中古住宅購入の際の失敗談・成功例を紹介!選び方の注意点も解説
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一般的に、中古住宅購入は新築を購入する場合と比較して費用が安くなります。一方で、中古住宅ならではの注意点もあります。この記事では、中古住宅購入の失敗談や成功例、中古住宅を選ぶ際の注意点をご紹介します。
目次
中古一戸建てが注目されている?
昨今、中古の一戸建て住宅への関心が高まっています。日本では少子高齢化や地方の人口減少などにより、空き家数が増加。「平成30年住宅・土地統計調査」(総務省統計局)では、平成30年の全国の空き家数は846万戸で総住戸数の13.6%を占めました。国土交通省は平成28年に策定した「住生活基本計画」で、空き家の活用を促進し、中古住宅市場を拡大する目標を掲げています。
また、近年は中古住宅に新たな価値を与えるリノベーションにも注目が集まっています。古民家が現代風の住宅に生まれ変わり若者から人気を得るなど、中古住宅に対する価値観も変わりつつあります。今後も、中古の一戸建てに対するニーズはますます高まると考えられます。
中古住宅購入の失敗談
中古住宅には、新築とは異なる購入の際の注意点があります。ここからは、中古住宅購入時の注意点とよくある失敗例を解説します。
リフォームが必要になる
中古住宅を購入した理由としてもっとも多いのが、新築に比べて価格が手頃なことがあげられます。しかし、中古住宅は築年数とともに設備や内装も経年劣化しているため、購入時や購入から数年後にリフォームが必要になることがあります。壁内部の腐食などにより、工事が大がかりになるケースも。想像以上に改修費用が高くつき、結果的に経済的なメリットが想定を下回ってしまうことも考えられます。
購入価格だけで判断してしまわないよう、注意が必要です。購入前に特にしっかり確認したいのは水回りです。見えない部分に腐食が進行していると、後で多額のリフォーム費用が生じることがあります。
近隣との関係性
中古住宅で失敗するケースとして、ご近所付き合いがあります。最近では、近所付き合いが希薄になっているといわれていますが、その方が居心地良く感じる方もいます。干渉されずに生活したい方の中には、予想以上に過度な付き合いを求められて、物件購入を失敗したと感じる方もいるようです。
冬の寒さ
築古の木造戸建て住宅では特に、冬の寒さに注意が必要です。春や夏に内見をして物件購入した後、冬を迎えて寒さに驚いたという事例も聞かれます。断熱性が低いと寒さを感じるだけでなく、結露によるカビの発生など衛生面にも影響が及びます。不動産仲介業者を通じて売主に確認するなど、季節による変化も注意したいポイントです。
間取りが想定と違った
今まで生活していた環境とスタイルが大きく変わることもあるので、内見時にはどのような間取りでどのような変化が想定されるか予測しておく必要があります。たとえば、3階建ての中古物件を購入した際、1階に洗濯機が設置され、バルコニーやベランダといった外干しスペースが3階にある場合など、濡れて重くなった洗濯物を3階まで運ばなければなりません。このほかにも、玄関からキッチンまでが遠く荷物を運ぶのに手間取る、など生活動線が明らかに悪い物件などは注意が必要です。
水回りの修繕が必要になった
目に見えないところで水漏れがあったり、給湯器が壊れていてお湯が出なかったりといった不具合がある場合があります。入居後にすぐ使用できなかったり、少し使用しただけで故障してしまったりするケースもみられます。
このようなトラブルを避けるために、あらかじめ売主に設備の設置状況や使用年数を確認しておくことをおすすめします。設備器具によって耐用年数は異なりますが、10年程度を目安に新しいものに交換を依頼するとよいでしょう。
断熱性や耐震性が心配
住み始めたあとで、断熱性能に問題があると感じる場合があります。断熱性能は法律で義務づけられていませんので、建物によって異なることを覚えておくとよいでしょう。また、地震があった際に揺れを大きく感じ、耐震性能に関して不安に感じることもあるようです。任意ではありますが、断熱や耐震の性能に等級を付けている建物もあります。したがって、それらの情報を参考にするのも対策として有効だといえます。
失敗を回避するために注意したいこと
先に解説した問題を回避するために、注意すべき点として以下のようなポイントがあります。
念入りに確認する
中古住宅の購入も、内見後に最終的な購入の判断をするのが一般的です。内見時には、内装や設備の状態を確認するとともに、修繕履歴を確認するようにしましょう。構造や基礎、水回りも確認したい箇所です。可能であれば時間帯をずらして内見し、日当たりやすきま風などをチェックすることも有効です。
地域の雰囲気を不動産仲介業者に確認する
近隣住民との関係性については、実際に住んでみないとわかりにくいですが、不動産仲介の担当者に質問してみるのはひとつの手です。地域の雰囲気などを質問すると、ある程度の情報は教えてもらうことが可能です。自治会の情報や周辺環境、朝の交通量や夜間の街の雰囲気なども、事前確認をおすすめします。
住宅ローン減税は中古物件も対象になる
