リノベーションのメリット・デメリットは?中古マンションと戸建て住宅を徹底比較!

リノベーションのメリット・デメリットは?中古マンションと戸建て住宅を徹底比較!
中古マンション

住宅選びの際に新築ではなく、中古物件を買ってリノベーションすることを選ぶ人が増えています。中古一戸建てや中古マンションのリノベーションを行う場合、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。今回は、中古物件をリノベーションする際の、メリット・デメリットについて解説していきたいと思います。

目次

中古の戸建て住宅をリノベーションするメリットとは

中古の戸建て住宅をリノベーションする際の、メリットについて見ていきましょう。

建物のすべてを好きなように変更できる

戸建て住宅は、マンションと違って管理規約などによる制限がありません。そのため、窓や水回り、ベランダなども含めて住宅全体を自由にリノベーションできるのが大きなメリットです。管理規約などの制約がなく、個人の判断でリノベーションのタイミングや使用する素材、施工方法を決定することができる点もメリットといえます。

新築戸建ての購入に比べて費用を抑えられる

新築の戸建て住宅は予算的に購入が難しい、という人も少なくありません。特に都市部では土地の価格が高く、戸建て住宅を諦めてマンションを購入する人もいるでしょう。中古の戸建て住宅を購入してリノベーションする場合、新築の注文住宅に比べて費用が安く抑えられます。リノベーションなら内装は自分の好みに合わせられるため、注文住宅のような感覚でオーダーメイドの住まいがつくれます。

資産価値が下がりにくい

戸建て住宅の場合、建物と土地の両方を所有することになります。建物の資産価値は時間の経過とともに下がっていきます。築年数などの条件にもよりますが、中古戸建て住宅の場合、購入価格の大部分が土地代というケースも多く、資産価値の下落リスクは小さいといえるでしょう。

リノベーションのデメリット イメージ画像

中古の戸建て住宅をリノベーションするデメリットとは

中古の戸建て住宅をリノベーションする際には、どのようなデメリットがあるのか見ていきましょう。

入居までに時間がかかる

中古の戸建て住宅を購入してリノベーションをする場合、購入後すぐに入居することができません。設計の打ち合わせと工事で数ヶ月〜半年ほどかかり、工事完了まで入居を待つ必要があります。また、都心部では特に、中古マンションに比べて中古戸建ての物件数は多くありません。希望条件を満たす物件がなかなか見つからず、物件探しが長期化することもあるかもしれません。

費用が高額になる場合も

一般的に新築の注文住宅に比べて費用面のメリットがありますが、物件の状態やリノベーションの内容によってはそれなりの費用がかかります。屋根、外装、基礎などの補修が必要になった場合、中古マンションのリノベーションと比較して費用は高くなります。

断熱性能や耐震性が低い

古い戸建て住宅は、特に断熱性能や耐震性能を高める工事が必要な場合があります。安心安全に長く暮らせるよう建物全体の性能を高める工事が必要になることも。その場合、間取り変更などの工事費に加えて断熱リフォームや耐震補強工事などの費用がかかります。

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中古マンションをリノベーションするメリットとは

続いて、中古マンションをリノベーションする場合のメリットについて見ていきましょう。

戸建てに比べて物件価格が安い

中古マンションのリノベーションは、費用面でのメリットがあります。駅近で利便性の高いエリアで中古マンションと中古戸建てを比較した場合、中古マンションの方が安く購入できる場合が多いです。物件価格を抑えた分をリノベーション費用に充てることで、理想の住まいを実現しやすくなります。

物件の流通量が多い

一般的に中古マンションは、中古戸建てや新築マンションにと比べ流通量が多く、物件の選択肢が豊富です。そのため、希望に合う物件が見つかりやすいといえます。エリアや希望条件にもよりますが、特に都市部の中古マンション物件数は多い傾向があります。

家族構成や暮らしに合わせた間取りやデザインにできる

独身の方がひとりで生活をする場合と、子供がいるファミリーが生活するのとでは、理想とする間取りは変わってくるでしょう。たとえば、独身の場合、いくつも部屋があるよりも広いワンルームのほうが住みやすいと感じるかもしれません。一方、ご夫婦ふたり暮らしであれば、1LDKや2LDKのほうが快適かもしれません。子供がいる家庭なら、親と子の部屋が別々にある間取りが好まれるでしょう。リノベーションは、暮らす人の好みに合わせて自由に間取りが考えられる点も大きなメリットです。ライフスタイルに住まいを合わせることができます。

近隣や周辺環境を事前にチェックできる

せっかく理想の物件を見つけたとしても、近隣住民との関係によっては暮らしの快適性が変わってきます。「同じマンションに気難しい人がいたらどうしよう」「お隣さんはトラブルなく生活をしている人かな」など、気になる方もいるでしょう。モデルルームの見学で購入を決定する新築マンションの場合、周囲の環境を事前に確認することは困難です。しかし、中古マンションを買ってリノベーションする場合、近隣の様子を把握することができるため、購入前に不安を払拭しやすいと言えます。家の近くにスーパーや病院があるか、評判はどうなのか、治安がいいのかなどの周辺環境を自分で確認することも可能です。長く住み続けたい人にとっては、大きな安心となります。

