています。冬の風呂場やトイレでの急激な温度差は、脳出血や脳梗塞などの原因になることも。居間や寝室だけでなく、風呂場や脱衣場、トイレの窓の断熱対策も大切です。

ガラスが割れることも

夏や冬は冷暖房を使用するため、室内と外の気温差が大きくなります。そのため窓ガラスに大きな負担がかかり、ヒビが入り割れてしまうことも。寒暖差による負担が窓ガラスに長年かかり続けると、割れやすくなるので要注意です。

窓の断熱 イメージ画像

窓の断熱をDIY&業者に依頼した際の費用相場

窓の断熱対策にはDIYで手軽にできる方法と、相応の費用はかかりますが業者に依頼する方法があります。ここからは、DIYと業者に依頼した際の費用相場について解説します。

DIYの費用相場

断熱シートやプラスチックダンボールなどを使用したDIYで、窓の断熱がとてもリーズナブルにできます。

断熱シート

断熱シートは気泡緩衝材のもの、スタイリッシュなデザインのもの、UVカット機能があるものなど、さまざまなものがあります。インターネットで、1,000円程度から4,000円程度で購入することができます。なお窓ガラスによっては、断熱シートを貼るとひび割れすることがあるので注意が必要です。

プラスチックダンボール

プラスチックダンボールは、大きさによって金額が異なります。

・(幅615mm × 長860mm×厚5mm):6,000円程度 ・(幅260mm ×長420mm×厚5mm):3,000円程度

半透明、白、黒などいくつかの色の選択肢があります。窓ガラスに隙間なく貼れるように、少し大きめのサイズのものを購入することをおすすめします。

断熱カーテン

断熱カーテンは数万円以上の高級品から、数千円程度の比較的安価なものまで価格に幅があります。値段はもちろん、サイズ、色、デザインなどを考慮して購入しましょう。

隙間テープ

隙間テープはインターネットでは数百円で購入することができ、高くても1,000円程度が相場です。百円ショップでも手軽に購入できます。

業者に依頼した際の費用相場

ガラスなどの交換を業者に依頼すると、材料費とともに工賃もかかり、業者によって費用に違いがあります。このため相見積もりを取るようにしましょう。ここからは、おおよその費用相場について解説します。

断熱ガラスへの交換にかかる費用

断熱ガラスへの交換費は取り付けるガラスの種類、大きさ、厚さなどによって金額に差が出てきます。また、工事の際は断熱ガラス代のほかに工事費がかかります。断熱ガラスの費用相場(工事費込み)は以下になります。

断熱ガラスの交換費用相場 3万円~7万円程度

窓サッシ交換の費用相場

窓サッシの交換工事は、ふたつの方法があります。既存のサッシの上に新しいサッシを取り付ける「カバー工法」と、既存のサッシを取り除き新しいサッシを取り付ける「はつり工法」です。それぞれの工法にかかる費用相場は以下になります。

・カバー工法費用相場(ガラス代込み):10万円~20万円程度 ・はつり工法費用相場(ガラス代込み):30万円~50万円程度

二重窓(内窓)の費用相場

二重窓(内窓)は、サッシの内側にもうひとつサッシを付けて、文字通り二重に窓を設置します。二重窓(内窓)の設置費用は、サイズや性能などによって変わってきます。

・二重窓(内窓)の相場費用6万円~25万円程度

窓の断熱 イメージ画像

窓用断熱材の選び方

断熱シートなど、DIYでできる窓用断熱材にはさまざまな商品があります。そのため、どれを購入すればいいのか、迷う方も多いのではないでしょうか。ここからは窓用断熱材の選び方について解説します。

断熱シート

窓用の断熱シートには「夏用」「冬用」「オールシーズン用」の3種類があります。それぞれに特徴があり季節ごとに使い分けをしたい方もいますが、こだわりがない方には、交換が不要な「オールシーズン用」が好まれるかもしれません。冬場に窓のまわりの寒さが特に気になる場合は、分厚い「冬用」断熱シートがおすすめです。なお、断熱シートは半年ごとに取り換えると効果的に断熱できます。設置する窓より少し大きめで、水などで貼りやすいものを選ぶとよいでしょう。

断熱ボード

断熱ボードには、プラスチック製や発泡スチロール製などの種類があり、素材により性能に違いがあります。硬い素材のものは断熱効果が高いため、寒暖差が激しいところにおすすめです。また、折り曲げて使用したい場合は、柔らかい素材のものが適しています。使用する場所によって使い分けるとよいでしょう。