「住宅ローン減税(控除)」は年末時点での住宅ローン残高(もしくは住宅取得対価)の金額の一部が所得税や住民税などから控除される制度のことです。新築物件だけでなく中古物件も対象になります。広さや用途、所得などの条件を満たし、木造戸建てであれば築20年以下、マンションであれば築25年以下の場合、住宅ローン控除が適用されます。
また、上記の築年数を超えている場合でも、「耐震基準適合証明書の取得」「既存住宅売買瑕疵保険への加入」「住宅性能評価書(耐震等級1以上)の取得」のいずれかの条件を満たしている場合は住宅ローン控除の対象となります。
契約不適合責任を知っておく
瑕疵保険により担保される「瑕疵担保責任」は、2020年4月の民法改正で「契約不適合責任」に変更されました。瑕疵担保責任で売り主に責任追及できた部分は「隠れた瑕疵」のみでしたが、「契約不適合責任」では隠れているか否かに関わらず「契約に適合しない内容」について追求が可能となりました。また買主は、売主に対して請求できる権利の幅が広がりました。
そのほか、改正前は売主が無過失でも損害賠償責任を負わなくてはなりませんでしたが、改正後は売主に過失がある場合にのみ損害賠償責任を負うこととされました。ただし、売主は無過失であっても、履行の追完請求、代金減額請求、契約の解除には応じなくてはなりません。
土地の調査の重要性を知る
ゲリラ豪雨や台風による浸水被害にも注意が必要です。建物には浸水による被害を補償する法律はありません。しかし、行政が掲示しているハザードマップなどを確認することで、浸水の可能性や程度を調べることができます。また、地震に対しては、活発に活動している断層の位置情報や「地震時の揺れやすさ」を調査することで対策することが可能です。
中古物件購入の成功例
中古物件を購入して、成功したと感じる人はどのような点に満足しているのでしょうか?具体的な、中古物件購入における成功例をご紹介します。
新築一戸建てよりも安く購入できる
中古住宅の魅力のひとつは価格です。一般的にリノベーションを含めても、新築の一戸建てを購入するよりトータルコストを低く抑えることができます。フルリノベーションをおこなう前提で物件探しをする場合、内装を気にしなくてよいため、購入候補となる物件の選択肢が広がります。新築より手頃な価格で、理想の間取りを実現できる点は魅力的です。
住宅ローンの返済額を抑えられる
住宅取得費を抑えられると、住宅ローンの返済額の負担も軽くなります。特に若い夫婦の場合は、毎月多額の住宅ローンを返済するのは、大きな負担になりがちです。その点、中古住宅を購入することで、新築に比べ月々の返済が軽くなる可能性が高まります。結果として、旅行や趣味に使えるお金が増え、長期的に暮らしを楽しむ余裕が生まれます。
資産価値が落ちにくい
新築の一戸建ては、購入直後から資産価値が下落し始めます。土地代は路線価で算出され、バブルなど経済環境による変動はありますが、通常は安定しています。しかし、建物は毎年一律に下がり、新築から25年程度で建物の価値はゼロになると言われています。対して中古の一戸建ては、新築一戸建てと比較して購入後の資産価値の目減りが少ないのが特長です。資産価値の目減りの点を考えると、中古住宅の購入は賢い買い方といえます。
ホームインスペクションを活用する
ホームインスペクションとは住宅診断のことです。ホームインスペクター(住宅診断士)が、専門家の目線でアドバイスをしてくれます。物件の劣化状況や欠陥の有無、修繕が必要な箇所や時期、おおよその費用を知ることができます。細かな部分まで調査が可能で、目に見えない範囲である床下や屋根裏などの調査も行い、一般の方では判別が難しい傷や汚れまでチェックしてくれます。
ただし、ホームインスペクションを利用するには、建物の所有者の許可が必要です。また、ホームインスペクションを受けることによって建物の引渡しが遅れることを覚えておきましょう。費用も決して安くはない金額ですが、居住・売買時のリスクにつながりやすい箇所の劣化状態を把握することができるメリットがあります。
中古住宅の購入についてのよくある質問
中古住宅の購入でよくある質問について、まとめました。
中古住宅の内見でチェックすべきポイントは?
まずは屋根や外壁、軒裏などの外観をチェックし、ひび割れや破損がないかチェックしましょう。室内では、玄関ドアや窓はスムーズに開閉できるか確認してください。床に傾きがあると、ドアの開閉がしづらい場合があります。水漏れの有無もチェックするとよいでしょう。
中古住宅を購入してリノベーションしたい場合の注意点は?
建物の構造や工法によっては、希望の間取りにできない場合があります。たとえば、壁で建物を支えている構造のマンションの場合、耐震性の関係で、撤去できない壁があります。一戸建ての場合は、立地などの影響で特殊な建築制限がないか確認しましょう。たとえば、防火地域・準防火地域に指定されている中古住宅の場合、外壁や屋根などの建材が制限されます。
まとめ
中古住宅は新築住宅と比較して、価格が手頃です。リノベーションで自分好みの住まいにすることも可能なので、今後ますます中古住宅に注目が集まると思われます。しかし、中古住宅ならではの注意点があることも事実です。購入後に後悔しないためにも、事前確認をしっかりとおこなった上で購入するようにしましょう。今回ご紹介した内容も参考にしてみてください。
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