築古でも売却しやすい

建物の資産価値は、新築時から年が経過するごとに徐々に下がっていきますが、ある程度の年数が経つと価値の下落率は小さくなります。しかし、売りに出した場合、同じ築年数が経ったマンションでも、リノベーション済みのものとそのままのものとでは、需要が異なります。リノベーション済みの物件は、間取りが今の暮らしに合っていたり、設備が新しくなっていたりして、住みやすいと感じる人が増えるからです。外観よりも、室内のきれいさを重視する人は多いため、リノベーションをした物件は築年数が古くても売りやすくなります。

環境に与える負担が小さい

古くなった建物を壊して新築する場合と、中古物件をリノベーションする場合とを比較すると、解体時の廃材の量は建物を取り壊す方が多くなります。工事で発生する廃棄物などが少なく、資源の節約ができるという意味で、リノベーションのほうが環境負荷が少ないといえます。環境問題への意識が高い方には特に、中古物件のリノベーションのメリットと感じられる点のひとつです。

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中古マンションをリノベーションするデメリットとは

つぎに、中古マンションを購入し、リノベーションして住む際にはどんなデメリットがあるのか見ていきましょう。

戸建てよりも自由度が低い

間取りや内装などをある程度自由に変えられるものの、戸建て住宅に比べ個人で判断できる範囲は狭まります。たとえば、共有部である窓サッシや玄関ドアの交換は個人の判断では行えません。マンションによっては管理規約で、フローリングの使用が禁止されていたり、フローリング材の遮音等級が定められている場合があります。

管理組合の許可を得る必要がある

マンションでは、専有部分であっても勝手に工事を行うことはできません。リノベーション工事を行う際は管理組合に図面などの資料を提出し、事前申請をおこなう必要があります。リノベーション工事は、管理組合の承認が下りてから着工する流れになります。

ローン金利が高くなる場合がある

中古物件の購入の際は住宅ローンを組むことが一般的ですが、リノベーション工事の場合、住宅ローンが適用されずリフォームローンを組むことがあります。リフォームローンは住宅ローンに比べると金利が高く、リノベーションの費用が多額になると、月々の返済額が新築を購入した場合とさほど変わらないことになる可能性も。

住宅ローンの金利相場は0.5%~2.5%が目安となっていますが、リフォームローンの金利相場は2.5%~4.5%と高く、最低金利が適応されても住宅ローンより金利が高くなる可能性はあります。

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リノベーションする際の注意点

戸建て住宅とマンションの両方に関して、中古購入してリノベーションする際に注意すべき点について見ていきましょう。

リノベーション一体型ローンの利用条件

中古住宅取得と同時にリノベーション工事を行う際に利用が可能な、リノベーション一体型ローン。一般的な住宅ローンと同等の金利、借入期間で利用できるもので、リノベーション工事費だけを借り入れるリフォームローンに比べて返済の負担が軽減されます。住宅取得とは異なるタイミングでリノベーション工事をおこなう場合、リノベーション一体型ローンの利用ができないため注意が必要です。

また、築年数の長い物件の場合、住宅ローン減税の対象外となることもあります。具体的には、戸建て住宅なら築年数が20年以上、マンションなら25年以上の物件です。築古の物件でも、耐震基準適合証明を受けている、既存住宅売買瑕疵保険に加入しているなどの条件によって住宅ローン控除が受けられますので、不動産会社の担当者や施工業者に相談してみてください。

追加工事が必要になることも

中古住宅のリノベーションでは、工事を開始してから追加工事が発生するケースがあります。たとえば、築古物件の場合、図面が残っていなかったり、図面と実際の状態が異なるといったことがありえます。そういった場合、既存内装を解体した後に変更が必要になったり、追加工事が発生することも。設計段階で工事業者にどういった可能性があるかを確認し、追加工事が必要になった場合の概算費用を聞いておくと安心です。

将来手放す可能性を考慮する

将来引っ越す可能性がある人もいるでしょう。その場合には、売却したり賃貸に出すことになります。リノベーションにかけた費用に比例して、売却額や賃料も高くなると考え人もいるかもしれません。しかし、実際にはリノベーションにかけた費用に比例するとは限りません。こだわって個性的な間取りやデザインにしたことで、逆に買い手や借り手がつきにくくなるケースも考えられます。将来売却や賃貸に出す可能性がある場合は、需要を考慮した内装にしておくことも検討してみてください。

確認しておくべき「再建築不可物件」の意味

物件探しをする中で「再建築不可物件」という言葉を目にしたり、「再建築不可物件だから相場より安い」という情報に触れたことがある方もいるかもしれません。具体的にどのような意味なのかご存じでしょうか?