隙間テープ

隙間テープはさまざまな素材のものがあり、幅と厚みも商品ごとに異なります。購入する前には必ず窓枠、レール幅を確認してから購入しましょう。スポンジタイプまたはモヘヤタイプを選ぶとよいでしょう。なお、窓ガラスに隙間テープを貼るときは、窓の開閉を邪魔しないように貼ることが大切です。また半年に一回交換することをおすすめします。

窓の断熱 イメージ画像

「熱貫流率(U値)」や「等級記号」は断熱性を見極めるポイント

断熱窓を購入する際には、「熱貫流率(U値)」と「等級記号」を参考にして購入することをおすすめします。

熱貫流率(U値)とは、そのガラスの熱の伝わりやすさを表した数値です。具体的に言うと、室内と室外の温度差が1℃のときに、1㎡のガラスが1時間にどのくらいの熱量を通り抜けるかを表しています。この値の数字は、小さければ小さいほど熱が伝わりにくいことを示しており、そのぶん断熱性能は高いことが分かります。

空気は、暖かいほうから冷たいほうへ流れていくという特徴があります。熱貫流率(U値)が低いほど、室内外の温度の差があっても熱が流れていきにくくなるため、断熱性を確保しやすいということです。

等級記号は、星4つまでで示される、断熱性の高さを表した記号です。星の数が多ければ多いほど、熱貫流率(U値)が低いことを示しています。つまり、星が多いほど、断熱性は高いということです。

断熱性に優れた窓サッシや窓ガラスを選ぶときの参考にしてみてください。

窓断熱の実施事例・アイデア2選

窓の断熱を、住まいのリノベーションの際に取り入れる方も増えています。ここからは、窓の断熱を効果的に行なったお住まいの事例をご紹介します。

実施事例①:断熱対策で築古でも暮らしやすさを実現

日当たりと眺望のいい築48年の中古マンションを購入されたご夫婦。3面採光を活かした開放感ある空間にリノベーションされました。北側やベッドまわりの壁には断熱材を入れ、防音断熱内窓を設置。暮らしやすさを追及した、ご夫婦の理想の住まいが実現しました。

窓の断熱 イメージ画像

▼このおうちの詳しい写真や間取りを見る 『ワンルームスタイルで、3方向からの光と風が注ぐ家』 https://www.renoveru.jp/renovation/303

実施事例②:古い窓サッシも木製二重窓で上品なデザインに

「新築よりも自分らしい住まいが実現する」と、リノベーションを選択されたご夫婦。築50年の中古マンションを、新婚旅行先であるバルセロナのホテルをイメージして、リノベーションされました。建物の古さを感じる窓サッシには木製二重窓の目隠しがされ、床材と相まって空間に木の温かみが加わりました。二重窓には断熱だけでなく遮音効果も。マンションの一室であることを感じさせない上品な空間になっています。

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▼このおうちの詳しい写真や間取りを見る 『思い出を日常に』 https://www.renoveru.jp/renovation/326

窓断熱についてのよくある質問

Q:どの窓から優先的に施工したらよい?

A:建物にある窓全部の施工が難しい場合、優先順位をつけて行いたいという方もいるでしょう。基本的に、どんな窓に施工しても効果は得られます。南側、東側、西側にあり太陽光にさらされやすい窓は効果を得やすいといえます。

Q:窓断熱のリフォームをしたときの費用の相場を教えて

A:これはあくまでも目安ですが、1か所あたりの窓のリフォームにかかる費用は窓の性能やサイズ、工法によって変わってきます。断熱ガラスへの交換は3万円〜7万円程度、二重窓(内窓)へのリフォームは6万円~25万円程度。窓サッシの交換を行う場合は工法により価格の差が生じやすく、10万円〜50万円が目安となります。

Q:窓の断熱をすると節約ができるって本当?

A:断熱性の高い窓にすると、エアコンや暖房器具などの空調にかかる費用を節約することが可能です。窓からの外気の流出入を防ぐことで、室外の気温から受ける影響が減り、冷暖房が無駄なく働いてくれるため、光熱費の削減が期待できます。

まとめ

窓の断熱対策は、お部屋の快適さや健康を守る上で重要であることが分かりました。対策の方法や効果もさまざまですので、目的やご予算に応じて最適な方法での窓断熱を検討してみてください。

費用情報に関するご注意事項
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尚、記事内の費用相場は、小規模な工務店や職人による施工費用も含んでいます。
会社や工事の規模やサービス内容により費用は大きく異なりますので、ご了承下さい。

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