再建築不可とは、「既存の建物を取り壊して、新しく建て替えができない」ことを示す言葉です。昔ながらの住宅密集地では家の前まで車が入れず、しばらく歩いて玄関まで行くような場所があります。こうした場所にある建物は、現行の建築基準法が施行される前に建築されています。現行の法律では、敷地が面する道路の幅員と敷地の間口幅に規定があり、幅4m以上の道路に2m以上の土地が接していないと新築を建てることができません。

建て替え不可の場合でも、内装をリノベーションすることで快適な住まいをつくることができます。しかし、一般の戸建てであれば大規模なリノベーションでも問題なことが多いですが、建築物の床面積が増加するような工事は建築確認申請が通らないなど注意点があります。検討する前にプロに相談することをおすすめします。

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ワンストップリノベーションってなに?

中古物件のリノベーションをする場合、多くの方は不動産業者に依頼して中古物件を購入し、そのあとリノベーション会社に依頼をして工事をおこなう流れを思い浮かべるでしょう。この流れは一般的ではありますが、最近では「ワンストップリノベーション」という方法を選ぶ方も増えています。

ワンストップリノベーションでは、物件探しからリノベーション完成までの工程を、すべて1つの会社がサポートします。物件探し、住宅ローン、リノベーションとそれぞれ別の業者に依頼する場合と異なり、窓口がひとつになります。

ワンストップリノベーションのメリットとデメリットを知ることで、選択肢のひとつとして活用しやすくなるでしょう。どのような特徴があるか見ていきましょう。

ワンストップリノベーションのメリット

  • 手続きにかかる手間が省ける
    物件探し、資金計画やローンの相談、リノベーションの設計・工事など、異なる窓口でそれぞれの担当者と話して進めていくことが一般的でした。しかし、ワンストップリノベーションではひとつの窓口でまとめてやりとりができ、手続きの手間が省けます。また、全体を俯瞰したアドバイスやサービスが受けられる点もメリットといえます。
  • 早い段階で費用の予測がしやすい
    物件の購入費用とリノベーション費用を別々に考えるのではなく、総予算を決めたうえで物件購入と内装工事の予算配分ができる点もワンストップリノベーションのメリットです。途中で経済的な不安を感じることなく、全体予算の中でおさまる物件購入とリノベーション工事がおこないやすくなります。

     

  • リフォーム一体型住宅ローンが利用できる
    依頼先や購入する物件にもよりますが、物件の購入とリノベーションの費用をまとめて借り入れる「リノベーション(リフォーム)一体型住宅ローン」の利用ができます。リフォームローンを利用してリノベーション工事費用のみを借り入れるよりも、金利を低く返済期間を長くできれば、そのぶん返済の負担が軽くなります。

ワンストップリノベーションのデメリット

  • 物件の選択肢が少なくなる場合がある
    ワンストップリノベーションを提供している会社によっては、その業者の扱う中古物件の中からだけ物件を紹介している場合があります。物件選びの選択肢が限られるという点がデメリットと言えるでしょう。

リノベーション予定ならリフォーム前の物件を

リノベーション前提で中古物件を選ぶのであれば、リフォームやリノベーションされた状態で売り出されている物件よりも、建築当時の状態のままの物件のほうがおすすめです。リノベーション済み物件の場合、内装工事費用が物件価格に上乗せされています。購入後にさらにリノベーションをすると、その分余計に費用がかかることになります。ワンストップリノベーション会社の物件探しのサービスを活用したり、リノベーション前提で物件購入を考えていることを不動産業者に伝えるなどしてリフォーム前の物件を上手に探しましょう。

マンションのリノベーションのメリット・デメリットについてのよくある質問

Q:ワンストップリノベーションの会社を選ぶポイントは?

A:ワンストップリノベーションでは、窓口となる担当者と数ヶ月にわたりやりとりすることになります。そのため、専門性はもちろんのこと、話しやすさや相談しやすさも会社を選ぶうえでのポイントになります。はじめから1社に絞らず、複数社に問い合わせてサービス内容や担当者との相性など、大切な家づくりをするうえで信頼できる依頼先を選ぶようにしましょう。

Q:リノベーション後のアフターサービスはある?

A:施工会社にもよりますが、リノベーション工事完成後のアフターサービスを用意しているところも多くあります。万が一の不具合や、施工箇所ごとの補償など、具体的な補償内容や範囲を事前に確認して工事会社を選ぶと安心です。

Q:リノベーションのイメージが決まっていなくても大丈夫?

A:具体的なイメージが固まったうえでリノベーション会社に問い合わせる方は意外と少ないものです。事前に理想を思い描いておきたいという方は、雑誌やリノベーション会社の施工事例を見ることで、自分の好みが把握しやすくなります。リノベーションー会社の担当者と話し合いながら決めていくことも可能ですので、まずは相談してみてください。

まとめ

中古住宅を購入してリノベーションするメリット・デメリットについて解説しました。戸建て住宅は工事範囲や施工方法まで、自分好みにリノベーションできるのが魅力です。マンションは物件の選択肢が多く、購入費用が抑えられる点が魅力です。ただし、どちらにもデメリットもあります。それぞれのメリットやデメリットを把握したうえで、後悔のない買い方を見極めることが大切です。
▼リノベーション基礎知識
リノベーションとは? リフォームとの違い

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